けっこう危ない!不動産売却で反復継続になる判断基準と罰則内容

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「反復継続」というキーワードで検索している人は、恐らく宅地建物取引士の勉強をした経験のある人だと思われます。

不動産を反復継続して売却できるのは、宅地建物取引業者のみ。宅地建物取引業者以外の人が不動産売却を反復継続している場合には、宅地建物取引業法違反ということになります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • そもそも、不動産売却を反復継続するってどういうことなの?
  • どのような場合が、不動産売却の反復継続に該当するの?
  • 宅地建物取引業者以外が不動産売却を反復継続するとどうなるの?

そこでこの記事では、「不動産売却の反復継続」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、不動産売却を反復継続するのはダメなのかどうかや、注意したい取引について知ることができます。

合同会社ラビッツ 代表社員 石川貴裕

不動産売却の教科書の責任者・編集

合同会社ラビッツ 代表社員

石川貴裕

名古屋のIT企業に従事しながら、親族の不動産仲介会社にて不動産売買の実務を経験。不動産売買で損をしている人が多く疑問を感じたため、当サイト不動産売却の教科書を立ち上げ。

経歴不動産仲介10年、電気機器メーカー5年、電子部品メーカー2年、WEBサービス会社5年

1.宅地建物取引業の定義と反復継続の定義

反復継続という言葉は、普通の人はなかなか出てきません。反復継続は、宅地建物取引士の勉強をしていると、宅地建物取引業の定義の中で登場してきます。

宅地建物取引業の定義は、以下の2種類の行為を行うことと定められています。

  1. 自ら宅地・建物の売買あるいは交換を業として行うこと
  2. 他人が行う宅地・建物の売買、交換、賃借の代理・媒介を業として行うこと

上記の定義の中で、「業として行うこと」というのが重要なキーワードとなります。

「業として行うこと」とは、不特定多数の者に対し、反復継続して行うこと

「業として行う」の判断基準

「業として行う」の判断基準は、以下の5つが考慮されます。

  1. 取引の対象者
  2. 取引の目的
  3. 取引対象の取得経緯
  4. 取引の態様
  5. 取引の反復継続性

1つ目の取引の対象者は、広く一般の者を対象に取引を行おうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低いと判断されます。

特定の関係とは、親族間、隣接する土地所有者等の代替が容易でないものが該当します。

2つ目の取引の目的は、利益を目的とするものは事業性が高く、特定の資金需要の充足を目的とするものは事業性が低いと判断されます。

特定の資金需要の例としては、相続税の納税、住み替えに伴う既存住宅の処分等利益を得るために行うものではないものが該当します。

3つ目の取引対象物件の取得経緯は、転売するために取得した物件の取引は事業性が高く、相続又は自ら使用するために取得した物件の取引は事業性が低いと判断されます。

自ら使用するために取得した物件とは、個人の居住用の住宅、事業者の事業所、工場、社宅等の宅地建物が該当します。

4つ目の取引の態様は、自ら購入者を募り一般消費者に直接販売しようとするものは事業性が高く、宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼して販売しようとするものは事業性が低いと判断されます。

5つ目の取引の反復継続性は、反復継続的に取引を行おうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低いと判断されます。

反復継続は過去や将来の行為も考慮して判断される

反復継続性は、現在の状況のみならず、過去の行為並びに将来の行為の予定及びその蓋然性も含めて判断されます。

また、1回の販売行為として行われるものであっても、区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当します。

宅地建物取引士の教科書で出てくる反復継続の例は、マンションや戸建ての分譲が挙げられることが多いです。

A社が50戸のマンションを建て、それを不特定多数の人に販売した場合は、反復継続としてみなされ、宅地建物取引業に該当します。

宅地建物取引業は免許制なので、50戸のマンションを不特定多数の人に分譲することは、免許を持った宅地建物取引業者しかできないことになります。

社員にあっせんする行為は反復継続に該当しない

一方で、A社が社員のために50戸の社宅を建て、それを社員にあっせんする行為は反復継続に該当しません。

このようなケースが本当にあるのかどうかは別として、社員という特定の人に会社があっせんしている場合には、宅地建物取引業の反復継続には該当しないとされています。

反復継続の概念としては、単に繰り返していることのみならず、「不特定多数」性も判断の要因となります。

もう少し詳しく違反となるならないの基準を見ていきましょう。

2.不動産売却で反復継続の明確に違反・グレーな基準

不動産売却は、前節の基準に照らし、業として行っていると認められれば、反復継続しているものとみなされます。

例えば、競売で土地を安く購入して転売を繰り返すような行為は明確に違反し、反復継続に該当します。

競売で安く購入して売るということは、そもそも取引の目的が利益を追求する事業性の高い行為。転売先も広く一般の人に向けて行えば、不特定多数の人を相手にしていることになります。

また、そのような転売行為を何度も繰り返せば、まさに反復継続ですので、事業性が高いものと判断されることになります。

競売は、宅地建物取引業者以外の個人でも入札に参加できるため、このような行為はやろうと思えば個人でもできてしまいます。

競売ビジネスは、宅地建物取引業者の専売特許のような行為であるため、個人が競売ビジネスに手を出したら、明らかに宅地建物取引業法違反です。

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グレーな取引もある

一方で、解釈上、反復継続とは認められない可能性の高いグレーな取引もあります。例えば、戸建て賃貸を借家人に売るようなケースです。

相続対策の土地活用の一つに、戸建て賃貸があります。広い土地で戸建て賃貸を行うと、何棟も戸建て賃貸を建てることになります。

戸建て賃貸のメリットとして、借家人に土地建物を売却できるという点があります。

戸建て賃貸は、借家人がその家を気に入って、借家人から「買わせてもらえませんか?」と言ってくるケースが良くあります。

オーナーとしては、家賃をもらい続け、しかも古くなった建物を買い取ってもらえるため、非常にメリットがあります。アパートでは借家人が買うことは想定できないため、戸建賃貸ならではのメリットです。

ただ、借家人から申し出がある度に売却していけば、あたかも反復継続をしているように見えます。

しかしながら、このケースでは、戸建て賃貸が相続対策を目的に取得した経緯があり、利益を目的としたものではないことから、反復継続性は低いと判断される可能性が十分にあります。

このように、個人の行う不動産取引でも、知らない間にグレーな取引を行っていることはあります。グレーが明確な黒とならないように、「業として行う」の判断基準に該当していないかどうかを確認することが重要です。

明らかに目立つことはしないこと

個人でも、不動産投資で転売を繰り返して成功しているような人がいます。

短期間に転売して、資産を増やしているようなケースが、限りなく反復継続に近いものと考えられます。

このように個人投資家で成功した人の中には、テレビに出たり、本を書いたり、目立つようなことをしている人がいます。

中には、「この人、宅地建物取引業法違反では?」と思う人も少なくありません。もし、反復継続で捕まるケースがあるとすれば、このような目立つ行いをしている人だと思われます。

テレビや本を見た人からの「タレコミ」によって警察が動き、捕まるというケースです。

不動産投資に成功して、脱サラできたら自慢したいのは分かります。ただ、人々のやっかみを買えば、どんな指摘を受けるか分かりません。

では、違反したのが業者以外の場合はどうなるのでしょうか。

そこで次に、業者以外が業法違反するとどうなるのかについて解説いたします。

3.不動産業者以外が反復継続するとどうなるのか

宅地建物取引業者であれば、免許を取得していますので、反復継続して不動産売却を行うことは可能です。

ここで、問題となるのは、免許を持っていない個人などの宅地建物取引業者以外の人が反復継続してしまうとどうなるかという点です。

まず無免許での宅地建物取引業を行うことは法律で禁止されています。

第十二条 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。
2 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもつて、広告をしてはならない。
(名義貸しの禁止)

※出典:電子政府の総合窓口e-Gov「宅地建物取引業法 第十二条」より

また、無免許営業をした場合には、最も重い罰則として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(または両者の併科)が予定されています。

第七十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 不正の手段によつて第三条第一項の免許を受けた者
二 第十二条第一項の規定に違反した者
三 第十三条第一項の規定に違反して他人に宅地建物取引業を営ませた者
四 第六十五条第二項又は第四項の規定による業務の停止の命令に違反して業務を営んだ者

※出典:電子政府の総合窓口e-Gov「宅地建物取引業法 第七十九条」より

また、将来、宅地建物取引業者になれないという制限も発生。宅地建物取引業では、「免許の申請前5年以内に宅建業に関し不正または著しく不当な行為をした者」は免許を取得することができません。

第五条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合又は免許申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合においては、免許をしてはならない。

四 免許の申請前五年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者

※出典:電子政府の総合窓口e-Gov「宅地建物取引業法 第五条 (免許の基準)」より

宅建業を行う前に、業者でもないのに反復継続して宅地建物取引業法に違反している行為をしていれば、宅地建物取引業者にはなれないことになります。

例えば、個人で知らないうちに反復継続を行い、宅地建物取引業法に違反していた場合を想定。個人時代に、結構、儲かったため、不動産業が面白くなり自分も宅地建物取引業者になってみたいと思ったとします。

しかしながら、いざ免許を取得しようとしたときに、申請前5年以内に宅地建物取引業法に違反していれば、宅地建物取引業の免許が取得できなくなります。

個人で反復継続するような人は、かなり不動産に縁の深い人が多いです。不動産に縁の深い人は、将来、宅地建物取引業を開業する可能性はゼロではありません。

反復継続に該当しそうな場合には、注意してください。

4.まとめ

以上、ここまで、不動産売却を反復継続するのはダメなのかどうかや、注意したい取引について見てきました。

反復継続かどうかは、「業として行う」の判断基準がポイントです。

個人もいつの間にか反復継続に手を染めてしまう可能性がありますので、ご注意ください。

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