家の売却でインスペクションを行うときに注意したい5つのポイント

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2018年4月より家の売却では不動産会社からインスペクションのあっせんを受けるようになりました。

インスペクションという言葉を聞いたことすらない人も多いかと思います。

これからマイホームを売却する人の中には、

  • インスペクションって何?
  • インスペクションするとどういうメリットがあるの?
  • インスペクションはしなくちゃいけないの?しなくても良いの?
  • インスペクションをする場合の注意点は?

等々のことを思っている方も多いと思います。

そこで今回の記事では家の売却における「インスペクション」にフォーカスしてお伝えいたします。

表面的な内容だけではなく、少し突っ込んだ実務的内容までご紹介したいと思います。

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1.インスペクションとは「建物状況調査」のこと

インスペクションとは、建物状況調査のこと

住宅の基礎や外壁等のひび割れ、雨漏りなど構造上の安全性や日常生活への支障があると考えられる劣化や性能低下の有無について、建物の専門家が目視や計測によって調査を行います。

インスペクション(inspection)とは英語で「精査、点検、検査」という意味です。

インスペクションは義務ではありません。

別にしなくても構いませんが、インスペクションに合格すると、既存住宅売買瑕疵保険に加入できるというメリットがあります。

インスペクションについては下記に詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

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では、既存住宅売買瑕疵保険とは何でしょうか。

そこで次に既存住宅売買瑕疵保険について解説します。

2.既存住宅売買瑕疵保険のメリット

不動産を売却する場合、売主には瑕疵担保責任が発生します。

瑕疵とは通常有すべき品質を欠くことを言います。

具体的には雨漏りやシロアリによる腐食等が瑕疵に該当します。

売主は、売買契約後に瑕疵が発見されると、損害賠償を負う、もしくは契約解除を求められる責任を負います。

これを「瑕疵担保責任」と呼んでいます。

実際の売買では、売主は瑕疵担保責任を負う期間を3ヶ月または全部免責とすることが多いです。

売主の瑕疵担保責任期間が3ヶ月とすると、購入後4ヶ月目に瑕疵が発見された場合、買主は多額の費用をかけて瑕疵を修繕しなければなりません。

その修繕費用の一部または全部を保険でカバーすることができるのが既存住宅売買瑕疵保険(以下、「瑕疵担保保険」という)となります。

瑕疵担保保険に加入すると、瑕疵が発見されたとき買主が保険で瑕疵を修繕することができるメリットがあります。

また瑕疵担保保険に加入している物件は、不動産取得税や登録免許税の優遇措置も受けることが可能です。

買主にとてもメリットがある保険であるため、売主にとってはインスペクションに合格している物件は、売却しやすくなるというメリットがあります。

尚、瑕疵担保保険については、下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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以上、ここまで既存住宅売買瑕疵保険のメリットについて見てきました。

では、実際にインスペクションを行う上ではどのようなことに注意したら良いのでしょうか。

そこで次にインスペクションの5つの注意点についてご紹介します。

3.インスペクションの5つの注意点

インスペクションにも5つほど注意点があります。

  1. 保険適応するためのインスペクション
  2. インスペクション後の不具合
  3. 既存住宅売買瑕疵保険に加入できない物件
  4. 費用負担の考え方
  5. 瑕疵担保責任の免責条項

それぞれ詳しく見ていきましょう。

注意点1.保険適用するためのインスペクション

インスペクションの中には、既に民間企業によってホームインスペクション等の名称で多くのサービスが展開されています。

過去にこれらのホームインスペクションを受けていたとしても、その調査結果が瑕疵担保保険に加入できる調査であるかどうかは別問題になります。

瑕疵担保保険に加入するためのインスペクションは、基本的に全ての部位で調査を実施する必要があります。

例えば、床下や天井裏に点検口が無く調査が未了となっているインスペクションでは、瑕疵担保保険に加入することができません。

瑕疵担保保険に加入するためのインスペクションは、床下や天井裏の調査も行う必要があります。

床下に潜ることができない場合や、天井の点検口が無い場合、一部を解体して調査を行う必要も出てきます。

そのため、インスペクションを行う前に、床下や天井の点検口の有無を確認しておくことが重要です。

以上、ここまで保険適用するためのインスペクションについて見てきました。

では、インスペクションに合格した後に不具合が生じてしまったらどうなるのでしょうか。

そこで次にインスペクション後の不具合について解説します。

注意点2.インスペクション後の不具合

インスペクションに合格しても、その後に不具合が生じてしまった場合には、瑕疵担保保険に加入することができません。

もし不具合が生じてしまったら、その部分は修繕し、再度インスペクションを行う必要があります。

瑕疵担保保険の加入を考えれば、インスペクションに合格後は速やかに瑕疵担保保険に加入した方が安全です。

再調査の際も、確実に瑕疵担保保険に加入できるようにするため、インスペクション業者は「住宅瑕疵担保責任協会」に登録されている検査会社に依頼することをオススメします。

住宅瑕疵担保責任協会に登録されている検査会社であれば、瑕疵担保保険に加入のための調査内容を把握しているため、間違いありません。

不動産会社があっせんしてきた場合には、その検査会社が住宅瑕疵担保責任協会に登録されているかどうかをきちんと確認するようにしましょう。

以上、インスペクション後の不具合について解説しました。

インスペクションを実施したとしても、瑕疵担保保険には、全ての物件が加入できるわけではありません。

そこで次に既存住宅売買瑕疵保険に加入できない物件についてご紹介します。

注意点3.既存住宅売買瑕疵保険に加入できない物件

瑕疵担保保険の対象となる物件は、原則として、新耐震基準に適合した(1981年(昭和56年)6月1日 以降に建築確認を受けた)住宅に限ります。

1981年6月1日よりも前に確認申請を受けた建物は旧耐震基準と呼ばれます。

旧耐震基準の建物はインスペクションを行っても瑕疵担保保険に加入できないため注意が必要です。

尚、旧耐震基準の住宅でも、耐震改修を行い耐震基準適合証明書が発行できる場合には、瑕疵住宅瑕疵担保責任保険法人の現場検査に適合することにより保険が適用できる場合があります。

以上、既存住宅売買瑕疵保険に加入できない物件について見てきました。

では、インスペクションは売主と買主のどちらが費用負担すべきなのでしょうか。

そこで次に費用負担の考え方をご紹介します。

注意点4.費用負担の考え方

インスペクションを実施するにあたり、費用を売主が負担するのか、買主が負担するのかという問題があります。

結論としては、インスペクションは売主や買主のどちらが負担しても構いません。

恐らく、日本では当面の間は売主が費用を負担しインスペクションが普及していくものと思われます。

ちなみにインスペクションの先進国であるアメリカでは、買主が費用負担をしてインスペクションを行っています。

理由としては、アメリカは性悪説が根強く、売主がインスペクションを行い、自分で「この物件は問題ありません」と言ったとしても信用されないという社会的背景があるためです。

アメリカでは不動産の取引のうち、70~90%においてインスペクションが実施されていますが、費用負担はほぼ買主の方で行っています。

数千万円の買い物をする以上、買主が自分でお金を投じてしっかり調べるのは、ある意味当然なのかもしれません。

一方で、日本では現状で買主がインスペクションしたいという人がほとんどおらず、インスペクション自体が普及していません。

おそらくこのまま放置してもインスペクションは浸透しない可能性もあります。

そこで、まずは売主の費用負担をきっかけに、数を増やしていった方が広まる可能性はあります。

日本は、性善説に立つ人が多いため、売主のインスペクションは買主に好意的に受け取られます。

売主の費用負担でインスペクションが実施されていれば、それだけで買主を安心させることができ、売却しやすくなるというメリットがあります。

尚、インスペクションの費用としては、インスペクション(検査料)が3~4万円、既存住宅売買瑕疵保険の保険料が4万円~8万円程度となります。

以上、ここまで費用負担の考え方について見てきました。

では、インスペクションを実施したら売買契約における瑕疵担保条項はどのようにしたら良いのでしょうか。

そこで次に瑕疵担保責任の免責条項について解説します。

注意点5.瑕疵担保責任の免責条項

個人が売主となる不動産の売買契約書においては、瑕疵担保責任は一部または全部が免責とすることが多いです。

結論からすると、瑕疵担保責任の免責条項はインスペクションに合格したとしても、従来のまま残しておくべきです。

インスペクションに合格しても、瑕疵担保免責条項は、従来通り有効です。

売買契約書に記載される瑕疵担保免責条項とは、具体的に以下のような条文です。

  1. 買主は、本物件に隠れた瑕疵があり、この契約を締結した目的が達せられない場合は契約の解除を、その他の場合は損害賠償の請求を、売主に対してすることができる。
  2. 建物については、買主は、売主に対して、前項の損害賠償に代え、またはこれとともに修繕の請求をすることができる。
  3. 本条による解除または請求は、本物件の引き渡し後3ヶ月を経過したときはできないものとする。

瑕疵担保免責条項を残す理由としては、瑕疵は物理的瑕疵だけとは限らないためです。

瑕疵には物理的瑕疵の他、下表のような瑕疵も含まれます。

瑕疵の種類具体例
物理的瑕疵建物:雨漏り、シロアリ、耐震強度不足 土地:土壌汚染、地中障害物
法律的瑕疵法令等の制限により取引物件の自由な使用収益が阻害されているもの
心理的瑕疵取引物件で過去に自殺や殺人事件、火災、忌まわしい事件、事故などがあり、心理的な面において住み心地の良さを欠く場合
環境的瑕疵近隣からの騒音、振動、異臭、日照障害、近くに反社会的組織事務所があり安全で快適な生活が害されるおそれが高いような場合

インスペクションで検査する部分は、あくまでも物理的瑕疵のうち建物に関するものだけです。

土地の物理的瑕疵や環境的瑕疵等は調査されません。

売却後は、建物の物理的瑕疵以外も瑕疵担保責任を負う可能性があるため、たとえインスペクションに合格したとしても、瑕疵担保免責条項は記載するということが注意点です。

尚、瑕疵担保責任については下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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4.まとめ

以上、家の売却でインスペクションを行うときに注意したい5つのポイントについて見てきました。

インスペクションを行う際には、瑕疵担保保険に加入できることをしっかりと確認した上で行うようにしましょう。

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