供給過剰だから頭を捻る!アパート建築の成功はターゲットの絞込企画

投稿日:2017年8月8日 更新日:

2016年におけるアパート等を含む貸家の着工件数は、418,543戸であり、前年比10.5%増となりました。

貸家の供給は5年連続で増加しており、その勢いは止まりません。

一方で、アパートは供給過剰感も懸念されています。

2017年に入り、日銀がアパートの供給過剰を懸念し、アパートローンの監視強化にも乗り出し始めました。

このような供給過剰が続く中、アパート建築を考えている人の中には、

  • 普通のアパートを建ててしまって大丈夫だろうか?
  • ハウスメーカーが大丈夫、大丈夫と言うが、本当は不安だ?
  • 周囲に空アパートが多いが、将来あのようなアパートになってしまうのだろうか?

等々のことを思っている方も多いことでしょう。

結論からすると、これからの時代、スマホを意識したアパートの企画をする必要があります。

「アパートとスマホ?」と思われるかもしれませんが、後ほど詳しくご説明します。

そこで今回の記事では、アパート建築の「企画」についてご紹介します。

この記事を読むことで、あなたはアパート建築の企画の重要性を理解することができます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.2017年現在のアパート企画の現状

1-1.差別化しにくいメーカー事情

ハウスメーカーにアパート建築を依頼すると分かるのですが、実はハウスメーカーは企画モノをすごく嫌がります。

ハウスメーカーのアパートはほとんどの部材を工場で生産し、現場ではプラモデルのように組み立ててアパート建築を行います。

従来の大工さんが現場で長い時間作業する現場施工とは工法が異なります。

ハウスメーカーの工法は、品質が高く、工期もとても短く、なおかつコストも安いというメリットがあります。

しかしながら、ハウスメーカーのような工場生産の工法にもデメリットがあります。

それは、自由度が低いという点です。

ハウスメーカーのアパートは企画を統一することで、コストダウンを図っているため、オリジナルの企画に対応できません。

一戸建の注文住宅のように、こだわって作ることができないという弱みを持っています。

そのためオーナー側からハウスメーカーに対し、建物の企画を提案しても、なかなか受け入れてもらえないという実情があります。

1-2.差別化すると目立つアパート

一方で、別の見方もあります。

国内のハウスメーカーの現状を考えると、ほとんどの新築アパートは際立った企画がないため、「似たり寄ったりのアパート」になっています。

このような現状だと、アパートは最終的に「賃料の安さ」で勝負していくしかありません。

供給過剰の中で、ほとんどのアパートは差別化できていないため、どのアパートも価格競争に巻き込まれやすい状況になっています。

このような中、きちんと差別化したアパートを建築すれば、キラリと光る存在になります。

選ばれやすく、価格競争にも巻き込まれにくいアパートになります。

以上、ここまでアパート企画の現状について見てきました。

それでは次にスマートフォン時代について見ていきましょう。

2.アパート企画もスマートフォン時代に突入している

2-1.検索はPCからスマホへ

不動産業界のインターネット化はかなり以前から進んでおり、借手はもはやインターネットで物件を探すのが当たり前の時代です。

インターネット時代もさらに進化し、最近では物件をパソコンではなくスマホで探す人たちが急増しています。

アパート建築では、このスマホで物件検索を行うという特性を捉えなければなりません。

スマホは手軽で便利なのですが、画面が小さいというのが最大の弱点です。

そのため、スマホユーザーは検索条件を追加して、物件をどんどん絞り込むという検索行動をとります。

2-2.スマホユーザーは相当絞り込む

例えば、東京都港区で賃貸物件を探してみます。

不動産ポータルサイトであるSUUMOでは、2017年7月現在、東京都港区の賃貸物件で約36,600件がヒットします。

スマホで物件を探そうとしている人は、この約36,600件の全部を絶対に見ません。

スマホのトップページに表示されるのは10件程度ですので、36,600件も見ようとすると、3,660回もページをめくることになります。

そこで、ほとんどのスマホユーザーは、検索条件を追加して、絞込を行っていきます。

駅距離や賃料帯、間取り、専有面積等、ガンガン条件を追加して絞っていきます。

ちなみに東京都港区で「賃料13万円以下、礼金なし、ワンルーム、マンション、駅5分以内」で絞り込んでもまだ約470件もヒットしました。

これでも正直、全部は見切れません。

そこで登場するのがこだわり検索条件です。

例えば、「事務所利用可」という条件を加えるだけで、物件が約470件から一気に19件に絞り込まれます。

「ルームシェア可」という条件を加えると7件まで下がります。

十数件のレベルまで来ると、スマホでもじっくり物件検索するようになります。

条件をどんどん追加することによって、ようやく検討の俎上に載ってくるのです。

通常、ハウスメーカーによる新築アパートは、広く万人受けするアパートを建築します。

「誰にでもどうぞ」というスタンスでアパートを供給します。

一方で、スマホユーザーは、どんどん絞り込んでいくため、鋭くとがった企画でない限り、ユーザーの目に留まることはありません。

スマホユーザーは小さい画面で物件を検索するため、十数件の検討で手一杯になります。

スマホの小さな画面上に如何に残るかが、これからのアパート経営の鍵を握るのです。

以上、ここまでスマートフォン時代について見てきました。

それでは次にポータルサイトの絞込項目について見ていきます。

3.ポータルサイトの絞込項目

そこでさらにアパートを成功させるためにポータルサイトを分析していきましょう。

3-1.企画するなら入居条件

ポータルサイトには、駅距離や面積、間取り、構造、角部屋等々の絞込項目があります。

これらの項目は、アパートを建築してしまえば変えようがありません。

また、バス・トイレ別や浴室乾燥機、駐車場あり、宅配ボックス、バルコニー付等々の建物スペックに関する項目もあります。

このような建物スペックは、最近の新築アパートであればほぼどれも同じであるため、差別化にはなりません。

冒頭で紹介したように、ハウスメーカーは企画を嫌がるため、建物スペックで目新しいものをなかなか入れてくれない可能性があります。

そのため、建物スペックで差をつけるという発想は、捨てても構いません。

そこで注目したいのが、検索条件の中でも「入居条件」と呼ばれるソフトの部分です。

建物スペックはハードの部分であり、自由度が利きませんが、入居条件であればオーナーが決めることであるため、自由度が利きます。

入居条件:「女性限定」「ペット相談可」「楽器相談課」「事務所利用可」「カスタマイズ可」「DIY可」「二世帯向き」「高齢者相談」というような条件

3-2.入居条件による絞込効果

例えば、東京都港区では賃貸物件が約36,600件もヒットします。

これが「女性限定」というたった一つの条件を加えるだけで25件まで激減します。

港区には女性が12万人以上も住んでいますので、

どう考えても女性限定の賃貸マンションを検討している人が25人以上はいるはずです。

港区の場合、「女性限定」であれば他の条件が悪くても、かなり競争力の高い物件になることが考えられます。

厳しい検索条件でも生き残る物件であれば、スマホユーザーの目に留まります。

ポータルサイトの検索条件にあるような企画であれば、物件を探している人の目に届きやすいです。

企画は自由に考えるのではなく、ポータルサイトの検索条件を良く見ながら決めましょう。

企画に関しては、特にこのような「入居条件」に関しては、コストをかけずに実行できる対策がおススメです。

設備等のハード面の企画は、コストもかかる上、簡単に真似されやすいという性質があります。

ポータルサイトの入居条件を中心にアパート企画を考えるようにしてください。

以上、ここまでポータルサイトの絞込項目について見てきました。

それでは次にターゲットの絞込について見ていきます。

4.ターゲットの絞込

4-1.ターゲットを絞り込めるオーナーは少ない

アパートの企画でターゲットの絞込の話をすると、ほとんどの方が抵抗します。

ただでさえ入居者集めが厳しいのに、ターゲットを絞り込んでしまったら、ますます入居者が集まらなくなるのではないかというのが理由です。

確かに、ターゲットを絞り込むとリスクがあるという考えも正しいです。

特に、このようなターゲットの絞込の考えは、田舎ほど通用しません。

田舎は絞り込んだターゲットの絶対数が少ないため、ターゲットの絞込にはリスクを伴います。

一方で、都心部であれば、ターゲットの絞込の考えは導入すべきです。

例えば、10戸のアパートを経営するのであれば、極端な話、世の中にお客様が10人だけ居れば良いはずです。

そもそもアパート経営は、何百人も何千人も相手にする商売ではありません。

例えば、都内の物件であれば、女性限定のアパートを望んでいる女性は、10人以上は居るはずです。

そのような状況であれば、「誰でも入れます」というどこにでもあるアパートを作るよりも、「女性限定です」という尖がった企画のアパートを企画した方が選ばれやすくなります。

4-2.供給過剰なら絞り込むべき

供給過剰であればあるほど、選ばれる必要性が出てきます。

常に10人程度のお客さんを相手にするアパート経営では、ターゲットを絞り込んだ方が少数派に確実に選んでもらえるチャンスが広がります。

ターゲットの絞込はお客を減らす行為に思えますが、実は確実に選んでもらえるチャンスを増やす行為でもあるのです。

5.まとめ

以上、供給過剰時代だから行うアパート建築におけるターゲットの絞込企画について見てきました。

絞込企画でスマホ画面に生き残るアパートを目指しましょう。

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