売買・贈与・財産分与・相続の目的別に見る不動産名義変更方法

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不動産の名義は、売買や贈与、財産分与、相続といった原因により名義変更が必要となる場合があります。

名義変更後とは、言い換えると登記簿謄本に記載されている所有者の変更のことを指します。

これから名義変更を行う予定の人の中には、

  • 名義変更の方法を知りたい
  • 名義変更を自分で行う場合はどのようにしたら良いのか知りたい
  • 売買以外の名義変更のやり方を知りたい

等々のことを思っている方も多いことでしょう。

そこで今回の記事では「不動産の名義変更」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは原因別にみる不動産の名義変更方法が分かるようになります。

ぜひ最後までご覧ください。

1.所有権移転登記とは

かんたん説明

不動産における名義変更とは、所有権移転登記のこと

土地や建物の登記簿謄本には、甲区と呼ばれる部分に所有権に関する事項が記載されています。

かんたん説明

所有権移転登記とは、具体的に登記簿謄本における甲区の所有者の名義を変えること

登記簿謄本の甲区とは、以下のような記載のある部分を言います。

権 利 部 (甲区) (所有権に関する事項)
順位番号登記の目的受付年月日・受付番号権利その他の事項
1所有権移転平成30年7月20日
第○○○○〇号
原因 平成30年7月1日相続
所有者 ○○市○○×-××
  □□ □□

以上、ここまで所有権移転登記について解説してきました。

登記の申請には原則があります。

そこで次に登記の申請の原則について解説いたします。

2.登記申請の原則

登記は、共同申請で行うというのが原則です。

共同申請とは、例えば売買であるならば、売主と買主が2人で申請するというのがルールとなります。

司法書士に委任する場合は、司法書士が1人で行っていますが、この場合でも、売主と買主の両方から委任状をもらって申請していますので、共同申請を行っていることになります。

登記が共同申請主義を取っているのは、直接利害関係を有している当事者からの申請をもって登記手続きを開始した方が、真実の登記がなされる可能性が高いというのが理由です。

登記は当事者本人たちの権利を守るために行うものですから、登記するかどうかは当事者の自由意思に任されています。

また、不動産の登記は管轄の法務局で行います。

共同申請主義であるため、自分で登記を行う場合には、原則、元々の名義人と新しい名義人の2人で法務局に出向くことになります。

そのため、自分で名義変更を行う場合には、元々の名義人と新しい名義人の両方に自分たちで所有権移転登記を行うことに同意が必要です。

いずれか一方が、司法書士に依頼したいという話になれば、司法書士へ依頼するということになります。

自分で名義変更を行う場合には、まずは相手方に自分で行う意思があるかどうか確認することから始めてください。

但し、相続の登記の場合、既に元々の名義人が亡くなっている場合には、元々の名義人は法務局へ出向くことはできません。

このような場合には新しい名義人である相続人が単独で名義変更を行うことになります。

法務局の担当者は、登記の方法を丁寧に教えてくれますので、その指示に従って登記を行うようにして下さい。

以上、ここまで登記申請の原則について解説してきました。

では、登記にはいくら必要なのでしょうか。

次に登記に必要な登録免許税について解説します。

3.登記に必要な税金「登録免許税」

かんたん説明

登録免許税とは、登記を行う際、法務局へ支払う税金

税金という名前はついていますが、実際には法務局へ支払う手数料のようなものです。

登録免許税は以下の式で計算される額になります。

登録免許税 = 不動産の価額 × 税率

不動産の価額とは、固定資産税評価額のことになります。

固定資産税評価額は、固定資産評価証明書に記載された価格です。

登録免許税は固定資産税評価額によって金額が決まるため、名義変更を行う際は、名義変更を行う年度の固定資産評価証明書が必要となってきます。

名義変更における登録免許税の税率は以下の通りです。

登記の種類・原因税率
所有権の移転登記相続・合併0.4%
遺贈・贈与・財産分与2%
売買等※2%

※但し、平成31年3月31日までに行う土地の売買による所有権移転登記は、税率が1.5%となります。

また、下表に示す要件を満たす家屋については、建物の登録免許税に関して軽減措置があります。

【住宅用家屋についての軽減】

新築住宅中古住宅
自己の専用住宅で、床面積が50㎡以上であること。
マンションなどの区分所有のものについては、自己の居住用部分の床面積が50㎡以上(登記面積)であること。
左記の新築住宅の要件を満たした上で、建築後住宅として使用された家屋で次のイ・ロのいずれかに該当すること
イ.   建築されたから20年以内(耐火建築物※の場合は25年)の家屋であること
ロ.   築後年数にかかわらず新耐震基準に適合することが証明されたものであること又は、既存住宅瑕疵担保保険に加入しているもの(加入後2年以内のものに限る。)
上記の要件の他、新築住宅、中古住宅とも以下の要件を満たす必要があります。
・個人が平成32年3月31日までに新築または取得した、もっぱら自分が住むための家屋であること。
・新築または取得後1年以内に登記を受けるものであること。

住宅用家屋についての軽減のない場合とある場合の税率は以下の通りです。

 軽減税率のない場合軽減税率のある場合
土地建物土地建物
所有権の移転登記1.5%2%1.5%0.3%

建物の登録免許税が大幅に削減されるため、住宅用家屋についての軽減が適用できないかどうかを必ずチェックするようにしてください。

尚、住宅用家屋についての軽減はあくまでも建物の登録免許税のみに適用されます。

土地には軽減税率が適用されないため、注意してください。

さらに、登録免許税の負担については、原則は元々の名義人と新しい名義人の両方で負担することになります。

但し、通常の売買では、買主が全額負担することが一般的です。

自分たちで名義変更登記を行う場合には、登録免許税を誰が負担するかを取り決めておく必要があります。

以上、ここまで登録免許税について見てきました。

名義変更は具体的にどのように進めれば良いのでしょうか。

そこで次に登記原因別に見る名義変更の方法について解説します。

4.登記原因別に見る名義変更の方法

不動産の名義変更には、「売買」、「贈与」、「財産分与」、「相続」といった4つの代表的な登記原因があります。

この章では、それぞれの登記原因別に名義変更をする方法について解説します。

売買による名義変更

登記は当事者の共同申請主義であるため、売買による名義変更を自分たちで行う場合、売主と買主の2人が法務局に出向いて所有権移転登記の申請を行います。

売買による名義変更で必要となる書類は以下の通りです。

当事者必要書類
売主・登記識別情報通知書または権利証
・印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
・固定資産評価証明書
・売買契約書
買主・住民票

登記識別情報通知書とは、物権変動の登記申請を行うと、権利証の代わりに登記名義人となった申請人に対し通知される書面です。

登記識別情報通知書は、昔で言うところの権利証に該当します。

平成17年3月7日の改正不動産登記法が施行された以降に取得した不動産は、登記識別情報通知書となり、それより以前の不動産に関しては権利証が必要書類となります。

登記識別情報通知書または権利証については、下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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また、抵当権が残っている不動産を売買する場合、所有権移転登記に関しては銀行が司法書士に依頼するよう求めてきます。

抵当権が残っている不動産の売買では、「所有権移転登記」と「古い抵当権の抹消登記」、「新しい抵当権の設定登記」の3つを同時に行うことになります。

このような複雑な登記は手続きが煩雑となり、確実な登記を遂行するには、司法書士の力が必要となります。

売買による名義変更を自分たちで行う場合には、抵当権の付いていない不動産が対象となります。

抵当権の抹消登記については、下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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贈与による名義変更

贈与とは、無償で不動産を譲り渡すことを指します。

贈与の名義変更で必要な書類は以下の通りです。

当事者必要書類
贈与者・登記識別情報通知書または権利証
・印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
・固定資産評価証明書
・贈与契約書・贈与証書
受贈者・住民票

贈与の場合、必要な書類は基本的に売買と同じです。売買契約書が「贈与契約書または贈与証書」に変わるだけになります。

財産分与による名義変更

財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を,離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することを指します。

財産分与の名義変更で必要な書類は以下の通りです。

当事者必要書類
元々の名義人・登記識別情報通知書または権利証
・印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
・固定資産評価証明書
・離婚協議書・財産分与契約書
・戸籍謄本(離婚が分かる書類)
新しい名義人・住民票
・戸籍謄本(離婚が分かる書類)

尚、財産分与については、下記で詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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相続による名義変更

相続で名義変更を行う場合、名義変更のパターンとして「法定相続」、「遺産分割協議」、「遺言」の3つがあります。

法定相続

法定相続とは、相続人全員の共有で物件を相続する場合を指します。

すぐに売却して現金化する場合には、法定相続による所有権移転を行います。

法定相続による名義変更で必要となる書類以下の通りです。

  • 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

遺産分割協議

遺産分割協議とは、被相続人の死後、相続人間で誰がどの資産を引き継ぐかを決め、特定の人に名義変更を行うことを指します。

遺産分割協議による名義変更で必要となる書類以下の通りです。

  • 遺産分割協議書(相続人全員自著・実印押印・印鑑証明書添付)
  • 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

遺産分割協議による名義変更では、遺産分割協議書の作成が必要となります。

遺言

遺言は、被相続人の生前の意思により、遺産の分割方法を決める名義変更のことを指します。

遺言による名義変更で必要となる書類以下の通りです。

  • 遺言証書
  • 遺言者の死亡事項の記載のある除籍謄本
  • 遺言により相続する相続人の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 受遺者の戸籍謄本
  • 相続関係説明図(任意)

尚、遺言には公正証書遺言と自筆遺言の2種類があります。

自筆遺言の場合には、名義変更の前に家庭裁判所の検認が必要となります。

5.まとめ

以上、売買・贈与・財産分与・相続の原因別に見る不動産名義変更方法を解説してきました。

登記の申請は共同申請であることが原則です。自分たちで行う場合には、法務局で手続きを十分に確認しながら行うことをオススメします。

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