不動産売却で競合物件に負けないための対応・注意点と早く売るためのコツ

不動産売却で競合物件に負けないための対応・注意点と早く売るためのコツ

不動産の売却活動において、「あの時の購入希望者はどうなりましたか?」、「いや~、他の物件に決まってしまいました。」というケースがあります。

不動産会社が連れてきた購入希望者が、他の競合物件に取られてしまった場合です。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 不動産売却時に競合がいるときの注意点を知りたい
  • 競合がいても成功する方法やコツが知りたい

そこで、今回の記事では不動産売却で競合がいる場合の注意点と成功する確率を上げる方法について、注意点や解決方法など、読めば解決できるまで丁寧に説明しています。

ぜひ最後までご覧いただけると幸いです。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.不動産売却で競合がいるときの注意点

不動産と一般消費財との違い

不動産の売買を考える前に、まず一般消費財の売買について、少しだけ確認します。

モノの価格というのは需要と供給の関係によって決まります。

経済学者であるアダム・スミスが説明した需要供給曲線というものがありますが、モノの価格は原則として需要と供給が一致したところで決まります。

買いたいという需要が増えれば価格が上がり、売りたいという供給が増えれば価格は下がります。

バブル崩壊後、しばらく日本はデフレの状態が続いていました。牛丼やハンバーガーの値段がどんどん下がったのもこの時期です。

例えば、吉野家と松屋、マクドナルドとロッテリアなどが激しい値下げ競争を繰り広げていたことを覚えている方も多いと思います。

モノを売る供給側が競争すると、価格は下がります。

不動産における需要と供給の関係

では不動産の売却についてはどうでしょうか。

仮に、例えば牛丼を販売しているA社とB社か値下げ競争を繰り広げている最中に、それぞれの本社ビルを売却するという話になったとします。

この際、牛丼の値下げ競争中であるA社とB社が、果たして本社ビルも値下げ競争するでしょうか。例えばA社が「うちの本社ビルを1円でも安く、B社の本社ビルよりも安く売ろう」と企業努力をするでしょうか。

通常は、競合関係にあるA社とB社でも、本社ビルの売却に関しては、競争はしません。これは不動産会社同士の本社ビルの売却でも同じです。

何故かと言えば、どの不動産も、立地条件などを考慮すると世界でたった一つしかない唯一無二のものだからです。

不動産売却は競合するという事は基本ない

A社とB社では「牛丼」という同じものを売っていましたが、A社とB社の本社ビルは同じものではありません。

同じものを売っていない以上、競合には成り得ないのです。似た例を示すと、絵画があります。

ゴッホの絵画もピカソの絵画も同じ絵画ではありますが、それぞれ唯一無二のものです。

そのためオークションで売り出しを見れば、売主(供給側)で競合は発生していません。

唯一無二のモノを売るときは、売主同士で競合するということは基本、無いのです。

売主が競合させられるケースは専任媒介契約

しかしながら、現実の不動産売却においては競合が発生しています。

正確に言うと、競合が発生しているように仕向けられています。

本来、唯一無二の不動産を売却しているはずなのに、何故、競合が起こってしまうのでしょうか。

大きな原因としては媒介契約が関係しているのです。

専任媒介契約と一般媒介契約の違い

専任媒介契約と一般媒介契約の違い

上図の左は専任媒介契約をしたことによって、売主が競合させられているケース、上図の右は一般媒介契約によって買主が競合させられているケースです。

左の様に不動産会社Aが専任媒介契約を複数持っていれば、買主を連れてきた際、手持ちの売物件をいくつか紹介することが可能です。

専任媒介契約にしてしまうと値下げすることになる可能性が

つまり左図のような専任媒介契約にしてしまうと、価格を下げないと売れなくなるという事態にも成り得ます。

これはあくまでも、不動産会社の媒介契約の種類によって競合の受けやすさを説明したものになります。

「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」では、取引構造として売主が競合を受けやすくなります。

競合により値下げを防ぐには一般媒介契約にすることだが・・・

一方で、「一般媒介」では、取引構造として売主が競合を受けにくくなります。

不動産は唯一無二の財であるため、一般媒介のような取引形態にすると、オークション形式に近くなり、買主側に競争原理を移転することが可能となります。

一方で、例え一般媒介でも、買主には選ぶ自由が残っています。やっぱりゴッホは止めてピカソにしようと思うことはあり得ます。

そのため、一般媒介にしても競合を完全に排除することは出来ません。

そこで次に競合がいる時の対処方法について見ていきましょう。

2.競合物件がいたときに成功するための対処法

競合に勝つためには、物件をいかに良く見せるかにかかっています。

そのポイントは物件内覧時の対応にあります。

内覧時に重要な5つの行動

興味を持ってくれた購入希望者に「買いたい」という意思決定を起こさせるためには、内覧時に以下の5つの行動を行ってください。

①スリッパを必ず用意する

内覧時は購入希望者用のスリッパを必ず用意してください。

些細なことですが、内覧者にとって、スリッパを履かずに内覧をすることは苦痛以外の何物でもありません。

特にフローリングのある家をスリッパ無しに10分以上内覧すると、足が底冷えします。

顧客はじっくり見るどころか、早く帰りたいという気持ちになってしまいますので、必ず人数分のスリッパは用意しましょう。

②部屋を綺麗にする

部屋は必ず綺麗にしてください。不要なゴミは極力捨て、全ての部屋に電気をつけて明るくしておきます。

特に風呂や台所、洗面所といった女性が気にする部分は入念に掃除をしておいてください。生活感あふれる汚い部屋を見せられたら、買う気が一気に失せてしまいます。

部屋を売るのではなく、「ここに住んだらこんな素敵な生活ができる!」という夢を売るようにしましょう。

③奥様だけで対応する

内覧時は奥様だけが対応してください。ご主人には子供を連れて外で待機してもらいましょう。買主も奥様同伴で来るケースが多いです。

不動産の売買においては、購入者の奥様が気に入ったから最終的に買うということも少なくありません。

その際、奥様とコミュニケーションを取りやすいのは、やはり売主の奥様です。女性の視点で買主の奥様に物件の魅力を説明してあげましょう。

④セールス用の売却理由を用意する

内覧時には購入希望者から「なんで売却するのですか」という何気ない質問を受けます。

買主としては世間話程度の質問ですが、その際、例えば「収納が狭いから」などというネガティブな回答をしてはいけません。

売却理由が物件に関するネガティブな理由だと、買主も買う気が失せてしまいます。

「子供の成長に合わせて広い家に引っ越したい」などの前向きに聞こえるような回答を用意しておきましょう。

家売却の理由については下記記事で詳しく解説しています。

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⑤近所のお得情報を用意しておく

ここに住んだことのある売主ならではのお得な「ご近所情報」を伝えると物件以外でも価値が出せます。

例えば「あそこのスーパーは肉が良い」、「あの歯医者は治療が早い」などの住民情報です。

住民ならではのお得な情報は不動産会社には提供できません。

たくさんお得な情報を提供し、「この人から買いたい」と思わせるようにしましょう。

内覧の対応については下記記事で詳しく解説しています。

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以上、競合がいたときに成功するための実施すべき5つの内覧対応について見てきました。

最後に不動産売却をスムーズに進めるためのコツについて、少し触れます。

3.不動産売却をスムーズに進めるためのコツ

これから不動産売却を考える方は、一般媒介でスタートしてみましょう。

ポイントは購入希望者を増やし、売主ではなく、購入者に競合させることです。

でも正直なところ一般の人ではそんなに複数の不動産会社を探すことができません。そこでオススメなのが不動産一括査定サービスです。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

一括査定サービスの仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

一括査定の流れ

不動産一括査定サービスを使うと、あなたが売ろうとしている不動産情報を入力すると、自動的に不動産会社をマッチングしてくれるサービスです。

効率よく不動産会社を探すことが可能になります。

不動産一括査定サービスのオススメは 「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
こう見ると、上4つがずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井不動産」「住友不動産」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

ご要望・ご質問の欄にメールでの査定額を希望

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

専任媒介契約が締結の人は、契約切れを待つか内覧対応を見直し

また既に専任媒介で始めてしまった方は、とにかく内覧対応を見直してください。

不動産会社に任せっきりではなく、内覧対応を良くすることで、買主の最後の背中を押してあげましょう。

4.まとめ

不動産の売却において、本来、売主は競合しません。

一般媒介でオークションのように競合を買主側に移転することは可能。

さらに内覧対応で商品の魅力を引き上げ、オークションを成功させましょう。

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