アパート経営とマンション経営の違いって何?7つの異なるポイント

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共同住宅のことを、「アパート」または「マンション」と呼びます。

アパートもマンションも英語で言えば同じ「apartment」

アパートやマンションには正確な定義や違いはありません。

ただ、鉄筋コンクリート造で5階建て以上の共同住宅をマンションと呼び、木造や鉄骨造の2~3階建ての共同住宅をアパートと呼ぶことが一般的には多いです。

アパートとマンションの違いについて知りたいと思っている人の中には、

  • そもそも、アパートとマンションって、どういう建物のことを指すの?
  • アパートやマンションに向き不向きってあるの?
  • アパートとマンションの違いを分かりやすく教えてほしい

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「アパートとマンションの違い」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、アパートとマンションについて、その違いや7つの異なるポイントについて知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.アパート経営に向いている人とマンション経営に向いている人の判断基準

この章では、土地活用でアパート投資に向いている人とマンション投資に向いている人の判断基準について解説します。

土地活用でアパートかマンションかを建てられるには、まず土地の用途地域で決まります。

用途地域とは、エリアごとに建築可能な建物の用途を定め区分けした地域のこと

まず、第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域と呼ばれるエリアに関しては高層のマンションを建てることができません。

第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域では、高い建物であっても3階建てまでしか建てられない規制となっています。

その他の用途地域では、基本的にはマンションを建てることができますが、高層階のマンションが建てられるかどうかは容積率によっても決まります。

容積率とは、延床面積の敷地面積に対する割合

延床面積とは、各階の床面積の合計

容積率は、200%以上の指定がされていれば、基本的には5階建以上の建築物を建てることができます。

そのため、まずは容積率が200%以上で、用途地域が第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域であることがマンションの条件です。

アパートは2~3階建てなので、第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域でも建築が可能です。

また、仮に容積率が200%以上で、用途地域が第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域であっても、マンションを建築する場合には敷地が広く、駅から近くないとマンション用地に適していません。

マンションを建てる場合には、最低でも100坪程度の敷地は必要です。

また駅からの距離は10分以内であることが望まれます。

駅から近くても、道路付けが悪く、敷地が狭くて容積率を消火できないような土地であれば、アパートに向いています。

基本的にはマンションが建てられる土地の方が、アパートが建てられる土地よりも圧倒的に少ないです。

マンションはかなり条件の良い土地でないと建てることができません。

マンションを建てられる土地を持っている人は、マンションの方が収益性は高いので、マンションを建てた方が良いです。

まずはマンションが建てられないかどうかを優先的に検証し、それが無理であればアパートを検討するのが順当な考えとなります。

用途地域については下記記事に詳しく記載しています。

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また、容積率については下記記事に詳しく解説しています。

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以上、ここまでアパートに向いている人とマンションに向いている人の判断基準について見てきました。

では、アパートとマンションにはどのような違いがあるのでしょうか。

そこで次に、アパートとマンションの7つの違いについて解説いたします。

2.アパートとマンションの7つの違い

この章では、アパートとマンションの違いについて7つの観点から解説していきます。

アパートとマンションの7つの違い

  1. 階数
  2. 構造
  3. 立地
  4. 建築費
  5. エレベーターの有無
  6. 集合玄関の有無
  7. 耐用年数と償却率

それぞれ見ていきましょう。

違い1.階数

階数に関しては、

  • 5階建以上の共同住宅をなんとなくマンション
  • 2~3階建てまでならアパート

が一般的な区分です。

4階建ての共同住宅はあまり見かけませんが、アパートと呼んだりマンションと呼んだりしています。

1960年代に公団が5階建のエレベーター無しの共同住宅を多く建てたことから、5階建ての共同住宅は今でも多く残っており、それらはマンションと呼ばれています。

階数による呼び名の決りは特にありませんが、イメージとしては階数の高い共同住宅はマンションと呼ぶことが多いです。

ただし、2階建ての低層マンションというのも存在します。

邸宅っぽい高級感あふれる2階建てマンションも、東日本大震災の直後あたりに流行った時期がありました。

2階建てなら、すぐに外に逃げられるというのが理由です。

邸宅風の2階建て共同住宅は、「マンション」という呼び名で販売していました。

そのため、2階建てだからと言ってマンションと呼んでも、間違いではないことになります。

違い2.構造

構造に関しては、下記違いがあります。

  • アパートは木造または鉄骨造が多い
  • マンションは、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造が多い

ただ、2階建てアパートでも鉄筋コンクリート造のものはあります。

台風が多く通過する沖縄では、ほとんどのアパートが鉄筋コンクリート造となっています。

また、鉄骨造も重量鉄骨となると、3~5階建の共同住宅を建築できます。

重量鉄骨造の5階建共同住宅にいたっては、もはやアパートなのかマンションなのか誰にも分りません。

タワーマンションのような超高層マンションとなると、低層階が鉄骨鉄筋コンクリート造、高層階が鉄骨造のような組み合わせも出てきます。

構造はマンションやアパートといった名称で決まるのもではなく、階数や高さ、目的によって決まります。

構造についても、特にアパートやマンションなら何が採用されるかについて、特に決まりはありません。

違い3.建てられる立地

建てられる立地については、「アパート経営に向いている人とマンション経営に向いている人の判断基準」でも解説してきましたが、用途地域や容積率、敷地の広さ、前面道路の幅員によって決まります。

一般的にマンションが建てられるような土地を持っている個人の人は少ないです。

ほとんどの人は、都市計画法や建築基準法の規制の観点から、アパートしか建てられない土地を持っています。

都市部においては、用途地域の中で一番広い面積を占めるのは、第一種低層住居専用地域です。

面積からすると、第一種低層住居専用地域は多くの人が持っている土地になります。

第一種低層住居専用地域は、10mまたは12mの高さ制限が存在します。

住宅の階高は3mであるため、高さ制限10mであれば3階建て、12mであれば4階建てが最大です。

尚、邸宅風高級2階建てマンションは、第一種低層住居専用地域の広い土地に建てられています。

そのため、邸宅風高級マンションであれば、第一種低層住居専用地域でもマンションを建築することは可能です。

5階建以上のマンションは、第一種低層住居専用地域では不可能です。

建てられる立地に関しては、都市計画法や建築基準法の規制によって決まります。

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違い4.建築費

建築費については、延床面積に対して

  • アパートなら「坪75万円」
  • マンションなら「坪90万円」

程度です。

マンションは工期も長く、また、エレベーター等も設置する必要があることから、建築費は割高となります。

また、アパートは各ハウスメーカーの工業化工法(工場でほとんどの部材を作ってしまうこと)が進んでおり、建築費が安くできるような背景もあります。

違い5.エレベーターの有無

エレベーターは、

  • 一般的にはアパートには無く
  • マンションには有り

ます。

エレベーターも特に決まりはありませんが、アパートやマンションは階数が異なるため、自ずとエレベーターの設置の有無に違いが生じます。

エレベーターについては、アパートやマンションの別よりも、建てられた年次によって有無が異なります。

1960~1970年代に建てられた5階建ての公団はエレベーターの無い物件が多いです。

近年建てられている重量鉄骨造のアパートは3~4階だてならエレベーターを付けているケースも多いです。

近年はバリアフリー設計の設計思想があるため、エレベーター設置が常識化しています。

2階建てアパートはコストの面から省いているだけであって、アパートだから省いているという理由にはなっていません。

また、マンションも近年の新築物件は5階建以上なら、ほぼ間違いなく設置されています。

エレベーターの設置の有無については、階数や時代背景から決まるものであり、アパートやマンションだから設置の有無を決める理由にはなっていないことになります。

違い6.集合玄関の有無

集合玄関に関しては、下記違いがあります。

  • マンションはあり
  • アパートはなし

集合玄関とは、1階の入口部分を指します。

マンションは集合玄関があることで、そこにオートロックを設置することができます。

オートロックが設置できるため、マンションの方がセキュリティーはアパートよりも高くすることが可能です。

ただし、集合玄関については、古いマンションには存在しません。

昔に建てられた公団などは、アパートをそのまま高くしたような構造を取っています。

昔のマンションは、誰でも玄関の前まで訪れることができ、ドアのインターフォンを直接押せてしまいます。

一方で、アパートは構造的に集合玄関を作ることができません。

集合玄関ができないことによって、オートロックが設けられないのがネックです。

賃貸物件では、オートロックが有りと謳えるかどうかは募集上、とても大切なポイントとなります。

アパートはオートロック有を謳えないため、入居者への訴求力は弱いです。

違い7.耐用年数と償却率

  • 耐用年数とは、建物や機械などの償却資産について、会計上の減価償却計算を行うための計算の基礎となる年数のこと
  • 償却率とは減価償却費を求める際に使用する率

耐用年数や償却率は建物の構造によって決まります。

構造償却率耐用年数
木造0.04622年
鉄骨造(厚さ3㎜以下)0.05319年
鉄骨造(厚さ3㎜超4㎜以下)0.03827年
鉄骨造(厚さ4㎜超)0.03034年
鉄筋コンクリート造0.02247年

アパートは、木造又は鉄骨造が多いため、該当する耐用年数や償却率が使用されます。

マンションは鉄筋コンクリート造が多いため、耐用年数は47年、償却率は0.022が使用されます。

耐用年数や償却率もアパートやマンションだから決まるのではなく、構造によって決まることになります。

3.まとめ

以上、ここまで、アパートとマンションについて、その違いや7つの異なるポイントについて見てきました。

アパートとマンションは、別のような気がしますが、重複している部分は多いです。

アパートやマンションだから、何かが決まるのではなく、都市計画法や立地、階数、建物構造等によって、アパートと呼ばれることが多いか、マンションと呼ばれることが多いかが決まることになります。

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