マンション売却 不動産売却 家売却

マンションの売却でローン残債がある場合の対処法を徹底解説

投稿日:2016年11月25日 更新日:

価格が高い時期に購入したマンションを売却するのは大変です。

価格高騰時期は住宅ローンも総じて高く、いざ売却しようとするとローン残高が売却額を上回っているケースが多いです。

売却へのハードルが高くなり、ローン残債にも悩んでいる方も多いことでしょう。

そこで今回の記事ではマンション売却における「ローン残債」に注目してお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたはローン残債が残っている場合の売却方法を理解し、譲渡損失が発生した場合の所得税の特例も活用することができることをお約束します。

1.ローン残債のあるマンションは売却できるか

pexels-photo-29781

まずあなたが一番気になるローン残債があるのに売却できるのかどうかについてお伝えします。

結論、売却は可能です。少し詳細を見ていきましょう。

1-1.国内におけるマンション価格

マンションは購入した時期によって価格が異なります。

ここ1~2年は再びマンションブームになっており、価格が高騰していますが、平成20年9月に起きたリーマンショックの直前も、同様にマンション価格は高騰していました。

リーマンショック前に購入したマンションは借入金額も総じて高い傾向にあります。

マンションなどの居住用財産は経年ともに価値が下がるため、借入金の返済スピードよりも価値の下落スピードの方が速いと売却額よりもローン残債の方が高くなってしまうケースが多いです。

特にリーマンショック前に購入したマンションは、その後大きく価値が下落したため、売却してもローン残債の方が金額は高い方が多いでしょう。

1-2.売却できるかどうかは抵当権が外れるかどうか

このようなマンションは売却できないのかというと、そんなルールはありません。

通常、買主は前所有者の抵当権が引渡日と同日に抹消されることを条件に購入します。

そのため買主にとっては、抵当権が抹消されていることが重要であり、売却額とローン残債の金額については、買主には全く関係ありません。

仮に売却額の方がローン残債よりも高くても、買主にとっては抵当権が外れるかどうかが問題となるのです。

そのため抵当権が外れればマンションは売却できます。

以上、ここまでローン残債のあるマンションは売却できるかについて見てきました。

それでは次に気になる抵当権の抹消について見ていきましょう。

2.売却できるかのポイントは抵当権の抹消

building-joy-planning-plans

抵当権の抹消について考えます。

例えば、現金を別に持っており、売却額と現金を合算して従前の住宅ローンを返済できるようであれば、抵当権を外すことができます。

極端な例を言えば、売却額とローン残債を消費者金融で借りてしまえば抵当権を外すことも可能です。

ただし、消費者金融から借りるのは後々苦しむだけですので、絶対に止めましょう。

要は、住宅ローン残債と売却額の差額をなんらかのお金で手当てすることができ、銀行に返済して抵当権を外すことができれば、ローン残債があっても売却できるのです。

2-1.買換えの場合は住み替えローンが使えれば抵当権は抹消できる

また買換えの場合、住み替えローンが使えれば、抵当権は抹消でき売却できます。

住み替えローンは新たに購入するマンションの住宅ローンに加え、売却額とローン残債の差額分も借りるローンです。

他人から借りた金で前の借金を返すという点では、消費者金融で借りて住宅ローンを返すという例と同じです。

しかしながら、住み替えローンは住宅ローンですので、金利も低く、利用される方も多くいます。

2-1-1.住み替えローンは審査ハードルが高い

但し、住み替えローンは新しく購入するマンション価格以上の借入を行うため、審査のハードルは高いです。

消費者金融からは借りないものの、借金を借金で返す多重債務者と似た状況になってしまいます。

誰しもが利用できる訳ではないため、事前に住み替えローンが利用できるかどうかを銀行に相談するのが良いでしょう。

以上、ここまで抵当権の抹消について見てきました。

それでは仮に売却が行えた後に考えておかなければならない譲渡損失についてお伝えします。

3.ローン残債のマンション売却に発生する譲渡損失

pexels-photo-28462

ローン残債が残っているマンションを売却する方は、マンションの売却によって譲渡損失が発生することが多いです。

3-1.居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

ここで、買換えではなく、居住用財産の単純に売却のみで終わる人は、譲渡損失によって源泉所得税が戻ってくるお得な税制があります。

源泉所得税の戻ってくる金額を左右するのが、住宅借入金つまり「ローン残債」なのです。

この税制の特例は「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と呼ばれます。

居住用財産を売却して譲渡損失が発生した場合には、譲渡損失の金額のうち、ローン残債の金額からその譲渡資産の譲渡価額を控除した額を限度として、他の所得との損益通算及び翌年以後3年間の繰越控除ができる制度です。

居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の要件は以下のようになっています。

  特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
譲渡資産の所有期間等 譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超のもの
譲渡資産の住宅借入金の有無 譲渡契約締結日の前日においてローン残債があること
買換え要件 買換えは要件となっていない
所得要件 合計所得金額が3,000万円以下であること
繰越控除等される金額 損失金額のうち、「ローン残債―譲渡価額」の金額を限度として他の所得との通算及び3年間の繰越控除の対象となる。

取得費と譲渡価額、ローン残債の関係を見ると以下の図ようになります。

loan-remaining-debt01

取得費と譲渡価額、ローン残債の関係

この税制ではローン残債が残っている程、繰越控除できる金額が大きくなる税制となっています。

通常、ローン残債が残っているとマンションを売却しにくくなるため、国が「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」によって、ローン残債が残っていてもマンションを売却しやすくしてくれているのです。

3-2.特例を受けるための必要書類

また居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を受けるためには、売却後、確定申告が必要となります。その必要書類は以下の書類です。

必要書類 取得先
除票住民票 今まで住んでいた市区町村役場
譲渡資産の登記事項証明書 法務局
譲渡所得の計算明細書 税務署の書式
住宅借入金の残高証明書 住宅ローンを借りている銀行

以上、ここまで居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例について見てきました。

最後にこの特例を使った具体的計算例を見ていきます。

4.特例を使った具体的計算例

black-and-white-interior-macbook-drawing-71983

居住用財産を売却したサラリーマンのAさんの例について見ていきます。

【Aさんが売却した不動産】

売却額 38,000,000円 (売却時期は平成28年4月)
取得費 80,000,000円 (取得時期は平成9年)
減価償却費 5,000,000円
譲渡費用 3,000,000円
ローン残債 63,000,000円

【Aさんの給与所得】

年次 給与所得 源泉徴収額
平成28年 9,600,000円 767,700円
平成29年 9,800,000円 781,000円
平成30年 10,200,000円 802,500円

ここで平成30年の所得税控除額は2,560,000円です。またAさんには他の所得はありません。

<平成28年分の計算>

  1. 損益通算
    給与所得-繰越控除限度額
    =9,600,000円-25,000,000円=▲15,400,000円(翌年の繰越控除額)
    ※マイナスなので譲渡損失になります。
    ※減価償却の計算方法については、「不動産売却に関わる計算式をわかりやすく教えます」で詳しく紹介していますので、ご参考ください。
  2. 特例の対象となる損失の金額
    繰越控除される金額は損失金額の内、「ローン残債―譲渡価額」に金額が限度となります。よって対象となる損失の金額は以下の式で計算され25,000,000円が上限額となります。
    ローン残債―譲渡価額
    =63,000,000円-38,000,000円=25,000,000円<40,000,000円
    ※先ほどの図で表現すると以下のような状態です。
    loan-remaining-debt02

    ※ローン残債が大きいほど、繰越控除限度額が大きくなります。

  3. 譲渡所得の計算
    譲渡価格 - 取得費(減価償却後) - 譲渡費用
    =38,000,000円-(80,000,000円-5,000,000円)-3,000,000円
    =▲40,000,000円
  4. 所得税額
    所得税はゼロとなり767,700円全額が還付されます。

<平成29年分の計算>

  1. 損益通算
    給与所得-前年の繰越控除額
    =9,800,000円-15,400,000円=▲5,600,000円(翌年の繰越控除額)
  2. 所得税額
    所得税はゼロとなり781,000円全額が還付されます。

<平成30年分の計算>

  1. 所得税額合計
    106,500円+2,236円≒108,700円
  2. 所得税額
    (4,600,000円-2,560,000円)×10%-97,500円=106,500円
    ※2,560,000円はAさんの平成30年の所得税控除額
    ※97,500円は所得が1,950,000円超3,300,000円以下の控除額
  3. 損益通算
    給与所得-前年の繰越控除額
    =10,200,000円-5,600,000円=4,600,000円
  4. 復興所得税額
    106,500円×2.1%=2,236円
  5. 還付額
    以下の式により693,800円が還付されます。
    802,500円-108,700円=693,800円

この例では3年目に繰越控除額が全て解消される例を示しましたが、「ローン残債―譲渡価額」の金額が大きければ3年間満額で源泉徴収税額が還付されることも可能です。

5.まとめ

いかがでしたか?ローン残債があるマンションを売却するときの方法についてお伝えしました。

ローン残債が残っている時は、是非、居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例をご活用ください。

この制度は、国があえてローン残債が残っていて困っている方を手助けするために作られた制度です。

売却額を査定して、どれくらいの還付が受けられそうか、事前に計算してみるのも良いでしょう。

不動産のプロが徹底比較!一括査定のおすすめランキング

不動産を高く売るなら「不動産一括査定サービス」をがおすすめ。

不動産一括査定サービスとは、インターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入力すると、その情報を元に査定先、売却先の不動産会社が自動的に抽出されて、複数の不動産会社に一度に査定依頼が行えるサービスです。

不動産売却の一括査定サイトはいくつかありますが、複数の不動産会社がきちんと比較できる以下の3つのサイトがおすすめです。

中でも筆者はNTTグループが運営しており、「個人情報をしっかり管理」「NTTによる厳しい審査を通過した不動産会社のみ提携」「運営歴、利用者数がNo.1」のHOME4Uをオススメしています。

不動産売却を成功させるカギが「信頼できる不動産会社」を見つけられるかです。

まずは、HOME4Uで依頼できる不動産会社を確認する。あまり不動産会社が見つからないということであれば、少し提携不動産会社数が多いイエイイエウールも同時に利用することをオススメします。

下記が主流なサイト一覧と各サイトの特徴です。

※入力項目に「延床面積」と「土地面積」があります。延床面積の目安として、「4人家族/一戸建て/4LDK」で40坪(130㎡)が平均です。

安心のNTTグループ運営、実績・歴史No.1「HOME4U」

HOME4U
  • 安心のNTTグループ運営、個人情報をしっかり管理
  • 2001年から運営と一括査定でNo.1の老舗
  • 累計利用者数:500万人以上で一括査定No.1
  • 入力約3分でのかんたん一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 提携不動産会社数:約550社

最大手6社の査定相談だから安心「すまいValue」

すまいValue
  • 超大手不動産会社6社のみだから安心!
  • 入力約3分でのかんたん一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応(田舎などは対応していない)
  • 年間の成約件数:10万件の実績

※一部の田舎では対応していないため、その場合は最初に紹介した「HOME4U」をオススメします。

悪徳不動産会社を徹底排除「イエイ」

イエイ
  • 悪徳の不動産会社を徹底排除
  • サポート代行によるお断りサービスあり
  • 入力約3分でのかんたん一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 累計利用者数:300万人以上
  • 提携不動産会社:1,000社以上

-マンション売却, 不動産売却, 家売却
-

Copyright© 不動産売却の教科書 , 2017 AllRights Reserved.