「子供の落書き」や、「電気コードの熱によるシミ」、「タバコのヤニ」等、マンションの壁紙は汚れていきます。
壁紙は良く見えるため、これからマンションを売ろうとする人の中には、壁紙の汚さでマンション価値が落ちてしまうのではないかと気になる方も多いと思われます。
こんな悩みをスッキリ解消!
- マンションを売却するときは壁紙を貼り替えないといけないのだろうか
- 査定を依頼する前に壁紙は交換した方が良いのだろうか
- 壁紙を交換しないとマンション価格は下がってしまうのだろうか
そこで今回の記事ではマンション売却における「壁紙」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことで、あなたは自分のマンションにおける壁紙の扱いについてどうすべきか判断できるようになります。
なお、マンション売却全般については下記記事で詳しく解説しています。
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【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター
株式会社グロープロフィット 代表取締役
大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。
資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士
1.売却において壁紙の貼り替えの必要はない
結論からすると、マンション売却において壁紙(クロス)の貼替は基本的に必要ありません。
ただし、クロスの貼り替えをした方が良いケースがありますのでそれを解説します。
判断のフローチャートとしてはマンションの築年数に応じて以下のようになります。

マンション売却で壁紙を変えるべきかの判断チャート
まず、築30年以上のマンションを売却する場合は、壁紙の貼替は不要です。
築古のマンションでは、買主は「安さ」を求めてきます。
物件を安く購入して自分で好きなリフォームを行いたいと考えているため、そもそもクロスが綺麗であることを求めていまたせん。
また築30年以上のマンションは汚くて当たり前です。
多少、綺麗にしたところで、周辺の同年代のマンションが安く販売されていれば、買主はそちらを求めます。
古いマンションの場合は、せっかく壁紙を貼り替えても、それが価格に反映されないのが実情です。
余計な費用をかけることなく、割り切って壁紙の貼替は行わないという選択で問題ありません。
築10年超~30年未満のマンションを売却する場合
築10年超~30年未満のマンションを売却する場合は、子供の落書きやタバコ部屋で黄色くなったクロスなど、特別にひどい汚れについては貼り替えを行うことが賢明です。
ただし、タバコ部屋については、クロスを貼り替えただけでも部屋の臭いは取れません。
残念ながらタバコ部屋はマンション価値を落とします。
消臭リフォームというのはありますが、費用が高額になり、また消臭効果も完全ではないためオススメできません。
タバコの臭いも容認してくれるような買主を探すことが現実的です。
一方で、日光による日焼けや、電気コード熱による黒ずみ、画鋲の刺し跡、セロテープの痕跡等の大した汚れではない部分については、張り替えを行う必要はありません。
これらの汚れは経年劣化による汚れであり、「わざと汚くした」ものではないからです。
経年劣化は部屋の一部だけに現れます。クロスの貼り替えは一部だけの貼り替えだと色が異なってしまうため、かえって目立ちます。
貼り替えとなると、部屋全体を行う必要が生じ、もったいない結果となります。
そのため「わざと汚くした」レベルのひどい汚れでない限り、クロスを貼り替える必要はありません。
以上、ここまで築10年超~30年未満のマンションについて見てきました、それでは次に築10年以内のマンションについて見ていきます。
築10年以内のマンションを売却する場合
判断がもっとも難しいのは、この築10年以内のマンションになります。
築年数が浅い中古マンションを売却する場合、買主は「綺麗さ」を求めてきます。
そのため、クロスが貼り替えられた綺麗なマンションの方が買主の印象は良くなります。
築10年以内のマンションであれば、ほとんどクロスも汚れていないケースが多いです。
そのため現実的にはクロスの貼り替えが不要な場合の方が多いと考えて差し支えありません。
ただし築10年以内のマンションの場合でも、特に目立つ汚れのクロスがある場合は、貼り替えすべきです。
築浅のマンションを購入する人は、購入後、あまりリフォームにお金をかけるつもりはありません。
リフォームせずにそのまま使えることを希望している方が多く、自分で壁紙を替えることを面倒くさがります。
目立つ汚れが一か所でもある場合は、クロスの貼り替えを行った方が良いでしょう。
以上、ここまで築10年以内のマンションについて見てきました。
それでは次にマンションを貸す場合について見ていきます。
2.不動産の賃貸を検討しているなら張り替える
マンションの売却を検討しているうちに、売るのではなく、やっぱり貸すという選択をすることは良くあります。
壁紙の交換に関しては、「売る」と「貸す」では全く別の考えをしなければなりません。
結論からすると、貸す場合は壁紙の貼替は「必要」です。
理由は単純です。マンションを貸す場合、所有権は引き続き貸主であるあなたにあります。
そのため借主が仮に壁紙を気に入らなくても、貼り替えを借主が無断で行うことはできないためです。
売却の場合は、所有権は買主へ移転しますので、壁紙が気に入らない場合、買主の方で自由に壁紙を貼り替えすることができます。
賃貸で貸出を行う場合、借主には壁紙を自由に変更できる権利がありません。
そのため、壁紙が汚ければ、最初から借りないという決断をされてしまいます。
貸す場合は、築年数に関係なく、壁紙を綺麗に交換してから貸し出しましょう。
ちなみに、賃貸マンションの場合、オーナーは5~6年に1度のペースで壁紙を貼り替える人が多いです。
築5~6年以上経っているのであれば、壁紙を貼り替えてから入居者募集を開始しましょう。
以上、ここまで貸す場合について見てきました。
それでは次に気になる買主が本当に気にしているところについて見ていきます。
3.買主が本当に気にしているところ
中古マンションの購入者は、実は壁紙の汚さをそれほど気にしていません。
理由としては、クロスの貼り替えはリフォーム費用の中で最も安い工事の部類だからです。
購入者が気にする部分は、壁紙よりも大きな修繕費用を要する破損個所を気にします。
床が腐食している、給湯器が壊れている等、物件内に破損が見られる場合は購入希望者は敬遠しますので修繕を行う必要があります。
またほとんどの中古マンション購入者は、マンション購入後、クロスの貼替ではなく、ウォシュレットの交換を行います。
購入希望者は壁紙よりもウィシュレットの交換の方を気にしているため、壁紙の貼替の優先度は低いと言えます。
以上、ここまで買主が本当に気にしている点について見てきました。
それでは次に気になる上手な一括査定サイトの活用方法について見ていきます。
4.上手な一括査定サイトの活用方法
ここまで書いてきた壁紙のことは、あくまでも一般論です。
実際には、壁紙の汚れは個別性が強いため、実際の汚れを見てケースバイケースで判断することになります。
そのためには複数の不動産会社に見てもらうのが一番です。
不動産の一括査定サイトを使うと、複数の不動産会社にマンションを見てもらうことが可能です。
一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ
一括査定サイトを使えば、1社だけの偏った意見だけではなく、6社の意見を一度に集めることができます。
見解が分かれたとしても多数決で決めることができます。
またクロスを貼り替えない状態でも価格を出してもらえます。
貼り替えをしなくても売却できることが分かりますので、貼り替えを行わないことに対して、自信が持てるようになります。
壁紙の貼替に迷われている方は、一括査定サイトを利用することをオススメします。
不動産一括査定のオススメは 「すまいValue」「HOME4U」
不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。
その中でも
- 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
」
- 【1都3県・大阪・兵庫・京都・奈良】売主専門の数少ない不動産会社「 SRE不動産(※旧ソニー不動産)
」
- NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
」
- 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール
」
の4つを特にオススメしています。
筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U
」「 イエウール
」)を利用しました。
下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。
とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。


不動産一括査定×不動産会社のマッチング表


不動産売買は超大手に偏っている
「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
不動産一括査定の賢い使い方
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。


一括査定 | 机上査定 | 備考欄 |
---|---|---|
すまいValue | 〇 | 〇 |
HOME4U | 〇 | 〇 |
イエウール | 〇 | |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | 〇 | 〇 |
一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
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5.まとめ
マンションを売却するときに壁紙を貼り替えた方が良いかについて解説してきました。
よほどの汚れがない限り、基本的には貼替は不要。
張り紙を変える判断は一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に確認しましょう。