インスペクションとは何か?検査箇所や費用・流れと実施するメリット

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インスペクションとは、既存住宅の基礎、外壁等の部位ごとに生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の有無を目視、計測等により行う調査のこと

2018年4月1日より不動産会社が仲介の依頼を受けるとき、「インスペクション業者のあっせんの可否を示し、依頼者の意向に応じてあっせんすること」が義務化されました。

インスペクションを行なうことによって、中古住宅の売主と買主双方にメリットがあります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • そもそもインスペクションとは何か?
  • インスペクションはどのように行なうのか?
  • インスペクションは義務なのか?
  • 費用はいくらかかるのか?
  • インスペクションにはメリットがあるのか?

そこでこの記事では、「インスペクション」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは、インスペクションの概要と流れ、メリットと注意点について知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.インスペクションとは

インスペクションとは、「視察・検査」の意味で、目視や計測等によって、住宅の劣化や性能低下の有無について調査すること

住宅の「目につかない」基本構造の部分を対象として、住宅の使用に支障をきたす瑕疵がないかチェックします。

瑕疵とは、建物や設備等に何らかの問題があること

昭和56年6月1日以降の新耐震基準の建物で、かつ、インスペクションに合格すれば、瑕疵を保証する保険に加入することができます。

ただし、インスペクションは義務ではありません。

また「既存住宅売買瑕疵保険」に加入すれば、売主にも買主にもメリットがあるのです。

既存住宅売買瑕疵保険とは

不動産を売却する場合、売主には瑕疵を担保する責任が発生します。

売主は、売買契約後に瑕疵が発見されると、損害賠償を負う、もしくは契約解除を求められる責任を負います。

例えば、雨漏りやシロアリによる腐食等が後から発見されたなど。これを「瑕疵担保責任」と呼んでいます。

実際の売買では、売主は瑕疵担保責任を負う期間を3ヶ月とすることが多いです。

場合によって、瑕疵担保責任は全部免責することもあり得ます。

売主の瑕疵担保責任期間が3ヶ月だとすると、購入後4ヶ月目に瑕疵が発見された場合、買主は多額の費用をかけて瑕疵を修繕しなければなりません。

その修繕費用の一部または全部を保険でカバーすることができるのが「瑕疵担保保険」となります。

瑕疵担保保険に加入するには、「新耐震基準に適合していること」と「インスペクションに合格していること」の2つの要件が必要です。

瑕疵担保責任及び瑕疵担保保険の詳細は、下記に詳しく記載しています。

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インスペクションで検査する箇所

実際にインスペクションで検査するのは、次の箇所になります。

【戸建住宅(木造・在来軸組工法)の場合】

  • 小屋組、屋根版、斜材、壁、横架材、柱、床版、土台、基礎(構造耐力上主要部分)
  • 屋根、開口部、外壁(雨水の侵入を防止する部分)

【共同住宅(鉄筋コンクリート造・壁式工法)の場合】

  • 屋根版、床版、外壁、壁、床版、基礎、基礎杭(構造耐力上主要部分)
  • 屋根、排水管、開口部、外壁(雨水の侵入を防止する部分)

インスペクションでは、床下や天井裏の調査も行う必要があります。

床下に潜ることができない場合や、天井の点検口が無い場合、一部を解体して調査を行う必要も出てきます。

また、点検口が荷物や家具でふさがれていると点検できないため、点検口は開くことができる状態にしておく必要もあります。

そのため、インスペクションを行う前に、床下や天井の点検口の位置を確認しておきましょう。

インスペクションの費用

インスペクションにかかる費用は、戸建住宅とマンションで異なります。

  • 木造戸建て住宅の場合、費用は4.5万円~6万円程度
  • マンションの場合、5万円程度

ただし、これらの金額は、物件の広さやオプションによって変わってきますので、参考程度にしてください。

以上、インスペクションについての概要です。

では、インスペクションをやることでの売主・買主にメリットは何になるのでしょうか?

2.売主・買主がインスペクションをするメリットと実施する方法

この章では、売主と買主双方にとってのインスペクションのメリットについてご紹介します。

売主にとってのインスペクションのメリット

売主にとってのメリットは、インスペクションに合格していることにより、「この住宅は概ね問題ない」という専門家による証明書がもらえるという点です。

また、昭和56年6月1日以降の新耐震基準の建物であれば、瑕疵担保保険への加入も可能となります。

住宅の質が客観的に証明されることにより、早く、なおかつ希望する価格での売却できる可能性が高まります。

とくに近年は各地で自然災害が多く発生していることから、買主側でも住宅の基礎構造部分に安心感を求める人は増えています。

そのため、インスペクション合格は大きな付加価値となります。

また瑕疵担保保険への加入しておけば、万が一売却後に瑕疵が発見されても売主側に要求される損害賠償を最小限に抑えることができます。

インスペクションで検査基準に不適合と判定された場合でも、保険加入に必要な補修方法等のアドバイスを受けることができるというメリットもあります。

買主からインスペクションを要求されたときの注意点

買主が買付証明書を提示してきた後に、買主がインスペクションを要求してくる場合も考えられます。

買付証明書とは、購入希望者が正式に買いたいという意思を伝える書面

買主がインスペクションを希望している場合、売主は進んで応じるようにすることがポイントです。

応じない場合、「この物件には何かあるのではないか」と買主に疑念を抱かせてしまいます。

また、インスペクションの際は、居住中であっても売却予定の物件に検査業者が入ります。

インスペクション業者が検査しやすいように、点検口を開くことができるように準備をしておく必要があります。

さらに、インスペクションの結果、合格できない場合もあります。

その際、インスペクションを希望した買主が当該物件の調査結果を口外して風評被害を受けてしまうというリスクがあります。

そこで、買主がインスペクションを実施する場合、結果について事前に守秘義務を結ぶことがポイントです。

インスペクションの実施前に、売主・買主双方による守秘義務条項が入った合意書を作成するとよいでしょう。

その他の注意ポイントについても下記記事でさらに詳しくまとめています。

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売主がインスペクションを行う流れ

2018年4月より、不動産会社が「インスペクション業者のあっせんの可否を示し、依頼者の意向に応じてあっせんすること」が義務付けられました。

そのため、特に自分からインスペクションの検査会社を探す必要はありません。

不動産会社の確認に対し「インスペクションをやります」と答えれば、不動産会社がインスペクションの検査会社を紹介してくれます。

検査会社を紹介されたら、いよいよインスペクションです。

尚、合格後、瑕疵担保保険に加入したい場合には、インスペクションを依頼する時点で、不動産会社に瑕疵担保保険にも加入したい旨を伝えるようにして下さい。

インスペクションは、チラシを打つ前に実施します。

インスペクションに合格したら、チラシに「インスペクション実施済み物件!」と書くと、売却効果が上がります。

売主がインスペクションを行うときの注意点については、下記に詳しく記載しています。

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買主にとってのインスペクションのメリット

買主にとってのメリットは、第三者機関による住宅品質の証明がある住宅ということで、安心して購入できることです。

購入後に不具合が見つかってしまうと、想定外の被害・出費となりかねません。

さらに、瑕疵担保保険に加入している物件であれば、不動産取得税や登録免許税の優遇措置を受けることができます。

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買主がインスペクションを行なう流れ

買主も不動産会社からインスペクションのあっせんを受けます。

もし、希望している物件が、インペクションが未実施の物件であれば、買主の費用にて「インスペクションしますか?」と勧められます。

買主がインスペクションを希望すれば、不動産会社は売主にインスペクションを希望している旨を伝えてくれます。

売主がインスペクションを承諾すれば、買主の費用負担で実施します。

売主がインスペクションを拒否すればインスペクションはできません。

ちなみに、アメリカでは買主負担でインスペクションを行なうのが一般的です。

アメリカは性悪説がベースとなっているため、売主の情報をあてならないという風土があるようです。

まとめ

インスペクションは、中古住宅取引時に情報提供を充実させるため、2018年4月から本格的にスタートしたばかりです。

まずは、売主・買主ともにこの制度を知ることが重要であるといえます。

インスペクションを実行することで、安心できる住宅の売買を目指すようにしてください。

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