相続不動産を売ってから分割する方法と分割してから売る方法を解説

更新日:

遺産相続では、家族が争ってしまう「争族」は、避けたいところです。

争族はなぜ起こってしまうかというと、相続財産の中に不動産があることで遺産を平等に分割できないためです。

不動産は、相続を難しくしている最大の原因でもあります。

相続した不動産の分割方法を知りたいと思う人の中には、

  • 相続した不動産の名義変更はどのような手続きをしたら良いの?
  • 相続した不動産を分割したいけど、何から始めればいいの?
  • 分割のポイントってあるの?

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では。「不動産の相続」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、相続した不動産を名義変更するまでの方法について知ることができます。

1.換価分割と現物分割

  • 換価分割とは、不動産を売却して現金を相続人間で分割する方法
  • 現物分割とは、不動産や現金、車等の財産をそのまま相続人で分割する方法

相続では、相続人が法定割合で資産を引き継ぐのが原則です。

相続人が子供2人であれば、遺産は50%ずつ引き継ぎます。

例えば、相続財産が現金4,000万円のみの場合、相続人は2,000万円ずつを引き継ぐことになります。

一方で、相続財産が不動産3,000万円、現金1,000万円で構成されている場合、そのまま引き継ぐと、不動産を50%ずつの共有で持ち、現金を500万円ずつで分けることになります。

不動産を共有で持つことが嫌であれば、どちらか一方が3,000万円の不動産を引き継ぎ、もう一方が1,000万円の現金を引き継ぐことになります。

すると、子供2人で財産を3,000万円と1,000万円という不平等な額で分けることになります。

相続で不平等を生む原因は不動産にあり、不動産があることで「争族」は起こりやすくなっています。

ただ、現実的には多くの人が不動産を残して亡くなります。

そのため、相続は不動産ありきで考えなければなりません。

不動産があることを前提とすると、現物分割は不平等な財産の分け方になります。

それに対して換価分割は平等に財産を分けることが可能です。

よって、換価分割または現物分割のどちらを選択すべきかについては、以下のような状況で決めます。

  • 換価分割 ・・・ 不動産が不要で、相続人間で資産を平等に分けたい場合
  • 現物分割 ・・・ 不動産が必要で、相続人間で資産を不平等に分けることもやむを得ない場合

まずは、相続する不動産が「必要か、不要か」を見極めることがポイントです。

不要なのに現物分割をすると、不満を生み争族となりがちです。

方向性としては、不動産が不要なら換価分割で平等に分けることを考え、必要なら現物分割で誰かが引き継ぐことを考えるようにしましょう。

以上、ここまで換価分割と現物分割について見てきました。

では、分割のためにまずは何を行なえば良いのでしょうか。

そこで次に、名義変更について解説いたします。

2.まずは名義変更を行う

換価分割も現物分割も、ともに名義変更が必要です。

この章ではそれぞれの場合の名義変更方法についてご紹介します。

換価分割の場合の名義変更

換価分割を行う場合、名義変更は実質的に必須です。

まず前提知識として、相続があっても不動産の登記変更義務はありません。

そのまま放っておいても大丈夫です。

また、売却する場合でも、登記変更されていなければならないというルールもありません。

理屈上は、そのまま放っておいても売却することはできます。

しかしながら、登記変更がなされていない不動産は、買主からすると真の所有者が分からないため、購入しにくいという問題点があります。

相続で未登記の不動産は、買主からすると権利者が何人いるのか分かりません。

仮にAさんと売買契約したとしても、後からBさんも自分も権利者だと主張されたら、Bさんとも売買契約しないと、不動産を完全に自分のものにすることができなくあります。

このように、相続で移転登記がなされていない不動産は、買主にとっては非常にリスクがあり、積極的には購入することはありません。

よって、未登記のままの相続不動産は、実質的に売却しにくくなるため、売却する場合には、移転登記は必須となります。

換価分割は、売却後に分割しますので、不動産の相続の方法としては共有のまま法定相続することになります。

法定相続による名義変更で必要となる書類は以下の通りです。

  1. 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  2. 被相続人の除住民票
  3. 相続人全員の戸籍謄本
  4. 相続人全員の住民票
  5. 相続人全員の司法書士への委任状
  6. 固定資産税評価証明書

被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本は、他に相続人がいないことを証明するための書類となります。

被相続人の出生からの戸籍謄本でも代用できます。

相続や売却では法的に所有権の移転義務はありませんが、実質的に移転する必要があるということを理解しておきましょう。

現物分割の場合の名義変更

現物分割は、特定の誰かに資産を引き継ぐ方法となります。

現物分割する方法は、以下の2通りがあります。

  1. 遺言により分割する方法
  2. 遺産分割協議により分割する方法

遺言とは、生前に被相続人の意思によって遺産の分け方を指定する方法です。

それに対して、遺産分割協議とは、被相続人の死後、相続人たちの意思によって遺産の分け方を決める方法となります。

ステップとしては、まず遺言があれば遺言に従い財産を分けます。

もし、遺言がなければ自分たちで分割方法を決めなければいけないため、遺産分割協議を行うことになります。

遺言がある場合における名義変更に必要な書類は以下の通りです。

  1. 遺言証書
  2. 遺言者の死亡事項の記載のある除籍謄本
  3. 遺言により相続する相続人の住民票
  4. 固定資産税評価証明書
  5. 委任状
  6. 受遺者の戸籍謄本
  7. 相続関係説明図(任意)

もし、遺言が公正証書以外による遺言(自筆遺言)の場合、登記手続きをする前に、その遺言について家庭裁判所による検認の手続きが必要となります。

また、遺産分割協議による名義変更に必要となる書類は以下の通りです。

  1. 遺産分割協議書(相続人全員自著・実印押印・印鑑証明書添付)
  2. 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  3. 被相続人の除住民票
  4. 相続人全員の現在の戸籍謄本
  5. 相続人全員の現在の住民票
  6. 司法書士への委任状
  7. 固定資産税評価証明書
  8. 相続関係説明図(任意)

尚、遺言書があった場合でも、遺産分割協議によってその内容をひっくり返すことは可能です。

遺産分割協議は、相続人全員の同意が必要となります。

あまりにも不合理な分け方で、相続人全員が内容を変更したいという希望があれば、遺産分割協議によって遺言の分け方を変更することができます。

以上、ここまで現物分割の場合の名義変更について見てきました。

では、分割が合意に至るにはどのようなポイントがあるのでしょうか。

そこで次に、換価分割の価格合意について解説いたします。

3.換価分割は価格合意がポイント

換価分割は価格合意がポイントです。換価分割は、共有状態での売却となります。

共有物件の売却は、共有者の全員の同意が必要です。

同意の一番のポイントは、売却価格に全員が納得することです。

共有者の誰かが、もっと高く売るべきだ等の意見を主張し始めると、同意が得られず売却が困難になってしまうことがあります。

そのため、換価分割を行う際は、事前に売却最低価格を合意しておくことがポイントです。

売却最低価格は、不動産の一括査定を取ると決めやすくなります。

一括査定なら、最大6社程度から査定額を取ることができますので、なんとなくストライクゾーンなのかが見えてきます。

売却最低価格は高い査定額で設定するのではなく、低い査定額に注目して決めることがポイントです。

売却開始後、話をまとまりやすくするために、最低売却価格は低めの査定価格で合意を取っておきましょう。

以上、ここまで換価分割は価格合意がポイントであることについて見てきました。

では、現物分割は何がポイントなのでしょうか。

そこで次に、現物分割の際の遺産分割協議について解説いたします。

4.現物分割は遺産分割協議がポイント

遺産分割協議のポイントは以下の3つです。

  • まずはよく話し合うこと
  • 必要性を確認すること
  • 金額だけでなく不動産を保有するマイナス面も考慮すること

遺言がない場合には、遺産分割協議によって財産を分割します。

遺産分割協議には特に期限がないため、いつでも行うことができます。

遺産分割協議では、協議した内容を「遺産分割協議書」という書面に記載します。

遺産分割協議書は、不動産や銀行の名義変更に必要となる正式な書類です。

相続人全員が自著と実印での押印を行い、印鑑証明書を添付することとなります。

遺産分割協議書は、正式な書類であることから、司法書士や行政書士等の専門家に依頼して作成します。

専門家への依頼料は遺産総額の0.5~1%が相場となります。

遺産分割協議を行うということは、基本的には不平等な分け方をすることと同じです。

そのため、分け方を相続人間でよく話し合うようにすることが重要です。

話し合いのポイントとしては、まずその不動産の必要性にあります。

引き続き住む人がいる等の必要な不動産であれば、その人に引き継がせるのが合理的です。

また、空き家となる実家など、不必要な不動産であれば、無理に誰かに分割することはありません。

不要な不動産は、換価分割を選択肢に入れながら決めることがポイントです。

一方で、アパートの様に特に必要でもないが、売却するのはもったいないという不動産もあります。

その場合、誰かが引き継ぐことになります。

アパートは、一見すると引き継ぐ人が羨ましく思えますが、アパート経営には修繕対応や空室対策等の苦労も多いため、それほど美味しいものではないことがほとんどです。

特に、相続で引き継ぐアパートは築古のため、最初から難題を抱えています。

財産を分ける際は、金額だけではなく、今後のアパート経営のリスクや面倒臭さ等のマイナス面も考慮することもポイントです。

不動産を引き継ぐ人には、その後、必ず維持管理費用が発生します。

現金であれば、引き継いだ後のわずらわしさがありません。

遺産分割協議を行う際は、資産価値だけではなく、マイナス面も考慮し、妥協点を探ることが分割のポイントとなります。

5.まとめ

以上、ここまで、相続した不動産を売ってから分割する方法と分割してから売る方法について見てきました。

それぞれ、合意に至るには価格合意と遺産分割協議というポイントがあります。

相続人全員が納得いく合意のポイントを見出し、禍根を残さない分割を行いましょう。

これで損しない!不動産を売るなら不動産一括査定

不動産を高く売るなら「不動産一括査定サービス」をがおすすめ。

不動産一括査定サービスとは?

インターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入力すると、その情報を元に査定先、売却先の不動産会社が自動的に抽出されて、複数の不動産会社に一度に査定依頼が行えるサービスです。
不動産一括査定のイメージ図

不動産一括査定のイメージ図

不動産一括査定サービスと一言でいっても、たくさん存在します。(筆者が知っているだけでも数十のサービスが存在する。)

筆者としては、その中でも大手・中堅~地域密着までの不動産会社をきちんと比較できるサービスに厳選。

中でも信頼できる不動産会社」に依頼が行えるオススメサイトを紹介します。

  • イエウール :利用者数1,000万人以上は一括査定No.1!利用者の実績からしっかりと不動産会社を厳選
  • すまいValue :他の一括査定では依頼できない超大手の不動産会社に査定依頼ができる
  • ソニー不動産 :売り手専門のエージェント制を採用している ※ただし、1都3県限定です。

利用者数1,000万人以上と圧倒的人気No.1「イエウール」

イエウールo.1「イエウール」
  • 利用者数1,000万人以上と一括査定で圧倒的No.1の安心実績
  • 提携不動産会社1,500社以上!大手・中堅~地域密着までの不動産会社を探せられる
  • 入力3分のカンタン一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 提携不動産会社数:1,500社

最大手6社の査定相談だから安心「すまいValue」

すまいValue
  • 超大手不動産会社6社のみだから安心!
    ※国内で不動産売買の取引No.1の「三井不動産リアリティネットワーク」No.2の「住友不動産」に唯一依頼ができる一括査定です。
  • 入力3分のカンタン一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
    ※人口が少ない都市は未対応
  • 年間の成約件数:10万件の実績

※一部の地方では対応していない可能性があります。その場合は「 イエウール 」をオススメします。

【1都3県限定】国内で唯一のエージェント制導入で売り手に特化「ソニー不動産」

ソニー不動産
  • 国内で唯一のエージェント制導入!売り手のみをサポート
    ※ソニー不動産は「両手仲介」といって、買主、売主の双方からお金をもらうことをしていません。
  • 今なら不動産売却の秘訣DVDが無料でもらえる
  • 不動産一括査定ではなく、ソニー不動産1社のみに売却相談

おすすめ記事一覧

36,388view

一生涯でマンションを売却する機会は、ほとんどありません。 おそらくあなたも今回がはじめてのマンション売却ではないでしょう ...

31,027view
不動産一括査定のロゴ一覧

マンションや一戸建て、土地などの「不動産を売りたい」と考え始めたとき、多くの人がインターネットで調べます。 そして、いろ ...

1,245view

一戸建て(一軒家)を売却するには、正しい手順があります。 でも、一戸建ての売却をする機会は、人生でそう何度もありませんか ...

8,100view

土地を売却する機会は、人生でそう何度もない人がほとんどだと思います。 まず、何からはじめていいのか、わからなくて当然です ...

-相続

Copyright© 不動産売却の教科書 , 2018 All Rights Reserved.