借金は相続しなくてOK!相続放棄のやり方5つのポイントを徹底解説

投稿日:2018年3月20日 更新日:

相続の中には嬉しくない相続もあります。

親が借金をしたまま亡くなった場合、原則としてその借金は子供が背負わなければなりません。

但し、借金に関しては、相続をしないこともできます。

それは相続放棄によって可能です。

相続放棄を検討している人の中には、

  • 親が借金を残しているがどうしよう
  • 相続放棄をするにはどのような手順を踏めばいいのかを知りたい
  • 相続放棄のポイントについて知りたい

等々のことを思っている方も多いと思います。

そこで今回の記事では「相続放棄」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは相続放棄の基礎知識を理解し、相続放棄のやり方を知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.相続には3つの方法がある

相続が発生すると、相続人は相続の仕方を選ぶことができます。

相続の方法とは、以下の3つです。

  1. 単純承認
  2. 限定承認
  3. 相続放棄

相続では現金や不動産のようなプラスの財産と、借金のようなマイナスの財産が存在します。

どれを選ぶかはプラスの財産とマイナスの財産とのバランスによって決定します。

方法1.単純承認

単純承認とは、相続人が被相続人(亡くなった人)の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ相続方法

単純承認は、プラスの財産もマイナスの財産もすべて無条件に受け継ぐという点がポイントです。

相続財産がはっきりしており、プラス財産が間違いなく多い場合は単純承認がオススメです。

単純承認では特に手続きは必要ありません。

相続の開始を知った日から3ヶ月間何もしなければ、自動的に単純承認となります。

また、限定承認などの他の相続方法の選択をする前に、相続財産を売却した場合や、限定承認をした後でも遺産の一部や全部を隠して財産目録に記載しなった場合には、単純承認とみなされます。

方法2.限定承認

限定承認とは、被相続人の債務がどの程度あるか不明であり、財産が残る可能性もある場合等に、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ相続方法

つまり、限定承認では、相続財産から借金を返済した後に、財産が残ればそれを相続し、借金の方が多かった場合は相続財産をすべて返済に充て、それ以上の返済からは免れることができるという相続方法になります。

限定承認は、プラス財産もマイナス財産もあるが、それぞれがどれくらいあるのかはっきりしない場合に適しています。

限定承認は相続人全員で手続きをすることが必要になります。

限定承認の手続きは、相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に財産目録を提出して行います。

限定承認は相続放棄をした人を除いて相続人全員で行わなければなりません。

提出する財産目録の作成には時間がかかるため、3ヶ月以内にできないようであれば、事前に期間延長の申請をすることになります。

相続放棄

相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続方法

つまり、相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も相続しないで、相続の権利そのものを放棄します。

相続放棄をすると、はじめから相続人でなかったものとみなされます。

相続放棄は、借金の方が明らかに多いことが分かっているときや、他の相続人に遺産を譲りたいとき、相続人同士のトラブルを避けたいときに選択するのがオススメです。

相続放棄は、限定承認とは異なり、相続人が1人で自由に行うことができることがポイントです。

但し、相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったものとみなされるため、孫に相続させるような代襲相続をすることもできません。

相続放棄はマイナスの財産の方が明確に大きいときに有効です。

マイナスの財産が多いのか少ないのか分からない場合には、限定承認もあります。

相続放棄を選択する場合は、きちんと財産の状況を把握した上で選択するようにしましょう。

以上、ここまで相続放棄について見てきました。

では、相続放棄を選択することを決断した後は、相続放棄はどのように進めれば良いのでしょうか。

そこで次に相続放棄のやり方5つのポイントについてご紹介します。

2.相続放棄のやり方5つのポイント

相続放棄の期間

相続放棄の期間は、相続開始を知ってから3ヶ月以内です。

この期間は熟慮期間と呼ばれています。

3ヶ月の間に、単純承認か、限定承認か、相続放棄を熟慮して選びます。

尚、熟慮期間を伸ばしたい場合には、熟慮期間中に「熟慮期間延長の申立」をすると、期間を伸ばせる場合があります。

ただ、熟慮期間延長は期間内に相続人が態度を決めかねる事情があることが必要であるため、必ずしも必ず認められるわけではありません。

延長が認められたら、延長期間は裁判所が決定します。

相続放棄は、もともとは被相続人の借金の相続を免れるための制度です。

しかしながら、実際には特定の相続人に自分の相続分を譲るために利用する人も多いです。

特定の相続人に財産を集中させるようなことは、遺産分割でも可能です。

相続放棄には3ヶ月という期限がありますが、遺産分割には期限の定めがありません。

遺産分割についてじっくりと協議したい場合には、何も相続放棄によって分割をすることはありません。

相続放棄のメリットは、あくまでも借金を裁判所の力を借りて、正式な手続きによって放棄できるという点です。

相続放棄は分割ではなく、借金を放棄したいときに、利用するのがオススメです。

以上、ここまで相続放棄の期間について見てきました。

では相続放棄を申請するにはどうしたら良いのでしょうか。

そこで次に相続放棄申請書について解説します。

相続放棄申請書

相続放棄をする場合、家庭裁判所に「相続放棄の申述書」を提出します。

相続放棄の申述書の書式は、裁判所にあるひな形を用います。

相続放棄申請書(1/2)

相続放棄申請書(1/2)

相続放棄申請書(2/2)

相続放棄申請書(2/2)

相続放棄の申述書には、相続放棄の理由を記載します。

理由としては、以下の選択及び、自由記入欄のその他があります。

放棄の理由

  1. 被相続人から生前に贈与を受けている。
  2. 生活が安定している。
  3. 遺産が少ない。
  4. 遺産を分散させたくない。
  5. 債務超過のため。
  6. その他

また、相続財産の概略も記載します。

相続財産の概略は、宅地や建物の不動産の面積や、現金・予兆金の額および有価証券の額を記載します。

また、負債の額も記載します。

また、申述書と同時に、以下の添付書類も必要となります。

共通で必要なもの

  • 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
  • 申述人(放棄する方)の戸籍謄本

申述人が、配偶者の場合

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

申述人が、子又はその代襲者(孫、ひ孫等)(第一順位相続人)の場合

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

以上、ここまで相続放棄申請書について見てきました。

では相続放棄にはいくらくらいかかるのでしょうか。

そこで次に相続放棄の費用についてご紹介します。

相続放棄の費用

造族放棄には、以下の様な費用がかかります。

直接的に発生するのは、申述書に添付する印紙代(800円)だけですが、後は添付資料を入手するための費用になります。

  • 相続放棄の申述書に添付する印紙代:800円
  • 被相続人の戸籍謄本:450円(被相続人の配偶者が申請する場合は不要)
  • 被相続人の除籍謄本・改製原戸籍謄本:750円
  • 被相続人の住民票:300円程度(市区町村によって異なる)
  • 申述人の戸籍謄本:450円
  • 郵便切手:500円程度(家庭裁判所によって異なる)

自分で相続放棄の申請を行う場合の費用は、約3,000円といったところになります。

一方で、相続放棄は司法書士や弁護士へ代行を依頼することもできます。

司法書士や弁護士に代行を依頼した場合の手数料相場は以下のようになります。

  • 司法書士に依頼した場合:2~3万円程度
  • 弁護士に依頼した場合:3~5万円程度

比較的簡単な申請ですので、もちろん自分で行うことも可能です。

費用をかけたくない場合には、自分で相続放棄の申請をしましょう。

尚、「相続放棄の申述書」の提出先は、「被相続人の最後の住所地の家庭裁判所」となります。

自分が住んでいる住所地の家庭裁判所ではないので、注意してください。

以上、ここまで相続放棄の費用について見てきました。

では、手続きが終わるとどうなるのでしょうか。

次に相続放棄の証明書について見ていきます。

相続放棄の証明書

申述が受理されると、「相続放棄申述受理証明書」が裁判所から交付されます。

受理証明書は、相続放棄が受理されていることを家庭裁判所が証明してくれる書類です。

交付にあたっては、1枚150円の収入印紙が必要です。

受理証明書は、債権者に対して確かに相続放棄が行われたことを証明することができる大切な書類です。

債権者に提出するときは、必ずコピーを提出し、原本は手元にきちんと保管しておきましょう。

以上、ここまで相続放棄の証明書について見てきました。

相続放棄には注意点があります。

そこで最後に生前にはできない相続放棄について解説します。

生前にはできない相続放棄

相続放棄ですが、実は被相続人(亡くなる方の人)が生きているうちにはできないというルールになっています。

理由としては、もし被相続人の生前中に相続放棄ができることを認めてしまうと、被相続人が相続人に対して「お前は、相続放棄しろ!」と強要する可能性があるからです。

特に資産家などであれば、被相続人の影響力はとても強いため、気に入らない子供に対して相続放棄を強要するようなことがないとも限りません。

法律では、相続人に遺留分を与えるなどをして、相続人の権利を平等に保護しています。

遺留分とは、相続人に法律上与えられた最低限度の財産です。

配偶者や子・孫といった相続人は、「法定相続分の2分の1」が遺留分として認められています。

但し、遺留分に関しては、生前に放棄をすることが可能です。

相続放棄はできなくても、遺留分の放棄はできます。

相続放棄と遺留分の放棄は似て非なるものなので、使い方には注意するようにしましょう。

3.まとめ

以上、借金は相続しなくてOK!相続放棄のやり方5つのポイントを徹底解説について見てきました。

相続放棄は裁判所の手続きを通じで、借金を負わないことを債権者に対してきちんと明確にできることにメリットがあります。

被相続人の財産が、明らかにマイナスの財産が多い場合は、債権放棄を検討してみるのも良いでしょう。

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