1,000万円の土地に相続税は発生しない?活用方法も徹底解説

相続で1,000万円の土地を引き継いだら、「何をしよう」と期待する方もいらっしゃる一方、「相続税はいくらになるのか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

ひと口に1,000万円の土地といっても、面積や立地が多様であることから利用方法も異なります。

また、1,000万円の土地だけでは相続税は発生しないので、相続税の計算ルールも知っておくことが必要です。

この記事では、「1,000万円の土地相続」について解説します。

土地の相続税評価額の計算方法や相続税評価額1000万円という土地の実際の価値、相続税額の計算方法、相続した土地の利用方法等について解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 土地の相続税評価額の計算方法や相続税の計算方法が分からない!
  • 「土地の相続税評価額は、本来の土地の価値よりもかなり低い」ってどういうこと?
  • 相続税評価額1000万円という土地の実際の価値って?
  • 相続した土地はどういう活用法がある?
株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.土地の相続税評価額の計算法

まず、一口で「1,000万円の土地」と言っても、「売ったら1,000万円になる土地」「相続税評価額が1,000万円の土地」は異なるという点がポイントです。

土地の相続税評価額は原則として相続税路線価によって計算されます。

相続税路線価とは、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」というホームページで閲覧できる相続税評価額を計算するための土地単価のことです。

ホームページには下図のような路線価図というものがあり、自分の土地の前面道路(路線)に対して単価が割り振られています。

例えば、自分の土地の前に「480D」という表記があったとします。

※数値の右端にA~Gまでのアルファベットがありますが、アルファベット部分は借地権割合というものを表しているため、とりあえず無視して大丈夫です。

路線価は「千円単位の㎡単価」ですので、「480」と記載されていれば、「480,000円/㎡」を意味します。

具体的な数値で見てみましょう。

150㎡の土地で、路線価が「480」の場合、土地の相続税評価額は以下のように計算されます。

土地の相続税評価額 = 面積(150㎡) × 相続税路線価(480,000円/㎡) = 72,000,000円

その他、形状や接道状況によって若干の修正がなされて最終的に土地の相続税評価額が決まります。

一方で、国税庁のホームページで路線価図を調べても路線価が出てこない地域があります。このような地域は「倍率地域」と呼ばれます。

倍率地域では、同じく国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のホームページより倍率表を参照します。

倍率表には、以下のようにその地域に適用される倍率が記載されています。

倍率地域の土地は、土地の固定資産税評価額に倍率を乗じたものが相続税評価額となります。

倍率地域の土地の相続税評価額 = 土地の固定資産税評価額 × 倍率

土地の固定資産税評価額とは、固定資産税納税通知書に記載されている「価格」のことです。

固定資産税納税通知書には、「価格」と「課税標準額」が記載されていますが、相続税評価額を求めるには「価格」の方を用います。

2.相続税評価額1,000万円の土地の価値

土地の価値とは、本来なら「売ったらいくらか」が土地の価値になります。

そのため「売ったら1,000万円になる土地」と「相続税評価額が1,000万円の土地」は異なるというのが一般的です。

相続税路線価は、実際の時価よりもかなり低めに設定されています。

相続税評価額の元となっている価格は、地価公示価格と呼ばれる価格です。

地価公示価格とは、全国にある約26,000地点の地価公示ポイントにおける毎年1月1日時点の評価額になります。

相続税路線価は、地価公示価格を元に決定されており、地価公示価格の概ね80%程度が目安です。

一方で、地価公示価格は時価よりも若干低く評価されています。

都市部の場合、時価は地価公示価格の1.5倍近くになっており、立地の良い場所では2倍以上になっているエリアもあります。

また、地方の場合、時価は地価公示価格の1.0~1.1倍程度です。

そのため、例えば都市部の土地の場合、相続税評価額が1,000万円の土地でも時価は2,000万円程度となることもあります。

地方の土地では、相続税評価額が1,000万円の土地でも時価は1,400万円弱程度です。

逆にいえば、都市部の場合、「売ったら1,000万円の土地」でも「相続税評価額は500万円程度」という関係になります。

土地の相続税評価額は、本来の土地の価値よりもかなり低いということを知っておきましょう。

3.土地の相続税額の計算方法

この章では相続税額の計算方法について解説します。

相続税は単体の資産に対して課税されるものではなく、被相続人(死亡した人)が残した全ての資産に対して課税が行われます。

資産は土地や現金のようなプラスの資産だけでなく、借金のようなマイナスの資産も含みます。

「1,000万円の土地」という単体資産に対して課税されるわけではなく、負債を含めた全体の資産に対して相続税の計算が行われるということです。

相続税の計算をする上で、重要なのが「基礎控除額」で、相続税は基礎控除額を超えた部分に対して課税がなされます。

課税対象の遺産相続 = 課税価格 ー 基礎控除額

基礎控除額の計算方法は以下の通りです。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、残される相続人が「配偶者と子供2人」の場合、法定相続人は3人で、法定相続人が3人の場合の基礎控除額は4,800万円です。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3(法定相続人の数) = 3,000万円 + 1,800万円 = 4,800万円

仮に、被相続人が「1,000万円の土地」と「300万円の現金」を残した場合、被相続人の遺産総額は1,300万円ということになります。

遺産総額が1,300万円で、かつ、法定相続人が3人の場合、課税対象の遺産総額は基礎控除額を下回るためゼロ円となります。

課税対象の遺産総額 = 課税価格 - 基礎控除額 = 1,300万円 - 4,800万円 → ゼロ円 (マイナスの場合はゼロ円)

法定相続人が1人であっても、少なくとも基礎控除額は3,600万円もあるため、遺産が1,000万円の土地しかない場合には相続税はゼロ円です。

国税庁によると、相続税の課税対象者は全体の全体の8%程度しかいないため、92%の人は基礎控除額を上回る資産を残さずに死亡していることになります。

1,000万円程度の土地を引き継ぐケースであれば、基本的には相続税は発生しないものと思われます。

【国税庁HP】令和元年分相続税の申告事績の概要

また、1,000万円の土地にフォーカスして説明してきましたが、2,000万円の土地を相続した場合であっても、考え方は基本的に1,000万円の土地を相続した場合と同じです。

相続税評価額が2,000万円程度の土地であれば、都市部の場合、売却すると4,000万円以上となる可能性はあります。

また、相続財産が2,000万円の土地しかなければ、基礎控除額を下回るため、相続税は発生しません。

他の資産や負債と合算し、遺産総額が基礎控除額を上回るケースでは、相続税が生じることになります。

4.法定相続分に応じた取得金額と税率

相続税は、最初に各相続人の法定相続分に対する税額を求め、次にそれを合計するという2つの手順で求めます。

相続税を求める手順

第1手順:各人の法定相続分に対する税額 各人の法定相続分に対する税額 = 課税対象の遺産総額 × 法定相続の割合 × 相続税率 - 控除額

第2手順:相続税総額 相続税総額 = 「各人の法定相続分に対する税額」の合計

第1手順で利用する税率と控除額は下表の通りです。

法定相続分に応ずる取得金額

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,70万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%50万円

5.相続税評価額1000万円の土地の広さ

相続税評価額1,000万円の土地は、決して広い土地ではありません。

相続税路線価は地価公示価格の80%程度ですので、地価公示価格から相続税路線価を推定することができます。

令和2年の各県庁所在地における住宅地の地価公示平均価格より、各地の相続税評価額が1,000万円の土地の面積を推定すると下表の通りです。

エリアR2公示平均価格路線価平均価格面積
東京都23区631,300505,0406坪
大阪市246,800197,44015坪
金沢市80,90064,72047坪
長野市53,30042,64071坪
秋田市32,30025,840117坪

このように一口で「1,000万円の土地」と言っても地域で大きな差があります。東京23区の場合、たった6坪程度の土地にしかならない場合もあり、最大の秋田市では、約117坪程度となります。

6.相続税評価額1000万円の土地の利用方法

相続税評価額1,000万円の土地は、上で説明した通り「都内なら6坪程度、秋田市でも117坪程度」でした。

このように同じ1,000万円の土地でも土地の広さには大きな違いがあるので、この章では6坪~117坪程度の土地の売却・活用方法について解説します。

売却

ここまでは様々な活用法を紹介しましたが、「活用するのは難しいのですぐに売却してしまいたい」と思う方も多いでしょう。

土地の大きさによっても売りやすさは異なるため、土地の広さ別にいくつかの例を挙げます。

30坪以上

ある程度の面積のある土地であれば売却を選択することができます

一般的には、30坪を超えててくると戸建て用地としての市場価値が出てくるため、30坪を超えるような土地であれば売却は可能です。

20~30坪

20~30坪程度は少し狭いですが、まったく売れないわけではなく、狭小地として売ることはできます。

20坪以下

20坪を下回るような土地だと狭すぎて売却しにくいため、売却するのであれば、隣地所有者に買ってもらうという方法が考えられます。

15坪以上

15坪以上あれば、狭小住宅なら建てることが可能です。売却は難しい広さのため狭小住宅を検討するのも一つの手です。

売却を検討するなら

このように土地の広さによっても売りやすいか売りづらいか、またどのような用途で売却などが異なります。

そして注意しなくてはならないのは、不動産会社の強みによっても査定額が異なるということです。

あくまで査定額は不動産会社がいくらで売れそうなのか判断した価格です。

不動産会社ごとに、実績や算出方法が異なるので、不動産会社によって査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

その為、不動産査定は複数の不動産会社に依頼して、比較検討することがとても大切です。

査定額が高すぎる不動産会社は危険

査定額が高すぎる不動産会社は危険

ただ、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのは大変です。

そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。

不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと

便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。

多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。

実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。

一括査定サイトのオススメ3選

  1. 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
  2. NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
  3. 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール
  4. ※番外:一括査定と合わせて使うことで効果を発揮する「 SRE不動産(※旧ソニー不動産)

実績や信頼性はもちろんですが、上記3サイトは、机上査定での査定依頼が出来る点も大きなポイントになります。

机上査定とは、依頼時に入力した物件の基本情報を基に算出する査定方法で、不動産会社の担当者に物件を見てもらう必要もなく、家に居ながら気軽に査定額を知ることが可能です。

依頼時にメールで査定額を提示して欲しい旨を備考欄で伝えておけば、査定結果や担当者とのやり取りはメールで進むので、営業電話にも悩まずにやり取りすることも可能です。

オススメサイトの併用が鉄則

一括査定サイトごとに提携会社の性質は異なる為、売却を成功するためには、複数の一括査定サイトの併用がオススメです。

サイト選びのポイントとしては、売却物件のエリアに応じて、下記のような使い分けがいいでしょう。

所在地別地域毎のおすすめ

対象物件種別

おすすめポイント

物件所在地に応じたおすすめの使い方

不動産一括査定は、各社の特徴を活かして、複数社への査定依頼がおすすめです。

都心(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良)の場合

一括査定サイトの他にも、売主専門の不動産仲介会社SRE不動産への相談がおすすめ

県庁所在地など比較的人口が多い都市の場合

すまいValueで大手へ、HOME4Uで地元密着から大手へ査定依頼することで漏れなくチェック

田舎など人口が少ない都市の場合

地方の提携企業も多いHOME4Uとイエウールの併用使いがおすすめ

査定対象の物件種別を比較

  • ◎特化してる
  • ○対応している
  • △要相談
  • ×対応していない
サイト名戸建マンション土地投資物件農地
○○○△△
○○○△△
○○○△○
○○○○×
○○○××
×◎×××
○○○△○
○○○△△
サイト名戸建マンション土地投資物件農地

提携会社数・特徴

サイト名提携会社数特徴公式サイト
大手不動産6社
※小田急不動産、住友不動産販売、野村の仲介、三菱地所ハウスネット、東急リバブル、三井のリハウス
・大手不動産6社にまとめて査定依頼できる
※この6社に依頼できるのはすまいValueのみ
公式サイト
1,300社以上・NTTグループで安心、実績も抜群
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公式サイト
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1,700社以上・サポート体制が充実
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公式サイト
約700社以上・収益物件に特化
・最大10社から一括査定可能
公式サイト

土地活用をする

相続した土地は、土地活用をするという選択肢もあります。土地の大きさにより適切な活用は異なってきます。

60坪以上

60坪以上ある場合は小規模なアパート経営も検討出来る広さです。

広い場合は、他にも選択肢が多くあると思いますので、様々なプランを比較検討していきましょう。

15坪以上~60坪未満の土地

15坪以上~60坪未満の土地は、活用するなら「戸建て賃貸」が適切です。

一戸建てなら建てられる広さなので、一戸建てを建てて貸す事業なら土地活用ができると考えられます。

6坪程度

約1,000万円の土地というと東京都は6坪程度しかありませんが、6坪あれば「1台の時間貸し駐車場」なら行うことができます。

時間貸し駐車場は1台からでも可能ですので、興味のある方は駐車場運営会社に相談してみてください。

土地活用を検討するなら

アパート経営や駐車場、商業テナントや老人ホームなど、土地活用には様々な種類があります。

しかも、それぞれ対応できる会社は異なりますし、元々、あなたが頭の中で描いていた土地活用がベストの活用方法とは限りません。

選択肢を狭めずにベストな方法を探るには、複数社への相談が必須になってきます。

また、同じジャンルを得意とする会社の中でも初期費用や収益は大きく差が出てくるのが一般的です。

より多くの会社に相談をしながら、プランニングを進めていきましょう。

複数社への相談を進める際には、土地活用の一括資料請求をすることができる「 HOME4U土地活用 」が便利です。

HOME4U土地活用 」では、1分程度の簡単な項目を入力するだけで、無料で一括資料請求ができます。

土地活用一括資料請求をする流れ

土地活用一括請求を利用する流れ

HOME4Uの一括資料請求サービス5つの強み

  • 一度の依頼で最大7社に無料プラン請求が可能。効率的に比較検討が出来る。
  • 選択した企業以外からの連絡は来ないので、営業電話を最小限に抑えられる
  • 業界最長19年間で培われたノウハウで、悪質業者は排除し、優良企業のみと提携
  • 情報サービス事業の最大手、NTTデータグループの運営でセキュリティも安心
  • 専門アドバイザーへの無料電話相談サービスが便利

まとめ

以上、1,000万円の土地相続について解説してきました。

土地の相続税評価額は相続税路線価を元に計算します。

相続税評価額1,000万円の土地の価値は、地方では1,100万円程度、都市部では1,500万円を超えるようなケースもあります。

相続税は基礎控除額を超える部分に対して課税が行われます。

相続税評価額1,000万円の土地の利用方法としては、「売却」「自分で使う」「土地活用をする」の3種類が挙げられます。

1,000万円の土地を相続したときの参考にしていただけると幸いです。

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