相続で知っておきたい土地評価と小規模宅地等の特例の使い方

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自分が相続税の支払義務があるかどうかを知るには、相続する不動産の評価額を知る必要があります。

相続が発生した人、または近々相続が発生する人の中には、

  • 相続の土地評価の基本を知りたい
  • 自分の家の土地の評価額が知りたい
  • 土地の評価額を下げられる特例を知りたい

等々のことを思っている方も多いと思います。

そこで今回の記事では「相続における土地評価」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは相続土地評価の基本と、相続土地評価で重要な特例である小規模宅地等の特例について知ることができます。

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1.相続の土地評価の必要性

相続では、亡くなった被相続人が保有していた財産の額によって相続税の額が決まります。

現金であれば、現金の金額そのものが価値として分かりますが、不動産の場合、売却してみないとその価値がいくらなのかが分かりません。

しかしながら、相続で時価を知るために、いちいち売却することはできません。

そこで、不動産の場合、公平妥当な一定のルールに基づき、「評価」を行って財産の金額を確定します。

売却ではなく、評価によって財産額を決めてしまえば、売る必要もなく財産の金額を決めることができます。

不動産の場合は売却しなくても財産額が分かるようにするために、評価という手続きが必要となってくる

以上、ここまで相続の土地評価の必要性について見てきました。

ちなみに、不動産のうち、建物については固定資産財評価額が相続税評価額となります。

固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書に記載されている金額です。

一方で、土地の相続税評価額は固定資産税評価額ではありません。

土地は相続税路線価というものを用い、評価額を決めていきます。

そこで次に相続税路線価についてご紹介します。

2.土地の価値を把握する「相続税路線価」の見方と評価額の求め方

相続税路線価は、国税庁のホームページで確認することができます。

国税庁の路線価ページはコチラ → http://www.rosenka.nta.go.jp/

具体的には、「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」というページが路線価を調べられます。

路線価のホームページで自分の土地の路線価図を調べると、下図のような地図が出てきます。

下図の路線価図は、日本一土地価格が高い銀座の路線価図になります。

銀座の路線価図

路線価図には道路(路線)に数字が振られています。この数値を路線価と呼びます。

路線価には8,250Aというような数値とアルファベットが記載されています。

8,250というのは、㎡当たりの単価です。坪単価ではありません。

単位は(千円/㎡)です。AとかBというアルファベットは借地権割合を表しています。

借地権割合とは、土地を借地している場合、借地権の価格を求める場合に使います。

路線価図の上部にA~Gで割合が記載されています。

Aは90%ですが、8,250Aの場合、8,250×90%=7,425千円/㎡が借地権の価格になります。

特に借地をしていない場合には、借地権割合は使用しませんのでA~Gの記号は無視してください。

土地の相続税評価額の計算式と例

土地の相続税評価額は土地の㎡面積に路線価を乗じて求めます。

土地の評価額 = 路線価(千円/㎡) × 土地面積(㎡)

例えば、路線価が100で土地の面積が120㎡だと、土地の評価額は以下のようになります。

土地の評価額 = 路線価(千円/㎡) × 土地面積(㎡) = 100千円/㎡ × 120㎡ = 1,200万円

尚、路線価は概ね時価の80%程度に設定されています。

例えば売却したら1,000万円するような土地であっても、路線価で評価すると800万円となっているようなイメージです。

現金で1,000万円を持っている人は、それを土地に変えるだけでも相続税評価額が減るため、相続対策となります。

以上、ここまで相続税路線価について見てきました。

相続税路線価を調べてみると、自分の土地の路線価図が見当たらない場合があります。

路線価図のないエリアは倍率地域と呼ばれます。

そこで次に倍率地域の評価額について解説します。

3.路線価図がない「倍率地域」の評価額の求め方

「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で路線価が見つからない場所は倍率地域と呼ばれています。

路線価は比較的都市部でないと振られていませんが、郊外の土地では倍率地域が多くなってきます。

倍率地域は、同じく「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」の中で倍率表のページがありますので、自分の住んでいるエリアの倍率を調べます。

倍率表には、1.1とか1.0といった倍率が記載されています。

倍率地域の土地の評価額は、土地の固定資産税評価額に、倍率を乗じて求めます。

土地の固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書に記載されている評価額を用います。

固定資産財納税通知書には、「評価額」と「課税標準額」という2つの価格が記載されていますが、「評価額」の方を用います。

倍率地域の評価額の計算式と例

例えば、固定資産税評価額が300万円で、倍率が1.1倍である場合、相続税評価額は以下のように計算されます。

土地の評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率 = 300万円 × 1.1 = 330万円

倍率地域の相続税評価額の求め方は、かなり簡単です。

以上、ここまで倍率地域の評価額について見てきました。

では具体的に土地はどのように評価したら良いのでしょうか。

そこで次に土地評価の基本について見ていきます。

4.相続の土地評価の基本

相続税評価額は、そのエリアの標準的な土地の評価額を定めています。

標準的な土地であれば、路線価に土地面積を乗じたものが土地の評価額です。

土地の評価額 = 路線価(千円/㎡) × 土地面積(㎡)

例えば、あるエリアの戸建住宅の一区画の土地の大きさが40~80坪程度の土地が多いエリアの場合、自分の土地が50坪であれば、標準的と考えます。

20坪や100坪といった土地でも、概ね標準的な土地と捉えます。

以下の面積以上の土地であれば広大地という別の評価を用いる可能性があります。

符号土地の種類広大地の面性基準
(イ)市街化区域三大都市圏500㎡
三大都市圏以外の地域1,000㎡
(ロ)用途地域が定められていない非線引都市計画区域3,000㎡
用途地域が定められている非線引都市計画区域イ(イ)と同様

広大地は上表のような広い土地で戸建住宅の分譲開発用地となるような土地であれば、安くなることがあります。

一方で、広い土地でもマンションの開発用地となるとうな土地であれば安くはなりません。

広大地に該当しないような土地であれば、基本的には路線価に土地面積を乗じたものが土地の評価額となります。

その他、土地は接面している道路の数や形等の個性に応じて以下のような調整を行う場合があります。

  1. 側方路線影響加算
  2. 二方路線影響加算
  3. 三方路線影響加算
  4. 四方路線影響加算
  5. 間口狭小補正
  6. 奥行長大補正
  7. 不整形地の評価
  8. 無道路地
  9. がけ地補正

以上、ここまで相続の土地評価の基本について見てきました。

相続では節税のために特例を使って評価額を落とす方法があります。

土地評価の特例の中では、小規模宅地等の特例が一番節税効果の大きい特例です。

そこで次に決め手は小規模宅地等の特例の使い方について解説します。

5.節税効果の大きい小規模宅地等の特例の使い方

相続の土地評価で一番重要なのは、小規模宅地等の特例です。

小規模宅地等の特例は、相続した土地のうち、一定の要件を満たす土地であれば、80%も土地の評価額を減額してくれます。

例えば、5,000万円の土地でも1,000万円の評価額となるため、この特例の効果はとても大きいです。

小規模宅地等の特例を上手く使いこなすことで、相続税の課税を回避できることがよくあります。

そのため、相続対策の現場では小規模宅地等の特例を使いこなすことが一番重要です。

小規模宅地等の特例を適用できる土地には

  1. 特定居住用宅地等
  2. 特定事業用宅地等
  3. 特定同族会社事業用宅地等
  4. 貸付事業用宅地等

の4種類があります。

それぞれの特例が適用できる面積上限と減額割合は下表のとおりです。

種類対象面積の上限減額割合
特定居住用宅地等330㎡80%
特定事業用宅地等400㎡80%
特定同族会社事業用宅地等400㎡80%
貸付事業用宅地等200㎡50%

このうち、特定居住用宅地等が一般的に最もよく使われる土地の種類となりますが、特定居住用宅地等の要件は以下のものになります。

  1. 被相続人と同居していた親族で、次の要件をすべて満たすもの
    イ.続開始の時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住していること。
    ロ.その宅地等を相続税の申告期限まで有している人
  2. 被相続人と別居の親族で、次の要件をすべて満たすもの
    イ.相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがないこと
    ロ.その宅地等を相続税の申告期限まで有していること
    ハ.被相続人の配偶者または上記1イの家屋に居住していた被相続人の法定相続人(相続の放棄があった場合に は、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと
  3. 被相続人と生計を一にしていた親族で、次の要件をすべて満たすもの
    イ. 相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住していること
    ロ.その宅地等を相続税の申告期限まで有している人

上記の要件の中で注目すべき部分は、1の「被相続人と別居の親族」です。

節税でよく利用される「被相続人と別居の親族」の定義

別居している親族で、相続人が自分の家を持っていない場合は、特定居住用宅地等を使うことができます。

これを、俗称で「家なき子」制度と呼んだりもします。

例えば、両親から独立している子供でも、その子供がずっと賃貸マンションで暮らしているようであれば、小規模宅地等の特例が適用できるため、大幅に相続税を減額することができます。

家なき子制度は、実務上は最も使い勝手が良く、節税効果の高い相続対策となっています。

資産家の子供であれば、無理に家を購入せず、ずっと賃貸暮らしをしていた方が、相続対策上は特になります。

貸付事業用宅地等の定義

また小規模宅地等の特例を適用できる種類のうち、「貸付事業用宅地等」とは、以下のような事業に供されている土地になります。

  • 不動産貸付事業
  • 駐車場業
  • 自転車駐車車上業

コインパーキングのような時間貸駐車場も適用できます。

小規模宅地等の特例は、非常に効果の大きい特例ですが、適用できる面積に上限があるため、土地単価の高いところから優先的に消化していくことがポイントになります。

複数の土地がある場合には、単価の高い土地を選び出し、そこに小規模宅地等の特例を適用することが、効果的な使い方です。

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6.まとめ

以上、相続で知っておきたい土地評価の基本と小規模宅地等の特例の使い方について見てきました。

土地の評価額は相続税路線価を用いて行います。

土地の評価額を大きく下げるには、小規模宅地等の特例が使えるかどうかが決め手になります。

特例が使えるようであれば、特例で土地の評価額を下げるようにしましょう。

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