任意売却を実行するための7つの条件と合意を得るためのポイントを紹介

投稿日:2017年6月20日 更新日:

住宅ローンの月々の返済がいよいよ難しくなり、競売もしくは任意売却を選択せざるを得ない方もいるかと思います。

不動産売却による一括返済を検討している人の中には、

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どうやったら任意売却ができるのか条件を知りたい
ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
任意売却を選択できない場合があるのか、その条件を知りたい
ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
任意売却の選択のためにはどういう条件をクリアーしなければいけないのか知りたい

等々のことを思っている方も多いことでしょう。

結論からすると、任意売却を選択するには、7つの条件をクリアしとかなければなりません。

その中でも最も難しいのが債権者の合意を得ることです。

そこで今回の記事では、任意売却を実行するための「条件」にフォーカスしてお伝えいたします。

フクロウ先生
フクロウ先生
この記事を読むことで、あなたは任意売却を選択するための条件を知ることができるぞ
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1.任意売却の7つの条件

最初に任意売却を行う条件を示します。

任意売却を行うためには、以下の7つの点を満たしていることが必要です。

条件 内容
条件1 債権者(銀行等)の合意を得ていること
条件2 税の滞納等で物件が差押さえられていないこと
条件3 売却活動時間が十分に確保されていること
条件4 市場価値のある物件であること
条件5 共有者の同意が得られていること
条件6 連帯保証人の同意が得られていること
条件7 一定額以上の管理費・修繕積立金の滞納がないこと

これらの条件を踏まえ、任意売却の基礎的な知識から解説していくことにします。

そして、それを理解いただいてからそれぞれの条件について説明していきます。

2.任意売却とは

まず最初に任意売却というものがそもそも何かについて説明します。

任意売却とは、毎月の住宅ローン返済が困難になったときに、担保が付いている不動産を売却することで、残債を一括返済すること

通常、住宅ローンを借りるときは、土地と建物に担保が付きます。

2-1.抵当権とは

住宅ローンを借りるときの土地と建物に担保のことを「抵当権」と言います。

抵当権は、土地と建物の登記簿謄本を見ることで確認ができます。

抵当権は、登記簿謄本の「権利部(乙部)」と書かれているところに、以下のように表記されているものを指します。

権利部(乙区) (所有権以外の権利に関する事項)
順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号権利者その他の事項 権利者その他の事項
1 抵当権設定 平成〇年〇月〇日 第*****号 原因 平成〇年〇月〇日設定 債権額 金5,000万円 利息 年1.5%(年365日の日割計算) 損害金 年18.250%(年365日の日割計算) 債務者 ○○市○○12番地34  ○○ ○○ 抵当権者 ○○市○○56番地78  ××銀行 共同担保 目録(〇)第****号

複数の金融機関から借入を行っている場合は、順位番号2以降として同様の内容が記載されています。

2-2.債権回収の1つの手法

抵当権は、住宅ローンが返せなくなったときの担保として設定されるものです。

そのため本来は住宅ローンが返せなくなると抵当権者である銀行が「抵当権の実行」を行います。

この抵当権の実行は、「競売」と呼ばれます。

競売とは債権者が裁判所に申し立てることで、強制的に売却が行われます。

法律に基づいた手続きであり、法的拘束力が強い返済方法になります。

一方で、銀行としても、住宅ローン残債が返済されれば、それで構わないわけですから、何も競売だけに拘る必要はありません。

競売という正式な手段を取らず、債務者が「任意」で「売却」して、その売却額を債権者に返す方法でも構わないわけです。

競売によらない売却による返済方法が、「任意売却」です。

略して「任売(ニンバイ)」と呼ばれます。

フクロウ先生
フクロウ先生
つまり任意売却とは、法的手段である競売に頼らずに、不動産を自分たちで売却して住宅ローン残債を返済するという債権回収の1手法じゃよ
ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
じゃあ、具体的に競売に比べて何がよいの?任売のがいいの?

3.競売との違い

3-1.競売の特徴

競売は裁判所が一定のルールに基づき売却する方法であるため、売却までのプロセスがすべて決まっています。

競売は、物件の一般公開から入札期日までの売却期間が2週間と定められ、入札形式によって売却が行われます。

入札では売却基準価額と呼ばれる最低競売価格があり、その最低競売価格以上の価格を提示した人の中で、最も高い金額を提示した人が落札します。

最低競売価格は土地でいうと、地価公示の70%水準になります。

地価公示は市場価格水準というのが前提ですので、競売の最低ラインは市場価格の70%であり、そこが入札のスタートラインとなります。

競売は、期間が短く、物件に関する情報も少ないため、ほとんどの参加者がプロの不動産会社や買取業者となります。

3-2.競売の落札価格

競売による実際の落札価格はバラバラです。

最低競売価格の2倍以上で売却されるものもあれば、札が全く入らず競売が成立しないものもあります。

落札価格が高いか低いかは物件によりますが、競売が必ずしも安いとは限らないというのが実態です。

平成15年に民法の改正によって、競売による売却を困難にしていた短期賃貸借の保護が廃止されました。

それ以降は、購入者が負う法的リスクが著しく下がったため、競売が利用しやすくなり、競売の落札価格が高くなりました。

たまに任意売却は競売よりも高く売却できると断言する人がいますが、現在ではそうとも限らない状況です。

物件によっては競売でも十分な価格で売却ができます。

フクロウ先生
フクロウ先生
任意売却は競売よりも高く売れるとは限らないと考えてよいぞ

3-2.任意売却の特徴

一方で、任意売却においては、売却期間は自由というのが魅力の1つです。

売却形式も入札ではなく、売主と買主が1対1の相対取引が多いです。

最低価格というのも特に定めていません。

基本的には普通の売却と同じです。

任意売却で売却すると、購入者は一般の人も参加します。

また任意売却業者と提携している買取業者も積極的に参加してきます。

任意売却では売却期間の縛りはないのですが、債権者が早く住宅ローン残債を回収したいため、早期の売却を求めてきます。

そのため、どうしても価格は市場価格よりも安くなります

なので、任意売却をする必要がない人は、なるべく高く売れる不動産一括査定などを用いて売却活動をした方がいいでしょう。

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3-3.競売と任意売却の比較表まとめ

競売と任意売却の特徴を比較すると以下の通りとなります。

 項目 競売 任意売却
最低価格 有り 無し
売却期間 2週間 無し (ただし早期売却が前提)
売却方式 入札 相対取引
売却主体 裁判所 任意売却専門業者
主な買主 不動産会社または買取業者 一般消費者または買取業者
売却価格 高く売却できる場合や全く価格が出ない場合もある 総じてやや安い

3-4.住宅ローンと住宅価格の関係

ここで住宅ローンの減り方と中古住宅価格の下がり方について触れておきます。

住宅ローンの減り方と中古住宅価格の下がり方を概念図で表すと以下のようなイメージになります。

住宅ローンは、通常、元利均等返済という返済方法で返済を行います。

元利均等返済とは、元金返済部分と利息部分の合計額が、毎月一定額となる返済方法

元利均等返済では、返済の初期段階では元本総額が大きいため、元金返済部分と利息部分の合計額のうち、利息部分の占める割合が大きくなります。

そのため、元利均等返済では、返済当初は元本がなかなか減らないという性質を持ちます。

一方で住宅価格は、新築当初が一番高く、その後急激に価格を落としていく傾向にあります。

築年数がある程度経つと、価格の下がらない土地価格のみが残るため、徐々に価格が下げ止まる傾向にあります。

住宅ローン残債はなかなか減らないという性質を持ちますが、中古住宅価格は急激に下落する性質を持ちます。

任意売却や競売といった売却方法に関わらず、フルローンで購入した物件を、住宅ローンの返済期間中に普通に売却しても、残債が全て回収しきれないという現象が発生します。

金融機関側としては、任意売却も競売のどちらを選択しても、基本的にはローン残債を回収しきれない場合が多く、任意売却や競売になった時点である程度の損切を覚悟せざるを得ません。

そのため、金融機関にとって見ると、任意売却や競売を行うこと自体、とても後ろ向きの選択を行っているのです。

以上、ここまで競売との違いについて見てきました。

それでは次に任意売却のメリットについて見ていきましょう。

4.任意売却のメリット

4-1.価格が高いことはメリットではない

上述しましたが、売却価格については、必ずしも任意売却が高くて競売が安いという関係にはありません。

平成15年よりも前は、短期賃貸借が保護されるという民法の規制があり、いわゆる「占有屋」と呼ばれる人たちが居座って競売の物件売却を妨害していた時期がありました。

そのため競売による物件購入はとてもリスクがあり、落札価格がとても低いという時代が確かに存在しました。

その頃は売却価格が「任意売却が高くて競売が安い」という図式が成り立っていましたが、現在ではそうなっていません。

そのためよく言われる「任意売却のメリットは競売よりも高く売れること」という点については、実態とは異なるため、ここではメリットとしては取り扱わないことにします。

4-2.メリットは融通が利くこと

しかしながら、それでも任意売却には競売にないメリットがあります。

任意売却のメリットは「自由に話し合いで色々なことを決めることができる」という点

任意売却は、あくまでも債権者の合意の上に立った通常の売却です。

売却代金を返済に回すという点が異なる程度です。

そのため、例えば「売却代金からの引越代の捻出」や「引越時期」等について債権者と話し合いで決めることが可能です。

一方で、競売は裁判所のルールに基づいて粛々と手続きが進められてしまいます。

そのため全ての手続きが強制的であり、話し合いの余地がなく進められてしまいます。

競売は融通が利かないというデメリットがありますが、任意売却であれば融通が利くというのがメリットです。

4-3.プライバシーが守られる

また任意売却はプライバシーが守られるという点もメリットとしてあります。

競売となると、裁判所の執行官や鑑定人と呼ばれる不動産鑑定士が物件調査のためにアポイント無しで突然、訪れます。

執行官や鑑定人は裁判所からの命令を受けて、訪れるため、強制的に中に入れる権利を持っています。

例えば、債務者が夜逃げしているような物件では、鍵屋さんを呼んできて、無理矢理、扉を開けて中に入ります。

日中、スーツを着た執行官等が、ガンガン踏み込んでいきますので、「何ごとか?」と近所の人がジロジロ見るということが良くあります。

債務者が夜逃げしているようなケースでは、近所の人が既に怪しいと思っていることが多いため、執行官が入っていく様子を見ることで、「あの物件は競売にかかったのか」と噂されることがあります。

競売だとプライバシーが守られないというのは、このような夜逃げをしているケースです。

一方で、任意売却であれば、通常の売却と変わらないため、近所からは分かりにくいというメリットがあります。

いつの間にか売却されていたという印象を残すことが可能になります。

4-4.多重債務者の場合はプライバシーのメリットは低い

ただし、住宅ローンの滞納者の中には、消費者金融等からも借入をしている多重債務者の方も多いです。

そのような人の中には、既に日中や夜間に消費者金融から玄関前で大声を張り上げられて派手な取立を受けた経験をされている方もいます。

この場合は、近所の間では何らかの噂が既に出回っている可能性があります。

そのため、このような方にとっては、任意売却の「近所に知られることがない」というメリットは、あまり大きなメリットではないかもしれません。

フクロウ先生
フクロウ先生
つまりまとめると任意売却のメリットは「融通が利く」というところじゃよ
ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
メリットは分かったけど、何かデメリットはないの?

5.任意売却のデメリット

5-1.金融機関に任意売却を選ぶ理由がない

最近の傾向を見ると、金融機関の担当者が任意売却を認めずに、競売を実行したがるというケースも増えてきました。

背景としては、現在では任意売却が必ず競売よりも高いという図式ではなくなったことがあります。

銀行担当者からすると、任意売却と競売で明確な価格差がないということになると、任意売却を積極的に選択する理由が正直ありません。

銀行の担当者からすると、任意売却の最も懸念すべき点は、売却に至るまでのプロスセスの「不透明性」にあります。

5-2.競売の落札価格の実態

そこで、以下に実際の競売における落札価格を見てみることにします。

裁判所が運営する不動産競売物件情報サイト(BIT)によれば、東京地方裁判所本庁が管轄する平成29年度の土地の競売物件の売却結果は以下の通りとなっています。

売却基準価格 売却価額 (落札額) 落札額の 最低競売価格 に対する倍率 市場価格 に対する割合
42,970,000円 74,261,100円 1.73倍 1.21倍
540,000円 2,010,000円 3.72倍 2.61倍
31,440,000円 63,090,000円 2.01倍 1.40倍
6,970,000円 11,586,420円 1.66倍 1.16倍
15,530,000円 20,811,000円 1.34倍 0.94倍
2,630,000円 6,000,011円 2.28倍 1.60倍
7,470,000円 14,510,010円 1.94倍 1.36倍
9,600,000円 13,321,000円 1.39倍 0.97倍
6,800,000円 9,030,000円 1.33倍 0.93倍
平均 1.93倍 1.35倍

上表はBIT(不動産競売物件情報サイト)から、土地の売却基準価格と売却価額だけをピックアップし、筆者が「落札額の売却基準価格に対する倍率」と「市場価格に対する割合」を算出しました。

市場価格に対する割合は、売却基準価格が市場価格水準である地価公示の0.7倍程度であるため、「市場価格=売却基準価格÷0.7」と仮定し、その市場価格に対する比率を計算しています。

上表を見ると、更地の競売落札価格は、平均で売却基準価格の約2倍(平均1.93倍)で決まっていることが分かります。

これは市場価格水準で換算すると、市場価格の約1.4倍(平均1.35倍)で決まっていることが分かります。

このことは、競売で売却しても非常に高く売却できることを意味しています。

しかも競売は、売却期間が2週間であるものの、入札によって公明正大に売却価格が決まります。

透明性があり、なおかつ高く売却できるのであれば、競売は銀行にとっても十分に納得感が得られる売却方法であると言えます。

ちなみに、BITは裁判所が運営している競売の公式サイトで、過去の売却基準価格やそれに対する売却価額等が公表されており、誰でも閲覧することが可能です。

銀行の債権回収チームはプロですので、当然ながらBITの情報を駆使して、競売ではどの程度で売却できるのかも把握しています。

そのため、今では銀行の担当者は「競売より任売の方が必ず高い」とは思っていません。

フクロウ先生
フクロウ先生
「任売の方が競売よりも高く売れる」というのはもはや都市伝説であるということを知っておこう

5-3.任意売却は選択しにくい

一方で、任意売却は入札が行われるわけではなく、1対1の相対取引が多いため、その価格決定プロセスは非常に不透明であると言えます。

なおかつ、競売よりも高く売れる保証はどこにもないため、任意売却は納得感の得にくい売却方法なのです。

金融機関の担当者からすると、仮に任意売却を選択して安い価格での売却結果となった場合、上司や他の金融機関から、「なぜ任意売却を選択したのか?」と理由を問われかねません。

それであれば、最初から公明正大に行われる競売を選択した方が透明性はあり、関係者全員の納得感が得られやすいということになります。

任意売却は価格決定のプロセスが不透明であることから、本当にその売却額が一番高い価格であるのか証明がしにくいという性質を持っています。

よって最近の銀行担当者は任意売却ではなく、競売を選択したがる人が増えています。

5-4.デメリットは債権者の合意を得にくいこと

任意売却を行うための条件1として、「債権者(銀行等)の合意を得ていること」がありました。

任意売却は価格決定プロセスが不透明であると言う理由から、債権者にとっては納得感が得られにくい売却方法です。

そのため、任意売却は債権者の合意が得にくいということが最大のデメリットになります。

以上、ここまで任意売却のデメリットについて見てきました。

それでは次に任意売却の7つの条件を1つずつ見ていきましょう。

6.任意売却の7つの条件

改めて任意売却の7つの条件をお伝えします。

条件 内容
条件1 債権者(銀行等)の合意を得ていること
条件2 税の滞納等で物件が差押さえられていないこと
条件3 売却活動時間が十分に確保されていること
条件4 市場価値のある物件であること
条件5 共有者の同意が得られていること
条件6 連帯保証人の同意が得られていること
条件7 一定額以上の管理費・修繕積立金の滞納がないこと

条件1.債権者の合意は最大のハードル

条件1の「債権者(銀行等)の合意を得ていること」ですが、これが最大のハードルになります。

上述したように、競売は必ずしも売却価格が安くなるとは限りません。

一方で、任意売却が高く売却できる保証もどこにもありません。

また任意売却は相対取引で早期に売却を行うため、下手をすると市場価格よりも安く売却することになります。

そうすると、例えば債権者がA銀行の他にB銀行等もいた場合、安く物件を売却することに異を唱える債権者も出てきます。

昔のように「売却価格が任意売却の方が競売よりも常に高い」という図式にはなっていないため、任意売却を選択することが本当に良いのかどうか判断しにくい状況になっているためです。

ただし、金融機関も鬼ではありません。

競売で仮に売却価格は高くなったとしても、売却額が住宅ローン残債を下回ってしまうような結果になることは良くあります。

そうすると、債権者が引越代も捻出できず、本当に人生の路頭に迷ってしまうような状況も発生しかねません。

そこで、任意売却と競売で大した金額差が出ないようであれば、売却額の一部を債務者に分けてあげて、その後の生活を立て直してもらった方が良いという「温情」による判断も当然あります。

金融機関の担当者はきちんと教育を受けてきたエリートが多いため、自分の強引な判断で、その後、債務者に自殺でもされたら嫌なわけです。

大きな銀行にとって見ると、ちょっとくらい住宅ローンの回収が出来なくても問題にはなりません。

そのため債務者に対する「温情」という観点から、話し合いで色々なことを決められる任意売却を選択することは十分にあり得ます。

条件変更

ただし、普通に住宅ローンを返済している人が、あと数か月したら苦しくなりそうだから任意売却させて欲しいと言っても、債権者は合意してくれません。

住宅ローンの返済が苦しくなったら、いきなり任意売却ではなく、銀行に返済条件の緩和をしてもらうことを相談に行くことが第一ステップです。

具体的には、「月々の返済額を10万円から7万円に変更して欲しい」というようなお願いです。

これを条件変更もしくはリスケジュールと呼んだりします。

リスケジュールとは返済額を減らすことにより、35年ローンが実際は45年ローンになるため、返済スケジュールが変更されることから、リスケジュールと呼ばれます。

略して「リスケ」と言ったりもします。

金融機関にとっても、いきなり「来月からびた一文も返せません。」と言うよりは、不可能でも「少しの間だけ減額させてください、1年後には元通りに戻します。」と言った方が印象は格段に上がります。

住宅ローンの返済が厳しくなったときは、いきなり返済を止めるのではなく、まずはリスケによってお互いの妥協点が見いだせないかどうかを探ることから始めましょう。

借入金の返済滞納

リスケ中であっても、任意売却の合意を得ることができません。

債権者の合意が得られる段階は、リスケによる減額ではなく、本当に1円も返済ができなくなった段階からになります。

1円も返済ができなくなる状態を「滞納」と言います。

滞納も1~2ヵ月程度ではなく、数か月連続して発生すると、銀行側も「いよいよ任意売却か?」という段階に入ってきます。

任意売却の条件としては、金融機関の合意を得ることが必要になります。

その合意を得るためには、リスケをした後、さらに数か月に及ぶ滞納が続いた状態が必要となります。

 

条件2.差押の解除

条件2として「税の滞納等で物件が差押さえられていないこと」があります。

税金や社会保険料を滞納している場合、国や市町村が抵当権のついている不動産であっても差し押さを行ってくることがあります。

差押が付いている物件は、原則的に任意売却をすることができません。

そのため任意売却を行うためには、まず税金等を支払って、税金滞納を解消する必要があります。

住宅ローンの返済を行う前に、きちんと税金等を納めることから始めてください。

 

条件3.物件売却の時間

条件3として「売却活動時間が十分に確保されていること」があります。

これは競売の入札が開始された以降は、任意売却は認められないことを指しています。

競売は入札期日の2週間前に物件が公開され、1週間の入札期間をもって入札が締め切られます。

そのため、例えば入札の物件が公開されてしまった段階では、いずれにしても残り2週間で競売によって落札者が決まってしまうため、今さら任意売却はできません。

そのためこのような状況に至っては、金融機関は任意売却を了承しません。

ただし競売の申立てから物件公開までは半年以上の時間がかかることが多いため、債権者が競売の申立てをしてからであっても、競売を取り下げて任意売却に移行することは可能です。

基本的には十分な売却期間を取れることが、任意売却の条件となります。

以上、ここまで物件売却の時間について見てきました。

それでは次に物件に価値があることについて見ていきます。

条件4.物件に価値があること

条件4として「市場価値のある物件であること」があります。

任意売却の対象となる物件は、基本的には金融機関が抵当権を付けている土地建物です。

金融機関は、原則として市場価値のある土地建物にしか抵当権を付けません。

ところが、債務者が抵当権の付いている住宅とは別に、市場価値のない不動産を持っていたとします。

この場合、市場価値のない不動産を任意売却の対象とすることができるかと言えば、それはできません。

市場価値のない不動産とは、例えば道路に接しておらず建物を建てることのできない土地や、建物を建築することができない市街化調整区域の土地等があります。

いずれにしても建物を建築できないような土地は、市場価値が著しく劣り、かつ売却にも時間がかかるため、金融機関からすると、いつどの程度の債権額が回収できるか分かりません。

そのため、任意売却の条件としては、市場価値のある不動産であることが条件となっています。

条件5.共有者の同意

条件5として「共有者の同意が得られていること」があります。

任意売却は、基本的には普通の売却と同じです。

そのため物件を共有しているときは、共有者の同意があることが前提となります。

不動産に関わらず、共有物の処分には共有者全員の同意が必要となります。

ここで言う処分とは、売却が該当します。

共有している不動産の売却は、共有物の処分に該当するため、共有者の同意が得られていないと、そもそも売却できません。

夫婦で共有している住宅を任意売却するようなときは、2人とも同意していることが必要になります。

 

条件6.連帯保証人の同意

条件6として「連帯保証人の同意が得られていること」があります。

連帯保証人がいる場合は注意が必要です。

基本的には、任意売却をしてもローン残債を完済できることは少ないのですが、任意売却後に残るローン残債については、連帯保証人にも債権回収が及びます。

つまり、任意売却で住宅ローンが完済しない以上、連帯保証人の立場は変わらず、債務が免責されることはありません。

任意売却によって主たる債務者の財産が無くなれば、むしろ連帯保証人へ債権回収が及ぶ可能性が高まります。

そのため連帯保証人がいる場合は、任意売却をする以前に、必ず連帯保証人の同意を取っておくことが必要となります。

 

条件7.管理費・修繕積立金の滞納

条件7として「一定額以上の管理費・修繕積立金の滞納がないこと」があります。

マンションが任意売却となるようなケースは、債務者が管理費や修繕積立金も滞納してしまっていることが良くあります。

管理費や修繕積立金の滞納は、一定額の範囲であれば、任意売却によって得られた金額の中から、債権者が支払うことになります。

つまり債権者負担です。

ところがこの管理費や修繕積立金の滞納も、無制限に債権者が負担するわけではありません。

例えば、住宅金融支援機構では5年分までしか滞納を負担しません。

債権者がどの程度、管理費や修繕積立金を負担するかは債権者の判断によります。

いずれにしても無制限ではないため、滞納額があまりにも多額な場合は、任意売却が認められない可能性があります。

マンションで任意売却を実行しようとする人は、管理費や修繕積立金の多額の滞納については注意をしましょう。

 

7.任意売却がオススメの人

ここで再度になってしまいますが、任意売却の条件を再掲します。

条件 内容
条件1 債権者(銀行等)の合意を得ていること
条件2 税の滞納等で物件が差押さえられていないこと
条件3 売却活動時間が十分に確保されていること
条件4 市場価値のある物件であること
条件5 共有者の同意が得られていること
条件6 連帯保証人の同意が得られていること
条件7 一定額以上の管理費・修繕積立金の滞納がないこと

「任意売却の方が必ず高く売却できる」と言えない昨今の状況では、金融機関が積極的に任意売却を選択する理由はありません。

そのため、連帯保証人がいたり、税金を滞納していたり等、関係者の調整が難しいような物件の場合には、金融機関としては強制力のない任意売却が取り組みにくくなります。

逆に言えば、条件2~条件7までの問題がなく、かつ他に債権者がいないような物件であれば、任意売却も選択しても良いという判断を取ることもあり得ます。

任意売却がオススメの人は、条件2~条件7までの条件について、問題を抱えておらず、他に債権者のいない人

複雑な問題を抱えている物件は、条件を整理するまでに時間がかかります。

銀行としては複雑な問題は競売と言う法律の力を借りて解決する方が合理的な判断になります。

他に問題がなく、シンプルに住宅ローンが返済できないだけという人であれば、任意売却の可能性を銀行に打診してみるのが良いでしょう。

8.まとめ

以上、任意売却を実行するための7つの条件と合意を得るためのポイントを紹介してきました。

「任意売却は高く売却できるので、銀行はすぐに応じてくれるはず」というのは、誤解です。

銀行にとっては、特段メリットのない中で、債務者に対する「温情」で任意売却を選択します。

銀行に任意売却を合意させるには、十分なコミュニケーションを取り、時間をかけて了解を取り、温情を引き出すという姿勢で臨むのが良いでしょう。

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