賃貸併用住宅とは何か?2つのメリット・2つのデメリットと失敗する理由

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賃貸併用住宅とは、1つの建物に所有者の自宅と賃貸アパートが共存する住宅

賃貸併用住宅は住宅ローンで賃貸物件を建てることができるメリットがある一方、空室時のローン返済額が通常の住宅よりも大きくなるというデメリットがあります。

賃貸併用住宅は、着工する前にメリットとデメリットを十分に理解しておくことが重要です。

賃貸併用住宅に興味がある人の中には、

  • 賃貸併用住宅には、どんなメリットとデメリットがあるの?
  • 賃貸住宅と自宅が同じ場所にあるって、実際のところどうなの?
  • 賃貸併用住宅が失敗してしまう理由って何なの?

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「賃貸併用住宅」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、賃貸併用住宅とは何かということや、そのメリット・デメリット、失敗する理由について知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二
【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター
株式会社グロープロフィット 代表取締役
竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。
───
保有資格:不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.賃貸併用住宅とは

賃貸併用住宅とは、1つの建物の中に自宅部分とアパート部分を併用した住宅

広義の意味においては、10階建ての賃貸マンションの最上階を自宅とし、1階~9階までの部分を貸すようなマンションも賃貸併用住宅となります。

ただ、一般的には賃貸併用住宅というと、住宅ローンを使って建てるタイプの建物を賃貸併用住宅と呼んでいます。

住宅ローンを使って建てられる賃貸併用住宅は、一般的に自宅部分が50%以上となる住宅です。

狭義の意味の賃貸併用住宅は、半分以上が自宅の賃貸併用住宅のことを指します。

賃貸併用住宅が自宅部分を50%以上としているのには以下のような理由があります。

  1. 多くの銀行の住宅ローンとして貸し出す融資条件が自宅を50%以上としているため。
  2. 住宅ローン控除を利用できる条件が自宅を50%以上としているため。

銀行によっては、自宅部分が50%未満でも住宅ローンで融資する銀行も存在します。

しかしながら、自宅部分が50%未満だと、自宅部分で住宅ローン控除を利用することができません。

住宅ローン控除が使えないと、賃貸併用住宅のメリットがかなり減ってしまうため、自宅部分を50%未満とする人は少なくなり、その結果、自宅が50%以上を対象に住宅ローンを貸し出す銀行も多くなっています。

賃貸併用住宅は、自宅部分が50%以上というのが大きな制限です。

賃貸部分を増やそうと思えば、自宅を増やさなければならず、自宅を減らすと賃貸部分も減ってしまうという設計上の問題があります。

賃貸併用住宅は、設計上の制限が大きいということを知っておきましょう。

賃貸併用住宅ローンについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

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以上、ここまで賃貸併用住宅とは、ということについて見てきました。

では、賃貸併用住宅にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

そこで次に、賃貸併用住宅のメリットについて解説いたします。

2.賃貸併用住宅の2つのメリット

賃貸併用住宅には以下の2つのメリットがあります。

賃貸併用住宅の2メリット

  1. 住宅ローンで建てることができる
  2. 自主管理ができる

メリット1.住宅ローンで建てることができる

賃貸併用住宅は、住宅ローンを借りて建てることができるというメリットがあります。

住宅ローンは、ローンの中でも最も条件の良いローン

国が国民の住宅取得支援を促すために、様々なバックアップをしていることから、低金利で長期に借りることができます。

借りる人にとって、住宅ローン以上に条件の良いローンというのは基本的にありません。

一般的に、アパートを建築する場合には、アパートローンを借ります。

アパートローンは、多くの銀行が耐用年数の間でしか借りることができません。

耐用年数とは、建物や機械などの償却資産について、会計上の減価償却計算を行うための計算の基礎となる年数のことです。

アパートの場合、耐用年数は木造なら22年、暑さ3mm以下の軽量鉄骨造なら19年になります。

それに対して、住宅ローンなら35年で組むことも可能です。

借入期間を長くすれば、その分、毎月の返済額が減るため、お金の手残りであるキャッシュフローが良くなります。

また、金利についてもアパートローンより住宅ローンの方が安いです。

アパートローンは、2~5%と幅がありますが、住宅ローンよりは1~4%程度高めです。

住宅ローンを借りたことしかない人が、アパートローンを組もうとすると、条件の厳しさに驚くことがあります。

収益物件で住宅ローンが唯一使える賃貸併用住宅

住宅ローンで何とかアパートを建てることはできないかと模索する人もいるのですが、住宅ローンではアパートなどの収益物件を建てることはできません。

唯一、建てることができるのが賃貸併用住宅になります。

さらに、住宅ローンを利用することで、自宅部分については住宅ローン控除を利用することができます。

住宅ローン控除による節税効果は大きいです。

同じローンを組むのでも、住宅ローンなら節税できますが、アパートローンだと節税できないという違いがあります。

賃貸併用住宅は、住宅ローンを使って建てられるのが一番のメリットになります。

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メリット2.自主管理ができる

賃貸併用住宅は、自宅のすぐ隣が賃貸物件となるため、自主管理も可能です。

自主管理ができれば、毎月の管理委託料が発生しないため、賃貸部分の収益性を上げることができます。

アパートなどでは管理料は賃料の5%程度が相場となります。

自主管理をするだけでも、毎月5%分の収益アップを図ることができます。

また、アパートのオーナーと入居者は顔見知りになることで、退去防止につながる効果があることが知られています。

入居者と顔を見合わせたら、挨拶するだけでも退去防止になります。

入居者とアパートオーナーは人間関係が形成されると、退去されにくくなり、アパートのなどではあえてオーナーが入居者との交流を図るような活動も見られます。

このように、アパートオーナーが入居者と関係性を構築し、退去防止に努める活動のことをテナントリテンション(入居者維持活動)と呼んでいます。

賃貸併用住宅では、自主管理を行うことでテナントリテンションを自然とすることができます。

自主管理は収益性を上げるだけでなく、テナントリテンション効果も生むため、賃貸経営の体制としては理想的です。

近年、アパート経営の成功例は自主管理がほとんどになります。

自主管理は、効果が高いので、賃貸併用住宅を作るなら、自主管理はぜひ検討しましょう。

自主管理のメリットについては下記記事に詳しく記載しています。

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以上、ここまで賃貸併用住宅のメリットについて見てきました。

では、逆に、賃貸併用住宅にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

そこで次に、賃貸併用住宅のデメリットについて解説いたします。

賃貸併用住宅の2つのデメリット

賃貸併用住宅には以下の2つのデメリットがあります。

賃貸併用住宅の2デメリット

  1. 空室時のローン負担額が増加する
  2. プライバシーが侵害されやすくなる

デメリット1.空室時のローン負担額が増加する

賃貸併用住宅は、賃貸部分に空室が発生すると、空室時のローンの返済負担額が増加します。

良く、賃貸併用住宅のメリットで、賃貸部分で自宅のローンが返済できることを挙げる人がいます。

しかしながら、賃貸併用住宅では、賃貸部分に空室が発生してしまうと、そのローンは生活費の中から返済していくことになります。

自宅だけの人であれば、賃貸部分に空室が発生したとしても、支出が増えることはありません。

賃貸併用住宅の人は、賃貸部分があるがゆえに、余計な返済が増えてしまうというデメリットがあります。

ローンの返済に関しては、結局のところ、メリットにもデメリットにもなり得ます。

昨今、アパートが供給過剰なことにより、アパート経営そのものが難しくなっている時代です。

そのような中、賃貸併用住宅で賃貸部分を抱えてしまうと、賃貸経営の難しさをわざわざ抱え込むことになります。

新築当初は入居者が埋まるかもしれませんが、築古になっても埋まり続けるとは限りません。

すると、ローンの返済は、通常の自宅よりも重くなってしまう可能性が高くなります。

賃貸併用住宅では、将来的な空室を考えると、ローンの返済はデメリットの方が大きいと考えられます。

デメリット2.プライバシーが侵害されやすくなる

賃貸併用住宅では、入居者との距離が密接で、プライバシーが侵害されやすいというデメリットがあります。

旅行に行って長期に留守をすることや、毎日の買い物に行く時間など、入居者に丸わかりです。

入居者に悪い人が入ってしまうと、泥棒にも入られやすくなります。

賃貸併用住宅は、自主管理ができるメリットがありますが、オーナーと入居者との距離が近すぎることから、防犯面ではデメリットとなってしまいます。

入居者としっかり信頼関係を築くことも大事ですが、親しくなり過ぎるのもリスクがあります。

賃貸併用住宅では、自宅の防犯面は厳重に設計することが重要です。

以上、ここまで賃貸併用住宅のデメリットについて見てきました。

賃貸併用住宅は失敗するケースが多いです。

そこで次に、賃貸併用住宅が失敗する理由について解説いたします。

4.賃貸併用住宅が失敗する理由

賃貸併用住宅が失敗する理由は、中途半端であるということが最大の原因です。

賃貸併用住宅は、自宅部分を50%も設けなければいけないため、設計がとても難しくなります。

賃貸部分を増やそうとすると自宅が大きくなり過ぎて、自宅を小さくすると賃貸部分が狭くなってしまうという現象が生じます。

賃貸物件としては、かなり中途半端となってしまい、普通に建てたアパートの方が借りやすい設計プランで自由に建てることができます。

土地は、アパートならアパートだけ、自宅なら自宅だけを分けて作った方が効率的に活用することができます。

土地が広過ぎる場合には、土地を半分に分けて2棟建てた方が、売却のしやすく資産価値も高くなります。

賃貸併用住宅は、様々な面が中途半端となってしまいますので、よほどの理由がない限り避けた方が良いでしょう。

5.まとめ

以上、ここまで、賃貸併用住宅とは何かということや、そのメリット・デメリット、失敗する理由について見てきました。

住宅ローンで建てることができる「賃貸併用住宅」ですが、デメリットも多いです。

設計の自由度が低く、中途半端になりやすいので、慎重に検討するようにしてください。

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