造成とは?造成費用や不同沈下・宅造法との絡みについて徹底解説

家を作る際、土地を造成する場合があります。

造成とは、土地を使いやすくするために整備すること

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 造成とは一体な何なのだろうか
  • 造成の費用はどれくらいかかるのだろうか
  • 法律で許可が必要となる造成はどのようなものなのだろうか

そこで今回の記事では、ズバリ「造成とは」についてお伝えいたします。

この記事を読むことで、造成の基礎知識や費用、法律に関して分かるようになります。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.造成とは「平らな土地」に整備すること

造成とは、そのままでは使いにくい土地を掘削や切土を行い、平らな土地に整備すること

造成には大きく山の斜面を切り崩して土地を平らにする「切土」と、山の斜面に土を盛って土地を平らにする「盛土」があります。

一般的に、盛土は人間が後から作った土地であるため、切土よりも地盤が弱く、地盤沈下の可能性が高くなります。

造成とは、原則として傾斜地を整備することを指します。

造成費用は傾斜地の角度によって異なります。

造成費用の目安

造成費用の目安としては、以下の通りです。

傾斜度金額
3°~5°11,400円/㎡
5°~10°19,600円/㎡
10°~15°27,000円/㎡
15°~20°41,800円/㎡

以上、ここまで造成とは何かについて見てきました。

造成と似たような言葉に整地があります。整地とは何でしょうか。

2.間違いやすい「整地」との違い

整地は土地を平らにならすこと

造成でも切土や盛土を行った後、地ならしを行うため、工事の一部に整地が含まれます。

整地には「整地」、「伐採・抜根」、「地盤改良」、「土盛」、「土止」という工事があります。

それぞれの定義と費用は以下の通りです。

工事種別定義費用の目安
整地凹凸がある土地の地面を地ならしするための工事費または土盛工事を要する土地について、
土盛工事をした後の地面を地ならしするための工事をいいます。
700円/㎡
伐採・抜根樹木が生育している土地について、
樹木を伐採し、根等を除去するための工事をいいます。
600円/㎡
地盤改良湿田など軟弱な表土で覆われた土地の宅地造成に当たり、
地盤を安定させるための工事をいいます。
1,500円/㎡
土盛道路よりも低い位置にある土地について、
宅地として利用できる高さまで搬入した土砂で埋め立て、
地上げする場合の工事をいいます。
4,800円/㎡
土止道路よりも低い位置にある土地について、
宅地として利用できる高さまで地上げする場合に、
土盛りした土砂の流出や崩壊を防止するために構築する擁壁工事をいいます。
56,700円/㎡

以上、ここまで整地との違いについて見てきました。

一戸建ての建築する場合、どちらかというと造成よりは整地を行うことがあります。

造成や整地は住宅ローンの対象となるのでしょうか。

3.造成は住宅ローンに含めることが可能

結論からすると、造成費用は住宅ローンの対象に含むことができます。

住宅ローンで言うところの「造成」は、造成も整地も含んでいます。

住宅ローンでは、土地をいじって「造成っぽい」ことをすれば、造成と解釈されています。

造成を行って家を建てるようなケースでは、最初に土地を購入します。

この際、借りるローンは住宅ローンではなく、「つなぎ融資」と呼ばれるローンになります。

住宅ローンは建物が完成したときに、「つなぎ融資」から「住宅ローン」へ借り換える手続きを行います。

つなぎ融資は下記記事により詳しく書いています。

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よって、建物竣工前に行う造成工事もつなぎ融資で借りることになります。

住宅ローンは、後から増額することが難しいです。

しかしながら、傾斜地の造成は当初の想定以上にお金が発生する場合があります。

造成工事を行うような人は、枠の目いっぱいまで借りておくことが必要です。

もし、余ってしまったら、それは返すとうことで問題ありません。

以上、ここまで造成と住宅ローンについて見てきました。

土地を造成する場合、注意したいのが不同沈下です。

4.造成と不同沈下

不同沈下とは、土地が不揃いに地盤沈下し、建物が傾いてしまうような現象

建物が均等に沈むわけではなく、不均一に沈下することから、不同沈下と呼ばれています。

不同沈下は、造成でできた土地で、切土部と盛土部にまたがる部分で生じやすいです。

盛土と切土では、地盤の強度が異なるため、またがるような場所では不同沈下が発生してしまいます。

盛土は、人工的に新たに土地を作るため、特に注意が必要です。

盛土をした後は、沈下や崩壊が生じないように十分に締め固める工事が必要となります。

造成で、盛土工事を行う人は注意をしておきましょう。

以上、ここまで造成と不同沈下について見てきました。

造成は、工事によっては許可を必要とする場合があります。

5.造成に関連する2つの法規

1.宅地造成等規制法

造成の規制で有名な法律と言えば、「宅地造成等規制法」です。

宅地造成等規制法(以下、「宅造法」)は、急斜面の造成を規制する法律です。

横浜などの斜面の多いエリアでは比較的馴染みのある法律ですが、平地の多いエリアではあまり活躍していない法律になります。

自分の住んでいるエリアが宅造法の網がかかっている場合には、造成に当たり大きく影響を受けます。

宅造法では、造成を以下のように定めています。

宅造法の造成

  1. 宅地以外の土地を宅地にするため、または宅地において行う土地の形質の変更で政令に定めるもの
  2. 宅地を宅地以外の土地にするために行うものを除く

ここで、宅地とは農地、採草放牧地および森林や公共施設用地(道路・公園等)以外の土地を言います。

つまり、まず宅造法の規制が敷かれているエリアでは、山を造成して宅地にする場合は規制を受ける対象となります。

住宅地を農地に変更する場合は規制の対象とはなりません。

また宅造法は「土地の形質の変更」を以下のように定めています。

  1. 切土であって、当該切土部分に高さが2mを超える崖(30度以上の斜面)を生ずることとなるもの
  2. 盛土であって、当該盛土部分に高さが1mを超える崖を生ずることとなるもの
  3. 切土と盛土を同時に行う場合における盛土であって、当該盛土部分に高さが1m以下の崖を生じ、かつ、当該切土および盛土部分に高さが2mを超える崖を生ずることとなるもの
  4. 切土、盛土で生じる崖の高さに関係なく、宅地造成面積が500㎡を超えるもの

宅造法の規制があるところで、高さが1mを超えるような盛土をすると、宅造法の規制に係ります。

逆に言えば、30cm程度の盛土を行って崖を造っても、それは宅造法の規制にはかからないことになります。

宅造法の規制に係るような造成をする場合、造成主は「許可」が必要となります。

造成主とは、工事業者のことではなく、工事業者へ発注する発注主になります。

通常は土地所有者です。行政手続きには、許可と届出の2種類があります。

許可とは基本的にやってはいけないことを、行政のお許しを得てやることです。

一方で、届出とはやっても良いことを行政にお知らせしてやることになります。

そのため、許可と届出ではハードルが全く異なります。

宅造法の規制に係る造成を行う場合には、宅造法の造成経験があるしっかりとした業者に造成を依頼する必要があります。

以上、ここまで宅造法について解説してきました。

それでは次に都市計画法について見ていきます。

2.都市計画法

宅造法のように傾斜地のような山でなくでも、造成をする場合、許可を受けなければいけないケースがあります。

それは、都市計画法における開発許可と呼ばれるものです。

都市計画法は全国の土地利用を規制しているものであるため、要件に該当すれば許可を必要とします。

都市計画法では、開発行為と呼ばれる行為を行うと、発注者である土地所有者が行政に許可を受けなければなりません。

開発というと、言葉のイメージからマンション開発のようなことを想像しがちですが、都市計画法で言う開発とは、マンション開発とは異なります。

都市計画法で規定されている開発行為は、以下のようなものを指します。

都市計画法の開発行為

  1. 土地の区画の変更 … 大きな敷地を分割し、敷地内に道路を作るような行為のことを指します。
  2. 土地の形状の変更 … 切土、盛土等の造成工事を指します。ここで言う造成工事は宅造法の定義と基本的に同じです。
  3. 土地の性質の変更 … 農地から宅地へ地目を変更することを指します。

都市計画法では、全国を「都市計画区域」、「準都市計画区域」、「都市計画区域外」の地域に分けます。

さらに都市計画区域を「区域区分の定めのある地域」と「非線引都市計画区域」に分けます。

「区域区分の定めのある地域」は、「市街化区域」と「市街化調整区域」に分かれます。

市街化区域とは人が比較的多く住むエリアは市街化区域に定められています。

市街化調整区域は比較的大きな市の中にある農村地帯です。

市街化を抑制するために定められています。

この分け方を示すと以下のようになります。

日本の国土イメージ

日本の国土イメージ

全国がこのように色分けされている中、各エリアで開発行為を行おうとすると、許可が必要となります。

ただし、開発行為を行う面積によって、許可を受けなければならない面積が異なります。

エリア面積要件
市街化区域原則1,000㎡以上
例外市街化の状況により無秩序な市街化を防止するため特に必要があると認められ、
都道府県等が条例で定めた面積以上の場合(300㎡~1,000㎡)
市街化調整区域規模に関わらず許可が必要
 原則3,000㎡以上
非線引都市計画区域 及び 準都市計画区域例外市街化の状況により無秩序な市街化を防止するため特に必要があると認められ、
都道府県等が条例で定めた面積以上の場合(300㎡~3,000㎡)
都市計画区域外1ha以上

市街化区域では、条例で開発許可を必要とする面積が300㎡以上と定められている場合、300㎡以上で開発行為を行う人は許可が必要となります。

また市街化調整区域では、面積に関わりなく開発行為を行えば、許可が必要となります。

都市計画法による開発許可は、平坦な土地であっても面積要件に該当してしまえば許可が必要となってきます。

特に、市街化調整区域では、面積に関わりなく、開発行為に該当する造成を行えば許可が必要となるため、要注意です。

宅造法のように、「いかにも急斜面」というところの造成だけが対象ではありません。

都市計画法で開発許可を受ける場合にも、開発許可申請が必要になってきます。

開発許可申請も、行政手続きに慣れた業者に発注すべきです。

もし、開発要件に合致するような造成を行う場合、工事業者が開発許可をきちんとできるかどうかを確認することが必要となります。

造成を行うにあたっては、宅造法と都市計画法で許可が必要となる場合があります。

勝手に造成できるとは限りません。

まずは自分の行う造成が、許可を必要とするものかどうかを確認してから着手するようにして下さい。

市街化調整区域や開発許可については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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6.まとめ

造成とは何かついて徹底解説について見てきました。

造成の際は不同沈下に注意してください。

また法律的に許可が必要となる造成は、実績のある慣れた工事業者を使うようにしましょう。

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