デジタル大辞泉によると、相場とは
市場で取引されるその時々の商品・株式・債券・外国為替などの値段。時価。市価。
とされています。
マンションにも「相場」が存在します。
マンションの相場を知りたい人の中には、
- マンションの価格はどのように決まるのだろう
- マンション相場の簡単な調べ方を知りたい
- 相場よりも高く売却する方法はないのか知りたい
等々のことを思っている方も多いと思います。
そこで今回の記事では、マンション売却における「相場」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことであなたはマンションの相場の調べ方と、マンションを相場より高く売る方法について知ることができます。
目次
1.マンション価格は3つの構成で決まる
まず、そもそもマンションの価格の成り立ちについて説明していきます。
もし先にオススメのマンション売却相場を知る方法が知りたい方は「4.マンションの売却相場を調べる方法」に進んでください。
マンションは、
- 敷地
- 建物全体
- 専有部
の3つの構成要素でできています。
マンションの価格を決定する要因は多岐に渡ります。
参考までに、国土交通省が定めている鑑定評価基準が示すマンションの価格形成要因を以下に示します。
「なるほど、確かにいっぱいあるな~」程度に眺めて頂く程度で構いません。
- 区分所有建物が存する一棟の建物及びその敷地に係る個別的要因
- 建物に係る要因
ア 建築(新築、増改築等又は移転)の年次
イ 面積、高さ、構造、材質等
ウ 設計、設備等の機能性
エ 施工の質と量
オ 玄関、集会室等の施設の状態
カ 建物の階数
キ 建物の用途及び利用の状態
ク 維持管理の状態
ケ 居住者、店舗等の構成の状態
コ 耐震性、耐火性等建物の性能
サ 有害な物質の使用の有無及びその状態 - 敷地に係る要因
ア 敷地の形状及び空地部分の広狭の程度
イ 敷地内施設の状態
ウ 敷地の規模
エ 敷地に関する権利の態様 - 建物及びその敷地に係る要因
ア 敷地内における建物及び附属施設の配置の状態
イ 建物と敷地の規模の対応関係
ウ 長期修繕計画の有無及びその良否並びに修繕積立金の額
- 建物に係る要因
- 専有部分に係る個別的要因
- 階層及び位置
- 日照、眺望及び景観の良否
- 室内の仕上げ及び維持管理の状態
- 専有面積及び間取りの状態
- 隣接不動産等の利用の状態
- エレベーター等の共用施設の利便性の状態
- 敷地に関する権利の態様及び持分
- 区分所有者の管理費等の滞納の有無
このように、中古マンションの価格は、多岐に渡る価格形成要因で決まります。
マンションは価格形成要因が多いため、単純に土地のように相場が把握しにくいです。
土地の相場を考える場合、隣の土地はいくらで売れたかというのがとても参考になります。
ところが、マンションの場合、近隣のマンションの値段が必ずしも参考になるとは限りません。
そこで次に相場の把握の仕方について見ていきます。
2.マンション売却相場を調べる前に知っておきたい3つのこと
ポイント1.近隣のマンションから相場を把握するのは難しい
土地の相場は近隣の売買価格を土地面積で割り、単価で把握されることが多いです。
一方で、マンションの相場は、近隣のマンションの価格を床面積で割った数字で捉えることができません。
近隣のマンションといっても、建物の築年数やグレード感、設備スペック、タワーマンションか否か等、建物の状況が異なります。
そのため、近隣のマンションが必ずしも相場の参考になるわけではありません。
マンションの相場を把握するには、「近くの似たようなマンション」の価格を調べることが原則です。
例えば、「○○駅徒歩10分」のマンションであれば、「○○駅」周辺で、同じような築年数、戸数、グレード、建物の規模等のマンションを参考物件として調べます。
マンション相場の把握は、まず似たようなマンションをピックアップするという作業から始まります。
また似たようなマンションが見つかったとしても、駅距離やバルコニーの向き、階数等でも値段が異なります。
一般的には、近隣の他のマンションの売買事例から相場を把握するのはかなり難しいです。
ポイント2.同じマンションから相場を把握するのは簡単
一方で、同じマンション内の売買事例があれば、相場の把握はとても簡単です。
マンションの相場を把握したい場合、まずは同じマンション内に売物件がないかどうかを調べるのが第一歩です。
同じマンション内の売物件を床面積で割ったものが、ほぼ相場ということができます。
ただし、同じマンションでも、階数やバルコニーの向き、リフォームの有無によって価格は上下します。
階数は高い方が価格は上がります。
また、バルコニーの向きは、南、東、西、北の順番で価値が下がります。
角部屋であれば、価格は上がります。
同じマンションの売買事例が見つかっても、その価格が自分のマンションにもそのまま当てはまるわけではないということに注意が必要です。
ポイント3.単価と総額の関係に注意する
相場で㎡単価を把握しても、その単価がそのまま相場になるとは限りません。
例えば、45㎡の2DKタイプと80㎡の3LDKタイプを比較した場合、同じマンションであっても2DKタイプの方が単価は割高になります。
2DKタイプは面積が小さいため、多少割高な単価でも総額が安く抑えることが可能です。
一方で3LDKタイプは総額が張ってしまうため、単価を低くせざるを得ません。
面積の小さな物件を参考とする場合は、必ずしもその単価が大きな面積の住戸に適用できるわけではないのです。
相場の把握では、単価と総額の関係にも注意を払う必要があります。
以上、ここまで近隣のマンションと価格が違う理由について見てきました。
一般の人が近隣のマンションや同じマンションの事例を調べたとしても、調べることができるのは売物件の売出価格のみです。
売出価格と成約価格は異なります。
そこで次に売出価格と成約価格はどの程度異なるのかについて見ていきます。
3.マンション売却における売出価格と成約価格には差があることに注意
マンションの相場を確認する方法としては、SUUMOやアットホームといった不動産ポータルサイトにて、自分のマンションで売りに出ている物件を確認するという方法があります。
また通常、マンションは売りに出されると同じマンション内に売物件のチラシがポスティングされます。
マンションは、親や子供を近くに住まわせるために、同じマンションに住む人が購入する可能性は高いです。
そのため、通常は同じマンション内で物件が売りに出ると、マンション内にチラシがポスティングされます。
同じマンション内の物件が売りに出ている場合、ポータルサイトやチラシによって相場を確認することができます。
ある程度の価格を知りたいのであれば、売物件の価格を知るだけでも十分です。
ただし、中古マンションの売却では、売出価格と成約価格が異なることが一般的です。
売出価格イコール相場というわけではありません。
相場はあくまでも成約価格の水準を相場と呼びます。
以下のグラフは東日本不動産流通機構のデータから、筆者が築年数別のマンションの売出価格単価と成約単価の値動きについてまとめたものです。
青いラインが売出㎡単価で、赤いラインが成約㎡単価になります。

マンション築年数別売出価格と制約価格
赤の成約価格のラインに表示されているのは、売出価格に対する成約価格の割合です。
統計的には成約価格は売出価格の71.0~87.7%の間で決まっていることが分かります。
同じマンション内で物件が売りに出ている場合、その売出価格の1割くらい下がった価格が、およその相場という判断ができる
このように、たまたま同じマンションで売物件が出ている場合、ポータルサイトやチラシによって相場を把握することはできます。
では、同じマンション内で物件が売りに出ていない場合はどのように相場を把握すれば良いのでしょうか。
そこで次に一般的なマンション相場の調べ方について解説します。
4.マンションの売却相場を調べる方法
マンションには、簡単な物件情報を入力すると、価格が算出されるという便利なサイトがあります。
「HowMA(ハウマ)」や「HOME’Sプライスマップ」「IESHIL(イエシル)」といったサイトが、自分の物件の簡単に調べることが可能なサイトです。
しかも無料です。
これらのサイトは匿名サイトと呼ばれます。
匿名サイトは訪問査定を受ける一括査定サイトとは異なります。
一括査定については、売却する意欲が高い人にはぜひ利用したいオススメサービスです。
後ほど詳細を説明します。
匿名サイトは情報を入力しても、特に後から営業電話がかかってくる等の心配はありません。
本格的に売るつもりのない段階で、相場だけ知りたいという人にとっては、匿名サイトを利用するのが一番オススメです。
中でも筆者は「HowMA(ハウマ)」を一番オススメしています。
HowMA(ハウマ)は人工知能(AI)によって査定を行っています。
筆者がきちんと相場を把握しているエリアで実際使ってみると、HowMA(ハウマ)は驚くほど正確な数値を出してきます。
HOME’Sプライスマップについては、査定額がやや高いという気がしています。
IESHIL(イエシル)は、査定できないエリアが多いため、使いにくさが残ります。
相場を知りたいのであれば、HowMA(ハウマ)を利用するのが一番良いです。
使うだけでも面白いので、一度試してみるのも良いでしょう。
以上、ここまでマンション相場の調べ方について見てきました。
匿名サイトは物件の基本的な情報だけを入力し、中は見ずに査定を行います。
そのため、例えばリフォームしている場合や、損傷がある場合など、価格のプラスマイナスについては反映されません。
そのため、もう少し正確に相場を調べたい場合は訪問査定を受ける必要があります。
そこで次に訪問査定の使い方について見ていきます。
5.実際に売る気があるのであれば「訪問査定」をしてもらう
HowMA(ハウマ)のようなAIを使った匿名査定サイトは、かなり正確な相場を提示しますが、1つだけ欠点があります。
それは、マンションの個別の状況を反映した査定は行えないということです。
マンションには、給湯やガス、冷暖房、台所、便所、洗面台、浴槽、ボイラー、換気扇等に不具合がある可能性があります。
また、既に不具合は修繕して、元のスペックよりも高い設備を備え付けている場合もあります。
不具合についてはマイナスです。
また改良の修繕についてはプラスです。
訪問査定を受けないと、これらのマイナスやプラスを反映した査定を出すことはできません。
特に、不具合等で心配な箇所がある人は、不動産会社に訪問査定を受けることをオススメします。
訪問査定を受けると、「売却までに修繕した方が良いですよ」とか、「気にする必要はないですよ」等のアドバイスをもらえます。
リフォームした場合でも、例えば500万円のリフォームをしても相場よりも500万円高くなるわけではありません。
リフォームは、実際見てみないとどの程度価格に反映できるか分かりません。
リフォームをしたことのある人も、きちんと訪問査定を受けることをオススメします。
また、管理費や修繕積立金の滞納がある場合は、その分査定額も安くなります。
滞納がある人は、訪問査定を受けた際、不動産会社に事実を伝えておきましょう。
査定はなるべく複数の不動産会社から受ける
また、中古マンションは唯一無二の存在です。
つまり新品の商品とは違い「定価」というものが存在しません。
売却価格というのは言い値で決まります。
極端なことを言うと、2,000万円が相場のマンションを0円で査定しても、1億円と査定しても変わりません。
なので、複数の不動産会社に査定相場を出してもらい、正確な相場を把握するようにしましょう。
その際に便利になるのが、少し触れた一括査定サービスです。
不動産一括査定サービスとは?

不動産一括査定のイメージ図
一括査定のオススメは 「イエウール」「すまいValue」
不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。
中でも複数かつ信頼できる不動産会社を比較できる8つのサービス(サイト)に厳選。
その中でも
の4つを特にオススメしています。
さらに不動産売却を成功させるのであれば、不動産一括査定を複数使うという裏技があります。

不動産一括査定の賢い使い方
筆者も不動産一括査定を利用(「 イエウール 」「 すまいValue 」「 HOME4U 」)しています。
下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。
とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

すまいValueを申し込んで3社から査定書をもらいました
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し見にくく、そこまでじっくり見る必要はありません。流し読みしてください。

不動産一括査定サイト×不動産会社のマッチング表
上記表を見ると、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「センチュリー21グループ」「東急リバブル」の4社が他の不動産会社に比べて、仲介件数が一桁多いことがわかると思います。
計算してみると日本の不動産売買の仲介件数全体の38.3%をその4社で占めています。
それだけ日本の不動産売買の取引は、大手に偏っているということ。
以上のことからも、筆者としては、最低でもこれら大手に最低でも1社には依頼できないと話にならないと思っています。
また、最低でも3~4社に依頼できたほうがベター。
理由は「信頼できる不動産会社を見つけられるため」「複数社から査定額を出してもらうことで、相場観がつかめるため」です。

不動産一括査定の流れ
今から特にオススメしている4つ「 イエウール 」「 すまいValue 」「 ソニー不動産 」「 HOME4U 」を見ていきます。

イエウール公式サイト
https://ieul.jp/
筆者が「 イエウール 」をオススメしている理由は下記の通り。
イエウールは提携している不動産会社が他と比べて圧倒的に多く1,700社あります。
つまり「大手」「中堅」だけでなく、「地方・地域密着」の不動産会社にも依頼ができますので、あなたの不動産を得意としている会社が見つかりやすいわけです。
大手や中堅よりも、地域密着の不動産会社の方が、特定の地域に強かったり、社長が自ら相談に乗ってくれるのでサービスが手厚かったりなど良いことも沢山ありますからね。
どうせ同じ1回に申し込みをするのであれば、なるべく多くの不動産会社に相談したほうが、成功する可能性も高いです。
でも、中には変な不動産会社がいるのでは・・・?と心配する人もいますが、安心してください。
イエウールで依頼できる不動産会社は厳重な審査を行っております。
利用者数が1,000万人と一括査定No.1の実力があるため、不動産会社をしっかり選別できているのです。
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人口が多い都市にお住まいの方は、国内TOP4のうち3社に唯一依頼ができる「 すまいValue 」も合わせて申し込むことをオススメします。


すまいValue公式サイト
https://sumai-value.jp/
大手不動産会社のみに特化しており、取引実績から見てもまず間違いないのは事実です。
大手不動産会社は、人口が多い都市は非常に得意としていますので、人口がそこそこ多い都市を売却検討されている方は すまいValue も申し込むといいでしょう。
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逆にいうと、すまいValueの弱点は、地方には対応していない可能性が高い点です。
その場合は、1つ目に紹介した イエウール がオススメです。
また、さらに1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で売却を検討されている方は ソニー不動産 も非常にオススメできます。


ソニー不動産公式サイト
https://sony-fudosan.com/
ソニー不動産は、エージェン制を採用している、国内では数少ない不動産会社。
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NTTといえば、かなり審査に厳しいので有名です。NTTの看板を汚すわけにはいきませんからね。
提携不動産会社は1,000社と多くはありませんが、それだけNTTの審査が厳しくなかなか参加できないとも言えるのです。
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少し長くなりましたので、再度まとめます。
【まとめ】不動産一括査定のオススメ
上記で紹介した不動産一括査定以外にもありますので、ネット上でよく比較される不動産一括査定サイトの特徴を一覧でまとめました。
サイト名 | 提携不動産会社 | 対応地域 | 利用者数 | 運用歴 | 強み | 弱み |
---|---|---|---|---|---|---|
イエウール | 1,700社以上 | 全国 | 1,000万人 ※2017/02時点 | 2013年~ | ・利用者数が1,000万人とNo.1の安心実績 ・参加不動産会数1,700社以上は一括査定No.1 | 運営歴が浅い |
すまいValue | 6社(超大手会社のみ) | 全国 ※人口の少ない都市は未対応 | 10万人以上/年 | 2015年~ | ・超大手の不動産会社のみで安心 ・仲介件数TOP3に査定依頼が行える唯一の一括査定 | 地域密着の不動産会社は探せられない |
ソニー不動産 | ソニー不動産のみ | 東京・神奈川・千葉・埼玉のみ | 非公開 | 2014年~ | ・国内唯一のエージェント制を導入で売手に特化 ・不動産売却の秘訣DVDが無料でもらえる! | 一都三県のみしか対応できない |
HOME4U | 1,300社 | 全国 | 700万人 ※2018/12時点 | 2001年~ | ・2001年から運営と一括査定で一番歴史あり | 提携不動産会社が少なめ |
リガイド | 600社 | 全国 | 非公開 | 2006年~ | ・一度の申し込みで最大10社を比較できる唯一のサイト ・旧SBIグループが運営、収益物件に強い不動産会社が多数参加 | 提携不動産会社が少なめ |
HOME’S売却査定 | 1,549社 | 全国 | 420万人 | 2004年~ | ・賃貸で有名なHOME'Sが不動産会社を厳しくチェック ・地域密着の不動産会社が多く参加している | 大手不動産会社が参加していない |
マンションナビ | 非公開 | 全国 ※マンション専用 | 360万人 | 2011年~ | ・売却だけではなく賃料査定も同時に行える | 査定が可能なのはマンションのみ(土地などは不可) |
イエイ | 1,000社 | 全国 | 300万人 ※2016/02時点 | 2007年~ | ・悪徳な不動産会社を徹底的に排除している ・サポート体制が充実 | お役立ち情報が少ない |
リビンマッチ | 1,400社 | 全国 | 440万人 ※2018年3月時点 | 2006年~ | ・売却だけではなく、賃貸した場合の査定も可能 | 運営会社が広告会社 |
以上、ここまで訪問査定の使い方について見てきました。
では、相場を把握したとしても、相場よりも高く売却する方法というのはあるのでしょうか。
そこで次に相場よりも高く売るために、比較的簡単にできて、かつ効果のある方法についてご紹介します。
6.スムーズに相場よりも高く売るための「瑕疵担保保険」
売却前に知っておきたい「瑕疵担保責任」
怪しい手法ではなく、堅実にマンションを高く売却する方法として、既存住宅売買瑕疵担保保険(以下、「瑕疵担保保険」と略)をご紹介します。
まず瑕疵とは通常有すべき品質を欠く状態のことを言います。
瑕疵とは、具体的には雨漏りやシロアリによる床下の腐食等のことを指します。
マンション所有者の方には、「雨漏り?、シロアリ?、関係ない話だな…」とお思いかもしれませんが、少々お付き合い願います。
不動産を売却すると、売主は瑕疵担保責任というものを負います。
民法では瑕疵が発見されたとき、買主は「発見後1年間」は売主に対し損害賠償または契約解除を請求することができるということになっています。
これは戸建てやマンション、土地などの不動産の種類に関係なく、不動産の売主は瑕疵担保責任を負うというのが原則です。
初めて聞く方は、「えっ?」と思うかもしれません。
この民法の原則が本当に適用されたら、とても恐ろしくて不動産を売ることはできません。
例えば、売却後50年経ってから、瑕疵を発見しても、その後1年間の間、買主は50年前の売主に対して損害賠償を請求できるということになります。
これでは、あまりにも売主の責任が重すぎることから、宅地建物取引業法では、売主が個人である場合、売主と買主の合意の上で瑕疵担保責任の全部または一部を免責することが認められています。
一般的に売主の瑕疵担保責任を負う期間は3か月とする契約が多いです。
これで少し安心です。
売却しても、3ヶ月間何も発見されなければ、売主の瑕疵担保責任は免除されます。
ところが、売主の責任が軽くなると、困るのは買主です。
例えば、家を購入後、4か月目に雨漏りが発見された場合、買主は泣き寝入りをすることになってしまいます。
そこで考えられたのが、瑕疵担保責任保険です。
瑕疵担保責任保険の加入で買い手がスムーズに見つかりやすい
瑕疵担保責任保険では、引渡後、最大で5年間の保険を適用することができます。
瑕疵担保保険に入っている物件であれば、不動産を売却して引渡後に隠れた瑕疵が発見された場合、補修費用の一部を保険でカバーすることが可能です。
瑕疵担保保険は売主側で加入できます。
瑕疵担保保険に入っている物件であれば、買主は安心して物件を購入することができます。
瑕疵担保保険は、特に中古の戸建住宅の売却に威力を発揮します。
雨漏りやシロアリによる床下の腐食というものは、戸建住宅の代表的な瑕疵であるため、戸建の購入者にとっては、瑕疵担保保険に加入している物件は安心して購入することができます。
では、実際、ほとんど瑕疵がないマンションの場合、あまり効果が発揮できないのではないかと思われるかもしれません。
とこが、瑕疵担保保険については、まだまだ話の続きがあります。
買主の税負担が減る
瑕疵担保保険に入っている物件は、買主が負担する不動産取得税や登録免許税、住宅ローン減税等が軽減されるというお得な特典があります。
この得点に関しては、要件を満たしていれば、戸建にもマンションにも適用されます。
つまり、買主は瑕疵担保保険に加入している物件を購入すると、不動産取得税や登録免許税、住宅ローン減税等が安くなるということになります。
この効果はとても絶大です。
買主にとっては、マンションでも瑕疵担保保険に加入しているだけでもお得な物件ということが言えます。
買い替えでこれからマンションや戸建の購入も考えている人なら、ぜひ知っておきたい知識です。
瑕疵担保保険に加入していると「相場より1割程度高く売れる」
もちろんマンションでも瑕疵担保保険に加入していれば、瑕疵が発見された場合、保険で修繕費用をカバーすることもできます。
瑕疵担保保険の保険対象となるとなる部分は、①構造耐力上主要な部分と②雨水の浸入を防止する部分です。
マンションの場合、具体的に下表の部分が該当します。
保険対象となるとなる部分 | 対象部位 |
---|---|
構造耐力上主要な部分 | 基礎杭、基礎、床版、壁、外壁、屋根版 |
水の浸入を防止する部分 | 外壁、開口部、屋根、配水管 |
一般的に、マンションは鉄筋コンクリート造で造られていますので、構造耐力上主要な部分に瑕疵があることは、滅多にありません。
以前、横浜のマンションで杭の長さが異なっていたことによりマンションが傾いていたような問題がありましたが、このような問題は極めてレアケースと言えます。
マンション購入者の場合は、「瑕疵担保」とのものに対する期待値は、戸建購入者よりは低いと言います。
しかしながら、実際に瑕疵担保保険に加入しているマンションは、相場よりも1割程度高く売買されています。
買主は、不動産取得税や登録免許税、住宅ローン減税等の軽減に魅力を感じるため、マンションであっても瑕疵担保保険の加入は十分に効果があるのです。
瑕疵担保保険に入る手順
瑕疵担保保険も人間の保険と同じで、加入の前に健康診断のようなものを受けて合格しないと加入ができません。
この建物の健康診断のことをインスペクション(建物状況調査)と呼びます。
例えば、既にシロアリによる腐食被害が見られるような物件であれば、インスペクションに合格することはできず、瑕疵担保保険には加入できないことになります。
しかしながら、マンションの場合、鉄筋コンクリート造のため、瑕疵がレアケースであることから、インスペクションは合格しやすいというメリットがあります。
マンションであれば、インスペクションに不合格となって瑕疵担保保険をかけることができないというケースは少ないです。
インスペクションについては、法改正により2018年4月以降、不動産会社から「インスペクションしませんか?」と必ず聞かれるようになります。
今後、瑕疵担保保険に加入する物件が急増すると予想されるため、今のうちに売却するのであれば、ぜひ瑕疵担保保険に加入して他の物件との差別化を図りましょう。
インスペクションについては下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。
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インスペクションとは何か?検査箇所や費用・流れを徹底解説
誰しも一度は学校や職場などで受けたことのある健康診断ですが、住宅にも健康診断があるのをご存知でしょうか。 かんたん説明イ ...
瑕疵担保保険に入る費用
気になる費用ですが、住宅瑕疵担保保険については、インスペクション(検査料)が3~4万円、保険料が4万円~8万円程度かかります。
検査料と保険料は建物規模や特約によって増減しますが、ざっくり合計で15万円ほど見ておけば大丈夫です。
3,000万円のマンションが1割高く売れれば3,300万円です。
15万円程度であれば、支払う価値は十分にあります。
貸店舗保険については、下記に詳しく記載しています。ぜひご参照ください。
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既存住宅売買瑕疵担保保険とは何か?保証内容・保険料と加入条件
中古住宅の売買では、思わぬ不具合に見舞われるリスクがつきものです。 とくに、普段は目に見えない住宅の基礎部分については、 ...
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すまいValue公式サイト
https://sumai-value.jp/
>業界をリードする大手6社だから間違いない!<
>年間利用10万件越え!最大級の一括査定サイト<
7.まとめ
以上、マンション売却で知りたい相場の調べ方と相場より高く売る方法について見てきました。
相場を簡単に把握したい場合であれば、まずはHowMA(ハウマ)で十分です。
不具合などの心配があれば、個別の事情が反映できる一括査定サイトの利用がオススメです。
相場よりも高く売却したい場合には瑕疵担保保険も検討してみましょう。