住宅の購入は数千万円もする人生最大の買い物であるため、慎重に行いたいと思っている人は多いと思います。
しかし、住宅の購入は早い者勝ちなので、良い物件が見つかったらパッと購入申し込みをする決断力も必要です。
家購入の申し込みには「慎重さ」と「大胆さ」の2つが必要であり、これらの両立する難易度はとても高いです。
家購入の申し込みで失敗しないためには、家購入の申し込みの基礎知識を知り、しっかりと準備をすることがポイントです。
- 家購入時の申し込み方法について知りたい
- 申し込みした後にキャンセルできるかについて知りたい
- 売買契約後にキャンセルできるかについて知りたい
この記事では「家購入の申し込み」について解説します。
新築物件と中古物件を購入する際の申し込み方法の違いや、価格交渉の目安、申し込み後のキャンセル、申し込み前にやっておくべきこと等について紹介します。
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家購入の流れ
家購入の流れを図にすると以下のようになります。
情報収集 ⇒ 物件見学 ⇒ 購入申し込み
家購入では、まず物件の情報収集を行うことからスタートします。
新築物件ならモデルルームの見学に行き、中古物件なら現地見学を行います。
物件見学の結果、気に入った物件が見つかったらこの段階で購入の申し込みを行います。
具体的には新築物件においては現地の販売事務所で「申込証拠金」を支払います。
また、中古物件においては「買付証明書」と呼ばれる書面を提示します。
売買契約 ⇒ 住宅ローン審査 ⇒ 引き渡し ⇒ 引っ越し
申込から契約までに、住宅ローンの仮審査を通しておくことが適切です。
住宅ローンの本審査は、売買契約の後になります。
本審査が売買契約の後になる理由は、住宅ローンの本審査に売買契約書が必要だからです。
つまり、売買契約を締結しても、本審査に通らなければ住宅を買えないことになってしまいます。
売買契約後に解約にならないようにするためにも事前に住宅ローンの仮審査を通しておくことをオススメします。
尚、住宅ローンの仮審査が通らなかった場合の申し込み後のキャンセルについては「申し込みと売買契約で異なるキャンセル規定」で詳しく解説しています。
購入申し込みの後、売主と条件の合意ができたら売買契約の締結です。
不動産の売買では、購入申し込みだけでは売買契約をしたことにはならず、別途、書面で売買契約書を締結した段階で初めて売買契約は成立します。
売買契約のタイミングでは買主は売主に対して手付金を支払います。手付金は売買金額の10%程度が相場です。
住宅ローンは引渡と同時に実行され、引渡が終わった後は引っ越しを行い、家購入は完了です。
家を購入するときの細かい流れと重要ポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
家購入の申し込みの2つのパターン
この章では、新築物件と中古物件の購入申し込み方法について見ていきましょう。
新築物件の購入申し込み
新築物件の購入申し込みは、モデルルーム等の現地の販売所で行うことが一般的です。
具体的には、購入申込書に必要事項を記載し、「申込証拠金」を支払います。申込証拠金の相場は5万~10万円前後が多いです。
申込証拠金は、冷やかしではないことを証明するための金銭となりますが、売買契約が成立すればそのまま手付金の一部として充当されます。
新築物件の購入申し込みは「先着順」または「抽選」があります。
新築の戸建ては先着順となることが多いですが、マンションや大規模開発分譲地では抽選となることが多いです。
気になった物件があれば、「先着」か「抽選」なのか事前に確認しておきましょう。
中古物件の購入申し込み
中古物件の購入申し込みでは、「買付証明書」と呼ばれる書面を売主または不動産会社に提示します。
買付証明書には、購入希望価格、代金の支払い条件、引き渡し希望日などの基本的な購入条件を記載します。
中古物件の取引では、新築物件のように「申込証拠金」はないことが一般的です。
値引き交渉をしたいときは、購入希望価格の欄に自分が購入したい金額を記載することになります。
ただし、売主が購入希望価格に同意をしなければ、売買契約には至らないため、購入希望価格は不動産会社とよく相談したうえで決めることが重要です。
次に新築物件と中古物件の価格交渉について見ていきましょう。
新築物件と中古物件の価格交渉の金額目安
この章では、家購入申し込み時における価格交渉の金額目安について解説します。
新築物件の場合
新築物件においては、マンションも戸建ても値引き交渉はほとんどできません。
新築マンションのように抽選方式であれば、価格交渉の余地がそもそもなく、抽選に当たった人が満額で購入するのが通常です。
また、先着順であっても新築物件では、1つの物件に対して複数の人が購入を申し込むのが一般的となります。
たとえ先に申し込んできた人が値引き交渉をしてきても、少し待てば満額で購入してくれる人が現れるため、売主は値引きをして売却する必要もないのです。
仮に新築物件が売れ残った場合、ディベロッパーが自ら値下げしてから再販売します。
ディベロッパーは確実に売れる金額まで値下げしますので、値下げ後の価格からさらに値引きすることは難しいです。
中古物件の場合
中古物件の場合、値引き交渉が常態化しています。
中古物件では、仲介に入っている不動産会社が売主に値引き交渉を働きかけてくれるため、値引き交渉がしやすくなっています。
ただし、値引き交渉額の目安はマンションと戸建てでは異なります。
公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」によると、過去10年における売り出し価格と成約価格との差の推移は下図の通りです。
グラフ中のパーセントの数値は、売り出し価格に対する成約価格の割合を示します。
成約価格とは実際に売却が決まった価格を指し、値引き後の価格ということになります。
売り出し価格に対する成約価格の割合は、10年平均を取るとマンションが「99%」、戸建てが「80%」です。
中古マンションでは、成約価格が売り出し価格とほぼ同じであり、あまり値引き交渉ができないのが実態です。
それに対して中古戸建ては、成約価格と売り出し価格との間にかなりの差があり、大幅に値引きできることがわかります。
実態としては、中古の戸建てなら1割くらいの値引き交渉を行っても購入できる可能性は高いです。
これまで家購入時の価格交渉の金額目安について見てきましたが、次は家購入の申し込み後のキャンセル規定についてお伝えします。
申し込みと売買契約で異なるキャンセル規定
家購入の申し込みをした後のキャンセルは、「申し込み後」と「売買契約後」で対応が異なります。
この章ではキャンセル規定について解説します。
購入申し込み後から売買契約前までのキャンセル
購入申し込みをした後でも、売買契約前であれば、原則として違約金等の負担もなくキャンセルすることは可能です。
新築物件の場合には、預け入れた申込証拠金も戻ってきます。
また、中古物件では、買主が買付証明書を提示した後、売主が売渡承諾書を提示してくることもあります。
不動産売買では、売主が売渡承諾書を提示してきたとしても、売買契約は成立していないものと解されています。
売買契約を正式に成立させるためには、物件の特定だけでなく、売買代金額や、支払時期、引渡・移転登記の時期など、少なくとも売買の基本的要素について合意がなされることが必要です。
そのため、買付証明書と売渡承諾書だけでは不十分であり、売買契約を成立させるには必然的に売買契約書の締結が必要となります。
売買契約後のキャンセル
買主の一方的な都合で、売買契約後のキャンセルする場合は、売買契約締結時に預けた手付金を放棄する形でキャンセルすることが可能で、買主が手付金を放棄することで行う解除のことを「手付解除」と呼びます。
売買契約後のキャンセルは、売買契約締結前とは異なり、無償ではキャンセルできないことがポイントとなります。
また、中古物件の購入では、売買契約締結時に不動産会社へ仲介手数料の半額分を支払うケースが多く、手付解除の場合には、不動産会社へ既に支払った仲介手数料も取り戻せないことになります。
理由としては、買主の一方的な都合で契約を解除する以上、不動産会社に責めに帰すべき事由がないからです。
これまで家購入の申し込み後のキャンセル規制について見てきましたが、次に家購入の申し込み前にやっておくべきことについてお伝えします。
家購入の申し込み前に3つのやっておくべきこと
この章では、家購入の申し込み前にやっておくべきことについて解説します。
家購入の申し込み前にやっておくべきことは以下の3つです。
- 条件を整理して予算を決める
- 適正な住宅ローンの借入額を知る
- 物件で気になる部分は遠慮なく質問する
①条件を整理して予算を決める
申込の前にやっておくべきことは、条件を整理して予算を決めるということです。
物件を購入するには、頭金や諸費用が必要です。
頭金は物件価格の2割程度、諸費用は最も高い注文住宅では1割程度かかります。
そのため、用意できる現金から逆算して物件購入の予算を決めることが必要となります。
予算が決まったら、通勤や通学のしやすさ考慮して購入したいエリアを決定したり、家族構成等を考慮して間取りを決めることも必要です。
エリアや間取り等の条件が決まったら、予算に合わせて物件を探していきます。
予算面で新築物件が無理ならば、中古物件を探したり、駅から少し離れた場所の物件も見てみる等、条件を幅広く設定して、予算面で無理のない物件を選ぶことが重要です。
②適正な住宅ローンの借入額を知る
適正な住宅ローンの借入額は、「年収倍率」「返済比率」「完済年齢」の3つを考慮して決定します。
- 年収倍率とは、額面年収に対するローンの借入額のこと
- 返済比率とは、額面年収に対するローンの年間返済額(利息含む)のこと
- 完済年齢とは、住宅ローンを完済したときの年齢のこと
それぞれの適正範囲と銀行の許容範囲を示すと下表の通りです。
指標 | 適正範囲 | 銀行の許容範囲 |
---|---|---|
年収倍率 | 5倍 | 8倍 |
返済比率 | 20% | 30% |
完済年齢 | 65歳 | 80歳 |
銀行は、適正範囲以上にお金を貸してくれるため、住宅ローンを借り過ぎないように自制することが必要です。
自分の年収で購入できる家の値段・相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
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③物件で気になる部分は遠慮なく質問する
家購入の申し込みを行う前に、物件で気になる部分があれば、遠慮なく不動産会社の担当者に質問することが重要です。
売買契約前であれば申し込みをしてもキャンセルは可能ですが、少し不誠実な対応といえます。
売主や不動産会社は、申し込み内容を信頼していることを前提に契約準備していますので、申し込み後は極力キャンセルしないのが不動産業界の常識です。
安易にキャンセルしないようにするには、購入申し込み前は物件で気になる部分は徹底的に質問して慎重に判断することが大切になってきます。
他の物件もありますので、焦らずじっくり検討することをオススメします。
まとめ
家購入の申し込みについて解説してきました。
家購入の申し込みは、新築物件では申込証拠金の支払い、中古物件では買付証明書の提出によって行われることが一般的です。
家購入の申し込みをしただけでは売買契約は成立していないため、売買契約前であれば原則として無償で契約をキャンセルすることができます。
一方で、売買契約後の契約解除の場合には、手付金の放棄が必要です。
購入申し込み前は、以下の3点に注意して準備をしておくことがポイントとなります。
- 条件を整理して予算を決める
- 適正な住宅ローンの借入額を知る
- 物件で気になる部分は遠慮なく質問する
家の購入申し込みは、基本的に早い者勝ちですので、慎重に、かつ、大胆に決断するようにしましょう。