家購入時の頭金の相場は?貯めてる人も貯めてない人も必読の全知識

更新日:

家購入時には、頭金がどれくらい必要なのか、悩む方は多いものです。

貯めてから買ったほうがいいのか、低金利のうちに買ってしまったほうがいいのか、迷いますよね。

結論から言うと、頭金のめやすは物件価格の10%前後です。

これは、仲介手数料などの諸費用分に相当しますが、諸費用は住宅ローンで借りられない金融機関が多いからです。

この記事では、このようなお悩みに答えていきます。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 頭金はどれくらいあれば家を買える?
  • じっくり貯めてから購入するか、頭金が少なくても低金利のうちに購入するか?
  • すでに貯めている場合、どれくらい頭金にして、どのくらい残すのか?
  • 親から援助してもらう場合、非課税になる限度額はどれくらいか

ぜひ最後まで読んでいただき、家購入の第一歩を踏み出しましょう。

合同会社ラビッツ 代表社員 石川貴裕

不動産売却の教科書の責任者・編集

合同会社ラビッツ 代表社員

石川貴裕

名古屋のIT企業に従事しながら、親族の不動産仲介会社にて不動産売買の実務を経験。不動産売買で損をしている人が多く疑問を感じたため、当サイト不動産売却の教科書を立ち上げ。

経歴不動産仲介10年、電気機器メーカー5年、電子部品メーカー2年、WEBサービス会社5年

1.頭金の目安と相場

頭金は物件価格の10%が目安

必要な頭金は、物件価格の10%が目安です。

家そのものの代金のほかに、諸費用(手付金、仲介手数料、登記費用、印紙税、ローン手数料、火災保険料など)が10%くらいかかるからです。

通常、このような諸費用は、住宅ローンで借りられないことが多く、自己資金で準備する必要があります。

「頭金ゼロ円で買えますよ」という宣伝も見かけますが、家そのものは全額住宅ローンを組んで、その他の諸費用は自己資金で準備するのが普通です。

ただし、最近では、諸費用についても住宅ローンで合わせて借りられる金融機関が増えてきました。

大手の都市銀行ではあまり対応していませんが、ネット銀行は諸費用を借りられるところが多いです(イオン銀行、じぶん銀行など)。

とはいえ、金融機関の選択肢を広く持っておくためにも、物件価格の10%前後の自己資金を準備したいところです。

諸費用の具体的な内容

諸費用は、中古か新築か、建売か注文住宅かなどによっても変わってきます。

具体的には、次のような費用があります。

家購入に掛かる諸費用

  • 手付金・・・売買契約締結時に、物件価格の5~10%程度の手付金を支払います。残額は後日、住宅ローンを組むなどして支払います。手付金を支払うタイミングは早めなので、自己資金で準備する必要があります。
  • 仲介手数料・・・新築マンションを購入するときには不要ですが、中古物件を購入する際には、仲介手数料が必要です。仲介手数料は、物件価格が400万円を超える場合、「物件価格×3%+6万円+消費税」です。なお、新築の建売一戸建てを購入する場合、売主の不動産会社から直接買う場合には不要ですが、不動産会社の仲介で購入する形式の場合には仲介手数料が発生します。
  • 登記費用・・・不動産登記のための登録免許税と司法書士への報酬がかかります。
  • 印紙税・・・売買契約書やローンの契約書に貼る印紙代。物件価格に応じて変わります。
  • ローン手数料・・・住宅ローンを組む時に金融機関に支払う手数料。金融機関によって異なりますが、借入金額の2%前後が一般的です。
  • 各種保険料・・・火災保険料と、団体信用生命保険料がかかります。金融機関によって金額は異なり、金利に上乗せする場合と、借入時に一括で支払う場合があります。

みんなが用意している頭金の相場は9~20%

それでは、頭金の相場はどれくらいでしょうか?

住宅金融支援機構が調査したフラット35利用者の調査結果(「2017年度 フラット35利用者調査(全国平均)」)は次の通りで、9~20%程度となっています。

頭金に余裕がある人は注文住宅や新築マンションを選び、頭金が少なめの人は建売住宅や中古物件を選んでいる傾向がわかりますね。

住宅の種類手持金割合
注文住宅651.1万円19.4%
土地付注文住宅450.2万円11.1%
建売住宅302万円9%
新築マンション705.6万円16.2%
中古戸建208.3万円8.7%
中古マンション318.1万円11.2%

オトクな頭金の貯め方

家購入の頭金を貯めるための有利な制度があります。それが、財形住宅貯蓄です。

財形住宅貯蓄は、給与天引きで毎月コツコツ貯蓄していくもので、積立定期預金に似ています。

貯蓄残高550万円まで、利子が非課税になります。また、財形持家融資も受けられます。

「毎月、自動的に溜まっていく」という点がポイントなので、財形が利用できない場合には、非課税ではありませんが銀行の積立定期預金を利用するといいでしょう。

2.頭金があまり貯まっていない場合の注意点

頭金がまだあまり貯まっていない場合には、次の3点を押さえておきましょう。

  1. 頭金ゼロでも家は買える
  2. 貯金を貯めてから買うより、すぐに買ったほうがトクな場合が多い
  3. 頭金が少ない場合の注意点

詳しくみていきます。

頭金ゼロでも家は買える

一昔前までは、住宅ローンは物件価格の7~8割までしか借りられないのが一般的でした。

そのため、「物件価格の2割ためないと買えない」というイメージが残っているかもしれません。

でも現在では、物件価格の全額借入可能な金融機関が多く、フラット35も全額借入可能です。

そのため、物件価格に充当する頭金がゼロでも、フルローンで家を買うことはできます。

1章でみたとおり、家を買うときには物件価格の10%くらいの諸費用がかかるので、そのぶんの自己資金は準備するのが理想ですが、諸費用も合わせて借りられる金融機関もあります。

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
でもさ、たくさん借りたら、金利もたくさん払うことになるでしょ?やっぱりあと5年くらい貯金してから買うほうがトクだよね?
キミの場合は貯めてから買うよりも、早く買ってしまったほうがトクじゃ。
フクロウ先生
フクロウ先生

頭金を貯めてから買うより、早く買ったほうがトクな場合もある

頭金を貯めてから買ったほうが、ローン借入額が少なくなるので、金利の負担は減ります。

ところが、貯めている間に支払い続ける家賃の負担を考慮すると、実は、すぐに購入する方が得な場合も多いです。

その理由は、現在の住宅ローンが非常に低金利だから。

「頭金を貯めている間に支払う家賃」よりも「頭金が少ないために負担する金利」のほうが少なくて済むことが多いからです。

具体例

  • A:現在の貯金200万円ですぐに買う
    • 借入1,800万円、1.3%、35年
  • B:5年で500万円ためて、5年後に頭金700万円で買う。家賃は8万円。
    • 借入1,300万円、1.3%、35年
パターン家賃頭金借入毎月返済額総返済額支出合計 (家賃+頭金+総返済額)
A:すぐに買う0200万円1,800万円5.4万円2,242万円2,442万円
B:5年後に買う8万円×12ヶ月×5年=480万円700万円1,300万円3.9万円1,619万円2,799万円

この例では、すぐ買う(A)ほうが5年後に買う(B)よりも357万円オトクです。

さらに、このシミュレーションでは考慮外にしていますが、貯めている間に消費税が上がったり、住宅ローン金利が上がれば、すぐに購入する方がますますトクになります。

家賃が高い人や、家賃を負担しながらたくさん貯金できない人は、早めに買ったほうがトクです。

逆に、勤め先の社宅や実家に格安で住めるケースなどでは、頭金を貯めてから買ったほうがトクです。

頭金が少ない場合の3つの注意点

頭金が少ない場合には「無理なく購入できる物件を選ぶ」「金利上昇が不安なら全期間固定金利を選ぶ」「長めにローンを組む」という3つの注意点があります。

それぞれ見ていきましょう。

注意点1.無理なく購入できる物件を選ぶこと。

頭金が少なくて借り入れが多いと、住宅ローンの金利が上がって返済額が増えた場合に、大きな影響を受けます。

無理なく購入できる物件を選び、金利の上昇にも耐えられるようにしておきましょう。

注意点2.金利上昇が不安なら、全期間固定金利を選ぶ

フラット35などの全期間固定金利のローンならば、返済額が上がる心配はありません。

借入額が多めで金利上昇が不安なら、全期間固定金利にすると安心です。

注意点3.長めにローンを組む

住宅ローンを借りた後で、やっぱり返済が苦しいから期間を延ばすというのは簡単ではありません。

できるだけ長めにローンを組み、余裕ができたら繰り上げ返済していくと安心です。

3.貯金をすべて頭金にしてはいけない4つの理由

「貯金はいくらか貯めているけれど、どのくらい頭金にしようか」というのも悩ましい問題です。

頭金を多くすれば、ローンの借入額が少なくなり、月々返済額も減るし、支払総額が少なくて済むのは明白です。

しかも金融機関によっては、頭金の割合が多ければ金利が優遇されることもあります。

例えばフラット35は、頭金が10%以上だと金利が低くなります。

でも、貯金はすべて頭金にしないで、いくらか残しておくことをおすすめします。

理由は4つあります。

理由1.病気など、万が一のためにある程度残しておく必要があるから。

病気になって働けなくなるなど、不測の事態が発生する可能性もあるので、生活費の3ヶ月分程度の預金を残しておきましょう。

理由2.教育ローンやマイカーローンは住宅ローンより金利が高いから。

家を購入した後に、マイカーを買い替える予定や、教育費がどれくらいかかるか、しっかり予測して貯金を残しておきましょう。

貯金をカラにして家を買った後に、マイカーローンや教育ローンを組むことになると損です。

住宅ローンの金利は、他の借入よりも圧倒的に低金利だからです。

理由3.住宅ローンよりも高い金利で運用できれば、老後資金の準備にも有利だから。

家を購入後は、住宅ローンの返済を続けながら、老後資金も貯めなければなりません。

現在の住宅ローン金利は非常に低金利で、人によっては1%以下の場合もあるので、住宅ローンよりも高い利回りで運用することも不可能ではありません。

投資信託などの高利回りの金融商品は元本が保証されませんが、投資に抵抗がない人は、資産の一部を積極的に運用するほうが有利といえます。

理由4.住宅ローンは万が一のときには団信で免除されるから。

住宅ローンを組む時には、ほとんどの金融機関で「団体信用生命保険」への加入が義務付けられています。

「団体信用生命保険」は、住宅ローンを借りた人が万が一、亡くなった場合や高度障害になった場合に下りる保険です。

つまり、万が一のときには住宅ローンが免除されて、マイホームを家族に残すことができます。

貯金はあえて頭金に使わず、住宅ローンをなるべく多く借り入れて、保険機能を最大限に利用するという考え方もあります。

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
あんまり余裕がないから、両親から援助してもらおうかなぁ。
援助を受けるときは贈与税に注意するのじゃ。贈与税の税率は10%~55%だから、非課税制度を上手に利用しよう。
フクロウ先生
フクロウ先生
ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
贈与税ってそんなに高いの?!非課税制度について教えて!

4.頭金を親から贈与してもらうときの非課税制度は2つ

両親が家の購入資金を援助してくれるときには、贈与税に気を付ける必要があります。

年間110万円までなら、贈与税は非課税です。

これを超える額の贈与を受けるときには、非課税制度を上手に活用しましょう。

これから「住宅取得資金の贈与税の非課税制度」と「相続時精算課税制度」という2つの制度をご紹介し、非課税制度を使わない場合の贈与税についても解説していきます。

住宅取得資金の贈与税の非課税制度

父母や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定額まで贈与税が非課税になります。

ただし、配偶者の親から贈与を受けた場合には適用を受けられません。

この制度は、年間110万円まで非課税となる「暦年贈与」と併用できます。

非課税となる限度額は、住宅の性能や、取得時期に応じて次のとおり定められています。

イ 下記ロ以外の場合

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日省エネ等住宅左記以外の住宅
~平成27年12月31日1,500万円1,000万円
平成28年1月1日~平成32年(2020年)3月31日1,200万円700万円
平成32年(2020年)4月1日~平成33年(2021年)3月31日1,000万円500万円
平成33年(2021年)4月1日~平成33年(2021年)12月31日800万円300万円

ロ?住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日省エネ等住宅左記以外の住宅
平成31年(2019年)4月1日~平成32年(2020年)3月31日3,000万円2,500万円
平成32年(2020年)4月1日~平成33年(2021年)3月31日1,500万円1,000万円
平成33年(2021年)4月1日~平成33年(2021年)12月31日1,200万円700万円

※出典:国税庁ホームページ「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より

贈与税の非課税制度についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

1,300view
贈与税の住宅取得等資金の非課税制度の適応条件と手続き方法

住宅価格が高騰する中、現実的に頼りになるのが親からの支援です。 親からの支援は贈与となるため、支援を受けた場合、「住宅取 ...

続きを見る

相続時精算課税制度

「相続時精算課税制度」は、2,500万円までの贈与がいったん非課税になりますが、相続が発生したら、贈与財産を相続財産に加算して精算課税される制度

相続時精算課税制度を使うと、毎年110万円まで非課税になる「暦年贈与」が使えなくなります。

贈与税の計算方法

最後に、非課税制度を使わない場合に贈与税額はどのくらいかかるか見てみましょう。

例えば、非課税制度を使わずに、500万円もらってしまった場合には、基礎控除額110万円を差し引いた残りの390万円に対して贈与税が課税されます。

110万円を差し引いたあとの金額について、次の速算表に当てはめると贈与税額が計算できます。

兄弟間、夫婦間、父母から未成年の子への贈与のケース

他人から500万円の贈与を受けた場合、贈与税額は53万円です。

(500万円-110万円)×20%-25万円=53万円

夫名義の家について、妻の両親から贈与を受けた場合などはこちらの税率になります。

【一般贈与財産用の速算表】

基礎控除後の課税価格200万円
以下
300万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
3,000万円
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円25万円65万円125万円175万円250万円400万円

祖父母や父母などから20歳以上の子・孫への贈与のケース

20歳以上の子が、父母や祖父母から500万円の贈与を受けたときの贈与税額は、48.5万円です。

(500万円-110万円)×15%-10万円=48.5万円

【特例贈与財産用の速算表】

基礎控除後の課税価格200万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
4,500万円
以下
4,500万円
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円30万円90万円190万円265万円415万円640万円

贈与税について詳しくは国税庁ホームページで解説しています。

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
でもさ、もらったって言わなければ、バレないんじゃないの?
なめたらいかん!家を買ったときには、税務署から資金源を調査する文書が送られてくる場合があるんじゃ。
フクロウ先生
フクロウ先生

まとめ

いかがでしたか?頭金は、購入する家の価格の10%が目安です。

これは諸費用相当額にあたります。

諸費用も合わせて住宅ローンで借りられる金融機関もありますが、できるだけ自己資金で準備したほうが金融機関の選択肢も広がります。

頭金があまり貯まっていなくても家は買えますが、頭金が少ない場合には無理なく購入できる物件を選び、長めにローンを組みましょう。

頭金がすでに貯まっている場合にも、貯金は使い切らないことをおすすめします。

低金利のチャンスを逃さず、マイホームを手に入れたいですね。

合わせて読まれている記事

おすすめ記事一覧

51,488view
マンション売却の流れと早く高く売るコツ

一生涯でマンションを売却する機会は、ほとんどありません。 おそらくあなたも今回がはじめてのマンション売却ではないでしょう ...

41,827view
不動産一括査定

不動産一括査定のオススメを先に見たい人はコチラ マンションや一戸建て、土地などの「不動産を売りたい」と考え始めたとき、多 ...

4,645view
一戸建て

一戸建て(一軒家)を売却するには、正しい手順があります。 でも、一戸建ての売却をする機会は、人生でそう何度もありませんか ...

900view
土地(更地)

この記事では、はじめて土地を売る方でも失敗しないように、土地売却の流れ・あらかじめ知っておきたい注意点について分かりやす ...

-家購入

Copyright© 不動産売却の教科書 , 2019 All Rights Reserved.