不動産査定ソフトの中にはどのようなものかご存知でしょうか?
こんな悩みをスッキリ解消!
- 不動産査定ソフトのオススメを知りたい
- 不動産査定ソフトの無料ソフトを知りたい
そこで、今回の記事では不動産査定ソフトの種類とオススメについてお伝えします。
不動産査定ソフトの種類とできること、筆者がオススメする不動産査定ソフトと使い方などをご紹介いたします。
本記事のポイントまとめ
- 一般の方が使える不動産査定ソフトというものはない
- HowMAのような査定サイトを使えば、難しいことを考えずに、瞬時に価格を出すことが可能
- 少しでも売却を検討しているなら、最初から不動産会社に査定依頼する
※詳細は「少しでも売却を検討しているなら不動産会社で査定」に解説しています。
不動産査定ソフトの種類とできること
一般の方にはあまり馴染みはない話になりますが、今回は不動産査定ソフトについてご紹介していきます。
価格を出したいのであればソフトではなくサイトを使う
現代では個人の居住用不動産であれば、「HowMA(ハウマ)」に代表されるようなホームページ(サイト)の方が、不動産査定ソフトより簡単に無料で査定を行うことができるようになりました。
もし仮にとりあえず価格を出したいということであれば、HowMAや、HOME’Sプライスマップ、IESHIL(イエシル)といった無料査定サイトのご利用をオススメします。
不動産査定ソフトは周辺の取引事例などを集める必要がありますので、あくまでもプロの業者向けの位置付けです。
無料査定サイトであれば、サイトがオンタイムの取引事例に基づいて査定してくれますのでとても便利です。
それではここから不動産査定ソフトについて説明していきます。
有料ソフト①:価格査定マニュアル
では、ここから不動産査定ソフトについて解説します。
まず不動産業界の方が使う最もポピュラーな不動産査定ソフトは公益財団法人不動産流通推進センターが提供している「価格査定マニュアル」になります。
従来、価格査定マニュアルはCD-ROM版しかありませんでしたが、平成27年7月よりWEB版が登場しました。
WEB版は年間の利用料が3,240円(税込)となります。
WEB版によって、外出時にタブレット端末からの価格査定もできるようになりました。
WEB版では中古戸建住宅の耐用年数が20年から25年となったことが大きな変化です。
従来は木造戸建住宅の場合、築20年で一律に価格がゼロと査定されていたものが、今後は20年以上建っている物件でも、その価値が認められる物件であれば金額が算出されるケースが多くなります。
価格査定マニュアルで査定できる不動産の類型は、戸建住宅、住宅地、マンションとなります。
これらはいずれも個人の居住用不動産で自己使用の場合の類型となります。
今のところ、マンションの収益物件の不動産査定ソフトはないようです。
また大型の倉庫やオフィス、商業施設などの様々な類型に対応した不動産査定ソフトはありません。
価格査定マニュアルでできる査定の類型は限られていますが、帳票がきれいに作成できるとう点が魅力です。
まとめると価格査定マニュアルは
- WEB版は年間の利用料が3,240円(税込)
- 査定できる不動産の類型は、戸建住宅、住宅地、マンション
※個人の居住用不動産で自己使用の場合の類型
です。
有料ソフト②:標宅プロ
他の有料の不動産査定ソフトとなると、地価公示の評価委員を務めている不動産鑑定士が使用している「標宅プロ」があります。
標宅プロの定価は125,000円(税込)です。標宅プロでは地価公示価格を求めるために使用されるため、取引事例比較法や土地残余法も適用可能です。
また取引事例カードの作成もできます。類型としては、あらゆる更地を前提としています。
住宅地、商業地、工業地等、規模の大小を問わず査定を行うことができます。
これはあくまで地価公示をやっている不動産鑑定士専用のソフトであり、不動産鑑定士しかつかいません。
まとめると標宅プロは
- 標宅プロの定価は125,000円(税込)
- 住宅地、商業地、工業地等、規模の大小を問わず査定可能
- 主な使用人は不動産鑑定士
です。
無料ソフト③:Excel_売買ナビ
不動産査定ソフトの中で、フリーソフトのものとなると、エクセルの域を超えるものはありません。
無料の不動産査定ソフトの中では「Excel_売買ナビ」が比較的支持を集めています。こちらも不動産業者用になります。
こちらのソフトは不動産の査定額を算出するというよりは不動産取引の際に必要となる費用をエクセルで算出してくれます。
固定資産税の清算金等も出すため、固定資産税の名寄帳レベルのものは入力する必要があります。
ローン計算等もできるため、不動産業者にとっては便利なソフトです。
ただし、「Excel_売買ナビ」も基本的には個人の住宅に類型が絞られます。基本的には価格を出すためのソフトではなく、諸経費計算ソフトです。
まとめるとExcel_売買ナビは
- 費用は無料
- 査定ではなく不動産取引の際に必要となる費用を算出するツール
- 不動産業者にとっては便利なソフト
です。
不動産査定ソフトがあまり存在しない理由
一般的には、有料版では「価格査定マニュアル」が、フリーソフトでは「Excel_売買ナビ」が不動産査定ソフトの主なものになります。
不動産査定ソフトがあまり存在しない理由としては、
- 計算が複雑でないためエクセルで十分なこと
- ソフト化すると多様な類型に対応できないこと
の2点が挙げられます。
不動産査定ソフトを作り出すと、結局は多様な類型、不動産の様々なパターンに対応するための汎用性を持たせる部分に最も苦労します。
一方で、計算自体は難しいことをしている訳ではなく、エクセルで十分となります。
さらにエクセルであれば、汎用性も高いため、自分である程度の計算シートを作っておけば、様々なパターンに作り直すことができます。
筆数や建物の数、階数、戸数等、想定を超えるような物件でも、エクセルであればその都度、カスタマイズが可能です。
以上、ここまで不動産査定ソフトの種類とできることについて見てきました。
次に筆者がオススメする不動産査定ソフトと使い方について見ていきます。
一般の人が不動産査定ソフトを使うのは難しい
一般の方が使える不動産査定ソフトというものはありません。
何故かと言えば、ソフトを使用する前に、不動産査定ソフトには算出の元となる「取引事例」が必要だからです。
査定のプロセスの第一歩は適切な事例の選定から始まります。
査定は適切な事例を集め、それらの単価を入力することから始めます。
次に駅距離や用途地域、路地状敷地の有無、崖地の面積、接面道路の状況、道路との高低差などの画地の条件を入力します。
さらにこれらの機械的な重みづけだけでは査定ができないため、その物件の流通性の良し悪しを自分で判断して点数化します。
適切な事例の収集と流通性の点数付けは判断事項となるため、一般の方からすると、そのさじ加減が難しいと言えます。
特に中古物件の場合は、物件の条件による格差付けが難しい部分です。
例えば、角地の物件の査定一つとっても判断が分かれます。
一気に数十戸以上分譲するような戸建開発であれば、中間画地の物件と角地の物件を5%程度の差を付けて分譲することは可能です。
しかしながら、中古物件の場合、隣の物件や近所の物件が同時に販売される訳ではないため、角地が近隣の物件価格よりプラス5%アップして売れるとは限りません。
一般的に中古物件の場合、このような物件の条件による価格差は弱めになることの方が多いです。
そのため点数化のような部分に一つ一つの判断も行う必要があり、一般の方が自力で査定ソフトを使っても、判断に詰まる部分が多くなります。
もっと簡単な査定サイトがある
しかしながら、今は不動産査定ソフトなどを使う必要は全くありません。
目的が不動産価格を出すだけであれば、HowMAのような査定サイトを使えば、難しいことを考えずに、瞬時に価格を出すことが可能です。
HowMAは、匿名で自宅が査定できます。
そのため不動産会社から営業電話がかかってくるようなこともありません。またHowMAはサイトの中に既に膨大な量の取引事例をビッグデータとして持っています。
しかも人工知能(AI)が判断の要素を加えてくれますので、適切な取引事例や流通性の修正、個別格差修正、時点修正なども全て行ってくれます。
データ量が膨大という点では、不動産会社が行う査定でも敵いません。
HowMAについては下記記事で詳しく解説しています。
少しでも売却を検討しているなら不動産会社で査定
少しでも売却を検討しているなら、最初から不動産会社に査定依頼をしましょう。
今日では、ネットの普及にともない一括査定というサービスが出てきました。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
一括査定を利用すると、あなたの不動産情報にマッチする不動産会社を自動に探してくれる優れものです。
一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
上記を見ると超大手だけに依頼ができる「すまいValue」だけで良いように思えます。
ただし、不動産売却を成功させるなら大手だけではダメ。不動産会社には得意・不得意があるためです。
だから下記のように複数の不動産一括査定サイトを併用して大手・中堅・中小にも依頼できるようにするのが成功の秘訣です。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
まとめ
不動産査定ソフトの種類とオススメについてまとめました。
今まで不動産業界は成約事例を不動産会社のみが知っているという情報の非対称性がありましたが、HowMAの登場によって、個人でも超膨大なデータに基づき査定を行うことができるようになってきました。
このような無料の匿名査定サイトの登場により、今後、不動産査定ソフトの位置付けも変わってきそうです。