家を購入するときには、様々な優遇制度があります。
例えば、「住宅ローン減税」という制度があるのをご存知でしょうか?
もし初めて聞いた、もしくはそもそも内容が分かっていないという方は、当記事は必ず役に立ちます。
これからお得な減税制度をまとめて紹介します。
減税制度には、条件を満たせば自動的に減税になるものもありますが、自分で手続きしないと減税にならないことがほとんど。
残念なことにハウスメーカー等は、不親切なところだと「自分で手続きしないといけないものが何か」というのを説明してくれません。しかも、期間限定なものばかり。
筆者の周りの知人や友人でも手続きを忘れてしまい、何十万、時には何百万も損した人を見てきました。
家の購入代金は最低でも数千万はしますので、それだけ減税が大きいのです。
- 家の購入に使える減税制度を知りたい
- 住宅ローン控除について詳しく知りたい
- 減税制度を受けるうえでの注意点等を知りたい
今回の記事では、住宅ローン減税を中心に家購入時に使える減税制度ついて紹介していきます。
【裏技】お得な住宅を手に入れる2つの方法
①夢の注文住宅を手に入れるなら複数社のカタログを比較する
「タウンライフ」を使うと、優良ハウスメーカーから一気にカタログを請求できます。取り寄せるだけでOK、強引な営業も一切ないので大変便利です。
②お得な住宅ローンを探す方法
モゲチェックを使うとあなたの属性に合わせた最適な住宅ローンが見つかります。また既に住宅ローンを組んでいる方も、お得な借り換え先を提案してくれます。
知っておきたい「住宅ローン減税」と「すまい給付金」
まず最初に「住宅ローン減税」と「すまい給付金」がどういう制度なのかお伝えします。
- 【住宅ローン控除】毎年の住宅ローン残高の0.7%を13年間、所得税から控除する制度
- 【すまい給付金】消費税増税による住宅購入費の負担を軽減するために始まった制度
ローン残高の0.7%が控除される「住宅ローン減税」
対象となる方
- 住宅ローンを使う人(新築/中古問わず)
住宅ローン減税とは
正式な名称は「住宅借入金等特別控除」といいます。
減税制度の中では、金額も一番大きくなる可能性があるので、しっかり押さえておきましょう。
簡単にいうと、その年に納めるはずの所得税のうち、ローン残高に応じた一定額が戻ってくる制度です。
項目 | 新築住宅 | 中古住宅 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
住宅の種類 | 認定住宅 | ZEH(ゼッチ) | 省エネ基準 | その他 一般新築住宅 |
中古 認定住宅 |
中古 一般住宅 |
控除率 | 0.7% | |||||
控除期間 | 13年 | 10年 | ||||
住宅ローン残高の上限 | 5,000 万円 | 4,500万円 | 4,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 2,000万円 |
1年間の控除額 | 35万円 | 31.5万円 | 28万円 | 21万円 | 21万円 | 14万円 |
トータルの最大控除額 | 455万円 | 409.5万円 | 364万円 | 273万円 | 210万円 | 140万円 |
控除額はローン借入額や所得、住宅の性能によっても違います。
住宅ローン減税を受けるための要件
住宅ローン減税を受けるための主な条件を見てみましょう。
- 自ら居住すること
- 床面積が50m2以上(一部、40m2以上)であること
- 中古住宅の場合、耐震性能を有していること
- 借入金の償還期間が10年以上であること
- 合計所得金額が3000万円以下であること(3,000万円を超える年は住宅ローン控除が利用できない)
- 増改築等の場合、工事費が100万円以上であること
※出典:国土交通省「すまい給付金:住宅ローン減税制度の概要」より
この中でも特に、「借入金の償還期間が10年以上(住宅ローンの期間が10年以上)」という条件が重要です。
将来、繰り上げ返済する可能性があれば、頭の隅に覚えておいてくださいね。
繰り上げ返済は、「期間短縮」か「返済金額減額」が選べますが、10年以下に期間短縮すると、途中でローン控除が終わってしまうので注意が必要です。
住宅ローン減税の手続きの方法
初年度は確定申告
入居の翌年の確定申告時に、税務署に書類を提出します(3/15まで)。
初年度の確定申告では、様々な添付書類が必要です。
ちょっと面倒ですが、大変なのは1年目だけなので、頑張って書類を揃えましょう。
※出典:国土交通省「住宅ローン減税の申請方法」より
2年目以降は年末調整でOK
給与所得者の場合、2年目からは年末調整で控除を受けることができます。
年末が近くなると、銀行から「残高証明書」が送られてきますので、勤め先に提出しましょう。
夫婦それぞれ住宅ローンを借りる場合
共働きで夫婦それぞれの名義でローンを借り入れするなら、それぞれの名義でローン控除を申請できます。
1人で借入するよりも、夫婦で借入したほうがローン控除をフル活用できる場合がありますので、ローン控除を考慮してローンの借入プランを検討しましょう。
- 国土交通省ホームページ:「住宅ローン減税」
- 国税庁ホームページ:「マイホームの取得等と所得税の税額控除」
住宅ローン減税のシュミレーション
住宅ローン減税のシュミレーションは、シュミレーションサイトで必要情報を入力することで、自分の控除額を知ることができます。
- 借入額
- 返済期間
- ボーナス返済
- 金利タイプ
- 金利
- 返済方式
- 返済開始月
- 住宅の種別
- 年収
- 扶養家族
- 居住地
住宅ローン控除は、入力した条件によって控除額が異なりますので、自分に当てはまる項目のデータを入力して、住宅ローン控除額を確認しましょう。
最高50万円の現金がもらえる制度「すまい給付金」※ほとんどの方が対象外
対象となる人
- 注文住宅の新築の場合:令和2年10月1日から令和3年9月30日までに契約した人
- 分譲住宅・中古住宅の取得の場合:令和2年12月1日から令和3年11月30日までに契約した人
すまい給付金とは
もともと消費税増税に合わせて作られた給付金のため、今はほとんどの方が給付対象外となっています。
「すまい給付金」は収入が低いほど給付金の額が多くなります。
適用期日(入居完了時) | 平成26年4月~R3年12月(※一部、令和4年12月まで) |
---|---|
給付金額 | 消費税8%時:最高30万円 消費税10%時:最高50万円に引き上げ予定 ※給付金の額は、収入や扶養家族の人数などによって変わります |
収入額の目安 | 消費税8%時:510万円以下が目安 消費税10%時:650万円以下が目安 ※扶養家族の人数によって変わります |
すまい給付金を受けるための主な要件
- 住宅の所有者:不動産登記上の持分保有者
- 住宅の居住者:住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
- 収入が一定以下の者[8%時]収入額の目安が510万円※2以下[10%時]収入額の目安が775万円※2以下
- (住宅ローンを利用しない場合のみ)年齢が50才以上の者※1
※1 10%時には、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加されます。
※2 夫婦(妻は収入なし)及び中学生以下の子供が2人のモデル世帯において住宅取得する場合の夫の収入額の目安です。※出典:国土交通省「すまい給付金とは」より
すまい給付金の手続き方法
入居後に給付申請書と確認書類を、「住まい給付金事務局」へ郵送、または「住まい給付金申請窓口」へ持参して申請します。
申請期限は、住宅の引渡し後1年以内です。
住宅事業者等が申請手続きを代行することも可能なので、住宅を購入した会社に聞いてみましょう。
国土交通省ホームページ:「すまい給付金」
すまい給付金のシュミレーション
すまい給付金のシュミレーションは公式サイトで情報を入力することで、自分の、給付額を知ることができます。
- 取得時の適用消費税率
- 所有権
- 住宅ローンの利用
- 年収
- 扶養家族
例として、年収400万・扶養家族2人・住宅ローン有の場合、すまい給付金の給付額は、500,000円になります。
すまい給付金については下記記事で詳しく解説しています。
その他の減税制度について
住宅ローン控除、すまい給付金以外の減税制度をまとめた税制度・給付金一覧をお見せします。
項目名 | 対象となる人 | 対象となる家 | 手続き方法 | 手続きする場所 |
---|---|---|---|---|
住宅ローン控除 | 住宅ローンを使う人 | 新築・中古 | 確定申告 | 税務署 |
すまい給付金 | 住宅ローンでも自己資金でも | 新築・中古 | 申請 | 住まい給付金事務局 |
贈与税非課税措置 | 贈与を受ける人 | 新築・中古 | 確定申告 | 税務署 |
投資型減税(認定住宅新築等特別税額控除) | 住宅ローンでも自己資金でも(ただし住宅ローン控除と併用不可) | 新築のみ(長期優良住宅、低炭素住宅) | 確定申告 | 税務署 |
不動産取得税の減税 | ― | 新築・中古 | 申告 | 都道府県税事務所 |
固定資産税の減税 | ― | 建物:新築のみ 土地:住宅の敷地なら新築・中古どちらでもOK | 申告 | 市町村 |
登録免許税の減税 | ― | 新築・中古 | 申請 | 法務局 |
※最新情報は国土交通省から発表されている「消費税率引上げに伴う住宅取得支援策について」でご確認ください
それでは、一つ一つみていきましょう。
贈与税の非課税措置と手続き方法
対象となる方
- 贈与を受ける人(新築/中古問わず)
贈与税の非課税措置とは
父母や祖父母から、住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定金額までの贈与について、贈与税が非課税となります。
住宅取得時期や住宅の性能によって、非課税になる金額が違うので、税務署によく確認しましょう。
対象住宅 | 非課税限度額 |
---|---|
良質な住宅用家屋 | 1,000万円 |
上記以外の住宅用家屋 | 500万円 |
震災特例法の良質な住宅用家屋 | 1,500万円 |
震災特例法の上記以外の住宅用家屋 | 1,000万円 |
この中で「良質な住宅」とは下記を指します。
- 断熱等性能級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること
- 耐震等級(構造躯体の倒壊防止)2以上若しくは免震建築物であること
- 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること
※出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より
贈与税の非課税措置を受けるための主な要件
要件が非常に細かいので、非課税措置を受けたい場合は、あらかじめ税務署に相談することが大切です。
- 建築後使用されたことのない住宅用家屋
- 新耐震基準の適合するもの(※登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす。)
- 建築後使用されたことのある住宅用家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するもの(※一定の証明書等により証明がされたもの)
- 耐震改修につき都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日まで耐震基準に適合するもの(※一定の証明書等により証明がされたもの)
贈与税の非課税措置の手続き方法
贈与を受けた翌年の確定申告時に、税務署に書類を提出します(3/15まで)。
必要書類→戸籍謄本、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど
- 国税庁ホームページ:「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
- 国土交通省ホームページ:「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」
贈与税の住宅取得等資金の非課税制度については下記記事をご確認ください。
投資型減税(認定住宅新築等特別税額控除)と手続き方法
対象となる方
- 長期優良住宅、低酸素住宅を取得した人(新築のみ)
投資型減税とは
住宅ローン控除の併用はできません。
性能強化に必要な「掛かり増し費用」の10%が所得税から控除されます。
つまり、性能強化のために、通常の住宅よりも多くかかった費用の一部が戻ってきます。
原則的に一度きりの控除ですが、控除しきれない部分は翌年度の所得税から控除されます。
居住年 | H26.4~R5.12 |
対象住宅 | 長期優良住宅、低炭素住宅 |
控除対象限度額 | 650万円 |
控除率 | 10% |
控除期間 | 1年間 ※控除しきれない部分は翌年度の所得税から控除 |
最大控除額 | 65万円 |
投資型減税を受けるための主な要件
要件が非常に細かいので、税務署に確認しましょう。
主な要件
- 新築又は建築後使用されたことのない認定住宅の取得であること。
- 合計所得金額が3,000万円以下であること。
- 住宅の床面積が50㎡以上
投資型減税の手続き方法
住宅を取得した翌年の確定申告時に、税務署に書類を提出します(3/15まで)
必要書類→認定住宅の区分に応じた証明書、登記事項証明書、売買契約書の写し、源泉徴収票など
国土交通省ホームページ:「投資型減税」
不動産取得税の減税と手続き方法
対象となる方
- 住宅購入者全員(新築/中古問わず)
不動産取得税の軽減とは
不動産取得税は、土地や家屋を取得したときに課税される都道府県税
一定要件を満たす住宅の場合、以下のような軽減特例を受けられます。
このほか、住宅の敷地についても、一定の軽減があります。
住宅の種類 | 一般住宅・低炭素住宅 | 長期優良住宅 (平成30年3月31日までに新築されたもの) |
中古住宅 |
---|---|---|---|
税率 | 本則4%→3% | 本則4%→3% | 本則4%→3% |
課税標準からの控除額 | 1,200万円 | 1,300万円 | 築年月日に応じて 100万円~1,200万円 (都道府県によって異なる) |
不動産取得税の軽減の手続き方法
都道府県税事務所へ書類を提出します。
必要書類:不動産取得税納税通知書、売買契約書、登記事項証明書など
東京都の場合は、住宅等を取得した日から原則として60日以内に申告します。
詳細は、都道府県によって違いますので、お住まいの都道府県税事務所に確認しましょう。
固定資産税の減税
対象となる方
- 建物は新築の方
- 土地は住宅の敷地ならOK(新築/中古問わず)
固定資産税は、毎年、土地や建物を所有している人に課税される市町村税です。
【建物】新築住宅に対する軽減
120平米までの部分について、一定の要件を満たす場合に固定資産税額が2分の1に減額されます。
住宅の種類 | 適用期間 | 固定資産税 |
---|---|---|
一般住宅 | 3年間 | 2分の1 |
3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅(マンションなど) | 5年間 | 2分の1 |
認定長期優良住宅 (平成30年3月31日までに新築されたもの) | 5年間 | 2分の1 |
認定長期優良住宅の減免を受けるには、長期優良住宅の認定通知書の写しを提出する必要があります。
一般住宅の場合には特に手続きしなくても自動的に減額される場合が多いですが、自治体により違いますので確認してみましょう。
【土地】住宅用地の特例
住宅用地は課税標準が減額されます。
用地の種類 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
小規模住宅用地:200平米以下の部分 | 6分の1 | 3分の1 |
一般住宅用地:200平米超の部分 | 3分の1 | 3分の2 |
住宅を新築した場合には、市町村役場に申告して減額を受けましょう。
中古の場合には、すでに住宅用地として減額されているはずですが、まれに手違いで適用されていない場合があります。
「固定資産税納税通知書」に「住宅用地の特例を適用」などと記載されているかチェックしてみてください。
- 東京都主税局ホームページ:「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
- 名古屋市ホームページ:「新築住宅に対する固定資産税の減額について」
登録免許税の減税
対象となる方
- 住宅購入者全員(新築/中古問わず)
登録免許税の減税とは
一定の要件を満たす住宅や土地の場合、登録免許税の軽減特例を受けられます。
土地の場合
項目 | 本則 | 軽減措置 | 適用期限 |
---|---|---|---|
土地の売買による所有権の移転登記 | 2.0% | 1.5% | R5.3.31 |
建物の場合
項目 | 本則 | 軽減措置 | 適用期限 |
---|---|---|---|
住宅用家屋の所有権の保存登記 | 0.4% | 0.15% | R4.3.31 |
住宅用家屋の所有権の移転登記 | 2.0% | 0.3% | R4.3.31 |
住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記 | 0.4% | 0.1% | R4.3.31 |
主な要件
- 床面積が50 以上であること
- 住宅用家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けること
登録免許税の軽減の手続き方法
土地の売買については、特に手続きをしなくても自動的に軽減税率が適用されます。
住宅に関する登記について、軽減措置の適用を受けるには、登記申請のときに、その住宅の所在する市町村等の証明書を添付する必要があります。
なお、登記した後で証明書を提出しても軽減税率の適用を受けられませんので注意してください。
スムーズに進めるために、登記を依頼する司法書士に相談しましょう。
- 国税庁ホームページ:「登録免許税の税額表」
- 法務局ホームページ:「平成29年4月1日以降の登録免許税に関するお知らせ」
お得に住宅を建てる方法
失敗しない注文住宅選びは、多くのカタログ&間取りプランを見て学ぶ
注文住宅は設計次第で1,000万円で建てることもできれば、1億円で建てることもできます。
素人のあなたがあれやこれや考えても、想像が出来ないでしょう。
また、住宅メーカーにより外観の違いや得意・不得意もありますので、まずは多くの住宅メーカーからカタログを取り寄せるのがベストです。
1つ1つハウスメーカーに自分の予算やイメージを伝えるのは大変面倒。
ただし、家は何度も買えるものではなく、人生で一発勝負なので、それぐらい時間を掛けるべき・・・
そこで便利なサービスが「タウンライフ」です。
自分の予算や理想のイメージをネット上で入力すると、条件に合うハウスメーカーから一気にカタログや間取りプランを入手できます。
利用も無料、しかも強引な営業も一切ありません。
家購入を検討しているなら必須サービスですので、まずは利用してみましょう。
まとめ
減税措置が受けられるかどうか不安なときは、税務署などに聞いてみましょう。
また、家購入は何よりもハウスメーカー選びが重要になってきます。
また、住み替えの時は今回の減税と一緒に使えない場合があります。
もし住み替えを考えている人は、下記記事もご確認ください。