マンションを売却する際、築年数が目立って古いものはそれだけで大きなデメリットになってしまいます。
かといって、「自分のマンションを新しくする」ことはできないため、古い築年数で勝負するしかありません。
この記事では築3,40年の古いマンションや経年劣化が激しいマンションを少しでも高く売却する方法をお伝えします。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 築40年だと、販売価格や価値はほぼゼロ?
- 古くなって傷んだ箇所は、修繕が不要?必要?
マンション価格の下落は、築20年くらいでほぼ止まる?
マンションを売却する場合、誰もが一番関心があるのは「いくらで売れるか」という点です。
マンションの価格は、マンション自体の老朽はもちろん、近隣の開発状況や競合の様子や管理状態など総合的に判断されますが、「マンションは年数を経るごとに価値が下がっていく」ということは基本的には共通しています。
一般的にはどれくらいのペースで価格は下がっていくのでしょうか?
マンション価格の大きな節目は築20年?
マンションは一般的には、新築直後から大きく値を下げていきます。
都内の一等地のマンションなどは古くなっても「ヴィンテージマンション」として人気がありますが、年月を経ても価格が上がるケースは本当にごく一部。
基本的に、マンションは年数が経つごとに価格は下がり続けます。

築年数別のマンションの売出価格単価と成約単価の値動き
上記グラフは経年による価格低下を表したものですが、築20年以降の価格低下が緩やかになっている点は注目したいポイントです。
ただし、上記の図の場合、青が売り出し価格で実際に売れた販売価格が赤い線です。統計的には成約価格は、売り出し価格の71~87.7%程度で決まっていることが分かります。
つまり希望価格から1割以上下がった価格で売れることが多いので、その点も理解して販売計画を立てましょう。
築40年以上のマンション売却の際の3つの注意点
「築年数が価格に影響を及ぼす」と分かっていても、既に40年以上の築年数が経っているマンションを新しくすることはできません。
築年数が40年以上経過しているマンションを販売する時、どんな点に気をつければ良いでしょうか?
耐震性の問題
昭和56年(1981年)6月1日以降に適用されている「新耐震基準」で建築を許可されたマンションを「新耐震物件」や「新耐震マンション」と呼び、それより以前に適用されていた基準は「旧耐震基準」と呼ばれています。
築40年以上のマンションは「旧耐震基準」であることが多く、当然ながら地震への耐性が弱い可能性があります。これが購入者不安を煽る可能性はあります。
住宅ローン審査が通りにくい
旧耐震基準のマンションでは住宅ローンの審査が新耐震基準の物件に比べて通りづらいことが多いです。
仮に住宅ローンを借りることができても希望額に満たないケースもあります。
中古マンションの担保評価額は周辺の物件の売価、築年数や立地によって決められ、築40年を超える旧耐震基準の中古マンションは担保評価の際にマイナス要因になります。
築40年超のマンションは物件の担保価値が低いため、借りる本人の信頼(与信)が重要になってきます。
建物や設備の老朽化
築40年を超えるマンションでは建物や設備の老朽化が進んでいます。
外見面の症状で言うとヒビ割れ、タイルの剥落、鉄部分のサビなど、マンションの設備面では、配管の詰まりや水漏れなどのリスクがあります。
また、築40年を超えるマンションでは修繕工事費用がきちんと積み立てられていないことによって、修繕ができない問題もあります。
こういった建物全体の構造の老朽化の対策は本来管理会社が行うため、個人での対応が難しいのが現実です。
デメリットも多い築40年以上のマンション、少しでも高く売るには?
マンション売却をしたり査定を行う際に、少しでも高く出したいのは当然のこと。
排水管や外壁といったマンション全体の老朽化以外で室内に関する点は、修繕などで状況を改善させられる場合もあります。
具体的には、どのような修理修繕を行えば良いのでしょうか?
修繕とリフォームの違いって?
「マンションが古いから、売るにはフルリフォームするしか無い」と考えるのは危険です。
リフォーム代の方が高くついて、かえってマイナスになってしまう場合もあるため、今の状況を踏まえ、「何が必要で何は不要か」という事を理解する必要があります。
修繕とは、傷んだり壊れた箇所を直すことで、具体的には給湯器が壊れていてお湯が出ないというような場合、給湯器を新しいものに取り換えるというような工事を行います。一般的に修繕は壊れて価値が下がってしまったものをもとの価値に戻すというような意味合いが強いです。
リフォームとは、例えばシート貼りの床を天然の無垢材の床に張り替えるような工事です。シートの床に仮に傷や汚れがなかったとしても張り替えるようなこともあります。リフォームとは、今のものよりもより価値の高いものに変えるというような意味合いが強いです。
修繕を行うべきか行わないべきかの、見極めポイントは!
築年数が古ければ古いほど色々なマイナスポイントが目につくと思いますが、「全部直さなくては売れない」ということはありません。
基本的には「年数経過による自然損傷は修繕する必要ないが、買う気が失せるほどの傷は直しておいた方が良い」ということになります。
マンションの床を例にすると、下記のような自然損傷は一般的に直す必要はないと判断してよいでしょう。
修繕不要な自然損傷の例
- 日焼けによる色落ち
- テレビ台や冷蔵庫
- たんす等の重量家具の設置跡
- 床の凹み
このような生活をする上で自然に生じた損傷を自然損耗と呼ばれ、一般的には自然損耗に関しての修繕は不要で、査定額も特にマイナスになることはありません。
ただ、売却後に問題にならないよう買い主には説明しておく必要があります。
一方、「床や壁に大きな穴が開いている」「自然消耗かもしれないが、明らかに色が一部変色している」などの場合には買い主の印象を良くするために修繕を行う方が査定がプラスになる可能性もあります。
ただし、一気にリフォームしたり広大な範囲で修繕を行ったとしても、築年数が極端に古い場合はあまり価格に影響を与えない、つまり修繕台ほどのプラスにならず損をする可能性も高いです。
どちらにせよ「この傷みは修繕をしたほうが良いかどうか」の判断は、素人では危険です。
数多くの古いマンション売却を行っているプロ=不動産会社に相談することをオススメします。
古いマンションや傷有りマンションは、「いわくつきマンションに強い不動産会社」を探せ!
「築年数が非常に古い」「経年劣化もひどい」など、売却に不利なマンションこそ、売却が成功するかどうかは不動産会社の手腕にかかっています。修繕が必要かどうかの判断も、過去の経験が問われます。
不動産会社の経験によって強みも異なるので、ぜひ様々な不動産会社に問い合わせをしてみてください。
不動産会社ごとに実績や算出方法もことなるので、査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

査定額が高すぎる不動産会社は危険
ただ、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのは大変です。
そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。
不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと
便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。
多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。
実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。
一括査定サイトのオススメ3選
- 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
」
- NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
」
- 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール
」
※番外:一括査定と合わせて使うことで効果を発揮する「 SRE不動産(※旧ソニー不動産) 」
実績や信頼性はもちろんですが、上記3サイトは、机上査定に対応してくれる点もポイントになります。
机上査定とは、依頼時に入力した物件の基本情報を基に算出する査定方法で、不動産会社の担当者に物件を見てもらう必要もなく、家に居ながら気軽に査定額を知ることが可能です。
依頼時にメールで査定額を提示して欲しい旨を備考欄で伝えておけば、査定結果や担当者とのやり取りはメールで進むので、営業電話にも悩まずにやり取りすることも可能です。
まとめ
築3,40年のマンションを売却する際、「リフォームをして販売価格を上げたい」と考える方も多いと思いますが、リフォームによって上がった販売価格よりもリフォーム代の方が高かったら、意味がありません。
数十年前はリビングが無く、「小さな部屋がたくさん」という間取りがメインだったので、売却の際に思い切って複数の部屋をつなげてリビングを広くする、という間取りを変える大掛かりなリフォームはよく見られますが、「そのリフォームがどれほど販売価格に影響するか」が非常に大切です。
修繕の範囲も「どの程度の傷みなら査定に影響が出ないか」という判断は素人には難しいので、ぜひ修繕にも強みを持つ不動産会社に相談することをオススメします。
不動産会社によって強みは様々なので、「修繕やリフォームの事例が多い」「築年数の古いマンション販売の実績が多数ある」などの不動産会社をぜひ見つけ出してくださいね。