一見良さそうなネット銀行の住宅ローンの落とし穴とオススメの人

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一見良さそうなネット銀行の住宅ローンの落とし穴とオススメの人

近年、その手軽さからネット銀行が普及しています。

ネット銀行では、住宅ローンも扱っており、家を購入する人にはローンをどこで組むかの選択肢が増えました。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 手軽なので、ネット銀行で住宅ローンを組もうと思うのだけれど大丈夫?
  • ネット銀行の住宅ローンにはどのようなメリットがあるの?
  • ネット銀行の住宅ローンを使うときは、どんな場合が良いの?

そこでこの記事では、「ネット銀行の住宅ローン」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、ネット銀行の住宅ローンの特徴や注意点について知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.ネット銀行の3つのメリットの2つのデメリット

ネット銀行には、下記3つのメリットと2つのデメリットがあります。

3つのメリット

  1. 変動金利が安い
  2. ランニングコストが安い
  3. 来店不要で契約できる

2つのデメリット

  1. 事務手数料が高い
  2. 融資実行が遅い

があります。それぞれ解説します。

メリット1.変動金利が安い

ネット銀行は変動金利が安いというメリットがあります。

一方、固定金利に関しては、ネット銀行が特に安いという傾向はありません。

2019年12月時点の住宅ローンの変動金利のランキングを見てみると、以下の通り。

順位銀行名銀行の種類金利
1位 住信SBIネット銀行 ネット銀行0.418%
2位 新生銀行 ネット銀行0.450%
3位 ソニー銀行 ネット銀行0.457%
4位 りそな銀行 都市銀行0.470%
4位横浜銀行地方銀行0.470%
6位 三井住友銀行 都市銀行0.475%
6位 三井住友信託銀行 信託銀行0.475%
8位 ARUHI ノンバンク0.480%
9位 イオン銀行 ネット銀行0.520%
10位 三菱UFJ信託銀行 信託銀行0.525%
10位 みずほ銀行 都市銀行0.525%

※2019年12月2日更新

数年前は、ネット銀行の変動金利は顕著に安かったのですが、最近ではほとんど都市銀行などとの差がなくなってきました。

かつては、ネット銀行は変動金利に強みを持っていましたが、最近ではそこまで金利にメリットがない状況が伺えます。

メリット2.ランニングコストが安い

ネット銀行は団信保険料や保証料、繰上返済手数料等のランニングコストが安いというメリットがあります。

費用項目説明
団体信用生命保険料住宅ローン返済中に、死亡や高度障害になった場合、住宅ローンが支払われる生命保険です。
保証料保証会社の保証を受けるための対価として保証会社に支払う費用になります。
繰上返済手数料繰上返済を行うために銀行へ支払う手数料になります。

全てのネット銀行が共通しているわけではありません、ネット銀行では団体信用生命保険料が金利に含まれていることが多いです。

また保証料についても、徴収しない銀行がほとんどです。

さらに繰上返済手数料については、「無し」としている銀行が多いです。

繰上返済しやすいというのは、ネット銀行の特筆すべきメリットと言えます。

メリット3.来店不要で契約できる

ネット銀行は来店不要で契約ができるというメリットがあります。

仕事で忙しい人や、平日休めない人にとっては、ありがたい存在です。

一方で、来店して色々確認しないと不安な人もいますので、来店不要というのは人によってはデメリットに感じることもあります。

しかしながら、ネット銀行では、各行ともメールや電話でのサポートにも力を入れています。

家から色々聞けるという意味では、ある意味、通常の銀行よりもサポート体制は充実しているものと言えます。

以上が3つのメリットです。

では、次にデメリットを見ていきましょう。

デメリット1.事務手数料が高い

ネット銀行は事務手数料が高いというデメリットがあります。

事務手数料とは、住宅ローンの手続きのために銀行に支払う手数料のことです。

事務手数料には、定額の「固定型」と融資額にロ湯率を乗じて求める「変動型」の2種類があります。

ネット銀行では、事務手数料が変動型を採用している銀行が多いです。

ネット銀行の事務手数料は税込で2.16%が相場になります。

一方で、固定型の事務手数料は税込で108,000円が相場となります。

例えば4,000万円の融資を受けると、2.16%の変動型の事務手数料は、86.4万円にもなってしまいます。

固定型の108,000円とは大きな差です。

ネット銀行は、ランニングコストは安いですが、初期費用はとても高いという点が注意点となります。

デメリット2.融資実行が遅い

ネット銀行は融資実行までが遅いというのもデメリットです。

ネット銀行の融資は、審査から融資実行までは1.5~2ヶ月程度かかります。

1.5~2ヶ月程度だと、中古物件の買い替えでは、スピードについていけません。

中古物件の購入は、売買契約から引渡までが1ヶ月程度しかないため、2~3週間で融資実行できるスピード感が求められます。

マイホームを売却して、新たに中古物件を購入しようとする場合には、ネット銀行は実質的に使えないことになります。

以上、ここまでネット銀行のメリット・デメリットについて見てきました。

ネット銀行と言っても、そもそもネット銀行にはどのような銀行があるのかよく知らない人も多いと思います。

2.ネット銀行にはこんな銀行がある

都市銀行や地方銀行では、ほとんどの銀行が当然のように住宅ローンを扱っています。

しかしながら、ネット銀行は住宅ローンを扱っていない銀行も存在します。

そこで、国内の主な銀行と、その経営母体、住宅ローンの扱いについて以下に示します。

ネット銀行名経営母体備考住宅ローンの扱い
ジャパンネット銀行三井住友銀行 Yahoo!JAPAN2000年に設立した日本初のネット銀行です。
2017年にはYahoo!JAPANの子会社になっています。
無し
大和ネクスト銀行大和証券大和証券グループのネット銀行です。
大和証券は、証券会社としては野村証券に次ぐ2位の規模の会社です。
無し
セブン銀行セブンアンドアイホールディングス言わずとしれたセブンイレブンを経営しているセブンアンドアイホールディングスが経営母体です。
セブン銀行は単独で東証一部に上場しています。
無し
じぶん銀行 三菱UFJ銀行 au(KDDI)一番名前と母体にギャップのある銀行です。
リアル銀行としては最も経営が安定している三菱UFJ銀行が母体になっています。
またauの母体も優良企業のKDDIです。
有り
ソニー銀行 SONY元々は電機メーカーのソニーが母体です。
本体の業績は波がありますが、現在、ソニーグループはソニー生命が超優良企業であるため、
グループ全体としての経営基盤は安定しています。
有り
楽天銀行 楽天国内ネット販売最大手の楽天が運営しています。
ネット銀行としての口座保有数は日本最大です。
楽天の三木谷社長自身が、元々、日本興業銀行出身でもあります。
有り
住信SBIネット銀行 三井住友信託銀行 SBIホールディングス信託銀行大手の三井住友信託銀行が運営しています。
住宅ローンの金利に関しては常に最も安い金利を提供しており人気のあるネット銀行です。
有り
イオン銀行 イオン大型商業施設を運営するイオングループが母体です。
イオンの各店舗にATMが設置されており、
買い物をしながら銀行手続きを済ませることができる点が特徴です。
有り
新生銀行 新生銀行リアル店舗もありますが、ネット銀行にも力を入れている銀行です。
前身は経営破たんした旧日本長期信用銀行になります。
ATM手数料無料などの強みを持っています。
有り

ネット銀行は住宅ローンも扱っていない銀行も多いため、ご注意ください。

以上、ここまでネット銀行の種類について見てきました。

では、ネット銀行で住宅ローンを組んでも大丈夫でしょうか。

3.住宅ローンはメインバンクで検討するのが原則

住宅ローンはメインバンクで検討するのが原則です。

メインバンクとは、給与振込や公共料金の引き落とし口座となっている銀行、または多額の預金をしている銀行、入出金や各種振込など、普段から頻繁に取引を行っている銀行のことを指します。

住宅ローンの審査では、「その人が銀行と何年取引しているのか」、または「給与振込口座として利用しているか」、「預貯金残高はいくらなのか」等がチェックされます。

特に、預貯金残高が高いと、給与以外でも返済できる能力が高いと判断され、評価が上がります。

メインバンクで住宅ローンを組むと、振込手数料が無料になるなど、見えない恩恵を受けることができます。

メインバンクは審査が通りやすいため、融資も受けやすく、住宅ローンを借りるのが楽というメリットがあります。

実際、多くの人が給与振込口座となっている都市銀行や地方銀行で住宅ローンを組んでいるのは、メインバンクだからというのが理由です。

まずは特段の支障がない限り、借入はメインバンクから検討することが原則です。

その上で、メインバンクを上回るメリットがある場合には、ネット銀行を利用するようにしましょう。

以上、住宅ローンをメインバンクで検討する必要性について見てきました。

では、金利が安いと評判のネット銀行で、固定金利はどうなっているのでしょうか。

4.意外と安くない固定金利:人気の35年ローン

ネット銀行は固定金利に関しては特に安くありません。

以下に高低金利の中でも最も人気のある35年ローンについて、金利ランキングをご紹介します。

順位銀行名銀行の種類金利
1位 住信SBIネット銀行 ネット銀行0.987%
2位 ARUHI ネット銀行1.027%
3位三井住友信託銀行都市銀行1.103%
4位 みずほ銀行 都市銀行1.107%
5位 楽天銀行 ネット銀行1.110%
6位 りそな銀行 都市銀行1.157%
6位 イオン銀行 ネット銀行1.157%
8位 新生銀行 ネット銀行1.197%
9位 ソニー銀行 ネット銀行1.352%
10位 じぶん銀行 ネット銀行1.405%

※2019年12月2日時点

35年ローンのトップ10の中にはネット銀行は一行も登場しません。

従来から長期固定金利については、ネット銀行は安くないという特徴を持っています。

ここ数年は長期固定ローンを選択する人が多かったため、ネット銀行による住宅ローンはやや下火の傾向があります。

以上、ここまでネット銀行の固定金利について見てきました。

では、どのような場合にネット銀行は有効なのでしょうか。

5.ネット銀行を使うなら借換がオススメ

ネット銀行を利用するなら、新規融資よりも借換で利用するのがオススメです。

借換なら融資実行に時間がかかっても、特に問題はありません。

また、借換であれば、残債も減っているため、事務手数料も相対的に小さくなります。

これから短期の間にガンガン繰上返済を実行したいのであれば、繰上返済手数料のかからないネット銀行はメリットが出てきます。

変動金利は比較的安いため、短期勝負で一気に返済していくような人はネット銀行が向いているといえます。

ただし、最近は金利が上昇傾向にあるため、変動金利の選択は危険信号が点滅しています。

この局面で変動金利に切替えるのは得策ではありません。

変動金利が売りのネット銀行は、今後の利用については全般的に要注意といえます。

6.まとめ

ネット銀行で組む住宅ローンについて見てきました。

ネット銀行のメリットは薄れつつあります。

まずはメインバンクを中心に考え、ネットバンクでもメリットがありそうな場合は、利用を検討しても良いでしょう。

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