タワーマンションにかかる維持費は?管理費や修繕積立金の相場と購入時の注意点

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タワーマンションにかかる維持費は?管理費や修繕積立金の相場と購入時の注意点

現在、一戸建てや賃貸アパートに住んでいる方は、「管理費」や「修繕積立金」という言葉にあまり馴染みがないかもしれませんが、マンションやタワーマンションを所有すると「管理費」や「修繕積立金」を毎月支払う必要があります。

特にタワーマンションの管理費や修繕積立金は、一般のマンションよりも割高となっていることが多いです。

タワーマンションとは、高さ60m以上、階数でおよそ20階建て以上の住居用建築物を総称して呼ばれており、高さや階数の基準に法的な決まりはない。

一般のマンションでは戸数が多いと管理費や修繕積立金は安くなる傾向にあります。

しかしながら、タワーマンションは戸数が多いにも関わらず、管理費や修繕積立金が割高となる逆転現象が見られます。

では、なぜタワーマンションの管理費や修繕積立金は高いのでしょうか。

  • タワーマンションの管理費・修繕積立金の内訳について知りたい
  • タワーマンションの管理費・修繕積立金が高い理由を知りたい
  • タワーマンションを購入する時の注意点を知りたい

そこで今回の記事では「タワーマンションの管理費と修繕積立金」について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

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目次

マンション所有で発生する費用の種類

最初にマンション(※タワーマンション、一般マンション含む)を所有することで発生する3つの費用の種類についてお伝えします。

  1. 管理費
  2. 修繕積立金
  3. その他の費用

管理費

管理費とは、マンションの共用部を維持・管理していくための費用のこと。

管理費は、主に以下のような項目のために生じる費用となります。

  • 共用部の清掃(廊下・階段・エントランス・集会室・ゲストルーム等)
  • 共用部の水道光熱費(エレベーター・廊下の電気代、散水の水道代)
  • 設備の点検費用(エレベーターの点検費用、給排水・消火設備の法定点検費等)
  • 管理人の人件費(管理人、コンシェルジュ等)
  • 庭の維持管理費用(植栽の剪定、防虫、除草、人工の池や小川の維持)

マンションは、専有部と共用部に分かれていることが特徴です。

共用部とは、エントランスや廊下、階段、エレベーター、集会室、庭、キッチンスタジオ等の居住者が共同で使う空間のこと

管理費については、新築当初から生じるランニングコストであるため、特に増減額されない費用であることが特徴です。

管理費は、マンションの管理組合が管理方法を見直す等のコスト削減の努力をすることで、将来的に下がるケースはあります。

しかしながら、近年のタワーマンションはキッズスペースやコインランドリー、ラウンジ、コワーキングスペース、パーティールーム等の共用施設が充実しており、管理費が高くなることが多いです。

修繕積立金

修繕積立金とは、将来の大規模修繕へ備えるために積み立てていく費用のこと

修繕積立金は、主に以下のような大規模修繕を目的に積み立てていくことになります。

  • 外壁塗装
  • 屋上防水
  • 共用部のひび割れ対応
  • 排水管の高圧洗浄
  • 共用部の空調や照明の更新
  • セキュリティインターホンの交換
  • 玄関扉の交換
  • 給水設備、ポンプの交換
  • エレベーターの更新

修繕積立金は、管理費のように毎月使われる費用ではなく、どちらかというと将来的に使うための貯金に近いです。

居住者全員から少しずつお金を集め、「万が一のとき」や「計画的な修繕」に備えて管理組合が管理しているお金となります。

修繕積立金は、長期修繕計画に基づいて金額が決定されていきます。

しかしながら、築年数が経過するにつれ、多くのマンションは修繕積立金が不足していきます。

そのため、管理費とは異なり、修繕積立金は築年数が経過すると増額されていくことが多いのが特徴です。

その他の費用

その他の費用としては、マンションを所有することで、「駐車場代」や「駐輪場代」も生じます。

マンションの駐車場代は、周辺の月極駐車場よりも割安に設定されていることが一般的です。

例えば、周辺の月極駐車場の相場が月2万円なら、マンション内の駐車場代は月1.5万円のような価格で設定されています。

そのため、マンション内の駐車場が借りられるようであれば、マンション内の駐車場を借りてしまった方が安くなります。

管理費や修繕積立金、駐車場代、駐輪場代等は、一戸建てでは生じないマンション特有の費用となります。

次にタワーマンションの管理費の相場について見ていきましょう。

タワーマンションの管理費の相場

国土交通省が行っている「マンション総合調査結果」によると、マンションの階数別の管理費の平均価格は以下のようになっています。

階数 月・戸当たり平均額
3階建以下 10,895円
4~5階建 12,449円
6~10階建 10,392円
11~19階建 10,590円
20階建以上 15,726円
全体平均 10,970円

タワーマンションは、一般的に60m以上のものを指すことが多いため、階数としては20階以上(階高が3mの前提)のものがタワーマンションの部類に該当してきます。

統計上、管理費は20階建以上となると全体平均の約1.5倍程度となっており、割高です。

次にタワーマンションの管理費が割高な利用についてお伝えします。

タワーマンションの管理費が割高な理由

タワーマンションの管理費が割高な理由は、タワーマンションは通常のマンションにはないサービスが多いからです。

タワーマンションは富豪層向けのマンションが多く、コンシェルジュ(受付)やドアマンがいる物件が多く、中には条例で管理人が常駐と義務付けられている規模のマンションも多いです。

そのためタワーマンションの管理費が高いのは、管理人の人件費が高いのが理由として挙げられます。

また、タワーマンションの特徴として、1階のエントランスがガラス張りで天井が非常に高い物件も多く、ガラス張りで広い空間は空調効率が低いため、水道光熱費が高くなります。

廊下も内廊下で空調費がかかり、エレベーターの本数も多いことから水道光熱費が高くなりやすいです。

さらに、タワーマンションでは、建築時に容積率の割り増しを受けるため、公開空地と呼ばれる庭を義務付けられていることが多いです。

  • 容積率とは、敷地面積に対する建築延べ面積の割合のこと
  • 公開空地とは、オープンスペースの一種。1971年に創設された総合設計制度に基づいて設置され、開発プロジェクトの対象敷地に設けられた空地のうち、一般に開放され自由に通行または利用できる区域のこと

公開空地は一般的に落葉樹が多く清掃の手間もかかり、人工の小川等の水辺が設置されることも多く、庭の維持費が高くなります。

ここまでタワーマンションの管理費の相場、管理費が高い理由について見てきましたが、次にタワーマンションの修繕積立金について見ていきましょう。

タワーマンションの修繕積立金の相場

国土交通省が行っている「マンション総合調査結果」によると、マンションの階層別の修繕積立金の平均価格は以下のようになっています。

階数 月・戸当たり平均額
3階建以下 9,745円
4~5階建 13,147円
6~10階建 11,252円
11~19階建 10,053円
20階建以上 12,305円
全体平均 11,060円

修繕積立金も、統計上、タワーマンションが該当する20階建以上は全体平均の1.1倍程度となっており、割高です。

タワーマンションの修繕積立金が「12,305円」となると感覚的には少し安過ぎる感じがします。

上記の数字は、あくまでも全体の平均であるため、築年数が浅い物件も含まれているので安くなりやすいです。

タワーマンションは、全体的に築年数の浅い物件が多いため、全体平均を取ってしまうと、少し金額が低めに出てしまいます。

感覚的には、タワーマンションの修繕積立金は、築10年目から20年目あたりだと月2~3万円となる物件が多いです。

タワーマンションの修繕積立金が割高な理由

タワーマンションの修繕積立金が割高な理由は、ほとんどの設備が特注品であることが大きな理由です。

特定のタワーマンションのために作った1点物の大規模な設備が多いため、量産品での交換ができないものが多くなっています。

また、タワーマンションは特殊な仕様となっていることから、修繕の依頼先としてマンションの元施工会社(建築したゼネコンのこと)を実質的に外せないケースが多くなっています。

そのため、他の施行会社と相見積を取ってコストを下げるという対応がしにくくなっており、割高の原因となっています。

これまでタワーマンションの修繕積立金の相場、修繕積立金が割高な理由について見てきましたが、次にタワーマンションを購入する際のチェックポイントについてお伝えします。

タワーマンション購入時のチェックポイント

タワーマンションを購入する際は、長期修繕計画で修繕積立金の値上げのスケジュールを確認することが重要です。

タワーマンションには、新築購入時に修繕積立一時金があり、毎月の修繕積立金が低く設定されていることが多いです。

修繕積立一時金とは、概ね5年分の修繕積立金を前払いしている金銭のこと

5年に一度の修繕積立一時金は金額負担が重いので、竣工後はマンションの管理組合によって撤廃されるケースが多いです。

撤廃される代わりに毎月の修繕積立金に上乗せされるため、修繕積立金は5年目から跳ね上がるケースが多くなっています。

※5年や10年単位での修繕積立一時金を撤廃せず、支払いが必要な設定になっている長期修繕計画もなかにはあるので、しっかりチェックしておきましょう。

また、マンションでは、当初の長期修繕計画以外でも別の修繕工事を行うことが良くあります。

例えば、太陽光パネルを設置や、共用部の電気を蛍光灯からLEDに交換する等の工事です。

このような修繕工事は新築時には見込んでいなかったため、マンションの修繕費は当初の計画よりも不足していくことが良くあります。

そのため、修繕積立金は5年毎に見直され、増額されていくことが多いです。

タワーマンションの購入時に、修繕積立金が今後どのように増えていくのかを仲介会社によく確認することが重要です。

新築時は月5,000円程度であったものが、築20年も過ぎると3.5万円程度になっていることがよくあります。

10年もしたら修繕積立金は月2~3万円くらいになることをイメージしながらタワーマンションの購入を検討してみてください。

タワーマンションのエレベーターリスク

タワーマンションは、耐震性が強いマンションが多いので、原則として災害には強いです。

しかしながら、停電が発生してしまうと、エレベーターが停止し、高層階の人は大変苦労するという問題があります。

2019年10月の台風19号の影響で、武蔵小杉駅近くにある47階建てタワーマンションの地下にある配電盤が浸水で壊れ、台風の日から10日以上、停電と断水によって不便な生活を強いられるケースがありました。

一般的に、電気は最も早く復旧するインフラですが、近年は台風によって送電線がなぎ倒され長期の停電が生じる例もありますので、購入時は災害時の対応や設備状況も確認して物件を検討するようにしましょう。

まとめ

タワーマンションの管理費と修繕積立金について解説してきました。

タワーマンションの管理費や修繕積立金の相場は、管理費が15,726円、修繕積立金が12,305円となっています。

タワーマンションは修繕積立金が5年毎にアップしていくことが多く、購入時に今後の修繕積立金がどのように上昇していくのか管理組合に確認しておくことが重要となります。

また、タワーマンションは災害時に停電でエレベーターが停止するリスクもあり、災害時の対応がどのようなものか、設備状況等を確認しながら購入を検討するようにしてください。

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