住宅を買い替えるときに覚えておきたい「売り先行」「買い先行」とお得な税金控除

住宅を買い替えるときに覚えておきたい「売り先行」「買い先行」とお得な税金控除

一般的に、住宅を売却する人は、ほとんどの人が買い替えを行います。

逆に、買い替えない人とは「賃貸に引越す」もしくは「実家に戻る」という特殊なケースです。

つまり、売却は新たな不動産の購入とセットで行うことが通常であり、買い替えで使えるお得な税制なども知ったうえで行う必要があります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 買い替えの基本的な流れを知りたい
  • 住宅を買い替えるときに使えるお得な税制を知りたい
  • 買い替えを行う上での注意点を知りたい

そこで今回の記事では、住宅の「買い替え」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは買い替えの流れが分かり、買い替えで使えるお得な税制について知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.買い替えで覚えておきたい「売り先行」「買い先行」

住宅の買い替えは、売却と購入を同時にできれば理想的。

ただし、現実的には同じタイミングで売却と購入をできることはありません。

買い替えでは、売却と購入の時期はズレます。

また売却や購入も時期によって難易度が異なります。

好景気の時期は、売却は簡単にできても、購入の方が難しくなります。

気に入った物件や住みたいエリアが高過ぎて買えないという問題が発生します。

一方で、不景気の時は、売却の方が難しくなります。

売りに出してもなかなか売れない状況が続きますが、購入に関しては気に入ったところを安く購入できるチャンスが多いです。

2020年2月時点では、国内の景気は良い状態にあり、売却はしやすいですが、購入は難しいという状況。

売り先行、買い先行とは?

  • 売り先行:売却を先に行い、その後に購入すること
  • 買い先行:購入を先に行い、その後に売却すること

売り先行と買い先行のメリットとデメリットは以下の通り。

 メリットデメリット
売り先行焦らずに売却できる。
売却価格が確定するので購入の資金計画が立てやすい。
住ながら売却するため売りにくい。
今の住宅を引渡す前に購入が決まらないと仮住まいが発生する。
買い先行時間をかけて購入物件を探すことができる。
空き家の状態で売却できるため売りやすい。
購入する住宅との二重ローンが発生する可能性がある。
売却価格や時期が未定となると、資金計画が狂う可能性がある。

好景気のときは、購入が難しいため、買い先行を選択したいところ。

ただし、買い先行は住宅ローンが二重となる人が多く、お金持ちでないとなかなかできません。

一般的には、売り先行を選択する人が多いです。

「売り先行」「買い先行」の買い替えの流れ

買い替えの流れを図解にて示します。売り先行の流れを示すと以下のようになります。

買い替えの流れ(売り先行)

売り先行の場合でも、購入に関しては同時並行で早めに進めて行くことがポイントになります。

一方で、買い先行の流れを示すと以下のようになります。

買い替えの流れ(買い先行)

買い先行においても、売却活動は早めに開始するようにしましょう。

不動産会社に査定依頼をして相談する

売り先行にすべきか買い先行にすべきかはあなたの自宅の価値や環境によって異なります。

まずは不動産会社に査定依頼をしてみましょう。

そして、頭金をなるべく多く入手するためにも高く売るようにしましょう。

高く売るカギを握っているのが、不動産会社選び。

あなたの住宅に強い不動産会社をしっかり探しましょう。

不動産一括査定を使うと、すぐに複数社の不動産会社が見つかります。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

一括査定サービスの仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

一括査定の流れ

一括査定のオススメは 「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
こう見ると、上4つがずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井不動産」「住友不動産」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

ご要望・ご質問の欄にメールでの査定額を希望

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

以上、ここまで買い替えの流れについて見てきました。

買い替えでは、購入額よりも低い価格による売却となった場合でも、使えるお得な税制の特例があります。

そこで次に買い替えの特例について解説します。

2.買い替えで使える税金控除の特例と適応要件

住宅を売却すると、購入時の価格よりも下落していることは良くあります。

売却において、売却価額が購入価額よりも安く売却された場合、そのマイナスは譲渡損失と呼ばれます。

買い替えでは、譲渡損失が発生した場合、その発生した損失を他の所得とぶつけ、全体の所得を圧縮することで節税ができる特例があります。

その特例は、「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と呼ばれます。

「買換え」とは税法上の表記であり、「買い替え」と同じ意味になります。

譲渡損失とは、以下の計算式で表される損失です。

譲渡損失 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

※譲渡価額とは、売却額
※取得費とは、住宅の購入価額 ※建物については減価償却後の価額
※譲渡費用については、売却に要した仲介手数料等の費用

居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例では、上記の計算による譲渡損失を他の所得からマイナスすることが可能です。

損益通算の考え方

プラスの所得とマイナスの所得をぶつける処理を「損益通算」と呼びます。

例えば、給与所得800万円のAさんが、譲渡損失を▲500万円発生させた場合、損益通算によってその人の所得は300万円となります。

給与所得では、年収800万円であることを前提に、会社が源泉徴収により所得税を天引きします。

ところが、Aさんの当該年度の所得は300万円であるため、800万円を前提として払い過ぎていた所得税の還付を受けることができるのです。

しかも、この特例には控除しきれなかった損失は、翌年から3年間繰り越すことができます。

例えば、給与所得700万円のBさんが、譲渡損失を▲1,000万円発生させた場合、損益通算すると、▲300万円となります。

この年の所得はゼロとして計算されますが、翌年の所得は、給与所得の700万円から、前年に控除しきれなかった▲300万円を控除でき、400万円として計算されます。

この特例には、損益通算と繰越控除という2点があることがポイント。

よって、名前は長いですが、「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と呼ばれています。

買い替えの控除特例を受けるための要件

この買い替えの特例を受けるためには、まず買い替えを行うことが前提となっています。

買い替えでは、売却する資産を譲渡資産、購入する資産を買換え資産と呼びます。

特例の適用を受けるために、譲渡資産および買換え資産は以下の要件を満たす必要があります。

譲渡資産の範囲

 特例の適用対象となる「譲渡資産」とは、個人が有する家屋又は土地等(土地又は土地の上に存する権利をいいます。以下同じ。) で譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもののうち次に掲げるものをいいます。

(1) 譲渡する個人が居住の用に供している家屋で国内にあるもの(居住の用に供している家屋を2以上有する場合には、主として居住の用に供している一の家屋に限ります。 また、譲渡する家屋のうちに居住の用以外の用に供している部分がある場合には、居住の用に供している部分に限ります。)
(2) (1)の家屋でその個人の居住の用に供されなくなったもの(その個人の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるものに限ります。)
(3) (1)又は(2)の家屋及びその家屋の敷地の用に供されている土地等(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の三つの要件すべてに当てはまることが必要です。イ その敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えるものであること。
ロ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
ハ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(4) 譲渡する個人の(1)の家屋が災害により滅失した場合において、その個人がその家屋を引き続き所有していたならば、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えることとなるその家屋の敷地の用に供されていた土地等
 その災害があった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日まで(住まなくなった家屋が災害により滅失した場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)の間に譲渡されるものに限ります。)

買換資産の範囲

 特例の適用対象となる「買換資産」とは、譲渡資産を譲渡した個人が居住の用に供する家屋で次に掲げるもの (居住の用に供する家屋を2以上有する場合には、これらの家屋のうちその者が主としてその居住の用に供すると認められる一の家屋に限ります。) 又はその家屋の敷地の用に供する土地等で、国内にあるものをいいます。

(1) 一棟の家屋の床面積のうちその個人が居住の用に供する部分の床面積が50平方メートル以上であるもの
(2) 一棟の家屋のうち、独立部分を区分所有する場合には、その独立部分の床面積のうちその個人が居住の用に供する部分の床面積が50平方メートル以上であるもの

※出典:国税庁「No.3375 「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の対象となる「譲渡資産」及び「買換資産」とは」より

その他、損益計算できる年は、給与や事業所得等の合計金額が3,000万円以下の年に限るという要件があります。

詳細については、下記記事にまとめています。

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
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特例を受けるためには確定申告が必要

特例の適用を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

確定申告は、よく年末調整と混同されますが、年末調整と確定申告は異なります。

年末調整とは、従業員が会社へ配偶者の所得や生命保険料等、地震保険料、本人が直接支払った社会保険料、小規模企業共済等掛金、住宅ローン控除等を申告し、会社が正しい税額を求めるための制度

会社は自分たちが支払っている給与を元に所得税および住民税を計算。

ただし、従業員の配偶者の所得等は分からないため、それを申告してもらい、税金を再計算して調整するのが年末調整です。

確定申告とは税務署に対して給与所得以外の所得を申告する制度

確定申告は、所得があった翌年の2月16日から3月15日の間までに行います。

確定申告は、原則として給与所得以外で20万円以上の所得がある人が行います。

譲渡損失が発生している人は、20万円どころか、むしろマイナスです。

しかしながら、特例を使うためには、「特例を使いたい」という確定申告をする必要があるのです。

特例を適用するために、確定申告で必要な書類は以下になります。

確定申告に必要な書類

  1. 除却住民票
  2. 譲渡資産の登記事項証明書
  3. 買換え資産の登記事項証明書
  4. 新しい住民票
  5. 譲渡所得計算明細書
  6. 買換え資産の住宅借入金の残高証明書

譲渡損失が発生しても、確定申告は忘れないようにしましょう。

住宅ローン控除も併用できるが注意点がある

「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」については、住宅ローン控除を併用して適用することが可能

ただし、以下の特例を使う場合は、住宅ローン控除の併用ができなくなります。

  1. 3,000万円の特別控除
  2. 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
  3. 特定の居住用財産の買換え特例

併用ができないこれらの特例は、全て譲渡所得がプラスとなるときに使う特例です。

居住用財産を売却したときの特例については、下記に詳しく記載しています。

個人が不動産を売却・買換えした時によく使われる5つの特例
不動産(マイホーム)を売却・買換えした時によく使われる5つの特例

個人の方が居住用財産(マイホーム)を売却した時の特例は、非常に複雑で分かりにくいです。 税金特例の分野は、宅地建物取引士 ...

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3.まとめ

住宅の買い替えでは、売却と購入を同時に行うため、早めに準備をするようにして下さい。

また、頭金を多くするためにもなるべく今住んでいる家を高く売りましょう。

すまいValue 」「 HOME4U などの不動産一括査定を利用して、しっかりと高く売ってくれる不動産会社をまず見つけることが大事。

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また、譲渡損失が発生した場合、源泉徴収税額の還付を受けることのできるお得な特例があります。

確定申告は忘れずに行うようにしましょう。

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