担保なしで住宅ローンを組む方法とメリット・デメリット

消費者金融のキャッシングやカードローンではなく、住宅ローンとして無担保で組める無担保住宅ローンというものがあります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 担保なしで住宅ローンを組めるのか知りたい
  • 住宅ローンを担保なしで組んだ場合のメリットとデメリットを知りたい
  • どういう用途なら担保なしの住宅ローンが組めるのかを知りたい

無担保住宅ローンは銀行から借りることができるため、キャッシングやカードローンと比べると金利も低くとても便利です。

そこで今回の記事では担保なしで組める「無担保住宅ローン」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは無担保住宅ローンについて理解し、そのメリットと借りる際の注意点についても知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.無担保住宅ローンの特徴と種類

ローンには、大きく有担保と無担保のローンの2種類があります。

有担保ローンとして最も身近な存在は住宅ローン。

通常、住宅ローンでは土地と建物を担保として提供することで銀行からお金を借りています。

無担保ローンとしては、消費者金融から借りるキャッシングやカードローンなどがあります。

無担保住宅ローンとは、有担保の普通の住宅ローンと消費者金融のキャッシングローンとの間にあるようなローン

これらは、お金を借りる際、いちいち土地や建物に担保を設定する必要はありません。

ただし、消費者金融から借りるローン等は金利が異常に高いとか、取立がえげつないとかの大きなデメリットがあります。

このような無担保ローンの中でも、無担保だけど住宅ローンである無担保住宅ローンというものが存在します。

貸し手は普通の銀行です。

普通の銀行から借りられるため、金利が異常に高いとか、取立がえげつないとかというようなデメリットはありません。

有担保の普通の住宅ローンよりはちょっと金利が高いだけ

しかもどちらかと言うと、普通の住宅ローンに近い存在であるため、安心して借りることができます。

無担保住宅ローンの特徴

無担保住宅ローンは、主に地方銀行や信用金庫、労働金庫等が商品として扱っています。

また、イオン銀行も熱心に無担保住宅ローンを扱っています。

無担保住宅ローンの借入最大額は、1,000万円~2,000万円です。

銀行ごとに最大額を定めています。

借入可能期間も25年や15年といったものが多いです。

地方の労働金庫系は比較的金額が大きく、2,000万円で25年のローンといった組み合わせもあります。

無担保住宅ローンは、メガバンクである都市銀行は、あまり積極的には扱っていない商品です。

メガバンクでは多目的ローンやフリーローンという名称で、無担保の類似のローンを扱っています。

メガバンクの無担保ローンは、住宅を前提としておらず、金額も300万円~500万円であり、借入最大額がかなり小さいという特徴があります。

本記事では、メガバンクの無担保ローンは対象とせず、地方銀行や信用金庫、労働金庫等で扱っている無担保住宅ローンについて解説します。

以上、ここまで無担保住宅ローンについて見てきました。

それでは次に住宅ローンとの共通点について見ていきます。

2.無担保住宅ローンと有担保(通常の)住宅ローンとの共通点

無担保住宅ローンは通常の有担保住宅ローンと多くの共通点を有しています。

住宅ローンの金利

金利についても、固定金利と変動金利があり、選択をすることが可能

金利は、固定金利と比べて変動金利の方がやや低いというような性質も同じになります。

返済方法は元利均等返済がほとんどになります。

有担保の住宅ローンも、最近はほとんどの方が元利均等返済を選ぶので、共通点と言えます。

元利均等返済とは、元本と金利の合計額は毎月一定額の返済方法を指します。

元利均等返済では、返済当初はなかなか元本が減りませんが、返済後半は元本の減り方が早くなります。

住宅ローンの返済

返済については、途中で繰り上げ返済することも可能です。

繰上返済手数料については、有担保住宅ローンと同様に各銀行によって扱いが異なります。

返済負担率については、年収の40%とするところが多いです。

有担保住宅ローンの返済負担率も40%までは審査に通ります。

ただし、実際は40%まで借りてしまうと返済が苦しいです。

返済負担率は、有担保住宅ローンの返済と合わせて年収の20%以内で抑えておくことが理想的です。

また団体信用生命保険加入を条件とすることも共通点です。

無担保住宅ローンは、一度借りてしまえば、基本的には有担保住宅ローンとほとんど変わることはありません。

特に返済方法に関しては有担保住宅ローンと全く同じです。

一番な身近にある住宅ローンと返済方法はほぼ同じであるため、分かり易く使いやすいローンと言えます。

以上、ここまで住宅ローンとの共通点について見てきました。

それでは次に住宅ローンとの違いについて見ていきます。

3.無担保住宅ローンと有担保(通常の)住宅ローンとの違い

無担保住宅ローンと有担保住宅ローンの最大の違いは抵当権を設定するかしないか。

そのため無担保住宅ローンでは、抵当権に関する費用が一切発生しないという点が最大の違いになります。

例えば、有担保住宅ローンでは、住宅購入と同時に登記を行うため、司法書士手数料と抵当権設定の登録免許税といった抵当権設定登記費用が発生します。

また、住宅の売却時やローン完済時に抵当権の抹消を行いますが、その際の抵当権抹消登記費用が発生します。

抵当権の登記とは

有担保住宅ローンでは、抵当権を設定するため、土地と建物の登記簿謄本の乙区に以下のような抵当権の内容を登記することになります。

権利部(乙区) (所有権以外の権利に関する事項)
順位番号登記の目的受付年月日・受付番号権利者その他の事項
1抵当権設定平成〇年〇月〇日 第*****号原因 平成〇年〇月〇日設定
債権額 金5,000万円
利息 年1.5%(年365日の日割計算)
損害金 年18.250%(年365日の日割計算)
債務者 ○○市○○12番地34  ○○ ○○
抵当権者 ○○市○○56番地78  ××銀行
共同担保 目録(〇)第****号

無担保住宅ローンでは、そもそもこのような抵当権を設定しないため、司法書士手数料や抵当権の設定や抹消の登記の登録免許税が発生しません。

また登記手続きがない分、売買にあたっては、抵当権登記に必要な資料を用意することはありません。

ただし、有担保の住宅ローンが残っている場合は、その抵当権の設定や抹消の登記のための書類が必要になります。

抵当権の詳細

民法369条によると、抵当権は以下のように定義されています。

抵当権とは、債務者または第三者(物上保証人)が担保に供した目的物の占有を移さないで、設定者にその使用・収益を委ねるが、債務が弁済されない場合には、債権者が目的物を換価しそこから優先的に弁済を受けることができる約定担保物件をいう。

少し言葉が難しいですが、要はお金を借りた人が、担保に提供したものをそのまま使い続けることができる担保設定を抵当権と言います。

抵当権では担保に提供した土地建物を債務者が使い続けることができますが、お金を返さなくなった場合、競売にかけられて売却されます。

抵当権と質権との違い

似たような担保権に「質権」があります。

質権とは、質屋からお金を借りること

たまに質屋に「高級時計を売った」という表現をする人がいますが、正確には異なります。正確には、質屋には高級時計を担保に入れて、お金を借りていることになります。

そして、質屋に借りたお金を返さなくなった場合、「質流れ」となり、質屋の店頭で高級時計が売却されることになります。質流れは抵当権で言うところの、競売になります。

質権では、お金を借りている間中、高級時計を質屋に預けっぱなしで自分で使うことができません。

一方で、抵当権では、お金を借りている間中、不動産を自分で使うことができます。

抵当権とは、担保に供した物件を、住宅ローンを借りた本人がそのまま使い続けることができるという特徴を持った担保権になります。

質権と抵当権を比較すると、以下のようになります。

担保権担保物件回収方法
質権お金を借りている間は使えない質流れ
抵当権お金を借りている間でも使える競売

抵当意見の話をすると、抵当権者とか債権者等の聞きなれない言葉が登場します。それぞれどちらに該当するのかを下表にまとめます。

名称別の言い方該当者
抵当権者債権者お金を貸す人・銀行
抵当権設定者債務者お金を借りる人・本人

【まとめ】無担保住宅ローンと有担保(通常の)住宅ローンの違い

ここで質権や抵当権も、「担保がある」という点が共通点になります。

質権や抵当権には、担保があるため、債務者がお金を返せなくなったときに、質流れや競売といった法律上認められた回収方法が存在します。

ところが、無担保ローンは無担保であるため、債権者には確固たる回収方法が存在しません。

銀行側にとっても、リスクのあるお金の貸し方ということが言えます。

無担保住宅ローンは、銀行にとってリスクのある商品であるため、融資額を小さくし、さらに金利を高くすることでリスクを回避しています。

無担保住宅ローンは、担保が無いがゆえに、融資額は小さく、金利は高いという特徴を持っています。

以上、ここまで抵当権について見てきました。

それでは次に無担保住宅ローンの使い道について見ていきましょう。

4.無担保住宅ローンの使い道とメリット・デメリット

無担保住宅ローンの主な使い道としては、以下のようなものがあります。

銀行によっては、適用できないものがあるため、個別に確認するようにしてください。

大分類具体例
購入系土地購入
新築
建売購入
中古住宅購入
マンション購入
リフォーム・改修系リフォーム
増改築
高齢者・障害者向けバリアフリー改修工事(ホームエレベーター)
環境対策設備
外壁修繕
クロスの貼替
水周り補修
床暖房システム
システムキッチン
オール電化工事
ガス設備工事
耐震補強工事
増築・解体系車庫・物置の建築
家屋等の解体取り壊し
その他工事系太陽光発電の設置
造園・外構
借換系他金融機関の住宅ローン借換
他金融機関のリフォームローン借換

無担保住宅ローンは借入可能な用途が広く、通常の有担保住宅ローンでは借りることのできない土地購入や、取壊し等の費用まで借りることができるのが特徴です。

無担保住宅ローンのメリット

無担保住宅ローンのメリットは下表の通りです。

メリット詳細
借入可能な用途が広い通常の有担保住宅ローンでは借りられない範囲のものも借りることができ、使い勝手が良いです。
手続きが簡単登記を必要としないため、必要書類が少なくて済みます。
手続きが簡単であり、銀行によってはネット申し込みも可能。
連帯保証人が不要等の商品もあります。
住宅ローン返済中でも借りられる住宅ローンが返済中でも借りることができます。
住宅ローン返済中で古くなった家など、
リフォームで大きなお金が必要となった場合に便利です。
担保評価の低い売物件でも借りられる中古物件で担保評価額が低過ぎて、
通常の住宅ローンが組めない場合でも借りることができます。
任意整理がしやすい無担保のため、競売のようは強制的な回収方法がありません。
そのため返済が出来なくなった場合は、
債権者との話し合いで残債をどうするか決めることができます。

無担保住宅ローンのデメリット

無担保住宅ローンのデメリットについては、下表の通りです。

デメリット詳細
金利が高い通常の有担保住宅ローンに比べると、金利が+1~2%弱高く、
長期固定で3%弱、変動で2.5%程度なります。
ただし、キャッシングよりは遥かに低い水準です。
返済期間が短い返済期間は3年、5年、10年、20年、25年の商品が多く、35年のような長期はありません。
返済期間が短いと、毎月の返済額が高くなるというデメリットがあります。
融資限度額が小さい融資可能金額は1,000万円~2,000万円が多いです。
普通の住宅購入には向いていないというデメリットがあります。

無担保住宅ローンは、通常の有担保住宅ローンと比較すると、融資額が小さく、金利や返済期間等の返済条件が厳しいというデメリットがあります。

無担保住宅ローンを利用できる人

各金融機関で掲げている無担保住宅ローンを利用できる人の主な要件は下表の様になります。

条件詳細
年齢20歳以上
勤続年数1年以上
年収150万円以上
健康状態団体信用生命保険に加入できること
完済時年齢76歳未満とするところが多い。
銀行によっては80歳以下もある。

その他、住宅の有無について要件とする銀行もあります。

細かい条件は銀行によって異なるため、実際に借りる際は、良く確認するようにしましょう。

無担保住宅ローンが向いている人

無担保住宅ローンは、リフォーム費用が取壊し費用、土地購入費用等の有担保の住宅ローンでは融資を受けられないものに対して融資を受けたい人に向いているのが原則です。

ただ無担保住宅ローンでは、担保が無くなるため、競売という回収手段が確実に無くなります。

そのため、「どうしても競売にかけられたくない人」という人は、無担保住宅ローンが向いています。

例えば、今後、離婚して住宅ローンの返済が難しくなりそうな人で、なおかつそのままその家に住み続けたい人などが想定されます。

既存の有担保住宅ローンを無担保住宅ローンで借り換えることによって、抵当権を外すことが可能です。

抵当権を外しておけば競売にかかる心配はありません。

競売にかかってしまうと、誰に所有者が移ってしまうか分からなくなります。

一方で、任意売却(後ほど詳しく解説)であれば、例えば親等の親族に買ってもらい、今までの住宅にそのまま住み続けることが可能になります。

無担保住宅ローンでは、返済不能となった場合、確実に任意売却に持ち込むことができるため、離婚等で「どうしても競売にかけられたくない人」にとってはメリットがあると言えるでしょう。

ただし、無担保住宅ローンは、有担保住宅ローンに比べて、金利や返済期間が明らかに不利です。

わざわざ不利な条件のローンに変える場合には、十分にメリットとデメリットは考慮した上で変えるようにしてください。

以上、ここまで無担保住宅ローンを利用できる人について見てきました。

それでは次に返済不能となった場合について見ていきます。

5.住宅ローンの返済が不能となった場合は任意売却という手段がある

無担保住宅ローンでは、担保が無いため、抵当権の競売のように法律で決まった回収方法がありません。

そのため、無担保住宅ローンが返済できなくなった場合は、家等の何らかの資産を任意で売却して返済を行うことになります。

通常の有担保住宅ローンも競売によらずに任意で不動産を売却して残債を返済することがあります。

これを任意売却と呼びます。

無担保住宅ローンの返済方法は、まさに任意売却になります。

住宅を売却して返済できない場合は、車等の他の資産を売却して返済することになります。

無担保住宅ローンでは、銀行は何も担保を取っていないため、もし返済できなくなった場合は、まず返済の代替手段を銀行と話し合いで決めることから始めます。

抵当権のように明確な担保物件がないため、何をどこまで売却して返済しなければならないのか、銀行との交渉で決めることになります。

ブラックリストに載る

無担保住宅ローンも有担保住宅ローンも返済できなくなってしまった時点で、ブラックリストに掲載されます。

任意売却を行うからブラックリストに載るという訳ではではありません。

仮に任意売却をする場合は、既にブラックリストに載っているということに注意をしましょう。

また、無担保住宅ローンであっても、銀行はれっきとした債権者であるため、債務者が返済できないと分かった場合は、不動産や給料等を差押えることができます。

返済方法の解決策が見いだせない場合は、差押もあるということを理解しておく必要があります。

無担保住宅ローンは金額が小さいにも関わらず、返済できないとブラックリストに掲載されたり、差押をくらったり等のリスクがあります。

そのため融資を受ける際は、本当に返済できるのかを見極めてから借りる必要があります。

借りる範囲は、既存の住宅ローンの返済額と合わせて年収の20%が一つの目安です。

銀行は審査で年収の40%まで認めてくれますが、40%まで借りてしまうと、多くの人が破産します。

十分に気を付けて融資を受けるようにしてください。

任意売却や競売との違いについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

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5.まとめ

担保なしで住宅ローンを組む方法とメリットとデメリットについて紹介してきました。

無担保住宅ローンは便利なローンですが、返済比率には十分に注意して借り過ぎないように注意をしましょう。

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