不動産売却益の定義は?掛かる税金と節税・確定申告方法

投稿日:2016年6月6日 更新日:

不動産を売却する場合、できれば高く売りたいと思うものです。

一方で、高く売れても手放しに喜べる訳ではありません。高く売れば負担の増えるものもあります。高く売ることで負担が増えるもの、それは税金です。

その時に多くの人は下記のような疑問を持たれます。

  • 不動産売却益とは何か知りたい
  • 不動産売却益の節税方法を知りたい
  • 不動産売却益の確定申告方法が知りたい
  • 不動産売却益の計算方法が知りたい

そこで、今回の記事では不動産の売却益について解説し、節税方法や確定申告の方法についてご紹介します。

不動産売却益と売却に関する税金の悩みの解決にお役立てください。

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1.不動産売却益の定義

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1-1. 税金がかかるのは課税譲渡所得金額

まず最初に「個人が不動産を売却した場合」にかかる税金の話からします。

課税譲渡所得金額というものをご存知でしょうか?計算式は下記のとおりです。

課税譲渡所得金額 = 譲渡価格 ― 取得費 ― 譲渡費用 ― 特別控除

※各項目の説明については、後ほど紹介します。

実は、個人が不動産を売却した時に支払う税金(所得税)は、この課税所得金額に対して支払います。

つまり不動産を売却した譲渡価格(売却額)ではなく、取得費や譲渡費用、特別控除などを差し引いた利益に対して所得税が発生するのです。

多くの方が、売却時に発生する税金が譲渡価格に対して税率がかかるものと勘違いされます。

実際には売却時に税金の対象となるのは、あくまで売却益(課税譲渡所得金額)、つまり儲かった利益のみ

売却時の税金は譲渡価格や固定資産税評価額ではない

不動産を売却される方は、多くの場合、既に不動産を購入しています。

不動産を購入した時に、不動産取得税というのを支払った記憶があると思いますが、不動産取得税は、購入した不動産の固定資産税評価額を基礎として税金が計算されていました。

固定資産税の支払いについては下記記事に詳しく解説しています。

不動産売却の固定資産税の支払いは?精算の仕方は?

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そのため、売却時の税額計算も、譲渡価格や固定資産税評価額が基礎になるのではないかと勘違いしてしまうのです。

1-2.売却益の計算方法

売却益 = 課税譲渡所得金額 ≧ 譲渡価格 ― 取得費 ― 譲渡費用 ― 特別控除

不動産を売却した時に税金の基礎となる金額は、あくまでも売却益です。

取得費の定義

売却益を計算する際、問題となるのは取得費です。取得費の定義は売却した不動産の購入額です。

売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。なお、建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

国税庁のWEBより

購入の際の仲介手数料や購入の際に支払った立退料・移転料、売買契約書に貼付けした印紙税、登録免許税、不動産取得税、建物の取壊し費用などがあります。

これは購入時の契約書や領収証によって確認を行います。

また土地と建物の取得費のうち、建物については減価償却後の建物価格が購入額となります。

取得時の契約書が紛失した場合の対処法

ここで取得時期が古過ぎて、契約書等が紛失しており、取得費が分からない場合があります。このようなケースは良くあります。

そのため、取得費が不明の場合には概算取得費として取得価格を決めるルールがあります。

この場合、概算取得費は譲渡価格の5%として計算されます。例えば、今回1,000万円で売却できた不動産の取得費が分からない場合は、5%ルールを用いると概算取得費が50万円となるのです。

不動産売却の取得費については下記記事に詳しく解説しています。

不動産売却の取得費/所得税計算で必要となる取得費を分かりやすく解説

個人の方が不動産を売却すると、譲渡益に対して所得税が発生します。 課税対象は譲渡額ではなく、譲渡益です。 譲渡益はつまり ...

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譲渡費用の定義

また、譲渡費用は不動産を売却するために要した費用です。

  1. 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
  2. 印紙税で売主が負担したもの
  3. 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
  4. 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
  5. 既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金これは、土地などを売る契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。
  6. 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

国税庁のWEBより

売却の際の仲介手数料や、売却に伴う広告費や測量費、売買契約書に貼付けした印紙税、売却に伴い発生した立退料、建物取壊し費用などがあります。

特別控除の定義

  1. 公共事業などのために土地建物を売った場合の5,000万円の特別控除の特例
  2. マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例
  3. 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
  4. 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
  5. 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例
  6. 農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円の特別控除の特例

国税庁のWEBより

個人の場合は特別控除があります。

居住用の財産を譲渡した場合には、所有期間に関係なく3,000万円の特別控除が適用されます。

1-3.確定申告が必要な人

個人の場合は、不動産売却時は所得税が課される為、課税譲渡所得がプラスであれば確定申告をする必要があります。

一方で、課税譲渡所得がマイナスであれば確定申告はする必要はありません。

しかしながら、譲渡所得に係る損失額が発生している場合、損益通算によって他の所得と合算して節税が可能となるため、むしろ確定申告した方がメリットは発生します。

1-4.法人の場合の申告について

一方で、法人の場合は売却益が法人税に影響を与えることになります。

一般的な企業であれば、不動産は貸借対照表上の有形固定資産として簿価が計上されています。

その簿価と売却額の差額が、プラスであれば特別利益となり、マイナスであれば特別損失となります。

法人の不動産売却の場合、簿価が高く含み損を抱えているような不動産は営業利益が出過ぎた期に売却すると、売却損が発生し、節税となります。

以上、不動産の売却益について説明してきました。

それでは、再び話を個人に絞って、次は節税方法について説明します。

2.不動産売却益が出たときに掛かる税金一覧

この章では、不動産売却益が出たときに掛かる税金の種類と税率についてお伝えしていきます。

不動産を売却した時の税金の種類と税率は下記のとおりです。

税金 税率等 備考
所得税・住民税 所有期間によって異なる 譲渡益が出た場合のみ
復興所得税 2.1%  
印紙税 売買価格に応じる  
登録免許税 1物件1,000円 抵当権抹消登記
消費税 8% 仲介手数料などの譲渡費用

所得税と住民税は所有期間によって異なり、下記のような税率になります。

所有期間 5年以下 5年超~10年以内 10年超え
区分け 短期譲渡所得 長期譲渡所得 課税譲渡所得が6,000万円以下の部分 課税譲渡所得が6,000万円超の部分
所得税 30% 15% 10% 15%
住民税 9% 5% 4% 5%

なお、復興所得税については、東日本大震災の復興に使われる税金です。

不動産を売却したときに発生する復興税の具体的な計算方法について

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また、印紙税額は売買価格に応じて国で定められています。

この額の支払い義務から逃れることはできませんが、実は平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に作成される売買契約書に関しては軽減措置が行われています。

売買契約書の記載金額 軽減税率 本則税率
1万円から10万円まで 200円(軽減措置なし) 200円
10万円を超え50万円まで 200円 400円
50万円を超え100万円まで 500円 1,000円
100万円を超え500万円まで 1,000円 2,000円
500万円を超え1,000万円まで 5,000円 1万円
1,000万円を超え5,000万円まで 1万円 2万円
5,000万円を超え1億円まで 3万円 6万円
1億円を超え5億円まで 6万円 10万円
5億円を超え10億円まで 16万円 20万円
10億円を超え50億円まで 32万円 40万円
50億円を超える場合 48万円 60万円

2-1.不動産売却の税金の計算方法

不動産売却時における税金は以下の式で計算されます。

税金(所得税や住民税) = 課税譲渡所得 × 税率

さらに詳細を説明すると長くなりますので、もし所得税と住民税を詳しく知りたい方は下記記事をご確認ください。

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海外に住んでいても税金対象になる

少し捕捉になりますが、たまに筆者も質問を受ける「海外に住んでいれば税金の対象から外れますよね?」に対する答えについてお伝えします。

海外居住の方が日本国内の不動産を売却した場合でも税金の対象となります。

本人が確定申告時に国内にいない場合には、家族などを納税管理人として定め、確定申告を行うことになります。

以上が不動売却にかかる税金です。理解いただけましたでしょうか。

3.不動産売却の具体的な節税方法

3-1.取得費の大きな影響

まず課税譲渡所得金額の具体的な計算例を見てみましょう。

今回売却した居住用財産の譲渡価格が4,000万円で、取得費用が分からなかったケースを考えます。

費用 金額 備考
譲渡価格 4,000万円 実際に売れた売却金額
取得費 200万円 4,000万円×5%
譲渡費用 120万円 仲介手数料:4,000万円×3%
特別控除 3,000万円 居住用財産の特別控除
課税譲渡所得金額 680万円 譲渡価格―取得費―譲渡費用―特別控除

このケースの場合は、課税譲渡所得が680万円となるため、所得税が発生します。

課税譲渡所得がプラスであれば、確定申告をする必要があります。

一方で課税譲渡所得がマイナスであれば確定申告に必要はありません。

ここで上記と同様の例で取得費が2,000万円と分かっているケースを考えてみます。

費用 金額 備考
譲渡価格 4,000万円 実際に売れた売却金額
取得費 2,000万円 取得費用(減価償却後)
譲渡費用 120万円 仲介手数料:4,000万円×3%
特別控除 3,000万円 居住用財産の特別控除
課税譲渡所得金額 ▲1,120万円 譲渡価格―取得費―譲渡費用―特別控除

このように取得費が判明しているかどうかで、課税譲渡所得金額が大きく異なります。

元々、居住用財産の売却には3,000万円の特別控除がついています。

バブル時代ならいざ知らず、今時、個人住宅を売却して購入した時よりも3,000万円以上高く売れるというケースは滅多に無いと考えられます。

そのため取得費が判明しているケースであれば、ほとんどのケースでは課税譲渡所得をマイナスとすることが可能です。

最大の節税方法は、取得費用を明らかにすることです。

購入当時の売買契約書を大切に保存しておくことが、不動産売却における節税となります。

3-2.損益通算ができる

また不動産は経年とともに価値が下がるため、多くのケースでは譲渡所得に係る損失額が発生します。

この場合は、居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を受けることができます。

居住用財産を売却した場合、買換えをしなくても、譲渡損失の金額のうち住宅借入金等の金額からその譲渡資産の譲渡価格を控除した残額を限度として、他の所得との通算及び翌年以降3年間の繰越控除ができる制度です。

譲渡所得に係る損失額は以下の式で計算されます。特別控除は考慮外であることがポイントです。

特別控除によって発生するマイナスは損益通算の対象にはなりませんので注意が必要です。

譲渡所得に係る損失額 = 譲渡収入 - 取得費 ― 譲渡費用

居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例については、下記記事をご確認ください。

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以上、不動産売却の節税方法が分かったことで、次に確定申告の方法について見ていきましょう。

4.不動産売却の確定申告時期

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確定申告は譲渡年の翌年の2月16日から3月15日の間に行います。

所轄税務署に対し、申告書を作成の上、書類を添付して提出手続きを行います。

税理士に頼めば間違いはありませんが、税務署や税理士に聞きながらでも出来てしまいます。

確定申告の時期になると、市町村役場が確定申告の受付を行っていることが通常です。

その際、サポート役として地元の税理士が何人か受付対応をしています。

税理士が無料で対応してくれますので、是非、活用しましょう。

確定申告のさらに詳細が知りたい方は、下記記事をご確認ください。

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5.まとめ

いかがでしたか?不動産の売却益と節税方法、確定申告の方法について見てきました。ポイントは取得費の把握です。

取得費が判明しているかどうかが税金の発生の有無を左右します。

まずは購入時の売買契約書を探すところから始めましょう。

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