高級トリミングや高額医療等、家族以上に可愛いペットにお金をかける人たちも増えています。
そんなアイドル的存在のペットですが、やっかいな存在になるときもあります。
それはマンションの売却のときです。可愛いはずのペットが、マンションの売却価格を下げる原因になることがあるのです。
こんな悩みをスッキリ解消!
- マンション価格がどれくらいになるのか心配だ
- ペットを飼っていたマンションでも売れるのだろうか
- 高く売るにはどうしたら良いのだろうか
そこで今回の記事では「ペットを飼っていたマンションの売却」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことであなたはペットマンションの特徴を理解し、適切な売却の手続きを踏むことができるようになります。
ペットを飼っていたマンション売却を検討中のあなたにすぐ分かる結論
また、マンション売却全般に関しては下記記事で詳しく解説しています。
ペットを飼っていたマンションは全てが価格下落するわけではない
ペットマンションは需要が増えている
最近は、単身世帯や2人世帯という少数世帯の数が増加傾向にありますが、それに伴って増加しているのが、ペットを飼う人たち。
特に都心部のマンションではペットを飼う世帯が急増しており、ペットのしつけ教室や歯磨き教室など新たなサービスも登場しています。
マンション開発ディベロッパーも、ペットブームの需要をキャッチ。
近年のマンションはマンションの企画としてペット飼育可とするマンションも当たり前になってきました。
企画としてペットが飼えるマンションは、最初からドア近くのリードフックや、犬の肉球で滑りにくい素材の床材、消臭クロス等が完備されているマンションもあります。
また共用部ではペットの足洗い場があり、エレベーターもペットを抱っこしている人が中にいることを知らせるボタンも付いていたりするマンションもあります。
このように最初からペットを飼うことが企画されたマンションというのは、ペットを飼っていたとしてもあまり価値が落ちにくいマンションと言えます。
ペットブーム前のマンションは下落する
一方で、問題となるのがペットブーム以前の古いマンションです。
古いマンションはそもそもペットを飼うことを想定して設計されていないため、ペットを飼った結果、専有部に様々な悪影響を及ぼします。
ペットを飼っていたマンションの悪い特徴としては、①臭いと②傷の2点があり、この2つがマンション価格を下げる原因となります。
特にペットを飼うことを想定して設計がされていないマンションは、価格が大きく下落している可能性があるため要注意です。
以上、ここまでペットを飼っていたマンションの特徴について見てきました。
それでは次に気になる修繕について見ていきましょう。
ペットを飼っていたマンションを高く売るために事前にやっておく3つの修繕
ペットを飼っていたマンションを高く売るには、下記3つを事前にやっておきましょう。
- ひっかき傷の修繕
- 消臭クロスへの貼替
- ノミ駆除
爪によるひっかき傷は修繕しよう
ペットを飼っていたマンションの特徴の1つに傷がありますが、特に猫を飼っていたマンションは注意が必要です。
猫は爪を立てて、柱をガリガリかく性質があるため、木製建具などの柔らかい部分が傷だらけになっている可能性があります。
ペット飼育可マンションであっても、床材やクロスはペット用にケアされていますが、建具だけは他のマンションと同じものを使っているケースがほとんどです。
壁や建具等のひっかき傷は目立ちますので、このような目に見える傷は交換や修繕を行って売却に臨む方が良いでしょう。
消臭クロスを貼り換えよう
消臭クロスを貼っていたマンションであれば、新しい消臭クロスに貼り替えを行っておいた方が良いでしょう。
くれぐれもここでケチって普通のクロスを貼らないようにしてください。
ノミ駆除は徹底的に
また床がカーペットの場合、ノミが大量に発生している場合があります。
ペットを飼っている状態で売却すると、ノミを完全に駆除することは難しいですが、事前に時間をかけてノミ駆除を実施しておくのが得策です。
ノミの駆除はアース製薬などが販売しているスプレーを使うといいでしょう。
以上、ここまで修繕について見てきました。それでは次に気になるニオイについて見ていきます。
価格を落とすポイントはニオイ
ニオイで見送られるケースもある
ペットを飼っていたマンションの価格を落とす一番の原因はニオイです。
ニオイは普段住んでいる人には分かりませんが、特にペットを飼っていない人が購入者となると、ニオイが一番気になるところです。
間取りが気に入っても、いざ内覧を終えるとニオイが気になり購入を見送るケースは少なくありません。
ニオイは何もペットマンションだけに限らず、汚部屋やタバコ部屋も同様です。
当初から消臭クロスとなっているマンションでは、このニオイのダメージはかなり防げます。
しかしながら、消臭クロスとなっていない古いマンションでは、ペットのニオイが染みついています。
消臭リフォームはオススメしない
消臭クロスでない場合、残念ながらペットやタバコのニオイは、クロスの裏側にあるコンクリート躯体まで染み込んでしまっています。
そのため消臭リフォームをしてもほぼ効果はありません。
消臭リフォームは一旦、ニオイが消えたようになりますが、それでも時間が経つと再びニオイが出てくるケースがあります。
費用も高額ですが、その効果は確証されないため、やらない方が良いです。
建物の修理の中で「ニオイを消す」というのは、最も難易度が高く、価格も高いため、オススメできません。
そのため、ある程度減額して売却した方が、売主としては安く済みます。
以上、ここまで価格を落とすポイントはニオイについて見てきました。
それでは次に気になるマンション価格について見ていきましょう。
ペットマンションで意識するべき価格査定のポイント
訪問査定を受けるべき
ペットを飼っていたマンションを売却する場合、複数の不動産会社から査定を取ることを特にオススメします。
ニオイほど「主観の強い」減額要素はないからです。
ニオイは人によって感じ方が異なります。
またペットもニオイのキツイ大型犬を買っていたのか、小型犬を最近飼い始めただけなのかによっても、ニオイの付き方が違います。
ネットでの査定相場を調べても全く当てになりません。
不動産会社に実際に訪問してもらい、マンションのニオイを体感してもらう必要があります。
不動産会社の訪問査定を受けたとしても、実際の購入希望者が内覧したときのニオイの印象が不動産会社と同じとは限りません。
ニオイに関してはかなりバラつきの大きい印象になりますので、あらかじめ複数の不動産会社から査定をもらい、ある程度の価格幅を覚悟しておくのが良いでしょう。
査定は自信につながる
また不動産会社から査定を取ると、売却に向けて自信に繋がります。
「ひょっとしたら売れないかもしれない」と思っている方も、査定を取ると具体的な価格が分かりますので、売れるということの実感が沸いてくるのです。
一括査定を使って複数の不動産会社に査定
先ほどニオイは「主観の強い」とお話ししました。
つまり査定をしてもらう不動産会社によって大きく見解が異なる可能性があるというわけです。
先ほどお伝えしましたが、1社だけの査定に頼らず複数の不動産会社にみてもらうのがいいでしょう。
複数の不動産会社をサクッと査定依頼が行えるサービスがあります。
それが不動産一括査定サービスです。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
不動産一括査定を使うと、ネット上からあなたの不動産情報を入力すると、マッチングする不動産会社が自動的に見つかる優れものです。
自分では到底見つけられない不動産会社もすぐに見つけることができとても便利です。
一括査定のオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」
不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。
その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。
筆者は何度も不動産一括査定を利用しています。
下記は「すまいValue」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所の住まいリレー」より、査定結果をもらった写真です。
下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。
少し細かいので、流し読みする程度で大丈夫です。
これを見ると、上位4社がずば抜けているのが分かると思います。
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3強ということです。
不動産売買は超大手に偏っている
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。
超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。
それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。
超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。
そしてこの3社に唯一依頼できるのが「すまいValue」です。なので「すまいValue」は外せません。
超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する
ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。
また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。
売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。
その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。
売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能
紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。
また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。
どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。
不動産一括査定サイト名 | 机上査定が対応 | メール要望 |
---|---|---|
すまいValue | ○ | ○ |
SUUMO | ○ | ○ |
HOME4U | ○ | ○ |
イエウール | × | × |
SRE不動産(※旧ソニー不動産) | × | ○ |
不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。
まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。
評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。
以上、ここまでマンションの価格査定について見てきました。
最後にこれからマンションを買換える方へのアドバイスです。
これからペットを飼う人へ今からやっておくべきこと
買換え後も引き続きペットを飼いたい方は、買換えるマンション選びも重要になってきます。
オススメは当初からペット可となっているマンションです。
ペット可のマンションは共用部に足洗い場があったり、廊下にもリードフックがあったりなど、何かと便利です。
またペットを飼いたいという人が集まるため、次に売却することを考えても、ペット対応されているマンションの資産価値は下がりにくい物件となります。
自分が気に入ったマンションがペット可でない場合には、入居前に床とクロスの貼替リフォームを行いましょう。
床材に関しては、最近はペットが転びにくいシートフローリングも登場しています。
糞尿をしてもさっと拭くだけで処理できて便利です。
またクロスは消臭クロスに貼替え、最初からニオイ対策をしておきましょう。
まとめ
犬や猫のペットを飼っていたマンションの売却と注意点について解説してきました。
ペットを飼っていたマンションの場合、まずは自分のマンションがどのような状態にあるのか、客観的に査定を受けることから始めるのが良いでしょう。