土地活用

空いてる土地の活用方法・手順と損しないために知っておくべき全知識

投稿日:

せっかくの土地も何もしなければ固定資産税がかかるばかりで、お荷物の存在になります。

土地は活用することで、初めてお金を生み出す資産に変わります。

ただ、土地の活用は多額のお金がかかり勇気もいるため、とても億劫です。

空いてる土地をお持ちの方の中には、

  • どうやって土地を活用すべきか迷っている
  • 銀行からアパート建築を勧められているが気がのらない
  • 維持費ばかりかかる空いてる土地をなんとか活用したい

等々のことを思っている方も多いことでしょう。

空いてる土地の活用を行うには、「決断」という最大の仕事をする必要があります。

決断をするには判断をするための知識が必要になります。

そこで今回の記事では、「空いてる土地の活用」にフォーカスにフォーカスしてお伝えいたします。

筆者は最終的にはプロに相談するのが一番だと考えています。

ただし、知識がないまま、ただただ言われたままの土地活用を行っていると損をする可能性があるのです。

この記事を読めば、あなたは空いてる土地を活用するための基本的な知識を習得し、土地活用の方向性を見出すことができますので、必ず目を通してください。

1.最初に公法上の規制の確認を行う

1-1.用途地域かどうかを確認

土地活用を考える際、まず知らなければいけないのが、日本と土地には、どこにどのような建物を建築することができるかを定めたゾーニングが決まっているという点です。

このゾーンは商業系、このゾーンは住宅系と、建築できる用途はエリアごとに細かく規制されています。

まずは、土地所有者は自分の土地には何が建てられるのかを知ることが必要です。

このような土地の用途規制を定めたエリアを「用途地域」と言います。

用途地域には、住居系が7種類、商業系が2種類、工業系が3種類の計12種類の定めがあります。

用途地域は定められていないエリアもありますが、人口が集中している都市部では、基本的に定められているところが多いです。

国内の土地は、都市計画法により下図のようにゾーニングがされています。

日本の国土イメージ

用途地域のイメージ

1-2.用途地域の簡単な調べ方

図の最上段に「用途地域」があります。

用途地域は、主に市街化区域と呼ばれる都心部を中心に定められています。

用途地域に関しては、首都圏及び大阪、愛知については、「地図蔵」で簡単に調べることが可能です。自分の所有地が何の用途地域に属するのかを確認してみましょう。

尚、地図蔵で色の塗られていない地域は、用途地域が「無指定」となっている地域です。

無指定のエリアでは、床面積が10,000㎡超の店舗・飲食店は建てられないという規制がありますが、それ以外の建物は原則的に建築が可能です。

但し、無指定のエリアはそもそも賃貸需要がほとんど存在せず、土地活用そのものが困難なエリアになっています。

1-3.駐車場で活用方法を呼び込む方法

賃貸需要が低い土地活用は、駐車場が有力候補になります。

駐車場の土地活用については、下記記事に詳しく記載しています。

土地を駐車場として活用する前に知っておくべき全知識

遊んでしまっている土地をそのままにしておくよりは、とりあえず駐車場にでもしておこうかと思われている方も多いと思います。 駐車場は、初期コストも低く、土地の暫定利用としては一番簡単な土地活用です。 これ ...

続きを見る

尚、空いてる土地の活用方法に迷った場合、活用方法を呼び込むために、とりあえず駐車場にしておくという方法があります。

駐車場という暫定利用の状態にしておくことで、事業者や不動産会社から、「貸してもらえませんか?」とか、「売却しませんか?」と話が持ち込まれます。

駐車場にしておくと、「土地活用に悩んでいます!」とアピールしているようなものなので、色々な方が提案を持ち掛けてくるということは、良くある話です。

あえて駐車場にすることで、空いてる土地の活用方法を見つけるという方法もあります。

以上、ここまで公法上の規制の確認からについて見てきました。

それではより具体的に用途地域にどんな建築が可能なのかを見ていきましょう。

2.用途地域と建築可能な建物

2-1.用途地域と建築制限

用途地域別に建築可能な建物は、下表のように定められています。

活用の種類  1種低層 2種低層 1種中高層 2種中高層 1種住居 2種住居 準住居 近隣商業 商業 準工業 工業 工業専用 無指定
神社、寺院、教会、巡査派出所、診療所、公衆浴場、保育所等
住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿 ×
住宅に付随する店舗・事務所等 ×
老人ホーム、身体障害者福祉ホーム等 ×
幼稚園、小学校、中学校、高等学校 × ×
美容院・店舗・飲食店(2階以下かつ150㎡以内) ×
店舗・飲食店(2階以下かつ500㎡以内) × ×
自動車車庫(2階以下かつ300㎡以内) × ×
大学、高等専門学校、専修学校、各種学校 × × × ×
病院 × × × ×
事務所 × × ×
店舗・飲食店(1,500㎡以内) × × ×
自動車教習所 × × × ×
工場(原動機を使用し、床面積50㎡以内) × × × ×
店舗・飲食店(3,000㎡以内) × × × ×
ボーリング場、スケート場、水泳場 × × × × ×
ホテル、旅館 × × × × × ×
カラオケボックス、ダンスホール × × × × ×
マージャン屋、パチンコ屋、馬券投票券発売所 × × × × × ×
店舗・飲食店(3階以上または10,000㎡以内) × × × × ×
自動車車庫(3階以上または3,000㎡以内) × × × × × ×
自動車修理工場(床面積150㎡以下) × × × × × ×
倉庫業を営む倉庫 × × × × × ×
工場(原動機を使用し、床面積150㎡以内) × × × × × × ×
工場(原動機を使用し、床面積150㎡超) × × × × × × × × ×
劇場、映画館(客席の床面積200㎡未満) × × × × × × × ×
劇場、映画館(客席の床面積200㎡以上) × × × × × × × × ×
店舗・飲食店(床面積10,000㎡超) × × × × × × × × × ×
キャバレー、料理店、ナイトクラブ × × × × × × × × × ×
個室付浴場業に係る公衆浴場 × × × × × × × × × × ×
卸売市場、火葬場、汚物処理場、ごみ焼却場 × × × 都市計画でその敷地の位置が決定しているものは建築可能

2-2. 第一種低層住居専用地域

「第一種低層住居専用地域」は最も用途規制が厳しいエリアです。

150㎡以内の店舗も建築できませんので、コンビニ等の店舗用地としての活用もできません。

また高さ制限もあるため、共同住宅は建築できても高層マンションのような共同住宅は建てられません。

第一種低層住居専用地域は賃貸事業ができる可能性は非常に限られています。

第一種低層住居専用地域における土地活用は、アパートか、戸建賃貸、保育園、老人ホーム程度になります。

2-3.店舗用地

店舗に関しては、床面積によって建築可能な用途地域がかなり細かく分かれています。

第一種低層住居専用地域から第二種中高層住居専用地域までは、店舗面積が小さいため、商業利用があまり期待できないのが現実的です。

「第一種住居地域」以降は、3,000㎡以内の店舗の建築が可能になります。

3,000㎡あれば、食品スーパーなどが出店してくる可能性があるため、店舗用地として活用できる範囲がかなり広がります。

さらに「第二種住居地域」以降は10,000㎡以内の店舗が出店可能な建て、家電量販店やホームセンターといった大型店舗も出店してくる可能性はあります。

以上、ここまで用途地域と建築可能な建物について見てきました。

それでは次に用途と賃料の関係について見ていきます。

3.賃料単価ランキング

建物の用途や階数等によって、「賃料単価」は異なります。

賃料単価の高いものからランキングすると、以下のようになります。

順位 用途 備考
1位 路面店の1F店舗 1Fの路面店舗は最も顧客を入店させやすいため賃料が高いです。コンビニ等の物販系の店舗は賃料が高く、美容院等のサービス系の店舗は賃料が下がります。
2位 事務所・2F以上の店舗 事務所は1F店舗の次に賃料が高いです。店舗は2F以上となると、階数が上がるごとに賃料が下がっていきます。2F以上の店舗は、診療所や塾等です。
3位 ワンルームマンション 住居系の中では面積の小さいワンルームマンションが最も賃料単価が高いです。
4位 ホテル 一棟貸のホテルは、地方都市でも需要があります。都内などの場合、賃料単価は事務所よりは低くなります。
5位 ファミリータイプマンション ファミリータイプのマンションは面積が大きく、需要も低いため、賃料単価としてはワンルームマンションよりも下がります。
6位 老人ホーム、保育園 補助金事業系の介護施設や保育園等は、収益性が低いため、家賃があまり出ません。
7位 倉庫 倉庫は高速のIC近くに広大な土地がある場合、地方でも需要があります。倉庫適地であれば、全国的にあまり賃料差は見られません。
8位 B1以下の店舗賃料 地下階の店舗は視認性が劣り顧客が入店しにくくなるため、賃料が低いです。また工事費も高額になり投資効率も劣ります。
9位 事業用定期借地権の地代 地代と家賃は単純に単価比較ができませんが、土地活用で得られる総収入としては、一般的に地代は家賃よりも劣ります。
10位 時間貸し駐車場 時間貸し駐車場は事業用定期借地の需要のある土地と比較すれば、一般的には劣ります。

尚、これらのランキングはあくまでも一般的な見方であり、エリアによって異なります。

特に商業系の需要が弱いエリアであれば、事務所よりも住宅の方が賃料は高いといった地域も存在します。

以上、ここまで用途と賃料の関係について見てきました。

それでは次に用途と需要の関係について見ていきます。

4.用途と需要の関係

4-1.賃料単価の高い用途から検討する

前章で示したように、賃料単価は用途によって異なることが分かりました。

賃料単価を考慮すると、なるべく店舗系の建物を建築した方が投資効率は高いと言えます。

そのため、空いてる土地の活用の考え方のポイントとしては、なるべく賃料単価の高い用途から検討し、可能性を消去法によって潰し、最適な土地活用を見つけることになります。

まずは商業系の土地活用の可能性を探り、それが無理であれば住居系、さらには老人ホームや保育園といった用途を探ります。

同じ住居系の中でも、まずはワンルームの可能性を探り、次にファミリータイプの用途を探ってみます。

4-2.商業立地の土地活用

例えば、東京の銀座の土地活用を考えてみます。

東京の銀座は、日本で最も家賃の高いところですが、その高い家賃を出せる用途は商業系の店舗です。

銀座でも住宅を借りる人はいますが、住宅よりも店舗の方が家賃は高いため、住居系の用途を探る前に店舗用地としての活用が決定します。

4-3. 第一種低層住居専用地域の土地

次に、地方の駅から15分離れた第一種低層住居専用地域の土地活用を考えてみます。

この土地は、第一種低層住居専用地域内の土地であるため、法律で商業系を建てることはできません。

そのため住居系を考えることになりますが、駅から15分も離れているため、ワンルームの需要はほとんどありません。

そのため、この土地の活用方法としては、ファミリータイプのアパートが第一候補となります。

しかしながら、駅から15分以上離れていれば、やはりファミリータイプの賃貸需要も低いです。

そこで次に老人ホームや保育園の一棟貸の需要がないかどうかを探っていきます。

老人ホームは駅から離れていても、バス停から近ければ賃貸需要が存在します。

そのような土地であれば、老人ホームの需要を探っていくことになります。

老人ホームや保育園は補助金事業であるため、賃料は低いですが撤退リスクも低いというのが特徴です。供給過剰感のあるアパートよりはオススメです。

但し、行政の認可事業であるため、どこでも出店するわけではありませんが、出店希望があれば検討する価値は十分にあります。

4-5.郊外での商業利用

一方で、第一種低層住居専用地域以外の郊外の土地も、最初は商業利用を中心に検討を始めます。

例えば、郊外の土地活用の商業系で代表的なものはコンビニです。

コンビニはアパートよりも投資効率が高いため、コンビニが出店するようなエリアであれば、まずはアパートよりも先にコンビニを検討してみます。

コンビニ投資については、下記に詳しく解説しています。

甘い話に要注意!土地活用でコンビニに貸す前に知っておきたい全知識

郊外に行くと、ものすごく広い土地にポツンとコンビニが建っているのを見かけます。 コンビニへの賃貸は、今では土地活用の最有力候補の1つです。  コンビニで土地活用を考えている人の中には コンビニって土地 ...

続きを見る

以上、ここまで用途と需要の関係について見てきました。

それでは次に用途と土地の規模の関係について見ていきます。

5.用途と土地の規模の関係

5-1.土地の大きさでも建物は決まる

用途地域や市場性の他にも、土地活用を決定付ける大きな要因があります。それは敷地の規模です。

例えばマンションが建てられる第一種中高層住居専用地域であっても、30坪程度の一戸建てしか建てられないような土地であれば、賃貸マンションによる土地活用を行うことはできません。

用途地域で建てられるものが決まっていても、土地の大きさ次第では建てられないものも多くあります。

狭い土地の活用方法としては、小規模アパートや戸建賃貸などが有力候補になります。

また商業立地であれば、小さな店舗用地としての活用も可能です。

5-2.広い土地ほど悩ましい

一方で、広い敷地も選択肢が多いため、悩ましい問題があります。

土地が広いと、色々な建物が建てられる可能性があるため、広い土地ほど用途地域の規制が足かせになります。

例えば、第一種低層住居専用地域の広い土地を賃貸事業で活用するとなると難しいです。

戸建分譲用地として売却することも考えられますが、自分で活用しようとすると、選択肢が限られます。

第一種低層住居専用地域の広い土地で最も典型的な活用方法は、老人ホームです。

老人ホームであれば、広い土地に1つの建物を建築して、それを一棟貸とすることも可能です。

一般的に、広い土地の方が用途の多様性が生まれるため、価値は高くなる傾向にあります。

ただ、用途の多様性があると、逆に何に活用したら良いのか迷う場合もあります。

このような場合は、賃料単価の高い用途から一つ一つ可能性を消していき、その中で最も賃料単価の高い土地活用の方法を選ぶようにしましょう。

以上、ここまで用途と土地の規模の関係について見てきました。

それでは次にボリュームチェックについて見ていきます。

6.知っておきたい「ボリュームチェック」

6-1.ボリュームチェックとは

土地活用では、初期の段階でどの程度の大きさの建物が建築できるか簡単な建物設計図を描きます。これをボリュームチェックと言います。

ボリュームとは建物容積のことです。建物がどの程度の容積を消化できるか確認することをボリュームチェックと言います。

ボリュームチェックを行うにあたり、重要な規制があります。それは「容積率」です。

容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合のことを指します。容積率は、用途地域とともに、市区町村が割合を指定します。

6-2.容積率が建物の大きさを決める

例えば、容積率が200%の土地があったとします。この土地に敷地目いっぱいの床面積で建物を建築したとします。

敷地目いっぱいに建てた場合、平家建であれば、容積率は100%です。

2階建てであれば、200%になります。容積率が200%と指定されている土地であれば、これ以上建物を大きくするとはできません。

この調子で敷地目いっぱいの3階建ての建物を建てると、容積率が300%となってしまうため、違反建築物となります。

ただし、容積率とはこのように単純な話で終始するわけではありません。

例えば、同じ容積率200%の土地に、敷地面積に対して1階部分の床面積が50%の建物を建てるとします。

この場合、50%×4=200%となるため、4階建ての建物を建てることができます。

つまり、容積率とは、建物を細くすれば、建物が高く建てられる規制となります。

ところが、話はさらに複雑です。敷地には容積率の他に、日影規制、道路斜線制限、隣地斜線制限等の建物高さに影響を与える規制も加わります。

また前面道路の幅員が12m未満の道路であれば、道路幅員が狭いほど容積率が下がると言う規制もあります。

そのため、建物がどれほどの容積を消化できるかについては、一級建築士による設計を行わないと、把握することができません。

一級建築士による最初の容積確認のための図面をボリュームチェック図面と言います。

ボリュームチェック図面は、ハウスメーカーであれば社内に一級建築士がいますので、無料で制作してくれます。

プランニングが気に入らなければ、何度でもサービスで書き直してくれます。

6-3.ボリュームチェック依頼時の注意点

但し、「ハウス」メーカーは住宅が専門であるため、基本的にはアパートやマンション、戸建賃貸と言った住宅系の図面しか出てきません。

またハウスメーカーは基本的にファミリータイプの賃貸住宅の建設が得意のため、放っておくと、ファミリータイプの賃貸住宅しか出てきません。

ハウスメーカーはファミリータイプの賃貸住宅を工場生産しており、ハウスメーカーの規格に合ったファミリータイプのアパートを建築することが、ハウスメーカーにとって最も利益率が高いためです。

そのため、どうみてもワンルーム用地と思われる駅前の土地であっても、平気でファミリータイプのアパートを提案してきます。

立地条件の良い土地ほど、ハウスメーカーのペースに巻き込まれないように注意が必要となります。

商業系や老人ホーム等の場合は、テナントが図面を描いて提案してきます。

住宅系以外の場合には、テナントからの図面もセットでの提案が基本になります。

ハウスメーカーは、商業系のテナント探索が弱く、商業系のテナント誘致を依頼しても、あまり良いテナントを連れてきてはくれません。

商業系のテナント誘致に関しては、不動産会社の力を借りるのが良いでしょう。

6-4.容積率は必ずしも消化しきる必要はない

尚、ボリュームチェックで検討した図面ですが、建物は必ずしも容積を消化しきることが最も良い活用方法とは限りません。

例えば、ボリュームチェックの結果、3階建ての店舗ビルが建てられるような敷地があったとします。

しかしながら、そのエリアでは3階部分にテナントが入居するようなことがほとんどないエリアであれば、3階建てにしてもずっとテナント集めに苦戦し続けるビルになってしまいます。

このようなケースではあえて3階建てとはせずに、2階建てで投資を押させるという判断が必要になります。

このような判断は、設計や請負工事業者はしてくれません。

土地オーナーが自ら判断しなければならない部分ですので、慎重に判断を行いましょう。

テナントが埋まらないような大き過ぎる建物を造ることは要注意です。

以上、ここまでボリュームチェックについて見てきました。

それでは次に一棟貸はテナント有りきが基本について見ていきましょう。

7.一棟貸はテナント有りきが基本

7-1.一棟貸のメリット

個人が行う土地活用で、一棟貸は有力な活用方法です。

一棟貸とは、建物一棟を丸々1つのテナントに貸す活用です。

具体的には、老人ホームを老人ホーム運営会社に、コンビニをコンビニ本部に一棟丸ごと賃貸することを一棟貸と言います。

それに対して、何社もテナントが入居しているオフィスビルや、何世帯もあるアパートなどは、マルチテナントと言います。

一棟貸は、決まると空室率がゼロで、賃料も安定的に入り、管理の手間がほとんどかからないというメリットがあります。

7-2.一棟貸のデメリット

一方で、一棟貸はテナントが退去してしまうと、全部空室となってしまうため、退去リスクがとても高いです。

また建物もそのテナント仕様で建てることが多く、そのテナントが退去してしまうと他のテナントを探すのが困難になるというデメリットがあります。

マルチテナントは、一棟貸のメリットとデメリットがちょうど反対の関係にあります。

一棟貸でプロの投資家が気にする点は、退去リスクです。プロの投資家は不安定な要素を敬遠するため、どちらかと言うと一棟貸は好まれません。

7-3.一棟貸は個人投資家向け

一方で、個人投資家にとっては、一棟貸は管理の手間がほとんどかからず、賃料も安定しているため、退去リスクのデメリット以上に魅力的です。

一棟貸は、個人投資家向けの土地活用と言ってもいいくらいです。

ただ、一棟貸を検討する場合は、「テナント有りき」というのが基本です。

例えば、老人ホームが入るであろうという前提で、老人ホームを勝手に作ることはしません。

老人ホームやコンビニ等の一棟貸の場合、あくまでもテナント側から「この土地に出店したいです」という申し出があることが基本になります。

一棟貸の場合、テナントがボリューム図面や賃料等を全てセットで提案してきます。

一棟貸は、土地所有者側から建物に関して口をはさむ余地がないため、とても楽です。

一棟貸で借りてくれるようなテナントがいないかについては、不動産会社に依頼してテナントを探索してもらいましょう。

以上、ここまで一棟貸はテナント有りきが基本について見てきました。

それでは次に気になる人気の定期借地事業について見ていきましょう。

8.人気の定期借地事業

8-1.定期借地事業とは

空いてる土地の活用を考えるうえで、今や定期借地事業の選択肢は外せません。

定期借地事業は、建物投資を伴わず、安定的に地代収入だけが入ってくるため、メリットがあります。

またいずれ土地も確定的に戻ってくることから土地を貸しても安心です。

平成4年に創設された定期借地権は、地主の間でも徐々に浸透してきました。

定期借地権は、更新がないという点が最大の特徴です。

従来の普通借地権は、地主が土地を返して欲しいと言っても、法定更新されてしまい、多額の立退料を支払わないと土地が一生戻ってこないという問題がありました。

さらに低廉な地代もなかなか上げることができず、借地事業は土地所有者にとって不利な点が多く存在していました。

8-2.定期借地権の種類

このような普通借地の欠点を解消してくれたのが定期借地です。

定期借地には、「一般定期借地権」、「建物譲渡特約付借地権」、「事業用定期借地権」の3種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。

種類 一般定期借地権 建物譲渡特約付借地権 事業用定期借地権
存続期間 50年以上 30年以上 10年以上30年未満 30年以上50年未満
利用目的 限定なし 限定なし 事業用建物(居住用は不可)
契約書式 公正証書等の書面により契約 書面化は不要 必ず公正証書で契約する

8-3.オススメは事業用定期借地権

定期借地権の中で、地主にとって最も使い勝手の良いものは、期間の短い事業用定期借地権です。

コンビニや食品スーパー、家電量販店、ショッピングモール、倉庫、ホテル等で幅広く利用されています。

定期借地事業では、建物はテナントが建てるため、建物所有者はテナントになります。

そのため、土地所有者に建物の修繕義務はありません。またテナントが建物投資を行ってまでも出店するため、退去リスクが極めて低いこともメリットです。

定期借地事業では、建物を建てた場合と比較して、総収入が低いというデメリットがあります。

その一方で、修繕費用や借入金返済、退去リスク等に悩まなくて済むというメリットがあります。

定期借地事業は、一度、不動産賃貸業を行ってもう懲りたという土地オーナーにとても人気です。

手間いらずで、安定収入が得られることから、過去に不動産賃貸事業で苦労したことのある人に、受け入れられています。

8-4.定期借地権の注意点

但し、定期借地事業は期間が長いがゆえに、注意点があります。それは保証金の預り額です。

事業用定期借地事業では、土地所有者のリスクがほとんどありません。

唯一考えられる点は、テナントが夜逃げして建物だけが残ってしまうというリスクです。

そこで、建物取壊し費用相当分をテナントから保証金として預かる方がいます。しかしながら、これにも落とし穴があります。

事業用定期借地権は、契約期間が長いため、契約時と退去時の間で相続が発生していることが良くあります。

親が多額の保証金を預かっても、返すのが子供になるようなケースも多いです。

子供は多額の保証金を預かっているわけではないため、テナント退去時に保証金を返すお金がありません。

親である地主がリスクヘッジし過ぎて保証金を預かり過ぎると、相続で子供たちに迷惑がかかることがあります。

テナントの夜逃げリスクについては、テナントの経営状況を見て、ざっくりと判断するしかありません。預かる保証金はほどほどにして、定期借地事業を契約するようにしましょう。

以上、ここまで人気の定期借地事業について見てきました。

それでは次に立地を見直すについて見ていきます。

9.立地を見直す

9-1.賃貸事業は立地産業

商売をやるうえで、立地はとても重要な要素です。

不動産賃貸業はまさに立地産業であるため、場所が悪ければ全く儲かりません。

空いてる土地を活用する上で、全く有効な土地活用手段が見つからないことが良くあります。

借手がたくさんいれば悩みませんが、借手がいないから土地活用は悩ましいのです。

そこで、土地活用を考える場合、先祖代々から持っているその土地へのこだわりを捨てるという考え方が必要となります。

9-2.売却を検討する

どんなに手を尽くしても有効な空いてる土地の活用方法が見つからない場合、その土地を売却して新たな土地に買換えるという方法があります。

買換えに難色を示す土地所有者もいますが、売却できる資産を持っているというのは、大きな強みです。

土地を持っていない人は、一から資金を作って土地購入から始めなければいけないため、土地を売却できるというのは大きなアドバンテージになります。

土地活用の難しい土地は、「どうせ買う人なんかいない」と思う方も多いのですが、売却については、基本的に売れない土地はありません。

売れない土地とは、要は値段が高過ぎる土地と言えます。

借手もいない、活用方法も見いだせないという土地は、価値も低くて当然です。

このような土地はそれ相応の価格でしか売却できませんが、逆に適正な価格設定を行えば売却はできるということです。

売却に関しては、しっかりと査定を行い、きちんと売却できる価格を調べてから売却を行うようにしましょう。

不動産一括査定は大丈夫?利用者のリアル評判とデメリットまとめ

不動産を売りたいと考えていてインターネットで色々なサイトを見ていると「不動産一括査定」や「不動産売却の一括査定」がよく紹介されていると思います。 そこであなたも下記「ひよこ生徒」のような疑問や不安があ ...

続きを見る

9-3.収益物件を購入する

売却後は、その資金を元手に新たな不動産を購入します。

この際、土地を購入するのではなく、既に出来上がっている収益物件を購入するのがオススメです。

収益物件であれば、既に賃料収入が発生していますので、すぐにキャッシュが手に入ります。

更地を買ってしまうと、再び「何を建てようか」と悩むことになりますが、出来上がりの収益物件を購入すれば、その心配もありません。

空いてる土地を売却して、都心部の収益物件を購入することは、立派な資産活用と言えます。

なお、更地の買換えについては、特定事業用資産の買換え特例を適用することが可能です。

特定事業用資産の買換え特例については、下記記事に詳しく解説しています。

特定事業用資産の買換え特例(9号買換え)を図解を用いてカンタンに解説

親から相続した田舎の土地、固定資産税かかかるばかりでメリットがありません。 なんとか有効活用したいものの、借りる人も誰もおらず困っているのが実情ではないでしょうか。 収益性の低い不動産を持っている方は ...

続きを見る

10.まとめ

以上、空いてる土地を活用するにはどうすべきか基本的な知識や考え方を紹介について見てきました。

土地活用は、賃料単価の高い活用方法から消去法形式で考えていきます。

良い活用方法が見つからなければ、場合によっては売却も検討するという柔軟な発想も必要です。

まずは用途地域を調べ、どのような建物を建てることができるのか、確認することから始めましょう。

これで損しない!不動産を売るなら不動産一括査定

不動産を高く売るなら「不動産一括査定サービス」をがおすすめ。

不動産一括査定サービスとは、インターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入力すると、その情報を元に査定先、売却先の不動産会社が自動的に抽出されて、複数の不動産会社に一度に査定依頼が行えるサービス

不動産売却の一括査定サイトはいくつかありますが、複数の不動産会社をきちんと比較できるサイトを厳選して紹介します。

中でも筆者はNTTグループが運営しており、「個人情報をしっかり管理」「NTTによる厳しい審査を通過した不動産会社のみ提携」「運営歴、利用者数がNo.1」のHOME4Uをオススメしています。

不動産売却を成功させるカギが「信頼できる不動産会社」を見つけられるかです。

まずは、HOME4Uで依頼できる不動産会社を確認する。

あまり不動産会社が見つからないということであれば、リガイドも同時に利用することをオススメします。

下記が主流なサイト一覧と各サイトの特徴です。

※入力項目に「延床面積」と「土地面積」があります。延床面積の目安として、「4人家族/一戸建て/4LDK」で40坪(130㎡)が平均です。

安心のNTTグループ運営、実績・歴史No.1「HOME4U」

HOME4U
  • 安心のNTTグループ運営、個人情報をしっかり管理
  • 2001年から運営と一括査定でNo.1の老舗
  • 累計利用者数:500万人以上で一括査定No.1
  • 入力約3分でのかんたん一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 提携不動産会社数:約550社

最大手6社の査定相談だから安心「すまいValue」

すまいValue
  • 超大手不動産会社6社のみだから安心!
  • 入力約3分でのかんたん一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応(田舎などは対応していない)
  • 年間の成約件数:10万件の実績

※一部の田舎では対応していないため、その場合は最初に紹介した「HOME4U」をオススメします。

悪徳不動産会社を徹底排除「イエイ」

イエイ
  • 悪徳の不動産会社を徹底排除
  • サポート代行によるお断りサービスあり
  • 入力約3分でのかんたん一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 累計利用者数:300万人以上
  • 提携不動産会社:1,000社以上

おすすめ記事一覧

1

不動産を売りたいと考えていてインターネットで色々なサイトを見ていると「不動産一括査定」や「不動産売却の一括査定」がよく紹介されていると思います。 そこであなたも下記「ひよこ生徒」のような疑問や不安があ ...

2

不動産を売却する際、いくらくらいで売れそうなのか、査定を行うことから始めます。 不動産査定は、不動産売却の第一歩です。 色々調べていると、不動産査定が行えるサイトはたくさんあります。 あなたもきっと下 ...

3

一生の中でマンションを売却する機会はそう多くありません。 つまり多くの人は、マンションの売却には慣れておらず、そもそも何から始めたらいいのか分からない人がほとんどです。 あなたも上記のひよこ生徒のよう ...

4

突然ですが、あなたは不動産買取の仕組みをしっかりと理解しているでしょうか。 仕組みといわれると難しい感じがしますが、不動産は車やブランドバッグのように、会社そのものが買うことが少ないです。 いわゆる「 ...

-土地活用

Copyright© 不動産売却の教科書 , 2017 All Rights Reserved.