25の土地活用方法を徹底比較!建物投資から借地事業、暫定利用まで

投稿日:2017年7月24日 更新日:

土地所有者には、持っている人にしか分からない悩みがあります。

人からは羨ましがられる悩みではあっても、土地所有者としては、活用方法を決めることは極めて難しい悩みです。

地主さんのところには、銀行やハウスメーカー、不動産会社から様々な提案があります。

どれもこれもお金のかかる話ばかりであり、皆、自分の財産を狙っているのではないかという気すらもしてきます。

土地を遊ばせているだけでも悩みは尽きないものです。

土地所有者の方の中には、

  • 色々な土地活用を比較して検討したい
  • ハウスメーカーだけだと商業施設との可能性が比較できず困っている
  • 皆言うことが違うので誰も信用できない

等々のことを思っている方も多いことでしょう。

土地所有者の方は、土地の活用方法について、自分で「何が良いか」を判断できる力を身につける必要があります。

そのためには幅広く比較検討することが良いです。

そこで今回の記事では土地活用の「比較」にフォーカスして、様々な土地活用について比較検討します。

この記事を読むことで、あなたは土地活用全般についての考え方を知ることができ、比較によって一段上の視野を持つことができるようになります。

>土地活用の成功の秘訣は多くのプランを見て比較検討すること!<

7種類に分かれる!主要な土地活用の一覧表

一口に土地活用といっても、様々な活用方法が存在します。

本記事の中では、土地活用を

  1. 収益性
  2. 投資額
  3. 難易度

の3つの観点から比較します。

まず土地活用の全体像を大きく比較してみます。

土地活用方法 収益性 投資額 難易度 備考
住居系 木造アパートや鉄筋コンクリート造の賃貸マンション、戸建賃貸等があります。
介護・保育園系 老人ホームや保育園の一棟貸です。立地の悪いところでも賃貸需要があることが特徴となります。
商業系 都心部の商業ビルやロードサイド店舗、郊外のコンビニ一棟貸などがあります。
ホテル・倉庫系 ホテル事業者や倉庫事業者への一棟貸が中心となります。敷地が広ければ地方都市でも需要があります。
オフィス系 マルチテナントのオフィスビルがあります。立地が限られており、敷地にも相応の広さが求められます。
借地系 事業用定期借地権を中心とした借地事業になります。収益性は低いですが、建物投資を伴わないためリスクが極めて低いです。
暫定利用系 超低 駐車場やマンションのモデルルーム等の一時的な土地利用です。収益性は低く、場所によっては固定資産税も賄えません。

土地活用では、その土地で「何ができるか」の答えを見つけることが重要になります。

「何ができるか」については、その土地の立地や法的規制、規模の3つの条件によって決まります。

立地によって、商業系テナントが入りそうな場所や、住宅しか入居者がいない場所など、賃貸需要が分かれます。

また商業系のテナントが入りそうな場所であっても、法的規制で店舗が建てられない土地も存在します。

さらに土地が小さすぎて、そもそも店舗面積が確保できず、商業系テナントを誘致できない土地もあります。

その土地のベストな活用方法は、賃貸需要の多寡や、法的規制、敷地の規模で決まるのです。

土地活用については、下記に詳しく記載していますので是非ご参照ください。

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以上、ここまで土地活用一覧について見てきました。

それでは次にそれぞれの活用方法について個別具体的に見ていきましょう。

一目でわかる!住居系の土地活用の特徴

住居系にもアパートや賃貸マンション、戸建賃貸等の様々な活用方法があります。

それを比較すると、下表の様になります。

以下では、アパートを「木造もしくは軽量鉄骨造」、マンションを「鉄筋コンクリート造もしくは重量鉄骨造」ということで用語の使い分けをします。

土地活用方法 収益性 投資額 難易度 備考
ワンルームアパート ワンルームの賃貸需要は底堅く、入居者集めもしやすいため、難易度は比較的低いです。また一戸当たりの面積が小さいため、賃料単価も高く収益性も高いです。 さらに木造であれば投資額も抑えることが可能です。築10年以内であれば構造による賃料差はほとんど見られません。
ファミリーアパート ファミリー層は賃貸よりも購入を検討する人たちが多いため、ファミリータイプの賃貸需要はそもそも低いです。そのため入居者集めの難易度が高いです。また一戸当たりの面積が大きく、賃料単価が低くなるため投資効率が下がり、収益性も低くなります。投資額はワンルームと比べると、面積当たりの住宅設備の個数が減るため、若干安くなります。
一棟賃貸ワンルームマンション 躯体の耐用年数が長いため、木造に比べると陳腐化の速度が緩いです。木造のワンルームよりは賃料が維持できます。ただし、大型賃貸マンションとなるとコストが高くなります。エレベーターが付く規模になると、メンテナンス費用等も発生します。
一棟賃貸ファミリータイプマンション ファミリー層の賃貸需要はそもそも低いため、入居者集めが難しく、管理には相応の難易度があります。 投資額が大きいですが、空室リスクも高いため、総じてリスクは高いです。そのため戸数の作り過ぎには十分注意をする必要があります。 尚、小中学校の学区が良い等の特殊なエリアであれば、大型の賃貸ファミリーマンションでも需要はあります。
戸建賃貸 一つの敷地に一棟の住宅しか建てられないため、投資効率が低く、収益性に劣ります。供給も少ないですが、需要も限られているため、入居者探しには一定の苦労が伴います。学童保育のある小学校学区では、シングルマザーの賃貸需要等も存在します。

一目でわかる!介護・保育園系の土地活用方法の特徴

介護施設や保育園等は補助金事業です。

立地が悪い場所でも、賃貸ニーズがあるところが特徴です。

それを比較すると、下表の様になります。

土地活用方法  収益性 投資額 難易度 備考
老人ホーム 第一種低層住居専用地域や市街化調整区域(許可は必要)※でも建築が可能なため、土地活用が難しいエリアでも賃貸事業ができる数少ない選択肢の一つです。社会福祉施設自体の収益性が低いため、賃料は低いです。基本的には鉄筋コンクリート造が多いため、投資額が大きく、利回りは低い事業になります。撤退リスクは比較的低いため、一棟貸であれば難易度はとても低いです。
デイサービス 通いで介護を受ける介護施設です。通常の店舗のテナントとほとんど変わりがありません。 収益性が低ければ、撤退もあり得ます。介護事業者に対する国の補助は年々減少しており、家賃は収益を圧迫している要因になっています。老人ホームと比べると、長期で契約を縛るのは、難しいです。
認可保育園 国の認可を受けて行う保育園を認可保育園と言います。特に保育園不足の激しい東京都には認証保育園という特別な制度があります。保育園は中核都市以上であれば、高い需要があり、立地が悪くても出店してきます。しかも撤退リスクは低いのが魅力です。ただし、基本は補助金事業で収益性が低いため、賃料は安いです。
無認可保育園 無認可保育園は、国の認可を取っていない保育園になります。基本的には他の商業テナントと変わらないため、条件が合えば相場の賃料を支払って入居してきます。しかしながら、保育園自体が収益性の低い事業であるため、国からの補助をもらっていない保育園の経営は厳しいのが基本です。そのため徹底リスクは高いです。

※第一種低層住居専用地域は、低層住宅の良好な住環境を守るために都市計画法で定められた地域です。
※市街化調整区域とは、市街化を抑制するための地域です。

閑静な高級住宅街では第一種低層住居専用地域が多いです。

ただし、用途規制が最も厳しい地域で、店舗の建築は原則できません。

原則として、市街化調整区域内の土地で建物を建築するには、開発許可と呼ばれる許可を取得する必要があります。

周辺の賃貸需要も弱く、土地活用が最も難しい地域です。

一目で分かる!商業系の土地活用方法の特徴

商業系の土地活用も様々です。商業系の土地活用を比較すると、下表の様になります

土地活用方法  収益性 投資額 難易度 備考
商業ビル 都心部の駅前繁華街にあるような商業ビルです。都内の一等地であれば、高級ブティック等が入居します。地方都市の駅前であれば、パチンコやカラオケ、消費者金融、居酒屋等が有力候補となります。いずれにしても、かなり立地が良くないと、2階以上にテナントを埋めることが難しいです。テナントの入れ替わりも激しく、退去リスクが高いため、難易度はかなり高いです。
駅前商店街のビル 駅近くにある土地の活用の一つにあります。最近では、駅前だからといって店舗のテナントが入るとは限りません。かろうじて1階のテナントが埋まったとしても、2階以上のテナントを埋めるのは至難の業のケースも少なくありません。駅前である程度、規模のある土地であれば、1階を店舗にして上階をワンルームマンションにする活用が考えられます。店舗は退去したあと、後継テナントを見つけるのに苦労します。テナント集めを考慮すると難易度は高いです。
ロードサイド店舗 ロードサイドに大規模な敷地を有している場合は、ロードサイド店舗用地としての活用が考えられます。20年以上前から、ロードサイド店舗用地は巨大化する傾向が続いており、最近では複合型商業施設が入るような規模の土地が求められます。一棟貸であれば、管理は楽です。また賃料単価に比べて建築コストが低いため、収益性は高いです。しかしながら退去リスクは相応に高いということも覚悟しなければなりません。
コンビニの一棟貸 コンビニは郊外の土地でもできる商業利用の土地活用です。郊外型のコンビニもロードサイドと同様に求められる敷地が大型化しており、300~600坪くらいは必要です。賃料単価は高くかつ建築費が安いため、土地活用としては優等生と言えます。ただし、コンビニは撤退が早いというリスクがあります。コンビニ撤退後の後利用の可能性も含めて検討する必要があります。

尚、コンビニによる土地活用については下記に詳しく記載していまのでぜひご参照ください。

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一目でわかる!ホテル・倉庫系の土地活用方法の特徴

ホテル・倉庫系の土地活用を比較すると、下表の様になります

土地活用方法  収益性 投資額 難易度 備考
ビジネスホテル 地方都市でも駅前であればホテルの一棟貸需要があります。ホテルの採算性としては、200室確保できることが必要となります。容積率によりますが、敷地としては、500坪程度の広さが必要になります。最近は、外国人観光客が増えていることから、観光地のビジネスホテル需要はに高いです。日本のビジネスホテルは綺麗で安いため、外国人観光客の支持を集めています。地方都市における高層建物の賃貸事業としては、ビジネスホテルは最も有力な候補と言えます。ただし、観光業は為替の変動により大きく変動するため、撤退リスクは相応にあると覚悟しておくことが必要です。
倉庫 ネット通販の拡大に伴い、国内では倉庫用地が不足しています。倉庫についても大規模化が進んでおり、大きな敷地が求められています。倉庫用地は、高速道路のインターチェンジの近くなどは需要が高いです。そのため山奥の広い土地などでも倉庫による賃貸事業ができる場合があります。倉庫は基本的には一棟貸のため、管理の難易度はとても低いです。また今後はますますネット通販が拡大すると考えられるため、撤退リスクは低いです。

一目でわかる!オフィス系の土地活用方法の特徴

オフィス系の土地活用を比較すると、下表の様になります。

 土地活用方法 収益性 投資額 難易度 備考
マルチテナントオフィスビル オフィスビルと言えば、かつては日本の不動産投資の本流でした。今ではオフィスビルは収益性も低く、コストもかかるため、最も難しい不動産投資の一つと言えます。東京においてもオフィスビルは既に供給過剰です。就労人口が減っており、産業構造も製造業から医療・介護業へとシフトしていることから、国内のオフィス事情は減っています。地方都市では、もはやオフィスビルはほとんど壊滅的です。オフィスのテナント確保はどのビルも苦戦しているため、地方のオフィスの賃料はなかなか回復していません。今では小さなオフィスビルは、塾か診療所に貸せれば御の字です。診療所は撤退リスクも低いため、かなりありがたい存在です。 ただし、診療所は重い医療設備があるため、耐えられる床荷重が小さい昔のビルでは入居できません。これからオフィスビルを建築するのであれば、将来、診療所も入居できるような床荷重の設計にしておくことが無難です。
シェアオフィス・スモールオフィス 通常のオフィスビルの賃貸が難しくなってきたため、オフィスを小割にしたシェアオフィスやスモールオフィスも増えてきました。当初、シェアオフィス等は供給量が少なかったため、かなり収益性が高かったのですが、現在では供給過剰感もあり、難しい賃貸事業になりつつあります。地方都市では、大型オフィスの需要も少ないですが、シェアオフィス等の需要も少ないです。家賃負担力のない小さな会社から家賃をもらい続けることは難しく、テナントの入替は激しいです。難易度はかなり難しいと言えます。

借地系の土地活用方法の特徴

借地に関しては、定期借地権を中心に解説します。

普通借地権は、一度設定してしまうと、半永久的に土地を取り戻すことができないため、土地所有者にほとんどメリットがありません。

事業として行うのであれば、定期借地を中心に考えることになります。

定期借地権では、貸した土地が必ず戻り、期間満了時に立退き料も必要なく、地主が安心して土地を貸すことができる借地です。

定期借地権には、「一般定期借地権」、「建物譲渡特約付借地権」、「事業用定期借地権」の3種類があります。

それぞれの特徴をまとめると以下の通りとなります。

種類 一般定期借地権 建物譲渡特約付借地権 事業用定期借地権
存続期間 50年以上 30年以上 10年以上30年未満 30年以上50年未満
利用目的 限定なし 限定なし 事業用建物(居住用は不可)
契約書式 公正証書等の書面により契約 書面化は不要 必ず公正証書で契約する
良く使われる用途 マンション 倉庫 コンビニ ホテル

一般定期借地権は分譲マンションの敷地で使われることがあります。

最近、借地権付きマンションが増えてきていますが、借地権付きマンションのほとんどが、この一般定期借地権を利用したものです。

建物譲渡特約付借地権は倉庫などで使われることがありますが、建物譲渡特約付借地権の活用自体が極めて希です。

理由としては、地主が30年後に築古の建物を有償で購入すること自体、ほとんどメリットがないからです。

建物譲渡特約付借地権は、借地人から地主が建物を買い取った時点で借地が終了します。

ところが、わざわざ多額の修繕費がかかる築古の建物を買い取る地主はほとんどいません。

そのため建物譲渡特約付借地権は制度こそあるものの、あまり使われていないというのが実態です。

一方で、土地活用として、最も使われているのが「事業用定期借地権」になります。

定期借地権制度の創設当初は、事業用定期借地権の借地期間が20年以下と非常に短く使いにくいものでした。

建材では、最長50年未満に借地期間まで締結することができるため、建物の用途範囲がかなり広がってきています。

上述でビジネスホテルとしての土地活用を紹介しましたが、事業用定期借地権でもビジネスホテルへ借地するパターンもあります。

この場合、ビジネスホテルの運営者がホテルを建て、地代を地主に払うことになります。

長期の事業用定期借地事業では、ホテル以外にも、スーパーなどの商業施設もあります。

いずれも、地主は建物投資を伴わず、安定した地代収入を得ることができるため、事業用定期借地を選択する人は増えています。

暫定利用系の土地活用方法の特徴

暫定利用系の土地活用を比較すると、下表の様になります。

土地活用方法  収益性 投資額 難易度 備考
時間貸し駐車場 暫定利用の中では、取組みやすく収益力もあり、最もバランスの取れた暫定利用です。ただし、時間貸し駐車場の需要が全くないエリアも多く、場所を選びます。また都内では時間貸し駐車場の賃料では固定資産税を賄いきれない場所も多いです。
月極駐車場 超低 基本的には時間貸し駐車場が、需要が低いことによりできない土地で行います。よって収益性はかなり劣ります。また空車が発生した場合は、全体収入が下がるなど、収益も不安定になりがちです。
分譲マンションモデルルーム もし分譲マンションのモデルルームとしての暫定利用ニーズがあれば、これが最も収益性が高いです。ただし、モデルルームニーズはどこにでもあるわけではなく、期間も限定的です。そのため偶発性がかなり高い事業となります。
トランクルーム置場 最近は建築確認申請を取得できるトランクルームができたため、合法的にトランクルーム事業ができるようになりました。周辺に収納の少ないマンションが多い場合は、一定の需要があります。トランクルームの投資を伴う割に、賃料が低いため、収益性は低いです。

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まとめ

以上、建物投資から借地事業、暫定利用までの様々な土地活用の特徴を比較解説してきました。

賃貸需要の多寡や、法的規制、敷地の規模の条件の中で、いくつかの用途を選択できる場合があります。

それらは、収益性や投資額、難易度等を比較しながらベストな土地活用を決めるのが良いでしょう。

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