外国籍の人が日本の不動産を売却するときの手続き・必要書類と注意点

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外国籍の人が日本の不動産を売却するときの手続き・必要書類と注意点

日本もグローバル化が進んでいますが、外国籍の人が何かをしようとすると手続きが大変なことが多いです。

そんな大変な手続きの一つに外国籍の方の不動産売却があります。

最近では中国や台湾などのアジアの投資家が日本の不動産を投資目的で購入しています。

彼らは値上りしたタイミングで不動産を売却するため、最近では外国籍の人による売却も増えています。 

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 外国籍ならではの不動産売却における特殊な手続きを知りたい
  • 外国籍の人が不動産売却をする際のポイントを知りたい
  • 海外に在住したまま不動産を売却するための手続きを知りたい

そこで今回の記事では「外国籍の人の不動産売却」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読めば、外国籍が不動産を売却するうえで必要となる特有の手続きを理解できます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.外国籍の方の不動産売却の注意点は「登記」

外国籍の方も日本国内で買物をすることは自由です。

不動産も同様で、外国籍の人が日本の不動産を買ったり売ったりすることは自由にできます。

しかしながら不動産の場合、売買に伴い所有権の登記移転が発生します。

この所有権移転が通常のモノの売買とは異なる部分であり、外国籍の人の不動産売買ならではの問題点が生じます。

以下に個人が不動産を売却する際、登記に必要な書類を示します。

  • 権利証または登記識別情報通知書
  • 委任状(司法書士が作成するもの)
  • 固定資産税評価証明書
  • 住民票
  • 印鑑証明書

これら書類は、外国籍でなくても必ず必要になります。

ポイントは住民票と印鑑証明書

ここで売主が外国籍の方の場合、「住民票」と「印鑑証明書」の入手がネックとなります。

場合によっては住民票や印鑑証明書の入手に半年以上もかかり、引渡が大幅に遅れる可能性もあります。

売買当事者が外国籍の方がいる場合は、登記必要書類を早めに集めるというのがポイント

登記にやたらと時間がかかることを防ぐため、登記書類の早めの確認と早めの入手を心がけましょう。

以上、ここまで外国籍の方の不動産売却のポイントについて見てきました。

それでは外国籍の方の住民票及び印鑑証明書の取得方法について見ていきます。

2.外国籍の方が住民票・印鑑証明書の取得する方法と代替書類

一般的に外国籍の方は、在留資格などにより

  1. 中長期在留者等
  2. 中長期在留者等以外
  3. 海外在住

の3つに分類されます。

①中長期在留者等の住民票・印鑑証明書の取得方法

まず中長期在留者等とはどういう人たちかを見てみます。

本記事の中では、下表の人たちを「中長期在留者等」と略称することにします。

  • 中長期在留者:日本に在留資格をもって在留する外国人であって、3ヶ月以下の在留期間が決定された人や短期滞在・外交・公用の在留資格が決定された人等以外の人を指します。
  • 特別永住者:「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」により定められた資格を有する人を指します。
  • 一時庇護許可者:船舶等に乗っている外国人が難民の可能性がある場合などの要件を満たすときに一時庇護のための上陸の許可を受けた人を指します。
  • 仮滞在許可者:不法滞在者が難民認定申請を行い、一定の要件を満たすときに仮に我が国に滞在することを許可された人を指します。
  • 出生又は国籍喪失による経過滞在者:出生又は日本国籍の喪失により我が国に在留することとなった外国人を指します。

中長期在留者は、観光などの短期滞在者等を除いた、適法に3か月を超えて在留する外国人であって、市区町村区域内に住所を有する人たちです。

中長期在留者等の住民票

中長期在留者等のように合法的に日本に3か月以上滞在できる人たちは、日本人と同じように住民登録ができます。

以前は外国人登録証という身分証明書がありました。

平成25年に住民基本台帳法が改正された以降は住民票を作成できることになっています。

そのため、中長期在留者等の方たちであれば、住居地を届け出た市区町村の窓口へ住民票の申請を行うことで、外国人用の住民票をすぐに取得することが可能です。

中長期在留者等の印鑑証明書

また中長期在留者等のように、在日の外国人であれば、その住居を届け出た市区町村に印鑑を登録することができます。

よって印鑑証明書を登録している外国人であれば、印鑑証明書もすぐに取得することが可能です。

しかしながら、海外の多くの国はサインの文化であるため、外国籍の方は印鑑をあまり使用されません。

そのため実態としては印鑑証明書を登録している外国人は少数派です。

印鑑証明書を登録していない場合の措置については後述します。

②中長期在留者等以外の住民票・印鑑証明書の取得方法

ここでいう中長期在留者等以外の外国人とは、日本に入国している中長期在留者等以外の外国人を指します。

中長期在留者等以外の住民票

中長期在留者等以外の外国人は、そもそも住民票を登録できません。

日本に住所がないことになっているため、本国の住所を証明する書類が住民票に変わる代替書類となります。

具体的な住民票の代替書類としては、「その国の公証人の認証のある住所に関する宣誓供述書」があります。

住所の宣誓供述書とは、あらかじめ依頼者から本国の住所を聞いたものを宣誓供述書の形式にしておき、それにその国の所属公証人の認証を得たもの

また「在日の当該大使館領事部で認証された宣誓供述書」でも住所を証する代替書類として扱えます。

ただし、大使館によって対応が異なるため、あらかじめ大使館領事部に住所の宣誓供述書の発行の可否を確認しておいた方が良いでしょう。

また、その外国人の本国の住民票のようなもの、つまり「官公署で発行する住所を証する書面(住民登録証明書)」も代替書類となります。

ただし、その書類が本当に住所を証明するものであるかの判断するのに時間がかかるため、実際にあまり用いられることはありません。

中長期在留者等以外の印鑑証明書

中長期在留者等以外の外国人は住所登録ができないため、そもそも印鑑証明書も登録できません。

そのため後述する印鑑証明書を登録していない場合の措置に該当します。

③海外在住者の住民票・印鑑証明書の取得方法

海外在住の外国人とは、日本に入国しておらず、日本の不動産を所有している外国人を指します。

海外在住者の住民票

海外在住の外国人は、当たり前ですが国内に住んでいないため、住民票はありません。

そのため、海外に実際に住んでいる住所の証明書類が必要となり、対応としては「中長期在留者等以外の外国人」と同じになります。

海外在住の外国人も「その国の公証人の認証のある住所に関する宣誓供述書」や「在日の当該大使館領事部で認証された宣誓供述書」が住民票に代替する書類となります。

もしくは証明に時間がかかりますが「その国の官公署で発行する住所を証する書面(住民登録証明書)」も住民票の代替書類となります。

海外在住者の印鑑証明書

また印鑑証明書についても登録できないため、印鑑証明書を登録していない場合の措置となります。

3.印鑑証明書を登録していない場合の2つの代替書類

印鑑証明書を登録していない場合の措置としては、次の2つのいずれかの書類が代替書類となります。

  • 当該国の在日大使館または本国の官憲によるサイン証明書
  • 登記委任状に当該国の在日大使館の認証を受けた書類

実際には、後者のパターンで事前に司法書士に登記委任状を作成してもらい、売主である外国人が当該国の在日大使館において認証を受けることによって印鑑証明書の代替書類とすることが多いです。

また外国人が来日していない場合には、

  • 「司法書士が事前に作成した宣誓供述書を現地公証人に署名の認証をしてもらった書類」
  • 「本国の官憲が発行するサイン証明書」

が印鑑証明書の代替書類となります。

4.信頼できるプロの不動産会社を見つけるのがオススメ

信頼できる不動産会社を見つける

不動産売却で大事なことは、「信頼できる不動産会社を探せるか」。

不動産会社によって、得意としている不動産も異なりますし、この地域は得意・不得意などあります。

中には売却金額に数百万、数千万の差が出ることも。

ただ、あなただけの力でそのような不動産会社に出会えることは難しいと思います。

不動産会社を1社1社回って話を聞いていても、逆に迷うことになり時間ばかりが過ぎてしまいます。

そこで筆者がオススメしているのが「不動産一括査定サービス(サイト)」です。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

一括査定サービスの仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

一括査定の流れ

えぇぇ!!!こんな便利なサービスがあるんですね!
ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒

不動産一括査定のオススメは 「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定×不動産会社のマッチング表

一括査定×不動産会社のマッチング表

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
こう見ると、上4つがずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井不動産」「住友不動産」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

ご要望・ご質問の欄にメールでの査定額を希望

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

5.まとめ

外国籍の人が不動産を売却するときに必要な書類とその注意点について見てきました。

ポイントは登記必要書類の住民票と印鑑証明書の準備です。

外国人の滞在資格や印鑑証明の登録の有無に従い、適切な対応を行いましょう。

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