普通に不動産を売却する上では、弁護士に相談する必要はありません。
仮に弁護士に相談する必要があるとしたら、非常に厄介なトラブルを抱えているような場合です。
ただ、相談するにしても、ほとんどの方が弁護士にお世話になったことはないし、知り合いの弁護士もいないのではないでしょうか。
こんな悩みをスッキリ解消!
- 弁護士にはどのようなことを相談できるのか知りたい
- 裁判をするつもりはないが弁護士に相談できるのか知りたい
- 弁護士費用はいくらくらいになるのか知りたい
結論からすると、弁護士は法律の専門家であるため、トラブルを法律に基づき解決してくれます。
ただし、弁護士費用は売却額の4%~16%程度掛かります。詳しく見ていきましょう。
トラブルを抱えた不動産の例
不動産の中には、売却が一筋縄ではいかぬ物件があるのも事実。
不動産売却におけるトラブルは必ずしも売る前だけに発生しているものではありません。
トラブルが生じるタイミングとしては、
- 売却前
- 売却中
- 売却後
の3つです。
不動産の売却で多いトラブル事例
売却前、売却中、売却後のタイミングにおけるトラブルの具体例は以下のようなものがあります。
売却前
- 境界や越境物で揉めており、境界確定ができず売却できないようなケース
- 遺産分割協議や離婚の財産分与等、共有物の売買で売主の間で揉めているケース
- 借地権付き建物を売却する場合で、地主の承諾が得られないケース
売却中
- 売買契約締結後から引渡までの間に買主が死亡してしまったケース
- 売買契約締結後から引渡までの間に瑕疵が発見されたようなケース
- 売買契約締結後、履行の着手をした後に手付解除を求められるようなケース
売却後
- 瑕疵担保責任として、土壌汚染対策費用で莫大な処分費用が要求されるようなケース
- 告知書に告知しなかったことが後から発覚し、買主から損害賠償を求められるようなケース
- 瑕疵担保免責特約を結んだのにも関わらず、買主から修繕費用を要求されるケース
トラブルは「権利が複雑なもの」や「大きなお金に関するもの」「契約書や法律を守らないもの」など、様々なことが原因で発生します。
弁護士への依頼は、基本的に不動産会社では手に負えないようなトラブルが発生した場合に依頼することになります。
売却前のトラブルであれば、これ以上トラブルが広がらないように、事前に弁護士に相談する必要があります。
また売却中や売却後のトラブルについては突発的な事象であるため、トラブルが発生した段階で弁護士に相談することになります。
以上、ここまでトラブルを抱えた不動産の例について見てきました。
ただし、例え優秀な弁護士であっても注意しなければいけないことがあります。
弁護士は「法律のプロ」であって「不動産のプロではない」ことです。
弁護士は法律のプロであって不動産のプロではない
売却前は権利関係のトラブルが多い
ここからは、売却前のトラブルで弁護士に相談するケースに話を絞ります。
売却前のトラブルは、まだお金が動いておらず、契約書も締結していないため、「大きなお金に関するもの」や「契約書や法律を守らない」といったトラブルはあまりありません。
売却前の段階では、「権利が複雑なもの」に起因する権利に関するトラブルがほとんど。
よくある実際のトラブル事例を再度まとめます。
- 境界のトラブルの場合は、隣地所有者との所有権の権利で揉める
- 遺産分割協議や離婚の財産分与等で共有者間に発生するトラブルは、売却後の取り分の権利で揉める
- 借地権付き建物を売却する場合で、地主の承諾が得られないケースも借地権と言う権利によって揉める
- 隣地所有者や共有者、地主等の他人の権利が絡み揉める
弁護士に相談する内容としては「権利の調整」、利害関係者とこれ以上トラブルにならないための「契約書の作成」「覚書の作成」などになります。
弁護士は法律の専門家
弁護士は「法律の専門家」。民法などの法律に基づき、権利に関する問題を解きほぐしてくれます。
弁護士はあくまでも法律の専門家であって、不動産の専門家ではないため、「いくらで売却できそうか」といったことは分かりません。
ところが、弁護士への相談内容は、売却予想金額が重要となるケースが少なくありません。
特に、遺産分割協議や離婚の財産分与等、「誰にいくら分けるか」と言った相談は、相談の前提として不動産がいくらで売却できるかというものを知っておく必要があります。
では、どのようにして売却予想金額を算出すればいいのでしょうか?
売却予想額に便利な一括査定サイト
弁護士が査定した方が話がスムーズ
不動産の売却予想価格は弁護士に調べてもらうこともできます。
遺産分割協議や離婚の財産分与等、共有者同士で揉めている場合は、第三者である弁護士に査定をお願いするのが公平性は保てます。
揉めている共有者の誰かが査定すると、「わざと高く査定させた」とか「意図的に低い価格を出した」等、疑いの目がかけられかねません。
そのため直接利害関係のない弁護士に査定を依頼した方が、その後の話がスムーズになります。
弁護士でも利用できる一括査定サイト
どれぐらいの売却額になるのか予想するのに便利なサービスがあります。
それは不動産一括査定サイトです。
不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス
複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。
「HOME4U」の一括査定サイトでは、弁護士でも査定を行うことが可能。
また机上査定やメールでの査定額も希望できます。
一度、HOME4Uを使って複数社から査定額を取ってみましょう。
弁護士と組んでいる不動産会社には注意
弁護士も、不動産会社と提携している人はいます。
しかしながら、弁護士と提携している不動産会社は任意売却を専門とした業者が多いです。
そのため、下手に弁護士の親しい不動産会社に査定をさせてしまうと、安く査定される危険性もあります。
弁護士へは上述のサイトを利用してもらい、客観的な査定額を取ってもらうことにしましょう。
それでは次に弁護士の選び方についてご紹介します。
優秀な弁護士を選ぶポイント
医者が外科や内科等に分かれているように、弁護士にも専門性があります。
国際紛争等で有名な弁護士であっても、不動産に関してはそれほど詳しくないことも十分にあり得ます。
「弁護士ドットコム」等の弁護士紹介サイトを使って地元の「不動産」に強い弁護士を探しましょう。
また不動産会社に弁護士を紹介してもらうのが、最も簡単で確実な方法です。
不動産に詳しい弁護士を紹介してもらえます。
弁護士に相談する際、多くの方は「裁判にしたくないから相談する」という方がほとんど。
それにも関わらず、すぐに裁判に誘導するような弁護士もいます。
相談を行ってみて、すぐに裁判したがるような弁護士であれば、それ以上相談をするのは避けた方が良いでしょう。
以上、ここまで弁護士の選び方について見てきました。
それでは最後に気になる不動産売却を弁護士に依頼した場合の費用についてご紹介します。
不動産売却における弁護士費用の相場
不動産売却に関して弁護士に依頼した場合には、弁護士費用が売却額の4%~16%程度です。
売却額が300万円超~3,000万円以下では、10%程度、3,000万円超~3億円以下では6%程度が一般的です。
個人の中古住宅の売却では、売却額が300万円超~3,000万円以下が、最も多い金額です。
まとめ
トラブルを抱えた不動産を売却する前に知っておきたい弁護士の選び方について見てきました。
弁護士に依頼すると、思いのほか費用が高額となります。
弁護士に相談する場合は、必要性を十分に考慮してから依頼をしましょう。