不動産売却における短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いについて徹底解説

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不動産は時間が経つとどんどん価値が下がるため、できれば短期間のうちに売却したいと考えている方も多いと思います。 

ただし、購入してから短期間での売却は、少し注意が必要です。 

仮に売却して譲渡益が出てしまった場合は、個人の場合、所得税及び住民税(以下、所得税等と略)が発生します。しかも、この税率は所有期間の長短で異なってくるのです。

不動産を売却する人の中には、

  • 不動産売却において、短期とか長期って何だろう
  • 不動産売却は所有期間によって税率が異なるって聞いたけど、どうなんだろうか?
  • みんな所有期間はあまり考えずに売却しているみたいだけど、そもそも自分には関係ある話なのだろうか?

等々の疑問を持たれている方も多いと思います。

そこで今回の記事では個人の不動産売却における「短期譲渡所得と長期譲渡所得」についてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは短期譲渡所得と長期譲渡所得について理解し、自分が売却する不動産に関わる話かどうかを見極めることができるようになります。

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1.短期譲渡所得と長期譲渡所得

初めに短期譲渡所得と長期譲渡所得の概要についてご紹介します。

不動産を売却した場合、譲渡益が発生した場合は、所得税が発生します。譲渡益は課税譲渡所得と言われ、以下の式で計算されます。 

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

 上式で計算される課税譲渡所得がプラスであれば、所得税が発生します。

所得税は、以下の計算式で計算されます。 

所得税等 = 課税譲渡所得 × 税率

1-1.短期と長期による税率の近い

ここで、個人が不動産を売却した場合、所有期間によって上式の「税率」が異なることになります。

所有期間は5年以下であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得とされます。それぞれの税率は以下の通りです。 

 所得税住民税合計税率
短期譲渡所得30%9%39%
長期譲渡所得15%5%20%

1-2.制度が出来た背景

なぜこのような税制になっているかと言うと、土地転がしを抑制するためです。

バブル時代は、不動産は持っているだけで価値が上がったため、保有してしばらくしてから売るだけで利益が出ました。

そのため、バブル時代はたくさん儲けるために短期間で土地を売り買いする人が横行したのです。

当時はこのような投機目的を主体とした土地取引が多かったため、本当に不動産を取得して有効に利用したい人が土地を買えないという事態を招きました。

このような投機目的の土地取引を避けるために、短期間で不動産を売却する人には重い税金を課したのが、短期譲渡所得の制度です。

バブルが崩壊して20年以上が経過していますが、制度としては、未だに残っています。

以上、ここまで短期譲渡所得と長期譲渡所得について見てきました。

それでは次に短期か長期かを分ける5年の定義についてお伝えします。

少し細かい話になりますので、所有期間が4~5年といった微妙な人以外の方は、この章は読み飛ばしていただいて構いません。

2.「5年」の定義

所有期間5年というのは、その土地や建物を購入した日から売った日までの期間で計算するわけではありません。

ポイントは、売却した日の属する年の1月1日で判定します。

例えば平成28年中の売却では、平成28年1月1日が判定の基準日となります。

つまり平成28年中の売却の場合、取得日が平成22年12月31日以前のものであれば長期譲渡所得に該当します。

一方で、取得日が平成23年1月1日以後のものであれば短期譲渡所得に該当します。

よって短期譲渡所得と長期譲渡所得の定義は以下のようになります。

短期譲渡所得売却した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの
長期譲渡所得売却した年の1月1日において所有期間が5年以下のもの

以上、ここまで5年の定義について見てきました。

それでは次に取得日の定義について見ていきます。

3.取得日の定義

不動産の購入には、単純に中古物件を購入したり、新築を建てたりすることがあるため、ケースごとによって取得日が異なります。

取得日はケースによって、以下のような定義となります。  

取得のケース取得日の定義
購入した場合引渡日(売買契約の効力発生日とすることもできます。)
建築工事により建物を建築した場合引渡日
自営工事により建物を建築した場合建築の完了日

また譲渡日は原則として引渡の日となります。

例外的に売買契約の効力発生日とすることもできます。

以上、ここまで取得の日の定義について見てきました。

ではこの短期譲渡所得と長期譲渡所得についてですが、次にあなたの不動産売却に関係のある話かどうかについて見ていきたいと思います。

4.所有期間に関係なく使える特例

皆さんの周囲の中には、マンションを購入して2~3年で売却した方もいると思います。

「いや~、マンションが値上がりして少しだけ儲かったよ。売ったタイミングが良かったね。」という話は聞いても、「税金が高くてびっくりした」という話はあまり聞いたことのない人の方が多いのではないでしょうか。

実は、短期間でマンションを売却して売却益を出しても、税金を納めなくても良い場合があります。

それは居住用財産の売却における3,000万円の特別控除を使っているケースです。

個人がマイホームなどの居住用財産を売却した場合、3,000万円の特別控除という制度を適用することが可能です。

ポイントなのが、この制度は所有期間の長短に関係なく使える制度ということです。

この特例を適用できるかどうかは、まず自分の売却する不動産が居住用財産に該当するかどうかを判断することが必要です。

4-1.居住用財産の定義

居住用財産とは、以下の要件に当てはまる不動産を言います。

  • 現に売主本人が居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
  • 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)
  • 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合
  • 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

例えばこの定義に当てはまらない投資用ワンルームマンションやアパート、店舗や事務所などの事業用不動産の売却については、この特例の適用対象とはなりません。

基本的にはマイホームのみが適用の対象となります。

4-2.3,000万円特別控除とは

3,000万円の特別控除を適用すると、課税譲渡所得が以下のようになります。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

バブル崩壊以降は、例え短期間でマンションを売却して売却益が出たとしても、3~4年で3,000万円以上も値上がりすることは、ほとんどありません。

特別控除の特例を適用すると、課税譲渡所得はマイナスとなり、所得税は発生しなくなります。

よってマイホームの売却の場合、結果的に、ほとんどの方が短期譲渡所得や長期譲渡所得については、関係がない話となります。

税率がどうたらこうたらの前に、課税譲渡所得がマイナスとなるため、そもそも税金が発生しないからです。

5.譲渡損失が出た場合

また個人が居住用財産をたとえ短期で売却しても損が出るケースは多いです。

譲渡損失が出た場合は、所有期間の長短に関係なく使える特例があります。

居住用財産の特例については「個人が不動産を売却・買換えした時に使える5つの特例を分かり易く紹介」に詳しく説明しています。

6.まとめ

以上、不動産売却における短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いについて徹底解説をしてきました。

この制度は、投資用ワンルームマンション等を売買している方には特に重要です。

短期で利益を乗せて売り抜ける戦略を持っている方は、所有期間と売却時期にも注意をしましょう。

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