贈与税の住宅取得等資金の非課税制度の適応条件と手続き方法

贈与税の住宅取得等資金の非課税制度の適応条件と手続き方法

令和4年度の税制改正にて「贈与税の住宅取得等資金の非課税制度」は2年間延長されましたので、2022年12月現在でも使える制度です。

期限:2021年12月31日まで → 2023年12月31日まで

住宅価格が高騰する中、現実的に頼りになるのが親からの支援です。

親からの支援は贈与となるため、支援を受けた場合、「住宅取得等資金の非課税制度」を活用することがオススメです。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 家を買うための贈与なら贈与税がかからないと聞いたが本当だろうか
  • 親からの支援が贈与にならないようにするためにはどうしたら良いのだろうか
  • いくらまでなら親から支援を受けても大丈夫なのだろうか

そこで今回の記事では、「住宅取得等資金の非課税制度」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは住宅取得等資金の非課税制度を理解し、制度を活用できるようになります。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター・中小企業診断士

住宅取得等資金の非課税特例とは

住宅取得等資金の非課税特例とは、親などから住宅取得のための贈与を受けた人が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその資金を自分の住宅の購入に充て、同日までに居住の用に供した場合、その資金のうち一定額までは贈与税が非課税となる制度

ここで贈与税とは、個人から現金や不動産といった財産の贈与を受けた場合に受贈者に係る税金です。

受贈者とは、財産を「もらった人」になります。

贈与税は、無償で財産をもらうだけでなく、例えば時価よりの著しく低い価格で財産を購入した場合や、金銭の支払いがないのに不動産の名義を変更した場合、借金の免除を受けた場合等も贈与税の対象となります。

贈与は渡す方ももらう方も「個人」が対象

贈与は、財産を渡す方も、もらう方も個人であることが条件です。

どちらか一方が法人である場合は贈与にはなりません。

通常、贈与は年間110万円までであれば基礎控除額の範囲内であるため、贈与税はかかりません。これを暦年贈与制度と呼びます。

親から受ける支援が年間で110万円であれば、資金の目的がどのようなものであっても、贈与税は発生しないのが原則です。

ところが、住宅の自己資金となると、110万円というのは物足りない金額です。

たとえ親に経済力があったとしても、この贈与税の上限枠がある限り、資金の支援が進みません。

そこで、子供が住宅を購入する場合に限り、500万円~1,500万円の範囲で贈与税を非課税としたのが住宅取得等資金の非課税特例なのです。

住宅取得等資金の非課税限度額と対象要件

住宅取得等資金の非課税限度額は、令和4年の税制改正されました。

具体的には、期限が令和3年12月31日までとされておりましたが、税制改正を受けて2年間延長(令和5年12月31日まで)されました。

また、住宅の新築または取得の契約時期に応じて、非課税限度額が異なりましたが、令和4年の税制改正を受けて契約時期は考慮しなくなりました。

非課税限度額一覧

対象住宅非課税限度額
良質な住宅用家屋1,000万円
上記以外の住宅用家屋500万円
震災特例法の良質な住宅用家屋1,500万円
震災特例法の上記以外の住宅用家屋1,000万円

この中で「良質な住宅」とそれ以外の住宅で500万円も違っていることに気付くと思います。

一体良質な住宅の要件とは、何になるのでしょうか?

良質な住宅の要件

国税庁のページに良質な住宅な要件が定義されています。

  1. 断熱等性能級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること
  2. 耐震等級(構造躯体の倒壊防止)2以上若しくは免震建築物であること
  3. 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること

※出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より

これらを証明するために下記書類が必要になります。

証明書などの種類証明対象の家屋
住宅性能証明書イ 新築をした住宅用の家屋
ロ 建築後使用されたことのない住宅家屋
ハ 建築後使用されたことのある住宅家屋
ニ 増改築等をした住宅用の家屋
建設住宅性能評価書の写し
長期優良住宅建築等計画の認定通知書等の写し及び住宅用家屋証明書(その写し)
又は認定長期優良住宅建築証明書
イ 新築をした住宅用の家屋
ロ 建築後使用されたことのない住宅家屋
低炭素建築物新等計画認定通知書等の写 し及び住宅用家屋証明書(その写し)
又は認定 低炭素住宅建築証明書

上記証明書の発行は国土交通省に確認すれば教えてくれます。

暦年課税や相続時精算課税と併用可能

この特例は暦年課税または相続時精算課税のいずれかと併用して適用することが可能です。

相続時精算課税とは、一旦2,500万円までの贈与を非課税で認め、相続時に贈与した財産を相続財産に加算して相続税を清算する制度

後で相続時に相続税が課税されることになりますが、先に2,500万円までをとりあえず非課税でもらえるという制度になります。

課税を先送りにすることができるというメリットがあります。

暦年贈与の方は、相続時の精算というものはなく、110万円まで非課税でもらえます。

相続時精算課税は、一度、相続時精算課税を適用すると暦年贈与が適用できなくなるため、注意が必要です。

暦年課税と住宅取得等資金の非課税特例を併用すると、良質な住宅の場合、「1,000万円+110万円=1,110万円」まで非課税で受け取ることが可能です。

相続時精算課税と住宅取得等資金の非課税特例を併用すると、良質な住宅の場合、「1,000万円+2,500万円=3,500万円」まで非課税で受け取ることが可能です。

ただし、2,500万円に関しては、相続時に相続税の課税対象となります。

受贈者の要件

国税庁のページより受贈者の要件を引用します。

なお、令和4年の税制改正により年齢要件が20歳以上→18歳以上と変更されておりますので、下記引用の(2)は筆者の方で18歳以上に書き換えております。

(1) 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること。(注) 配偶者の父母(又は祖父母)は直系尊属には該当しませんが、養子縁組をしている場合は直系尊属に該当します。
(2) 贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること。
(3) 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、1,000万円以下)であること。
(4) 平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除きます。)。
(5) 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、又はこれらの方との請負契約等により新築若しくは増改築等をしたものではないこと。
(6) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
(注) 受贈者が「住宅用の家屋」を所有する(共有持分を有する場合も含まれます。)ことにならない場合は、この特例の適用を受けることはできません。
(7) 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除きます。)。なお、贈与を受けた時に日本国内に住所を有しない人であっても、一定の場合には、この特例の適用を受けることができます。
(注) 「一時居住者」、「外国人贈与者」及び「非居住贈与者」については、受贈者が外国に居住しているときをご覧ください。
(8) 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
(注) 贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、この特例の適用を受けることはできませんので、修正申告が必要となります。
※災害により住宅用の家屋に被害を受けた場合には、災害を受けたときの贈与税の取扱いをご覧ください。

※出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より

文字が多くややこしいため、筆者の方でざっくり解釈して説明します。

親などのお金をあげる人の方を贈与者、子供のようにお金をもらう人の方を受贈者と呼びます。

  • 贈与者:贈与者は、受贈者の直系尊属です。父母の他、祖父母や曾祖父母からの贈与も対象となります。
  • 受贈者:その年の1月1日現在で18歳以上の贈与者の直系卑属ですので、子や孫が対象です。ただし、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の者に限られます。

また、受贈者は贈与を受けた年の翌年の3月15日までにその取得した住宅に居住しなければなりません。

新築においては、3月15日までに建物が完成していない場合には、遅滞なく居住することが確実であると見込まれるときには適用を受けることができます。

贈与を受けた年の翌年12月3日までに入居できない場合には、非課税特例の適用ができなくなりますので、注意が必要です。

適用対象となる住宅の条件

国税庁のページより受贈者の要件を引用します。対象となる住宅用の家屋は日本国内にあるものに限られます。

なお、下記(1)のロの②が令和4年の税制改正により変更されておりますので、下記は税制改正後の要件に筆者の方で編集しております。

(1) 新築又は取得の場合の要件
イ 新築又は取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
ロ 取得した住宅が次のいずれかに該当すること。
①建築後使用されたことのない住宅用の家屋
②新耐震基準の適合するもの
③建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの
④上記②及び③のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その住宅用の家屋の取得の日までに同日以後その住宅用の家屋の耐震改修を行うことにつき、一定の申請書等に基づいて都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの

(2) 増改築等の場合の要件
イ 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
ロ 増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。
ハ 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円以上であること。また、増改築等の工事に要した費用の額の2分の1以上が、自己の居住の用に供される部分の工事に要したものであること。

※出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より

ざっくりまとめると下記のような要件を満たした住宅が対象になります。

  1. 建築後使用されたことのない住宅用家屋
  2. 新耐震基準の適合するもの(※登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす。)
  3. 建築後使用されたことのある住宅用家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するもの(※一定の証明書等により証明がされたもの)
  4. 耐震改修につき都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日まで耐震基準に適合するもの(※一定の証明書等により証明がされたもの)

住宅は、新築も中古もリフォームも適用対象となりますが、全てにおいて40㎡以上240㎡以下という面積要件を満たす必要があります。

住宅取得等資金の非課税特例の適用を受けるための手続き

住宅取得等資金の非課税特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書に下記書類を添付して、住所地の税務署に申請をする必要があります。

贈与税の申告にあたっての必要書類は以下の通りです。

区分必要書類
新築・中古・リフォーム共通1.計算明細書
2.受贈者の戸籍謄本
3.贈与年の所得金額を明らかにする書類
4.請負・売買契約書
新築住宅・中古住宅の場合のみ5.登記事項証明書
リフォームの場合のみ6.受贈者の戸籍の附票の写し
7.増改築等工事証明書
8.リフォーム工事瑕疵保険付保証明書
一定の築後年数(木造20年・耐火建築物25年)を超える中古住宅の場合9.耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険付保証明書のいずれか
非課税枠の500万円加算を申請する場合のみ10.質の高い住宅の基準に適合することを証する書類

また、期限は贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに行う必要があります。

まとめ

家購入で活用したい贈与税の住宅取得等資金の非課税制度を徹底解説してきました。

住宅取得等資金の非課税制度を上手く活用し、住宅購入の自己資金を確保するようにして下さい。

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この記事を書いた人

石川 貴裕

不動産鑑定士監修

名古屋のIT企業に従事しながら、親族の不動産仲介会社にて不動産売買の実務を経験。マンションを3棟、太陽光発電を1基所有。新築の戸建て(マイホーム)も2回経験していることから、失敗しない家づくりもサポートしています。

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