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不動産売却のクーリングオフはできる?適応・適応外の基準を徹底解説

不動産売却のクーリングオフはできる?適応・適応外の基準を徹底解説

最初に結論を話してしまうと、不動産会社などの宅地建物取引業者が自ら売主となり不動産を売却する場合は、クーリングオフ制度が適用されます。

クーリングオフ制度は宅建業者が自ら売主となって時に制限が発生する制度であり、個人が不動産を売却する場合は、個人の売主には適用されません。

個人の方がこれから不動産を売却するに辺り、「クーリングオフされたらどうしよう」と心配する恐れはないのです。

一方で、個人の方が不動産会社から物件を購入する場合は、クーリングオフが可能です。

そのため個人の方もクーリングオフの制度を知っておくことは損ではありません。

そこで今回は不動産売却の「クーリングオフ制度」についてご紹介いたします。

目次

クーリングオフ制度とは?不動産売却のクーリングオフは可能?

まず最初にそもそもクーリングオフとは何かについてお伝えします。

クーリングオフの語源は頭を冷やして冷静に考え直すCooling Offからきています。

不動産のクーリングオフとは、購入者が購入申込の撤回(キャンセル)や売買契約の解除ができる制度

売却する人が「やっぱり売るのをやめた」ということはできませんのでご注意ください。

不動産会社が売主の場合のみ買主はクーリングオフが可能

クーリングオフは、不動産会社が売主の場合のみ適用されます。

ここで言う不動産会社とは、宅地建物取引業の免許を持っている会社です。

宅地建物取引業者は、街の不動産屋だけではありません。

戸建分譲業者やマンションディベロッパーも宅地建物取引業者です。

不動産は、不動産を不特定多数のものに反復継続して売却する場合、宅地建物取引業の免許が必要です。

戸建やマンションの「分譲」なども反復継続売買に相当します。

そのため、新築マンションなどの購入は、宅地建物取引業者が個人に不動産を売却することにあたり、クーリングオフの対象となるのです。

一方で個人の方が中古マンションを売却することは、クーリングオフの対象とはなりません。

つまり買主であってもクーリングオフはできないということ。

反復継続性がなく、「業」として認められないからです。

クーリングオフができる条件

クーリングオフとは、宅地建物取引業者が売主になる場合において、事務所等以外の場所で、不動産の購入の申し込みや売買契約をした買主が、一定の場合を除き、書面でその購入の申込の撤回、または売買契約の解除をすることができる制度。

ポイントとなるのは「事務所等以外の場所」という部分です。

例えば喫茶店などのように、周囲がうるさく声も聞こえないような場所で不動産の契約を行うと、買主が冷静な判断を行うことができません。

クーリングオフは何千万円もする高額な不動産を、落ち着かない場所で契約させることを避け、消費者を保護するために定められた制度です。

以上、ここまでクーリングオフの概要について見てきました。

それでは次に気になるクーリングオフが適用される判断基準について見ていきましょう。

クーリングオフが適用される判断基準

クーリングオフの適用の判断基準は、申込や契約締結を行った場所が判断基準となります。

宅地建物取引業者の事務所等で申込や契約締結を行った場合は、クーリングオフの適用になりません。

事務所等の「等」も含めて、以下にクーリングオフが適用されない場所を紹介します。

クーリングオフが適応されない場所

  1. 宅地建物取引業者の事務所
  2. 次に掲げる場所で、専任の宅地建物取引士を設置すべき場所
  3. 宅地建物取引業者の事務所以外の場所で継続的に業務を行うことができる施設を有する場所
  4. 宅地建物取引業者が10区画以上の一団の宅地または10戸以上の一団の建物の分譲について案内所を設置して行う場合のその案内所
  5. 売主である宅地建物取引業者が他の宅地建物取引業者に一団の宅地建物の分譲または媒介を依頼した場合、依頼を受けた宅地建物取引業者が設置した案内所
  6. 売主である宅地建物取引業者または売主である宅地建物取引業者から依頼を受けて依頼・媒介を行う他の宅地建物取引業者が、売買に関する説明をした後、展示会、その他これに類する催しをする場所
  7. 相手方が申し出た場合のそのものの自宅または勤務先

※参考文献:宅地建物取引業法 第三十一条
※③は宅地建物取引業者が申し出て相手方の自宅や勤務先で申し込みや契約の締結をした場合にはクーリングオフは適用されます。

最初にもお伝えした通り、クーリングオフの語源は頭を冷やして冷静に考え直すCooling Offから来ています。

上述の事務所等であれば、消費者は冷静に判断できるものと法律上、想定されているのです。

ここで不動産の購入は①購入の申込と②売買契約の締結の2段階に分かれます。

そのため、クーリングオフを①購入の申込の場所で判断するのか、または②売買契約の締結の場所で判断するのかが問題となります。

クーリングオフの判断基準まとめ

結論としては、クーリングオフの判断は、①購入の申込を行った場所で判断することになります。

例えば、宅地建物取引業者の事務所で申込を行って、その後テント張の案内所で契約をしてもクーリングオフはできません。

逆にテント張の案内所で申込を行って、宅地建物取引業者の事務所で契約した場合は、クーリングオフができることになります。

以上、ここまでクーリングオフの適用の判断基準について見てきました。

それでは次にクーリングオフを適用した場合の効果について見ていきましょう。

クーリングオフが適応された後の流れ

クーリングオフが適用されると、「購入の申込の撤回」や「売買契約の解除」を違約金等の発生なしで行うことができる効果があります。

有効なクーリングオフが行われると、宅地建物取引業者はすでに受領した手付金その他の金銭を速やかに買主に返還しなければなりません。

売主である宅地建物取引業者は、クーリングオフで損害が発生しても、買主に対して損害賠償請求や違約金の請求はできません。

クーリングオフは必ず書面で行う必要がある

またクーリングオフは必ず「書面」により行うことが条件となっています。

書面については、特に様式は設定されていませんが、「書面」の申出ということだけは決まっています。

クーリングオフの効果はその書面を発した時に生じます。

以上、ここまでクーリングオフの効果について見てきました。

それでは次に気になるクーリングオフができる期間についてご紹介します。

クーリングオフの期間は8日間

クーリングオフができる期間は、売主である宅地建物取引業者がその適用期間を書面で告知します。

その期間は8日間となります。

この日からこの日までは、クーリングオフができますときちんと書面で説明を受けることが通常です。

この8日間の間は無条件でクーリングオフをすることができます。

一方で、宅地建物取引業者がクーリングオフの適用期間を伝えるのを忘れた場合は、不動産の引渡を受け、かつ、その代金を全部支払うまでは、クーリングオフをすることができます。

この場合は、申込から引渡と残代金支払いまでがクーリングオフの対象期間となり、8日以上の期間となります。

期間を過ぎるとクーリングオフができない

逆に、喫茶店等で申込を行っても、上述の期間を過ぎてしまうとクーリングオフをすることができません。

宅地建物取引業者が指定した8日間経過後は、クーリングオフはできません。

また宅地建物取引業者が書面でクーリングオフ期間を指定しなかった場合でも、引渡と残代金を支払った後では、クーリングオフはできなくなります。

ここまでクーリングオフの期間について見てきました。最後にクーリングオフのまとめです。

まとめ

以下、クーリングオフの注意点です。

  • クーリングオフは申し込みの場所がクーリングオフの可能な場所かどうかで判断する。
  • 土地に定着しておらず、簡単に移動可能な場所(テント張の案内所等)での申込・契約締結はクーリングオフの対象である。
  • 買主かからの申出があった場合のみ、買主の自宅や勤務先もクーリングオフができない場所となる。

ポイントとなるのは、申込や契約締結の場所はどこかという点です。

もしかすると、これはクーリングオフの対象となる取引なのではないかと思われる場合は、早めに国民生活センターに確認をしてみましょう。

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