これを見ればもう安心!不動産売却を成功するための完全ガイド

これを見ればもう安心!不動産売却を成功するための完全ガイド

多少読むのに時間はかかっても、これだけ読めば不動産売却の全貌がつかめる記事があったら便利ですよね。

これから不動産を売却しようとする人の中には、

  • 不動産売却に成功するためにとにかく必要なことを全部教えて欲しい
  • いろいろ調べるのは面倒だから、とにかく1つでまとめて見たい

と思っている方も多いことでしょう。

そこで今回の記事は、少し長いですが、この記事を読むだけで不動産売却がほぼ分かる内容としました。

売却活動のステップが進むたびに、繰り返し読んで頂き、よろしければブックマークをしてください。

そのぐらい自信がある内容となっています。

それぞれ深堀りした内容については、リンクを飛ばしていますので、そちらを参照していただくと、もっと深く理解できます。

この記事を読むだけで、あなたは不動産売却の全容を理解できることをお約束します。

売買契約で登場してくる専門用語についても解説していますので、お役立てください。

では不動産売却の全容についてご案内しましょう。

売却活動に入る前に知っておきたい7つのポイント

まずは売却する前に事前に知っておきたいことをお伝えしていきます。

不動産売却の7つの流れと必要期間を理解しよう

最初に不動産売却の流れの全体像についてご紹介します。

実は、不動産売却には「仲介」と「買取」の2種類あるのをご存知でしょうか?

【買取】の場合

不動産買取を専門とした企業や不動産会社が、あなたの物件を直接買い取るので、【買主は不動産会社】になります。

【仲介】の場合

仲介業者を使ってあなたの物件を欲しがっているエンドユーザーを探しますので、【買主は1個人】になります。

「買取」と「仲介」は、買主の違いがあるということです。

まず国内では、ほとんどの方が「仲介」ですので、仲介を主にしてお話していきます。

もし「買取」のことが知りたい方は下記記事をご確認ください。

仲介買取専門家が教える!不動産の「買取」と「仲介」判断基準
不動産買取のメリット・デメリットは?仲介との違いや手順を徹底解説!

「不動産の買取ってどういう仕組み?」 「不動産買取と仲介ってどっちがいいの?」 「買取のデメリットは何があるの?」 不動 ...

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売却活動は

  1. 準備
  2. 査定
  3. 媒介契約
  4. 販売
  5. 売買契約
  6. 引渡
  7. 確定申告

の大きく7つのステップに分かれます。

それぞれのステップの概要を下記表にまとめました。

ステップステージ主な内容
1準備全体の売却計画を立てます。買換えをするのか、売却のみにするのか、住宅ローンの返済はどうするか等の計画を立てます。 特に買換えの場合、売ってから買う売り先行とするのか、買ってから売る買い先行とするのか、大まかな売却計画を立てます。
2査定査定をすることで実査にいくらくらいで売却できそうなのかを把握します。査定は不動産会社に依頼します。査定額によっては、計画も見直す必要が生じます。 特に売却金額で住宅ローンを返済できるかが売却計画に大きな影響を及ぼします。また適正な売出価格を決めるためにも査定が必要になります。
3媒介契約査定を終えた後は、不動産会社との媒介契約を締結し、販売活動に取り掛かることになります。 媒介契約は複数の不動産会社と一般媒介契約を締結することをお勧めします。
4販売販売活動中の売主として大切な役割は、購入希望者への内覧対応です。 特に居住中に住宅を売却する場合は、購入希望者と直接セールスする機会があります。内覧対応もしっかりと準備して行うようにしてください。
5売買契約買主と条件が折り合うと売却が成立します。不動産の売却は金額が大きいため、売買が成立した段階で、売買契約書を書面で締結します。 後述しますが、売買契約書の中では聞きなれない専門的な用語も登場してきます。この記事でも用語について解説します。
6引渡引渡は実際に物件を相手に引き渡すことを指します。不動産の場合、残代金の入金との引き換えに「鍵」を渡すことで引渡を完了させます。 引渡は所有権の移転登記に必要な重要書類を渡すなど、売却において最も重要な局面となります。
7確定申告個人が不動産を売却した場合、譲渡益が発生すると所得税が生じます。粗っぽい表現をすると、購入した時よりも高く売却できた場合は税金が発生するため確定申告を行う必要があります。 但し、居住用財産を売却した場合は、譲渡損失が発生すると、逆に税金が戻ってくるような特例もあります。この特例を使う場合は、譲渡損失が発生していても確定申告が必要です。

また、売却期間の目安については、以下のようになります。

不動産売却の流れ

不動産売却の流れ

活動内容目安期間
査定から売買契約まで3ヶ月
売買契約から引渡まで1ヶ月

実際の販売活動期間は3ヶ月程度かけるのが一般的です。

ただし、販売活動期間には正解はないため、1ヶ月で売却できるときもあれば、半年以上かかる場合もあります。

また販売活動期間と売出価格は密接に関連していることも事実です。

例えば2週間程度で売却できた場合は、ひょっとしたらその売出価格は安過ぎた可能性もあります。

一方で、半年以上も売却できない場合は、ひょっとしたらその売出価格が高すぎる可能性もあります。

そのため売出価格の設定はとても重要になります。

査定においては、「3ヶ月程度で売却できる価格」を出すことになります。

逆に査定さえしっかりしていれば、早く売却できたとしても安過ぎたことにはならず、納得のいく売却活動を行うことができることになります。

後ほど査定のポイントについては説明していきますので、このまま読み進めてくださいね。

中古住宅の価格の性質を知っておこう

以下に戸建とマンションの築年数別の平均価格の推移を表します。

戸建とマンションの築年数別の平均価格の推移

戸建とマンションの築年数別の平均価格の推移

※出典:東日本不動産流通機構より

グラフ中のパーセントで示した数字は「築0~5年」を100%とした場合、5年ごとにどれだけ価格が下がっているかを示した数字です。

一般的には戸建もマンションも、その価格は築年数とともに下がっていることが分かります。

住宅は価格を保てないため、今いくらなのか分からないというのが特徴です。

不動産の売却は査定を行うことによって、住宅ローンの返済や、次に購入する住宅のための自己資金がいくらくらいになりそうか等の資金計画が見える

そのため、不動産の売却では、最初の段階で「査定」が必要となってくるのです。

それでは次に大切な知識である媒介契約の種類について見ていきましょう。

媒介契約の種類

査定を行うと、不動産会社と接触することになりますが、不動産会社に査定を依頼する前に、1つだけ知っておく必要がある重要な知識があります。

それは不動産会社との間で契約締結する媒介契約についてです。

媒介とは仲介もしくはあっせんのことを指します。

不動産会社との媒介契約には

  1. 一般媒介
  2. 専任媒介
  3. 専属専任媒介

の3種類があります。

これらの契約の違いの最大の特徴は、複数の不動産会社へ重ねて依頼できるかどうかという点です。

特徴一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他業者への依頼重ねて依頼ができる重ねての依頼ができない重ねての依頼ができない
自己発見取引認められる認められる認められない

不動産売却を複数の不動産会社へ依頼したい場合は、一般媒介契約を締結することになります。

一方で、不動産売却を一社だけの不動産会社へ依頼したい場合は、専任媒介もしくは専属専任媒介の契約をすることになります。

どのような商売でも共通していますが、モノを売るには営業マンがたくさんいた方がモノは売れる確率は高くなります。

不動産を売却するときも、基本的には同じです。

一般媒介契約で複数の不動産会社に売却依頼した方が、確実に早く高く売却できるようになります。

そのため売主としては一般媒介契約で複数の不動産会社に同時に売却を依頼した方が有利であるという知識を身に着けておきましょう。

一方で不動産会社にとってみると、一般媒介契約は他の不動産会社と競争になるため、不利な契約形態になります。

そのため「あの手この手」を使って何とか専任媒介契約に持ち込もうとしてきます。

一般媒介で依頼しようと思ったところ、結局、不動産会社に言いくるめられて専任媒介で依頼してしまう売主の方は非常に多いです。

売主も人の子なので、良くしてくれた不動産会社に「悪いかな~」と思い、ついつい専任媒介で依頼をしてしまいます。

結果的に、そうなってしまうことは否定しません。

ただ、知識として一般媒介の方が有利であると知っておくことは無駄ではありません。

不動産会社に接触する前に、媒介契約の知識を身に着け、一般媒介で依頼するという確固たる決意をしておくことが必要です。

不動産売買時に締結する3つの媒介契約(一般・専任・専属)と特徴・違い
一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の特徴とそれぞれの違い

媒介とは仲介やあっせんのこと 一般的には仲介と言うことの方が多いですが、法律用語で仲介のことを媒介と呼んでいます。 こん ...

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それでは次に仲介手数料について見ていきます。

仲介手数料の上限と役割を知っておこう

不動産会社に媒介を依頼したときに、不動産会社へ支払う報酬を仲介手数料と言います。

不動産会社が受領できる仲介手数料は宅地建物取引業法の中で、上限が決められています。

上限は売買金額によって、以下のように定められています。

売買金額速算式(上限額)
200万円以下5%
200万円超から400万円以下4%+2万円
400万円超3%+6万円

この仲介手数料の特徴として、仲介手数料は完全成功報酬制であるということです。

例えば、一般媒介契約で複数の不動産会社に仲介を依頼しても、報酬が受領できるのは売買を成立させた一社のみということになります。

また不動産会社が販売活動にかけた広告宣伝費や交通費等についても請求することはできません。

そのため、売主が支払う報酬は、一般媒介契約も専任媒介契約も同じであるという点がポイントです。

かかる費用が同じで、売却の成功確率が上がるのであれば、一般媒介契約を選んだ方が、断然、有利であると言えます。

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それでは次に瑕疵担保責任について見ていきます。

知っておきたい!不動産売却の瑕疵担保責任

売主として知っておかなければならない知識の一つに、売主が負う瑕疵担保責任というものがあります。

瑕疵(かし)とは通常有すべき品質・性能を欠いている状態を言い、例えば雨漏りやシロアリなどが該当します。

買主が注意を払ったのにも関わらず発見できなかった瑕疵を隠れた瑕疵と呼びます。

民法では買主が隠れた瑕疵を発見した場合、発見後1年間、売主に対し損害賠償または契約解除を請求できると定めています。

この民法通りの規定だと、売主の瑕疵担保責任は非常に重いため、通常は売買契約書の中で売主の瑕疵担保責任を緩和する条文を入れます。

売主が個人の場合には、売主と買主が合意の上で、瑕疵担保責任の全部または一部を免責することが可能です。

一般的には売主の瑕疵担保責任期間は3ヵ月と定めることが多いです。

すべて免責する場合は、それを交換として買主から値引き要請を受ける可能性があります。

そのため3か月程度は瑕疵担保責任を負うとした方が無難です。

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それでは次にインスペクションについて見ていきます。

瑕疵担保保険加入にインスペクションが必要

インスペクションとは建物の状況調査のことを指します。

インスペクションに合格すると、既存住宅瑕疵担保保険を付保することが可能になります。

売主は瑕疵担保責任期間を3ヵ月とすることができると説明しましたが、これでは4ヵ月目以降に瑕疵が発見された場合、買主は損害賠償を誰にも請求できないことになります。

瑕疵担保を免責されると、買主にとっては不安が残ります。

そこで登場したのが既存住宅瑕疵担保保険です。

既存住宅瑕疵担保保険では、一定の隠れた瑕疵が発見された場合に生じる補修費用を保険でカバーすることが可能

現在、国ではこの制度を推進するべく、2018年の4月から不動産会社が売主に対してインスペクションを勧めることを義務付けました。

これから不動産を売却する人は、不動産会社から「インスペクションしませんか?」と言われることになります。言葉だけでも知っておきましょう。

それでは次に売却後に必要な確定申告について見ていきます。

最後まで気を抜けない!不動産売却後の確定申告

不動産を売却した場合、全ての人に税金が発生する訳ではありません。

以下の式で計算される課税譲渡所得がプラスの人は税金が発生し、マイナスの人は税金が発生しません。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは売却額です。

取得費は売却した不動産を買った当時の購入価額です。

ただし、建物については減価償却後の価額となります。

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譲渡費用とは仲介手数料等の売却にかかった費用になります。

確定申告は、原則として課税譲渡所得がプラスの人だけが行います。

ただし、居住用財産(マイホーム)を売却した場合、課税譲渡所得がマイナスだと税金が戻ってくる特例もあります。

特例を利用したい方は、確定申告が必要です。

築年数別に見た住宅価格の下落の推移

築年数別に見た住宅価格の下落の推移

上記のグラフで住宅は築年数の経過とともに価値が下がっていることが分かります。

そのため居住用財産を売却すると、ほとんどの方が課税譲渡所得はマイナスです。

源泉徴収税額が戻ってくるお得な特例がありますので、確定申告の知識を知って、是非、確定申告をするようにしましょう。

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以上、ここまで売却活動に入る前に知っておきたい7つのポイントについて見てきました。

また、相続や共有物、権利証が無い人向けに少し補足を説明します。

【対象の人のみ】相続や共有物の場合に確認すること

もし今から売却しようとしている不動産が相続や共有物の場合は、幾つかの確認が必要です。

所有物が自分のみの場合は、この章は不要ですので、読み飛ばしてください。

相続物件の場合に必要なこと

両親が持っていた家を相続して、その家に住んでいる場合は「相続登記」を完了させる必要があります。

相続登記とは、家の所有者が亡くなったときに、相続を継いだ人を名義人に書き換えることです。

相続で取得した不動産が「相続登記」がされており、名義がしっかり「あなた」になっていることを再確認しておきましょう。

もしされていない場合は、司法書士などに相談をして「相続登記」を済ませるようにしてください。

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不動産の所有者が複数人いる場合の売却は3つの確認事項

相続した家の場合や配偶者と共同購入された家などで、複数人が売却予定の家の所有者になっていることがあります。

その場合、よく揉めることになりますので、きっちり下記を話し合っておきましょう。

  • いくらまでなら値下げをしても問題がないのか
  • 不動産会社とメインでやり取りする人は誰なのか
  • 手続きを行うのは誰なのか

私が不動産会社で働いていた時に何百人と仲介をしましたが、これらの事が曖昧のまま事が進んでしまい、後から揉めて契約が流れてしまうケースが多かったです。

しっかりとそれらを取り決めた上で不動産売却の活動を行いましょう。

不動産の「権利証」が無い場合は司法書士に相談を

不動産を売却する場合の大事な書類に「権利証」があります。

権利証とは、この家の所有者はあなたというのを証明する権利証です。権利証は家を所有するときに登録(登記)を行いますが、その際に法務局の登記所から発行されます。

この権利証を紛失してしまった場合は、再発行が出来ません。

では、無くしてしまったら、不動産は売れなくなるのかというとそうではありません。

もし権利証を紛失してしまった場合は、司法書士に相談の上「あなたがこの不動産の所有者で間違いない」というのを証明してもらう保証書を作成してもらいます。

その保証書を法務局に提出することで、不動産を売却できるようになります。

それでは次に気になる売却計画について見ていきます。

不動産の売却計画を立てる

次のステップとして、売却計画を立てることです。それでは見ていきましょう。

売却に必要な費用

不動産の売却では、主に以下の費用が発生します。

費用項目計算方法または目安
仲介手数料取引額が4,000千円超の場合 取引額×(3%+6万円)×1.08消費税
印紙税取引額が1,000万円超5,000万円以下の場合 10,000円
抵当権抹消登記の登録免許税不動産1個につき1,000円
司法書士手数料14,476円(関東地区)
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住宅ローン残債の確認

住宅ローンの残債が残っていても、不動産を売却することは可能です。

正確に言うと、不動産についている抵当権を抹消することができれば売却が可能です。

住宅ローンが残っている場合、理想としては、売却代金で残債を一括で返済することになります。

売却代金で残債が返済しきれない場合は、貯蓄等の現金を合わせて完済することになります。

住宅ローン残債は、今後の売却計画に大きな影響を及ぼします。

そのため、最初に銀行に現在の残高がいくら残っているか正確な数字を確認しましょう。

相場を知るオススメの方法

住宅ローン残債を把握した後は、それを売却代金で返せるかどうかを把握する必要があります。

相場の把握の方法としては、SUUMOアットホームと言った不動産のポータルサイトで近隣の売物件を見るのも一つの手です。

さらに、最近では自宅を、インターネットを使って匿名で簡単に査定できるサイトも登場しています。

匿名査定サイトは、不動産会社からいきなり営業電話もかかってくることはないため、とても便利です。

匿名査定サイトには「HowMA(ハウマ)」や「HOME’Sプライスマップ」、「IESHIL(イエシル)」があります。

計画の段階では住宅ローンの残債が多過ぎて、売却を取りやめることは十分にあり得ます。

そのため、不動産会社に本格的な査定を依頼する前に、匿名査定サイトでおよその価格を把握することをお勧めします。

以上、ここまで不動産の売却計画を立てるについて見てきました。

それでは次に気になる不動産売却活動の開始と契約締結までについて見ていきましょう。

不動産売却活動の開始と契約締結まで

それではいよいよ売却活動開始です。詳しく見ていきましょう。

価格査定を受ける

売却計画でおよその相場を把握出来たら、本格的に査定を依頼します。

この段階で考慮すべきなのは、安易に不動産会社に声をかけず、売主に有利な一般媒介で複数の不動産会社に依頼するイメージを意識することです。

そのためには、査定の段階で最初から複数の不動産会社への依頼をすることがポイントです。

複数の不動産会社への同時依頼は、一括査定サイトを使うのが便利です。物件情報を一回入力するだけで、最大6社の不動産会社から同時に訪問査定を受けることができます。

一括査定サイトを使えば、わざわざ自分から出向いて色々な不動産会社に依頼する必要がありません。複数の不動産会社を一度に集める方法としては、一括査定サイトが最適な手段と言えます。

ここで1つ注意点です。

一括査定サイトは、あくまでも不動産会社集めのために利用してください。

いたずらに高い査定額を追求することはあまり意味がありません。

一括査定サイトは複数の不動産会社に一般媒介契約を効率よく依頼するためのツールとして利用することが最も効果的です。

一括査定サイトのオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」

不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。

その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。

  • 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「すまいValue
  • 賃貸サイトで有名で大手から地域密着の不動産会社を探せる「SUUMO
  • NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「HOME4U
  • 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「イエウール

筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。

下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真です。

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生

不動産仲介件数と主要不動産一括査定サイトの提携表

ひよこ生徒
こう見ると、上位4社がずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

不動産仲介会社によって得意不得意がある

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

メールで査定額を送付してください
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生

不動産一括査定サイト名机上査定が対応メール要望
すまいValue
SUUMO
HOME4U
イエウール××
SRE不動産(※旧ソニー不動産)×

不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

参考不動産一括査定サイトおすすめランキング厳選16!利用者の評判・口コミは?

まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。

評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。

参考【2023年決定版】不動産仲介ランキングTOP36!評判のいいオススメ会社は大手なの?

不動産一括査定については下記記事を参考にしてください。

[Tリンク_カテゴリーページ cat_name="不動産一括査定"]

不動産会社の決め方

一般論としては、先程もお伝えしましたが、不動産会社は信頼できる業者を選ぶのが基本です。

しかしながら、ほとんどの方は初めて不動産を売却するため、どの業者が信頼できるかどうかは分かりません。

口だけうまくて全然仕事をしない不動産会社もたくさん存在します。

そこで当サイトでは、あえて無理に不動産会社を選ぶ必要はないことを推奨しています。

理由としては、一般媒介契約でできるだけ多くの不動産会社に依頼した方が売主にとっては有利であるため、あえて不動産会社を絞る必要性がないからです。

そのため、不動産会社を無理に選ぼうとせず、一括査定サイトで集めた不動産会社の全社に一般媒介契約で仲介を依頼するようにしましょう。

それでは次に売出価格の決め方について見ていきます。

売出価格を決める

不動産の売却では、売出価格と成約価格(決まり値)が異なることが当たり前です。

一括査定サイトで査定した価格は、成約価格の目安です。

一般的には、売出価格は成約価格の1割増しくらいに設定

あまり高過ぎるとなかなか売却できなくなりますので、売出価格は欲をかかずにほどほどに設定することがポイントです。

統計データから分析!不動産売却で適正な売出価格の決め方と注意点
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それでは次に媒介契約の締結について見ていきます。

媒介契約を締結する

媒介契約の締結は、不動産売却の成否を決める最も重要なポイントです。

ここでは、複数の不動産会社に一般媒介で契約するスタンスを貫いてください。

不動産会社の営業マンは入社以来専任媒介を取るように教育を受けています。

そのため、専任媒介を取ることに関しては百戦錬磨です。

ただし、契約形態を専任にするか一般にするかの決定権は、依頼者側にあります。

不動産会社も色々なことを言ってくる可能性はありますが、ここは頑張ってすべての不動産会社に一般媒介の契約を締結するようにしましょう。

媒介契約が不動産売却成功のカギ

媒介契約が不動産売却成功のカギ

以上、ここまで不動産売却活動の開始と契約締結までについて見てきました。

それでは次に実際に売却活動に入ったら行うことについて見ていきましょう。

実際に売却活動に入ったら行うこと

それではいよいよ売却活動に入ったら行うことについて説明していきますね。

販売活動の確認を必ず行う

媒介契約を締結したら、販売活動の状況を自分でも確認します。

具体的にはSUUMOアットホームなどで自分の物件が売りに出されているか、きちんと把握するようにしてください。

一般媒介で不動産会社同士を競争させると、不動産会社は3~4日ですぐに物件をインターネット上にアップしてくれます。

一般媒介の欠点としては、不動産会社からあなた(売り主)への報告義務がないことです。

ネット上に物件がアップされた後、2週間程度過ぎたら様子を確認するようにしましょう。

2ヵ月以上、引き合いが無い場合は、思い切って価格の見直しもする必要があります。

見直し価格もそれぞれの会社に意見を聞きながら決めるのが良いです。

不動産広告は売却の上で大事

広告費については、基本的には不動産会社が負担します。

こちらが過剰な要求をしない限り、売主が別途請求を受けることはありません。

広告については、できるだけ写真の枚数を多くしてください。

また物件の欠点もきちんと載せておくと信頼性が増すため、購入希望者が熱心に検討してくれます。

広告は不動産会社に任せきりにするのではなく、以下の2点を指示することをオススメします。

  1. 写真はできるだけ多く掲載してください。
  2. ウィークポイントはハッキリ書いていただいて構いません。
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内覧対応はしっかり行う

居住中の住宅を売却する場合、購入希望者が物件を見に来る際の内覧対応の必要性が出てきます。

内覧に来るお客様は、既に物件にかなりの興味を持ってくる人です。

また複数物件を検討中の人でもあります。

そのため、他の物件よりも物件を魅力的に見せ、最後の背中を押すためにも、内覧対応は重要になります。

部屋を綺麗にし、当日はスリッパを用意するなど、基本的な作法はきちんと行うようにしましょう。

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それでは次に購入申込書の受領について見ていきます。

購入申込書の受領を受ける

購入希望者が物件を気に入った場合、不動産会社を通じて「不動産購入申込書」または「買付証明書」と呼ばれる書面を受け取ることになります。

不動産は金額が大きいため、購入意思は書面で提示することが基本です。

この不動産購入申込書の中には、購入希望者からの条件が提示されています。

購入者が購入したいという金額も記載されています。

金額については、値引で指値が書かれていることが多いです。

その金額に納得が行くようであれば、売却を承諾します。

売却の承諾については、不動産会社を通じて「売渡証」の書面を発行します。

お互い書面にて意思確認ができた後は、売買契約書の作成に移行します。

以上、ここまで実際に売却活動に入ったら行うことについて見てきました。

それでは次に気になる売買契約時に必要なことについて見ていきます。

不動産売買契約時に必要なこと

売買契約書の中には、普段聞きなれない専門用語が登場してきます。

ここでは重要でかつ聞きなれない言葉に絞って売買契約書に出てくる専門用語を解説します。

手付金の相場と手付解除について

売買契約時には買主から手付金を受領します。

手付金は一般的に売買金額の10%程度です。

売買契約から引渡までは1カ月間ほどありますが、その間に契約を解除する場合、この手付金が機能します。

買主から契約を解除する場合は、そのまま手付金を放棄します。

売主から契約を解除する場合は、受け取った手付金に同額を上乗せした金額を支払うことで解除できます(手付の倍返し)。

このように手付金によって契約を解除することを手付解除と言います。

売買契約書の中には、通常、「手付解除」の条文が記載されます。

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それでは次にローン特約について見ていきます。

ローン特約を知っておく

買主が住宅ローンを利用して物件を購入する場合、ひょっとしたら買主が銀行の住宅ローン審査に通らないことがあるかもしれません。

買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に、契約を違約金無しで解除することを規定する条項をローン特約と言います。

売買契約書の中では、ローン特約は「融資利用の場合」というような名称で条文が設定されることが多いです。

ローン特約による解除の場合は、手付金は買主へそのまま戻します。

また不動産会社へ既に支払った一部の仲介手数料も戻ってきます。

それでは次に危険負担について見ていきます。

危険負担もしっかり考えておく

危険負担と言うのは、普段使わない用語のため、とても理解しにくい言葉の一つです。

リスクテイクと言い換えた方が通じるかもしれません。

危険負担では、例えば契約から引渡までの間に、大地震があって建物が倒壊するようなリスク(危険)を誰がテイク(負担)するかということを規定したものになります。

不動産売買では、建物倒壊のようなリスク(危険)は、「売主」が負担することになります。

例えば地震で軽い損傷が発生した場合は、売主がきちんと修繕して買主に引き渡すことになります。

リスク(危険)は売主が取る(テイク・負担)と覚えてください。

それでは次に瑕疵担保責任について見ていきます。

瑕疵担保責任を知っておく

売却後に見つかった物件の欠陥は、売主が責任を負うことを定めたものが瑕疵担保責任です。

一般商品では、製造物責任法(PL法)などのように、製品の欠陥を売主が負うことは当たり前ですが、個人が住宅を売却した場合、メーカーと同様に責任を負うのはかなりきついです。

そのため売買契約書では、売主がいつまで瑕疵担保責任を負うかを明記します。

通常は3ヵ月程度で定めておくことが一般的です。

瑕疵担保責任については、売主にとっても、買主にとっても気持ちの悪い部分です。

この問題をクリアーにするには既存住宅売買瑕疵担保保険を付保することがお勧めです。

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それでは次に重要事項説明について見ていきます。

重要事項の説明

売買契約のタイミングと同時に、不動産会社が買主へ対して重要事項の説明を行います。

重要事項説明は、消費者側である買主を守るために行います。

重要事項説明でポイントとなる部分は、「告知書」の内容の買主への開示です。

不動産には、売主でなければ分からない瑕疵や欠陥があります。

瑕疵や欠陥はきちんと正直に買主へ伝える必要があります。

もし売主が瑕疵の存在を知りながら買主に告知しなかった場合は、その瑕疵については売主が瑕疵担保責任を免れることはできません。

重大な損害賠償に発展しかねないので、事実を隠さず伝えるようにしましょう。

それでは次に仲介手数料の半額支払いについて見ていきます。

仲介手数料の半額支払

売買契約時点では、仲介手数料は半額支払うことが通常です。

不動産会社側の仲介手数料の請求権は、売買契約成立時点で満額請求できるのですが、商習慣として、売買契約時に50%、引渡時に50%となるパターンが多いです。

ローン特約によって契約が解除された場合には、仲介手数料は取り戻せます。

しかしながら、手付解除で解除された場合には、既に支払った仲介手数料は戻ってこないため、注意してください。

手付解除は、売主と買主の一方的な都合で解除になるため、不動産会社には非が無いためです。

手付解除時に最も揉める部分ですので、知識として知っておきましょう。

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以上、ここまで売買契約時に必要なことについて見てきました。

それでは次に気になる引渡までに行う3つのことについて見ていきましょう。

引渡までに行う3つのこと

①抵当権抹消の準備

住宅ローンの残債が残っている人は、抵当権を引渡の当日に抹消します。

抵当権の抹消には銀行の了解をあらかじめ取っておく必要があります。

そのため引渡日が確定した時点で、すぐに銀行へ連絡してください。

銀行の担当者は、抵当権の抹消に必要な書類を引渡当日に持参してきます。

したがって、売主側の銀行担当者も引渡日当日は同席することになります。

それでは次に現地確認について見ていきます。

②現地確認で見ておく確認ポイント

引渡日当日は、残代金の支払いと書類と鍵の引渡といった事務手続きが主な内容になります。

そのため現地の確認は事前に行っておくことが通常です。

現地確認では、主に以下の点の確認作業を行います。

確認点備考
物件状況の確認物件に瑕疵が無いか、また告知書通りがどうかを確認します。
境界の確認境界標を1つ1つ確認していきます。また越境物についても確認を行います。
設備の確認インターフォンなどの建物に付随している設備の動作確認を行います。
生活ルールに関する確認ゴミ出しルールや町内会ルール等、生活に関する細かい部分を買主へ引き継ぎます。

それでは次に引越について見ていきます。

③引越の準備もしておく

引渡当日は、空渡しが原則です。

売買契約後から引渡までの間に引越を済ませなければいけません。

ガス・水道・電気・電話等のインフラ関係の契約については、早めに事業者へ連絡して解約手続きを行う必要があります。

またマンションの場合、管理組合の脱会手続きも発生します。

引越ではゴミは必ず全て処分するようにしてください。

引渡時にゴミが残っているとトラブルの原因となります。

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以上、引渡までに行う3つのことについて見てきました。

それでは次に引渡に行う6つのことについて見ていきましょう。

引渡当日に行う6つのこと

それではいよいよ引き渡し当日です。最後まで気を抜かずにしましょう。

引渡の場所と関係者

引渡は、買主が住宅ローンを組む場合は、買主の銀行で行うことが多いです。

引渡では大きな金額が動くため、何かトラブルが発生した場合、その日のうちに対応ができるよう、午前中に行うことが一般的です。

引渡の参加メンバーは以下のように、かなり多くの人が集まります。

  • 売主
  • 買主
  • 売主側の不動産会社
  • 買主側の不動産会社(両手仲介の場合は1社のみ)
  • 司法書士
  • 売主側の銀行担当者
  • 買主側の銀行担当者

次は残代金の授受です。

残代金の授受

引渡では買主が残代金を振り込みます。

売主は着金確認を行います。

古くは小切手が使われていましたが、小切手は落とすと怖いので、今どきは振込が主流となってきました。

最近では銀行によってはネットバンキングも可能になり、携帯電話で着金確認もできます。

携帯で着金確認ができない場合は、例えば奥さんが記帳確認して、旦那さんに携帯電話で連絡して確認したりもします。

着金確認方法をあらかじめ決めておいた方が良いでしょう。

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それでは次に諸費用の精算です。

諸費用の精算

引渡日では、固定資産税や管理費・修繕積立金等の諸費用の精算を行います。

精算の対象となるものは、以下のようなものになります。

  • 固定資産税などのように、売却年度の間は引き続き売主に請求が届くようなもの
  • 管理費・修繕積立金などのように、引渡後に本来であれば買主が負担すべきものを、売主が既に払ってしまったもの

諸費用の精算は絶対にやらなければならないものではありません。

売主と買主との間の話し合いで決まります。

あまり細かすぎるものは精算しないことが多いです。

最低でも固定資産税及び都市計画税については精算を行うと言うのが一般的です。

次に登記申請について見ていきます。

登記申請は司法書士が行うのが一般的

登記申請は司法書士が行います。

司法書士は、不動産会社が連れてきますので自分で探す必要はありません。

引渡に同席していた司法書士は、残代金と物件の引渡が終了すると、そのまま法務局に行き登記申請を行います。

登記が登記簿に反映されるのは、通常、2週間程度の時間がかかります。

登記申請は司法書士が代理で行うことになりますので、司法書士へは代理権を付与する委任状を書くことになります。

委任状等、登記に必要な書類については不動産会社や司法書士から指示があります。

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それでは次に書類と物件の引渡について見ていきます。

書類と物件の引渡

引渡時に売主が必要な書類としては以下のものがあります。

売主
権利証又は登記識別情報通知書
実印
印鑑証明書(3ヶ月以内)
固定資産税・都市計画税納税通知書
住民票
本人確認資料(運転免許証等)
固定資産税評価証明書
鍵(複製も含め全て)
抵当権等抹消書類
マンション戸建
管理費・修繕積立金の格の確認書等
パンフレット
管理規約
使用細則
実測図
境界確認書
越境の覚書
設計図書
建築確認通知書
検査済証

ここで特に重要なのが鍵の引渡です。

鍵の引渡をもって物件を引き渡したことになります。

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それでは次に仲介手数料残額の支払です。

仲介手数料残額の支払

引渡では、仲介手数料の残額50%を支払うことになります。

仲介手数料の残額支払をもって、引渡は終了となります。

尚、買換えを行う方は、これらの売却活動と並行して物件探しが不動産の購入手続きも同時進行で行うことになります。

購入は非常にパワーを使いますので、売却は複数の不動産会社の力を借りて、できるだけ楽に終わらせるようにしましょう。

以上、ここまで引渡に行う6つのことについて見てきました。

それでは次に気になる気を抜いたらダメ!売却活動は確定申告までして完了について見ていきます。

気を抜いたらダメ!売却活動は確定申告までして完了

売却活動が終わったら、終了ではありません。

その年の年末に「確定申告」というものが存在し、必要な人も多いです。

確定申告の必要性

冒頭でも触れましたが、確定申告は全ての人がする必要はありません。

原則として課税譲渡所得がプラスとなる人のみ、税金を納める必要があるため、確定申告を行う必要があります。

税務署は確定申告をしなくても登記移転情報等により売主が不動産を売却したことを把握しています。

しかも利益が出ていそうな人もなんとなく把握しています。

そのため課税譲渡所得がプラスの人は必ず確定申告を行うようにしてください。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

課税譲渡所得がマイナスの人は、原則的に確定申告をする必要はありません。

ただし、税務署から「お尋ね」という書類が届きますので、事実をきちんと回答するようにしてください。

また、居住用財産を売却した人に限っては、課税譲渡所得がマイナスに源泉徴収税が戻ってくるという特例があります。

この特例を使う場合には、確定申告をする必要があります。

冒頭のグラフで見た等に、住宅は値下がりするため、売却するとほとんどの方は譲渡損失が発生するのが通常です。

個人の方で居住用財産を売却した場合には、ほとんどの方が確定申告を「した方が良い人」に該当

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それでは次に課税譲渡所得についてもう少し詳しく見ていきます。

課税譲渡所得の計算方法

再度、課税譲渡所得の計算式を以下に示します。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

ここでポイントとなるのが取得費です。

取得費は土地については購入価額が土地の取得費です。

建物については、減価償却後の価額が建物取得費になります。

その他、取得費には購入当時に支払った仲介手数料や登録免許税、不動産取得税も含めることができます。

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それでは次に居住用不動産を売却したときの特例について見ていきます。

居住用不動産を売却したときの特例

個人が居住用財産(マイホーム)を売却したときは、下表の5つの特例を使うことができます。

特例を使う場合には、確定申告が必要です。

譲渡益譲渡の種類特例
譲渡益が生じる場合(所得税が発生)売却3,000万円の特別控除
売却所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
買換え特定の居住用財産の買換え特例
譲渡損が生じる場合(所得税が戻ってくる)買換え居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
売却居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

特に、居住用財産は売却すると譲渡損が発生する確率が高いため、「④居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」もしくは「⑤居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の特例が適用できる可能性があります。

譲渡損が生じる場合は、特例を利用することで源泉所得税の還付を受けることが可能です。

年収800万円くらいの人が売却によって800万円以上の譲渡損失を出すと、60万円程度のキャッシュバックを受けることができます。

お小遣いにしてはかなり大きな額なので、是非活用するようにしましょう。

居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例については下記をご確認ください。

確定申告に必要な書類

特例を適用するためには、譲渡した翌年の毎年3月15日までに確定申告をする必要があります。

確定申告に必要な書類を以下に示します。

添付書類居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
除票住民票必要必要
譲渡資産の登記事項証明書必要必要
買換え資産の登記事項証明書必要
新しい住民票必要
譲渡所得計算明細書必要必要
その他・住宅借入金の残高証明書(買換え資産のもの)
・その他の添付書類はお近くの税務署に問い合わせください。
・住宅借入金の残高証明書(譲渡資産のもの)
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まとめ

以上、「これを見ればもう安心!不動産売却を成功するための完全ガイド」を見てきました。

繰り返しになりますが、一連の不動案売却の流れの手順の中で、最大のポイントは複数の不動産会社に一般媒介で契約するという部分になります。

媒介契約が不動産売却成功のカギ

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たくさんの営業マンに手伝ってもらうことで、あなたの不動産売却は成功に導かれます。

また特例を使える人は、売却後の確定申告も忘れないようにしましょう。

最後にもう一度大事なポイントのみ繰り返します。

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