ローン残債の家売却/スムーズに売却するために必要な全手順

投稿日:2016年10月7日 更新日:

これから家を売却しようとしている人の中で、住宅ローンが残っている場合はどうしたらいいのか知りたいと思っている方も人も多いのではないでしょうか。

「オーバーローン(ローン残債>売却額)」=「任意売却」と勘違いされている方も多いようです。

そこで、今回の記事では家を売却するときの「ローン残債がある時の売却」にフォーカスして正しい知識をお伝えします。

この記事を読むことで、自分のローン残債の場合、家を売却するとどういう状況になるのか想像できて次の行動に移せることができることを約束します。

後半では任意売却についても触れます。ぜひ最後までご覧ください。

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1.ローン残債の状態で家を売却する方法

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1-1.抵当権の抹消ができれば売却は可能

家を売却する際、ほとんどのケースで住宅ローンの残債が残っていることが普通です。

結論からすると、住宅ローンの残債があっても、家は売れます。

ただし、抵当権が外れないと、家は売れません。

そのため、家が売れるかどうかは住宅ローンが残っているかどうかではなく、抵当権が外れるかどうかが決め手となります。

抵当権が外すことができれば、家は売れます。具体的には、ローン残債が売却額よりも少なければ、抵当権は問題なく外れます。

ローン残債>売却金額の場合の対処法

一方で、問題となるケースはローン残債が売却額よりも大きい時です。

この時も、預貯金を売却金額に合算してローン残債を返済することができれば、抵当権は外すことができます。

極端な例を言えば、売却額とローン残債を銀行カードローンや消費者金融(アコムやアイフル・モビットなど)で借りてしまえば抵当権を外すことも可能です。

ただし、消費者金融等から借りるのは後々苦しむだけですので、絶対に止めましょう。

つまり住宅ローン残債と売却額の差額を預貯金などなんらかのお金で手当てすることができ、銀行に返済して抵当権を外すことができれば、ローン残債があっても売却できるのです。

住み替えの人は「住み替えローン」を借りられれば売却できる

さらに問題となるのが、ローン残債が売却額よりも大きく、かつ預貯金もないケースです。

この場合は、残念ながら売却することは不可能です。

ただし、1点だけ方法があります。

新しい新居に住むことが前提になりますが、「住み替えローン」というものを使います。

住み替えローンとは新たに購入するマンションの住宅ローンに加え、売却額とローン残債の差額分も借りるローン

つまり簡単にまとめると住み替えローンは

  • 新しく購入する住宅のローン
  • 売却額とローン残債の「差額」を合算したものを新たに借りるローン

です。住み替えローンを借りることで、売却物件の抵当権を外すことになります。

他人から借りた金で前の借金を返すという点では、消費者金融で借りて住宅ローンを返すという例と同じです。

しかしながら、住み替えローンは住宅ローンですので、金利も低く、利用される方も多くいます。

住み替えローンは審査ハードルが高い

ここで注意が必要なのは、住み替えローンは誰しもが組めないという点です。

住み替えローンは新たに購入する物件の価格以上の金額を借りることになるため、借りる人の信用力が考慮されます。

審査が通常の住宅ローンよりも厳しく、借りられる人も限られます。

具体的には大手企業や公務員など、安定的な収入が得られる人が審査に通りやすいです。

その他、勤続年数や本人の健康状態なども審査対象となります。

このように誰しもが利用できる訳ではないため、事前に住み替えローンが利用できるかどうかを銀行に相談するのが良いでしょう。

1-2.家購入時に自己資金が少なかった人は危ない

ローン残債が売却額よりも大きくなってしまう人は、新築マンションの購入時に自己資金の頭金が少なかった人たちです。

ローン残債と売却額との関係は、購入時の自己資金割合で決まってきます。

特に新築マンションをフルローンで購入した人は、まず査定を行ってローン残債よりも売却額が高いかどうかを確認するのが良いでしょう。

住み替えローンが組めない人は賃貸にする

ローン残債が売却額よりも大きく、住み替えローンが組めない場合は、売却を諦めるのが現実的です。

それでも引越をしなければいけない時は、現在の家を賃貸し、新たな住居は買わずに借りるという手があります。

ローン残債は賃料収入で返済し、新たな住まいは今までの住宅ローン返済額よりも安い家に引っ越せば、今よりも生活は楽になります。

賃料収入でローン残債が減れば、タイミングを見て売れば良いのです。

売却と賃貸を同時に査定が行えるサイトを使う

売却でいけるか賃貸でいくのか迷っている方は、売却と賃貸でどれぐらいの査定額になるのか調べたほうが良いでしょう。

その際に便利なサイトが スマイスター という不動産一括査定サイトです。

不動産一括査定サービスとは?

インターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入力すると、その情報を元に査定先、売却先の不動産会社が自動的に抽出されて、複数の不動産会社に一度に査定依頼が行えるサービスです。
不動産一括査定のイメージ図

不動産一括査定のイメージ図

多くの不動産一括査定は、売却のみしか対応しておりませんが、スマイスターの場合は賃貸も同時に査定が行なえますので大変便利です。

実際に筆者が試してみたところ、下記のように売却査定と賃料査定が行えました!

スマイスターの不動産会社選択画面

スマイスターの不動産会社選択画面

スマイスターはコチラ → https://www.sumaistar.com/

以上、ローン残債の状態で家を売却するのは可能かについて見てきました。

では、次に実際に売却できた際に多くの人が関係する特例について見ていきます。

特例を使うことで税金が控除されますので、必ず目を通してください。

2.ローン残債の家売却に発生する譲渡損失の特例

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ローン残債が残っている家を売却する方は、「譲渡損失」が発生することが多いです。

譲渡損失の計算は下記で表します。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡損失 = 譲渡所得 < 0

譲渡損失とは少し乱暴に言うと、購入したときよりも売却した金額が安かった場合です。

家の価値は、年々落ちてくるのが普通ですので、よほどの人出ない限り譲渡損失になるのです。

その場合に受けられる特例(税金の控除)があります。

2-1.居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

ここで、買換えではなく、居住用財産の単純に売却のみで終わる人は、譲渡損失によって源泉所得税が戻ってくるお得な税制があります。

源泉所得税の戻ってくる金額を左右するのが、住宅借入金つまり「ローン残債」なのです。

この税制の特例は「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と呼ばれます。

居住用財産を売却して譲渡損失が発生した場合には、譲渡損失の金額のうち、ローン残債の金額からその譲渡資産の譲渡価額を控除した額を限度として、他の所得との損益通算及び翌年以後3年間の繰越控除ができる制度です。

居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の要件は以下のようになっています。

 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
譲渡資産の所有期間等譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超のもの
譲渡資産の住宅借入金の有無譲渡契約締結日の前日においてローン残債があること
買換え要件買換えは要件となっていない
所得要件合計所得金額が3,000万円以下であること
繰越控除等される金額損失金額のうち、「ローン残債―譲渡価額」の金額を限度として他の所得との通算及び3年間の繰越控除の対象となる。

取得費と譲渡価額、ローン残債の関係を見ると以下の図ようになります。

loan-remaining-debt01

取得費と譲渡価額、ローン残債の関係

この税制ではローン残債が残っている程、繰越控除できる金額が大きくなる税制となっています。

通常、ローン残債が残っているとマンションを売却しにくくなるため、国が「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」によって、ローン残債が残っていてもマンションを売却しやすくしてくれているのです。

2-2.特例を受けるための必要書類

また居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を受けるためには、売却後、確定申告が必要となります。その必要書類は以下の書類です。

必要書類取得先
除票住民票今まで住んでいた市区町村役場
譲渡資産の登記事項証明書法務局
譲渡所得の計算明細書税務署の書式
住宅借入金の残高証明書住宅ローンを借りている銀行

確定申告の方法は下記記事をご確認ください。

殿堂
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以上、ここまで居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例について見てきました。

定義が分かったとしても、少し計算が複雑だと感じたと思います。

わかりやすくするために、特例を使った計算例を説明します。

3.特例を使った具体的計算例

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居住用財産を売却したサラリーマンのAさんの例について見ていきます。

Aさんが売却した不動産

売却額38,000,000円 (売却時期は平成28年4月)
取得費80,000,000円 (取得時期は平成9年)
減価償却費5,000,000円
譲渡費用3,000,000円
ローン残債63,000,000円

Aさんの給与所得

年次給与所得源泉徴収額
平成28年9,600,000円767,700円
平成29年9,800,000円781,000円
平成30年10,200,000円802,500円

ここで平成30年の所得税控除額は2,560,000円です。

またAさんには他の所得はありません。

平成28年分の計算

  • 損益通算
    給与所得-繰越控除限度額
    =9,600,000円-25,000,000円=▲15,400,000円(翌年の繰越控除額)
    ※マイナスなので譲渡損失になります。
    ※減価償却の計算方法については、「不動産売却に関わる計算式をわかりやすく教えます」で詳しく紹介していますので、ご参考ください。
  • 特例の対象となる損失の金額
    繰越控除される金額は損失金額の内、「ローン残債―譲渡価額」に金額が限度となります。よって対象となる損失の金額は以下の式で計算され25,000,000円が上限額となります。
    ローン残債―譲渡価額
    =63,000,000円-38,000,000円=25,000,000円<40,000,000円
    ※先ほどの図で表現すると以下のような状態です。
    loan-remaining-debt02

    ※ローン残債が大きいほど、繰越控除限度額が大きくなります。

  • 譲渡所得の計算
    譲渡価格 - 取得費(減価償却後) - 譲渡費用
    =38,000,000円-(80,000,000円-5,000,000円)-3,000,000円
    =▲40,000,000円
  • 所得税額
    所得税はゼロとなり767,700円全額が還付されます。

平成29年分の計算

  • 損益通算
    給与所得-前年の繰越控除額
    =9,800,000円-15,400,000円=▲5,600,000円(翌年の繰越控除額)
  • 所得税額
    所得税はゼロとなり781,000円全額が還付されます。

平成30年分の計算

  • 所得税額合計
    106,500円+2,236円≒108,700円
  • 所得税額
    (4,600,000円-2,560,000円)×10%-97,500円=106,500円
    ※2,560,000円はAさんの平成30年の所得税控除額
    ※97,500円は所得が1,950,000円超3,300,000円以下の控除額
  • 損益通算
    給与所得-前年の繰越控除額
    =10,200,000円-5,600,000円=4,600,000円
  • 復興所得税額
    106,500円×2.1%=2,236円
  • 還付額
    以下の式により693,800円が還付されます。
    802,500円-108,700円=693,800円

今回のAさんの例でいくと、3年間で

767,700円+781,000円+693,800円≒224万円の税金還付がされています。

とても大きな金額であることがわかって頂けると思います。

ですので、不動産を売却した際は、プラスだろうとマイナスだろうと確定申告を行ったほうがいいです。

詳細については、下記記事をご確認ください。

殿堂
不動産売却した時の確定申告/必要・不要・するべき人の判断基準

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それでは次にどうしてもローンが返せなくても売却する手段として「任意売却」というものがあります。

筆者としては最後の手段だと考えておりますので、基本オススメしておりませんが、どうしてもの方のために次に説明していきます。

4.ローンが返せなくても売却するには「任意売却」

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4-1.任意売却とは

任意売却については、今までの話とは全く異なります。

任意売却は、あくまでも収入が減額したことや、失業などをしたことにより、毎月の住宅ローンが支払うことが出来なくなった人たちの売却手段です。

住宅ローンが支払えなくなると、債権者である金融機関が抵当権を実行します。

抵当権を実行するということは、競売を行うということです。

競売は裁判所を通じて行う債権者を保護する手段で、売却金額は金融機関の元に入ります。

しかしながら、この競売ですが、2週間で強制的に売却期間が終了し、かつ、最低売却価格が市場価格の70%で設定されるため、安い売却価格となります。

そのため債権者である金融機関にとっても回収額が少なくなるというデメリットがあります。

競売による安い売却価格にならないようにするのが任意売却

この競売のデメリットを少しでも緩和するために存在する売却方法が任意売却となります。

競売のような裁判所が定める売却方法ではなく、民間で行う任意の売却のことを言い、任意売却と呼ばれています。

任意売却も金融機関が早期に債権回収を図るための売却手段の1つです。

そのため金額は安くなりますが、売却のスタートラインは市場価格の80%くらいのところから始まります。

任意売却によって、金融機関と合意を取り、最終的には抵当権を抹消します。

4-2.任意売却をするとブラックリストに載る

ただし一度、任意売却をしてしまうと、個人信用情報機関のブラックリストに載ってしまうため、最低5年は新たなローンが組めません。

また任意売却で返済しきれなかったローンも返済の継続を要求されることがあります。

自己破産を申請して借金を無くす方法もありますが、さらにブラックな領域に入りますので、その判断には注意が必要です。

任意売却は毎月の住宅ローンが払えなくなった人の最終手段

つまり任意売却は毎月の住宅ローンが払えなくなって人が取る手段のため、普通に住宅ローンを払えている人には絶対おすすめしません。

ローン残債が売却額よりも大きい状態をオーバーローンと言いますが、オーバーローン、即、任意売却ではないのです。

以上、任意売却はおすすめかいなかについて見てきました。

今まで住宅ローンをきちんと支払ってきた人は任意売却をする必要は全くありません。

多くの方はローン残債があっても普通に売却していますので、ご安心ください。

ここからは任意売却をする必要がある人向けの記事になりますので、住宅ローンを普通に返却した人は不要です。

それよりも今の不動産を高く売る方が大事です。

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次からは気になる任意売却を行う上での注意点について見ていきます。

4-3.任意売却を行う上での注意点

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任意売却は勝手にすることは出来ません。

あらかじめ債権者である金融機関の同意を得る必要があります。

複数の金融機関からお金を借りており、複数の抵当権がついている場合は、さらに大変になります。

粘り強く、各債権者の同意を得る必要があり、手間も時間もかかります。

また金融機関が既に競売の申し立てを申請している場合には、競売が実行される前に任意売却を終了させる必要があります。

4-4.任意売却は競売というよりも債権回収の意味合いが強い

任意売却は、どちらかと言うと、競売よりも泥臭い債権回収です。

金融機関によっては、ドライにさっさと競売で終わらせたいという考えるところもあります。

ローンが返済できなくなったら、早めに銀行へ相談に行きましょう。

5.オススメの任意売却方法

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任意売却は、任意売却を専門とする不動産会社が行います。

街中の不動産会社にふらっと行っても任意売却をしてもらえません。

通常は、任意売却を専門とする業者は金融機関と連携しています。

5-1.まずは金融機関に相談

まずは金融機関に任意売却を専門とする不動産会社を紹介してもらう方法が現実的です。

任意売却業者にいきなり相談に行く方もいらっしゃいますが、まずは金融機関に相談しに行くことが第一歩です。

任意売却の前に月々の返済額を減らす、または一時的に元本の支払いを停止してもらうなどの策があります。

5-2.最終手段として任意売却を頼む

それでもどうにもならない場合は任意売却となるのです。

任意売却に強いところですが、「任意売却相談センター」です。任意売却を専門としており、専門の弁護士もついておりますので安心です。

ここまで、おすすめの任意売却方法について見てきました。

最後に任意売却をする上で必要な書類について触れておきます。

6.任意売却をする上で必要な書類

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任意売却は、基本的には通常の売却と必要書類は変わりません。

ただし、以下の書類は、任売専門業者から要求される可能性が有ります。

  • 「住宅ローン借入時の債権者との金銭消費貸借契約書、保証委託契約書」
  • 「競売開始決定通知書、督促状等」(既に競売が申し立てられている時のみ)

その他は登記識別情報や身分証明書、固定資産評価証明書など通常の売却で必要な書類が要求されます。

通常の不動産売却で必要な書類については、下記記事をご確認ください。

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7.まとめ

いかがでしたか?家の売却でローン残債がある場合はどうしたらいいのか徹底解説してきました。

まずは査定をしてみて、ローン残債と比較してみるのが良いでしょう。

その際は、 イエウール などの一括査定サイト使って、一番安い査定額と比較することをオススメします。

保守的な資金計画をした上で、無理な売却は避けることが成功の秘訣です。

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