【家の相続財産】遺産分割する前に必ず知っておきたい全知識

投稿日:2017年8月6日 更新日:

「相続は資産家だけの問題で、我が家には関係ない」、残念ながらこの考えは間違いです。

亡くなられる方が1円でも財産を持っていれば、相続は全ての人に発生します。

財産なんか家以外にほとんどない、実はこれが揉める最大の原因となるのです。

親が家を一つだけ残して亡くなってしまった場合の相続人の中には、

  • どうやってこの財産を分けるべきか揉めている!
  • 財産を分けるための基本的な考え方を知りたい!
  • あまりお金をかけずに資産価値を知りたい!

等々のことを思っている方も多いことでしょう。

そこで今回の記事では、「家が一つしかない相続財産の遺産分割」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは家が一つしかない場合の遺産分割協議をする上での必要な知識を知ることができます。

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1.遺産相続は財産がない人ほど揉める

1-1.税金では揉めない

冒頭にも書きましたが、相続の話は資産家だけの問題ではありません。

あえて言えば、むしろ資産のない人ほど問題が発生します。

例えば、父親1人と娘2人の家族を考えます。

この父親は、亡くなったとき、相続税評価額が3,000万円の家と、300万円の貯金がありました。

相続税には基礎控除額というものがあります。

それは以下の計算式で表されます。

基礎控除額=3,000万円+法定相続人×600万円

この家族の場合、法定相続人は2人のため、基礎控除額は4,200万円です。

父親の財産は家と現金の合計で3,300万円であったため、基礎控除額以内の財産になります。

よって、この家庭では「相続税」は発生しません。

そのため相続税については、払う必要が無く、何も問題がないような気がします。

1-2.分割で揉めるケースが多い

ところが、問題はその後です。

相続をすると、相続財産は相続人の共有状態で持つことになります。

娘2人の場合は、家も姉と妹で2分の1、貯金も姉と妹で2分の1ずつ持つということになります。

ここで問題となるのが、例えば、妹は嫁に行き、姉だけが父親の住んでいた家にそのまま住み続けているというようなケースです。

離婚して片方の娘だけが戻ってくるような場合は、良くあるパターンです。

現金は仲良く2分の1ずつできるのですが、家を仲良く2分の1にすることができません。

例えば、家だけを姉、貯金だけを妹という感じでわけでも、姉は3,000万円、妹は300万円の資産を相続することになり、大きな不平等が生まれます。

そうすると、

  • 「お姉ちゃんだけズルイ!」
  • 「何言ってるの、お父さんの介護、どれだけ大変だったと思ってるの!!」
  • 「でもお姉ちゃんは、子供のころも新品のお洋服買ってもらっていたじゃい!」
  • 「何で、今さら子供のころの話を持ち出すの!!」

という感じで、揉めます。

実際に、裁判でもこのように子供のころの不公平感まで持ち出す人というのは存在します。

子供のころに感じていた不平等感が、相続時になって、爆発するというケースは多いのです。

ちなみに、相続の遺産分割で揉めている裁判のほとんどが、資産が5,000万円以下のケースです。

例えば、上述のような例でも、父親に家の3,000万円の他に、現金も3,000万円あれば、家と現金を姉妹で仲良く2分割することが可能です。

実は資産家は分けられる資産を十分に持っていますので、分割で揉めることは少ないのです。

相続で揉める人は、むしろ分けるほどの資産の無い人ほど、分けられないため揉めるのです。

以上、ここまで.財産がない人ほど揉めるについて見てきました。

それでは次に相続税評価額と時価について見ていきます。

2.知っておきたい!相続税評価額と時価の意味

筆者のところに相続で相談に来る方は、そもそも不動産の時価と相続評価額が異なることを知らない人が多いです。

そのため、時価と想像税評価額との関係について見ていきます。

時価とは、不動産を今売却したときの売却価格

売却して現金に換えたらいくらなのかという値段が時価です。

一方で、不動産の相続税評価額とは、一定のルールに基づき機械的に算出される価格

不動産の場合、土地と建物で評価額の出し方が異なります。

2-1.建物評価額

まず、建物については、固定資産税納税通知書に記載されている建物評価額が相続税評価額になります。

建物の評価額は、新築当初は建築工事費の約50~60%の金額になります。

その後、建物評価額は3年に1度見直しが行われますが、ほとんど下がりません。

固定資産税評価額は、固定資産税を計算する根拠となる価格であるため、税収を下げたくない行政としては、評価額をあまり下げないのです。

例えば、築20年以上の木造戸建て住宅であれば、建物の時価はゼロとされることが多いですが、建物固定資産税評価額は残っています。

これをゼロとしてしまうと、固定資産税を取れなくなってしまうためです。

そのため、建物固定資産税評価額は、新築当初は時価よりも安く、築年数が相当古くなると逆に時価よりも高いという性質を持っています。

2-2.土地評価額

一方で、土地については相続税路線価というものを用いて評価を行います。

相続税路線価は国税庁のホームページで誰でも見ることが可能です。

土地の相続税評価額は、原則的に相続税路線価に面積をかけたものになります。

さらに地型や雪面道路の条件により、奥行価格補正や側方路線影響加算等と呼ばれる修正を行います。

道路に一面だけ面しており、平坦な通常の戸建用地であれば、基本的に「路線価×面積」が相続税評価額になります。

路線価については、地価公示の80%程度の価格水準です。

地価公示とは、国が毎年行う全国に定めた標準地の価格になります。

地価公示は、基本的に時価を表しています。

そのため、土地については、相続税評価額は時価の80%が評価額になります。

建物は築年数により、時価よりも安かったり、高かったりします。

土地は、時価よりも安いです。

よって、相続税評価額は時価とは異なるという点がポイントになります。

以上、ここまで相続税評価額と時価について見てきました。

それでは次に現金との分け方について見ていきます。

3.遺産を現金で分ける方法

3-1.現金はそのまま相続性評価額

現金については、現金の金額がそのまま相続税評価額になります。

現金を300万円持っていると、300万円そのものが相続税評価額となります。

つまり現金の時価と相続税評価額は同じです。

3-2.相続税評価額で分けると不平等になる

話を単純化して相続税評価額が800万円の「土地」と800万円の「現金」を兄弟2人で相続した場合を考えます。

この場合、2人で財産を分割する場合、兄に土地、弟に現金という風に仲良く平等に分けることができそうな気がします。

ところが、土地については相続税評価額であるため、時価ではありません。

土地の相続税評価額は時価の80%程度です。

仮に兄が土地を相続してすぐに売却すれば、1,000万円の現金を得ることができます。

このため、実は2人が同額で分けたつもりの資産も、実は兄には1,000万円、弟には800万円で分割していたということになります。

そのため、相続財産は、不動産も時価に置き換えて評価し直さない限り、平等に分けたことになりません。

特に不動産をもらった方は、売却すると相続税評価額よりも価格が高くなるケースが多いため、得をする傾向

ただ、当初の姉妹の例のように、どちらかが家に住む場合は、家を売却できないため、平等に分けられないケースがあります。

しかしながら、相続税評価額だけでは、家をもらった姉が実際にはどれだけ得をしているのか正確には分かりません。

よって、平等性を考えるためにも、遺産分割を行う前には不動産の時価を把握する必要があるのです。

以上、ここまで現金との分け方について見てきました。

それでは次に時価を知る方法について見ていきます。

4.両者が納得できる時価を出す方法

4-1.オススメは一括査定サイト

時価を求める場合は、不動産の一括査定サイトを利用するのがオススメです。

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不動産の一括査定サイトは、無料で複数の不動産会社から売却予想価額、つまり時価の査定を受領することができます。

別の方法として、不動産鑑定士による鑑定評価を取得する方法がありますが、あまりオススメはできません。

不動産鑑定士による鑑定評価は、有料ですし、依頼者の意図によって価格が意図的に操作される可能性もあります。

例えば、姉と妹で価格のことで揉めた場合、姉が不動産鑑定士に時価の評価を依頼すると、姉が「安く評価して欲しい」と要望を出せば、価格が安く評価される可能性があります。

そのため不動産鑑定士による鑑定評価を取るのであれば、姉と妹が両方で共同発注をするなど、どちらか一方に偏らないように対策を取っておく必要があります。

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4-2.査定額から時価を決める

ただし、わざわざ時価を知るためだけに、不動産の鑑定評価を取得するのは馬鹿馬鹿しいです。

不動産の一括査定サイトであれば、複数社の意見が同時に聞けるため、むしろ客観性が高まります。

査定額は、各社バラバラに出てきますが、むしろその方が自然です。

査定額の平均値を取るなどして、お互いに「時価は平均値にしよう」と決めおくことが重要です。

ただし、仮に裁判になった場合は、一括査定サイトの価格は信用性に欠けると見なされてしまいます。

裁判の場合には、お互いに鑑定評価書を取得して、時価の正当性を主張しあうことになります。

以上、ここまで時価を知る方法について見てきました。

それでは最後に揉める前に分割方法を決めておくについて見ていきます。

5.揉める前に分割方法を決めておく

5-1.相続が発生する前に決めておく

家が一つしかない場合の遺産分割においては、「どうやって分割するのか」をあらかじめ決めておくことが重要です。

これは、相続人同士の決めごとなので、どれが正解というものはありません。

例えば、冒頭の例のように、3,000万円の家と300万円の現金を姉妹で分ける場合も、姉が3,000万円の家をもらい、残りの現金は全て妹がもらうということで、2人が納得すればそれで構わないのです。

血を分けた兄弟・姉妹であれば、本音はあまり揉めたくないはずです。

またどちらか一方が過度に我慢するようなことも避けたいのも本音でしょう。

5-2.遺産分割の手順

そのため、まずは遺産分割にあたり、以下の作業を行ってください。

  • 不動産の時価を把握する
  • 分割方法を決める
  • 売却をするのであれば、売却を行う
  • 売却をしないのであれば、精算を行うかを決める

例えば、冒頭の姉妹の例であれば、売却もできず、精算も額が多き過ぎるため難しいでしょう。

そのような場合は、例えば葬儀費用や七回忌までの費用は姉が負担する、登記費用は姉が負担する等々の案を提示することで、妥協点を見出す必要があります。

理想的には、親が死ぬ前に相続人間で遺産分割の方法について、話し合っておくことがベストです。

遺産分割の問題については、法定相続人が2人以上であれば誰にでも生じうる問題です。

相続の問題は相続税の税金だけが問題として取りざたされますが、実は問題は税金よりも分割の方が問題となります。

親は残された子供たちが揉めることを望んではいません。

分割対策は自分たちの問題として認識し、早めに分割方法を決めておきましょう。

6.まとめ

以上、家が一つしかない相続財産を遺産分割する際に知っておきたい基礎知識について見てきました。

相続が生じたら、まずは時価の把握です。

残された資産が、いくらなのかを把握することから始めましょう。

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