不動産の売買契約書に出てくる専門用語6つを専門家が分かりやすく解説

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初めて不動産を売却すると、知らない専門用語が登場してくるため、不安に感じます。

特に売買契約書の中には専門用語が頻発するため、ある程度用語の意味を知っておく必要があります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 良く出てくる専門用語を分かり易く知りたい
  • 契約書に書いてある条文の意味が分からない
  • 専門用語をネットで調べても結局よく分からない

そこで今回の記事では、不動産売却で良く出てくる分かりにくい下記専門用語6つの意味を分かり易く解説いたします。

  1. 瑕疵担保
  2. 停止条件
  3. 手付解除
  4. 負担の消除
  5. 危険負担
  6. 融資利用の特約

専門用語は厳密な説明をすると、どんどん難しくなるため、この記事では平易な表現で書きます。

この記事を読むことで、あなたは不動産の売買契約書に登場する典型的な専門用語の意味を理解することができるようになります。

※専門家の方が読んだときに違和感を覚えるような表現があったとしても、分かり易さを優先しているということでご了承願います。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

瑕疵担保

最初に、瑕疵担保について説明します。瑕疵は「カシ」と読みます。

瑕疵とは売却する不動産が通常有すべき機能を欠いている状態のこと

例えば、床下がシロアリに喰われていて柱が朽ち果てそうな家や、雨漏りがする家等は瑕疵がある物件に該当します。

買主は、このような瑕疵がないことを注意深く確認してから物件を購入します。

ところが、注意して物件を買ったのにも関わらず、後から床が腐食していたことが分かったとします。

このように買主が通常の注意を払ったのにも関わらず発見できなかった瑕疵を「隠れた瑕疵」と呼びます。

この隠れた瑕疵については、売主も知らない瑕疵であることがポイントです。

瑕疵担保責任

それでも、売主は売却後、隠れた「瑕疵」が発見された場合には、買主に対して損害賠償費用等を「担保」するの「責任」を負います。

これを「瑕疵担保責任」と呼びます。

自分の知らない瑕疵まで責任を負う瑕疵担保責任は、売主にとっては、とても気持ちの悪い責任です。

そのため、個人が売主の場合には、通常、売買契約書の中に瑕疵担保責任の全部もしくは一部を免責する条文を入れます。

一部免責の場合は、瑕疵担保期間を3ヵ月とすることが一般的です。

とても重要な条文になりますので、瑕疵担保責任の条文は必ず確認するようにしましょう。

この気持ち悪い瑕疵担保責任については、保険を付保することで緩和することが可能です。

詳しくは、下記をご参照ください。

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停止条件

不動産の売買では、「もし~したら買います」という条件を付けて売買することがあります。

例えば、「○○までに立退きが終了したら買います」とか、「○○の許可が取れたら買います」というような条件付きの売買です。

このような、「もし~したら買います」みたいな条件付きの売買を停止条件付売買と言います

言葉が非常にややこしいため、停止条件付売買は、良く誤解されます。

停止条件付売買では、売主と買主との間で既にお互いが売買する意思がありますが、売買を停止させている条件が付いています。

イメージとしては下図左のような状態です。左図は停止条件と言うシャッターが下りているため、車(売買)が前に進めません。

停止条件でよくあるのが

  • 入居者の立退き
  • 開発の許可
  • 農地法の許可
  • 地主の承諾

などの条件です。

停止条件付売買では、入居者の立退きが終わる等の条件が成就すると、売買を停止させていたシャッターがガラガラと上がります。

上図右のようなイメージです。

停止条件は売買契約という車を「停止させている条件」のことを指します。

良く「停止する条件」だと誤解する人が多いですが、それは違います。

「停止する条件」だと「売買を止めます」になりますが、「停止させている条件」なので成就すると「売買します」になります。

停止条件付売買は、その条件が成就したら、売買が前に進むというということを理解しておきましょう。

手付解除

売買契約時には売主は買主から手付金を受領します。

手付金は通常、売買代金の10%程度です。

売買契約と引渡までの間は、通常、1ヵ月ほど期間が開きます。

その間に、買主または売主の一方的な都合で売買をやっぱり止めますとなったときに、解除できるのが手付解除です。

手付解除は、買主から解除を申し出るときは、手付金をそのまま放棄します。

売主から解除を申し出るときは、手付金の「倍」を買主へ支払うことで手付解除となります。

申出者手付解除の方法
買主からの申出手付金の放棄
売主からの申出手付金の倍返し

一瞬、「なぜ、売主だけ倍返しなのか?不公平なのではないか?」とも思います。

しかしながら、売主は既に手付金をもらっています。

それをそのまま返しただけでは、売主は何も痛みを伴いません。

買主からの解除では、買主が手付金を放棄することで痛みを伴っています。

そこで売主にも同額の痛みを伴わせるために、手付金と同額を自腹で買主へ支払います。

さらに既にもらっている手付金もお返しします。

そのため、売主は倍返しといっても、自腹で払っているお金の額は買主と同じです。

手付解除は、売主も買主も同額の手付金というペナルティー料金を支払って解除することになります。

手付金の入金については下記に詳しく解説していますので、ご参照ください。

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負担の消除

売却する不動産に売主がつけていた抵当権などの第三者の権利が存在するときは、買主が完全な所有権を行使することができません。

そのため抵当権等の担保権や賃借権等の用益権等、第三者の権利が付いている物件の状態を「負担」を負っている状態と言います。

不動産の売却では、この負担を除去・抹消して売却することが基本となります。これを負担の消除と言います。

負担の消除とは、平たく言うと抵当権の抹消です。

住宅ローンの抵当権が付いたままだと物件は売却できません。

抵当権のついている物件は、引渡と同時に抵当権の抹消も行います。

負担の消除は、売買を行う上では当たり前のことですが、聞きなれない言葉なのでぎょっとする方もいます。

要は通常の戸建やマンションを売却する場合は、抵当権の抹消だと思っておけば良いでしょう。

抵当権の抹消費用については下記記事に詳しく記載しています。

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危険負担

危険負担は、契約書によっては「引渡前の滅失・毀損」等の名称で書かれていることもあります。

不動産の売買は、売買契約から引渡までの間が1か月程度あります。

危険負担とは、売買契約から引渡の間に、大地震などの天災地変が発生して物件の全部または一部が滅失した場合、そのような危険を誰が負担するのかということを表したものになります。

危険とは、今どきの言葉で言えばリスクです。

危険負担とは、売買契約から引渡までの間に起こる大地震等のリスクは誰が負うのかという取決めのこと

不動産の売買の場合、危険(リスク)は売主が負担することが原則です。

例えば、売買契約時点で問題のなかった扉が、引渡までの間に起こった地震によって建付けが悪くなったとします。

この場合は、売主が扉をきちんと修繕して買主へ引き渡すことになります。

地震のリスク(危険)を売主が修繕費支払うことで負担します。

では修復が著しく困難な大地震が発生した場合はどうなるのでしょうか。

そのような場合は、何もせずにお互い契約を解除できるという取決めを条文に入れておくのが通常です。

まさかのときに役立つ条文なので、念のため確認しておきましょう。

融資利用の特約

融資利用の特約とは、通称「ローン特約」と呼ばれるものになります。

住宅の売買では、買主が住宅ローンを利用して物件を購入することが良くあります。

その際、売買契約締結後に、買主が住宅ローンの申込を行うことになりますが、買主が必ずしも住宅ローンの審査に通るかどうか分かりません。

住宅ローンの審査に通らない場合、それでも買主に不動産を契約通りに購入させることは酷な話です。

そのためローン特約においては、ローン審査が通らなかったときは、ノーペナルティーで契約を解除できるという規定を設けます。

これは上述の手付解除とは異なります。

ローン特約による解除は、第三者である銀行に起因して生じた解除原因であるため、手付金は没収しません。

既に受領している手付金は返金するというのがローン特約による解除の特徴です。

まとめ

以上、不動産の売買契約書に出てくる専門用語6つを分かり易く丁寧に解説してきました。

不動産の売却では専門的な言葉が登場してきます。

一つ一つ確認しながら進めて行きましょう。

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