転勤のとき家を売るか貸すかどちらが良いのかの判断ポイント

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引越し

急に転勤が決まった時、今まで住んでいた家をどうするかは重要な問題。

売る、あるいは貸すという選択肢がありますが、どうすれば良いのかの判断をするいくつかのポイントがあります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 転勤している間だけ家を貸して、家賃収入を得たいが可能か?
  • 結局、売るのと貸すのとでは、どちらが簡単なの?
  • 売るか貸すかはどうやって決めればいいの?

そこでこの記事では、「転勤の際に家を売るか貸すか」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、転勤の際に、家を売るか貸すか、どちらが良いのかの判断ポイントについて知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.売れる家は多いが貸せる家は少ない

不動産の原則として、売れる家は多く、貸せる家は少ないという特徴があります。

いざ売ろうと思っても売れる家は多いですが、いざ貸そうと思っても貸せる家は少ないということ。

貸せる家は、基本的に立地の良い家でないと貸せません。一方で、売却はそれなりに値段を下げれば立地が悪くても売却することが可能。

例えば、駅から徒歩15分離れた家は、売却はできますが、貸そうと思ってもなかなか借手が見つからないということが良くあります。

家は貸すほうが難易度は高い

つまり、売ると貸すでは、貸す方が難易度は高いです。「売りたい」と思ったら売れる家は多いですが、「貸したい」と思っても貸せるとは限らないということになります。

売るか貸すかという選択については、基本的に「貸そうと思えば貸せる立地」の物件ではじめて悩める選択肢であり、そもそも貸せない立地であれば貸すという選択肢はかなり難しいといえます。

もし貸すか売るか迷っている場合には、そのメリットやデメリットで決める以前に、まずは「貸せるかどうか」を確認した上で2つを検討することが必要です。

尚、貸せないけど売りたくない場合は、空き家管理を選択することになります。

空き家の管理や活用については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

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以上、ここまで売れる家は多いが貸せる家は少ない、ということについて見てきました。

では、もし貸す場合はどのようにして貸すべきなのでしょうか。

そこで次に、貸す場合は定期借家契約が前提となることについて解説いたします。

2.貸す場合は定期借家契約が前提となる

転勤で建物を貸す場合は、1つ絶対に知っておかなければならない重要な知識があります。

それは、入居者と契約する際の賃貸借契約の種類。

賃貸借契約には、

  1. 普通借家契約
  2. 定期借家契約

の2種類があります。

転勤で一時的に貸す場合は定期借家契約が前提です。普通借家契約と定期借家契約の違いは、更新規定の有無になります。

  • 更新があるのが普通借家契約
  • 更新がないのが定期借家契約

です。

普通借家契約と定期借家契約の違い

普通借家契約では、借主の権利が強力に守られており、借主が更新を申し出れば更新できてしまう契約。貸主が更新をしたくないと言っても、正当な理由がない限り、貸主から更新を拒絶することができません。

もし、更新拒絶をしたい場合には、貸主から借主に対して立ち退き料を支払う必要があります。立ち退き料も借主が納得すれば良いですが、納得しなければ立ち退かせることはできません。

つまり、普通借家契約で貸してしまうと、転勤が終わって元の家の戻ってきたときに、自分の家に住めなくなるというリスクがあります。

一方で、定期借家契約であれば、契約期間満了時、確実に契約を終了させることができます。自宅を期間限定で他人に貸す場合は、確実に契約が終了できる定期借家契約で貸し出すことが基本となります。

ただし、借主にとっては、ずっと安定的に住むことができる普通借家契約と、絶対に退去しなければならない定期借家では、定期借家の方が不利になります。

そのため、定期借家契約の物件は借主に人気がありません。借主をなかなか入居させることができないことから、定期借家では賃料が基本的に安くなります。

エリアの賃貸需要にもよりますが、定期借家契約の賃料は、普通借家契約の賃料の50~80%程度。転勤で貸す場合は、定期借家契約で貸しますが、定期借家契約にすると賃料を安く設定せざるを得ないのが実態となります。

尚、転勤時に一時的に家を貸すことをリロケーションと呼びます。

リロケーションについては下記記事詳しく解説しています。

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以上、ここまで貸す場合は定期借家契約が前提となることについて見てきました。

では、貸すというのはどのようなことなのでしょうか。

そこで次に、貸す前に知っておきたい面倒なことについて解説いたします。

3.貸す前に知っておきたい面倒な3つの注意点

貸すとオーナーには以下の3つの面倒なことが発生します。

貸す前に知っておきたい面倒な3つの注意点

  1. 確定申告が必要となる
  2. 修繕対応が必要となる
  3. 壊されることもある

注意点1.確定申告が必要となる

他人に貸して家賃収入を得ると、「不動産所得」と呼ばれる所得が発生します。サラリーマンであれば、給与所得以外の所得が発生することになりますので、毎年、確定申告が必要となってきます。

アパート経営などをしている人も不動産所得の確定申告を行っています。

ただし、自宅を定期借家で貸す程度だと、アパート経営に比べると大した不動産所得にはなりません。

大した不動産所得でもないのに、毎年確定申告の手間が増えるため、面倒に感じる人は多いです。

注意点2.修繕対応が必要となる

自宅を他人に貸すと、賃貸人になります。賃貸人には、建物の修繕義務が発生します。

例えば、家に雨漏りが発生してしまった場合には、建物所有者に修繕義務があります。

転勤で離れていたとしても、入居者からクレームが入ってしまえば、対応せざるを得ないです。

管理会社に管理を依頼していれば、クレームは管理会社が受けることになりますが、修繕が発生した場合には、いずれにしろ費用は賃貸人負担となります。

注意点3.壊されることもある

自宅を他人に貸すことで、家を壊されることもあります。もちろん、借主が故意に壊した破損部分に関しては、借主の費用負担で修繕させることが可能。

ただし、扉のがたつきや建付けの悪さなど、入居者が使っていたことによって自然と壊されてしまった部分もあります。

明確な破損ではなく、入居者が使っていたことで何となく壊れたかもしれないという部分も発生し、借主に修繕負担をさせられないような部分も生じてきます。

家は貸すことで自然と管理をしてもらえるというメリットがありますが、壊される可能性があるというデメリットも認識しておいた方が良いでしょう。

賃貸のデメリットは下記記事でも詳しく解説しています。

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以上、ここまで貸す前に知っておきたい面倒なことについて見てきました。

では、売却の場合のデメリットは何でしょうか。

そこで次に、売却のデメリットは流通コストの発生ということについて解説いたします。

4.売却のデメリットは流通コストの発生

賃貸と売却を比較した場合、どちらかと言うと賃貸の方が面倒臭いです。

売却は売却した段階で手離れしますので、確定申告や修繕、破損等の継続的に発生する問題は生じません。

そのため、賃貸するくらいなら、いっそのこと売却してしまった方が良いかという判断も成り立ちます。

ただし、売却するとデメリットは無駄な流通コストが発生するという点です。

流通コストとは、売買に伴う仲介手数料や税金のこと

売却するということは、転勤から戻ってきたときに、また別の物件を購入する可能性があります。

  • 売却時には仲介手数料、また購入時にも仲介手数料が発生
  • 再度、購入時には不動産取得税や登録免許税といった税金が発生

もし、賃貸を選択した場合、これらの売買に伴うコストは発生しません。コストが発生しないどころか、賃貸では賃料収入が入るというメリットがあります。

賃貸は、それなりの面倒臭さがありますが、経済的には売却よりも得です。

ただし、貸そうと思っても貸せないエリアであれば、家賃収入は得られず、固定資産税や住宅ローンの返済などの維持費の負担が生じ、売却した方が経済的に得となるケースもあります。

もし定期借家の家で売却するのであれば、早く売却したほうが絶対にいいです。詳細は下記記事で詳しく解説しています。

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以上、ここまで売却のデメリットは流通コストの発生ということについて見てきました。

では、何を決め手に売るか貸すかを決めれば良いのでしょうか。

そこで次に、決め手は手放したくないかどうかが重要ということについて解説いたします。

5.売るか貸すかの決め手は手放したくないかどうか

転勤で売るか貸すかについては、結局のところ今の家を手放したくないかどうかが決め手となります。

今の家が立地も良く、売りたくないのであれば、貸すことを選択した方が良いです。貸すのは面倒ということであれば、貸さずに空き家管理を委託します。

空き家管理は管理委託料が発生しますが、建物は維持されますし、貸すことによる煩わしさは発生しません。

売りたくないけど、貸したくもない人は意外と多いので、空き家管理という選択肢はあります。

転勤した時に売るのか貸すのかの判断基準

  • 転勤期間が7~8年の長期の及ぶことが分かっており、空き家管理の管理用が無駄に感じるようであれば、貸した方が良いでしょう。
  • 今の家にそれほどこだわりもなく、いっそのこと転勤から帰って来たらもっと良い場所を購入したいという人であれば、売却することをオススメします。

売却すれば維持費からも解放されますし、次にもっと良い場所の物件が購入できるという夢も膨らみます。

もっと良い場所に買い替えるという発想であれば、流通コストも一概に無駄とは言えません。

今の家に、不満や後悔があるようであれば、売却するのが良いでしょう。

売るのか貸すのかの判断基準については下記記事でも解説しています。

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6.まとめ

以上、ここまで、転勤の際に、家を売るか貸すか、どちらが良いのかの判断ポイントについて見てきました。

売るのも貸すのも双方、メリットとデメリットがあります。そのため、あまり表面的なメリットとデメリットだけでは決めない方が良いです。

大切にすべきなのは、今の家に対する「思入れ」や「こだわり」ですので、最終的には手放したくないかどうかで選択することをオススメします。

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