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知らなきゃとても恐ろしい!任意売却のハンコ代について徹底解説

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知らなきゃとても恐ろしい!任意売却のハンコ代について徹底解説

任意売却を検討する上で知っておきたい知識があります。

それは債権者が求めてくる「ハンコ代」です。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • ハンコ代って何?
  • ハンコ代の適正相場ってあるの?
  • 任意売却には費用がかからないって聞いたけど、ハンコ代が必要なの?
  • ハンコ代って少し怖い響きだけど違法じゃないの?
  • ハンコ代の話は聞いたことないけど、自分にも関係するの?

結論からすると、ハンコ代とは債権者が複数いるときに発生し、その実態は二番抵当権者以降の債権者への配分を意味しています。

そこで今回の記事では任意売却の「ハンコ代」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたはハンコ代についてきちんとした知識を身につけることができます。

目次

任意売却におけるハンコの意味とハンコ代の相場

ハンコ代の別名は担保解除料

任意売却では、不動産を売却する際、抵当権を抹消する必要があります。

抵当権とは、債務者(お金を借りる人)が不動産などを自分の手元に留めたまま、債務の担保として提供し、債権者がその担保目的物から優先的に弁済を受けることができる権利

抵当権の抹消とは、具体的に、登記簿謄本上に記載されている抵当権の部分を削除(アンダーラインを引くこと)することを指します。

抵当権の抹消には、債権者(お金を貸している人)のハンコが必要になります。

債権者がハンコを押した書類を法務局へ届け出ることによって、はじめて抵当権が登記簿謄本から抹消されます。

抵当権の抹消は、債権者のハンコがないとできないため、債権者にハンコを押してもらう代金をハンコ代といいます。

ハンコ代は俗っぽい表現ですが、他には「担保解除料」などと呼んだりもします。

意味としてはハンコ代も担保解除料も同じです。

ハンコ代の相場

ハンコ代には、特にいくら払わなければならないというルールはありません。

ただ、ルールがないがゆえにトラブルとなることも多く、住宅金融支援機構ではハンコ代の一定の目安を示しています。

住宅金融支援機構が示すハンコ代の目安については、以下のようになります。

抵当権順位 目安
2番抵当権者 30万円または残元金の1割のいずれか低い方
3番抵当権者 20万円または残元金の1割のいずれか低い方
4番抵当権者 10万円または残元金の1割のいずれか低い方

以上、ここまで任意売却におけるハンコの意味とハンコ代の相場について見てきました。

では、なぜただハンコを押すだけでこんなに高い金額を払わなければならないのでしょうか。

そこで次にハンコ代の本質について見ていきます。

ハンコ代の本質

競売の配分ルール

実際、ハンコをポンと押すだけのことに、わざわざ30万円や20万円といったお金がかかるわけではありません。

ハンコ代とは、本質的には二番抵当権者以降の債権回収額になります。

任意売却では、不動産を売却した後、各債権者に売却額を配分していきます。

任意売却は、売却額を各債権者にどのように配分するのかは、話し合いで決める必要があります。

一方で、競売では各債権者の配分ルールが決まっています。

ここで、競売の配分ルールについて触れておきます。

抵当権の話をすると、似た言葉がたくさん登場するため、言葉を整理します。

立場 権利・義務の呼び名 抵当権での呼び名
お金を貸している人 債権者 抵当権者
お金を借りる人 債務者 抵当権設定者

例えば、一番抵当権者Aから4,000万円、二番抵当権者Bから2,000万円、三番抵当権者Cから500万円を借りていたとします。

債務者Dの債務額は合計6,500万円です。

抵当権者の一番とか二番というのは、抵当権を設定した時間的な順番です。

競売においては、この抵当権を設定した時間的な順番がとても重要であり、順番が早い抵当権者ほど優先されます。

ここで、債務者Dが競売を行ったとします。

競売の落札額が、6,800万円の場合、6,800万円のうち、一番抵当権者Aには4,000万円、二番抵当権者Bには2,000万円、三番抵当権者Cには500万円が配分されます。

残った300万円は債務者Dのものになります。

競売でもこのように債務額以上で売却できた場合は、各債権者へ満額配分されるため、特に問題ありません。

ところが、このようなケースは極めてまれであり、競売の落札額が債務額を下回る場合がほとんどです。

例えば、競売の落札額が3,500万円だった場合の配分は、一番抵当権者Aには3,500万円、二番抵当権者Bには0円、三番抵当権者Cも0円の配分になります。

つまり、二番抵当権者以降の債権者については、一番抵当権者の債権額を上回らない限り、1円も回収できないという点が競売のルールになります。

競売は強制的にルールが定められているため、二番抵当権者以降の債権者は不服があっても、これに従わざるを得ません。

特に、抵当権者が複数存在するような多重債務者の場合、無理して借りている人が多く、競売を行うと後順位抵当権者に配当が回せない人が多いです。

競売では、後順位の抵当権者ほど、1円も回収できず、回収が絶望的になります。

ハンコ代とは配分のころ

一方で、任意売却であれば配分を話し合いで決めることができます。

そのため後順位抵当権者もゴネれは少しでも回収できるチャンスがあります。

後順位抵当権者は何をゴネるのかというと、抵当権の抹消に協力することをゴネます。

債務者としては、抵当権の抹消をゴネられてしまうのが、一番の痛手になります。

抵当権の抹消を協力してもらわない限り、任意売却が終わらないからです。

すると、後順位の抵当権者が、「抵当権を抹消して欲しかったら、ハンコ代くれや~」という要求にすり替わるのです。

ハンコ代とは、ハンコを押す人の人件費ではありません。

ハンコ代の本質は、あくまでも債権者への配分になります。

ハンコ代は任意売却ならではのお金です。競売では発生しません。

ハンコ代は債権者への配分額であるということを知っておきましょう。

以上、ここまでハンコ代の本質について見てきました。

では、任意売却の場合、必ずハンコ代が発生するのがというと、そうではありません。

そこで次にハンコ代が発生する人としない人について見ていきましょう。

ハンコ代が発生する人としない人

ハンコ代の本質は債権者への配分です。

そのため、そもそも配分でもめない人にとっては、任意売却でもハンコ代は発生しません。

ハンコ代でもめない人とは、以下のような人になります。

  1. 債権者が1人しかいない人
  2. 債権者が複数いても債務の合計額以上で売却できる人

債権者が1人だけの場合、そもそも債権者同士でどう配分するかを考える必要がありません。

債権者が1人であれば、単純に売却額を全額債権者がもらうか、もしくは一部を引越代として債務者に渡し、残りの全額をもらうかのどちらかです。

仮に、任意売却の売却額が債権額を下回っていたとしても、その残債の返済方法については、債務者と債権者との話し合いで決めることができます。

債権者が1人の場合には、売却額の値段にかかわらず、ハンコ代は登場しません。

また、仮に債権者が複数いる場合であっても、全債権者の債権額の合計を上回る金額で売却できれば、配分でもめることはありません。

このような場合も、ハンコ代は登場しません。

しかしながら、複数債権者の場合、売却額が債権の合計額以上になるような可能性は極めて低いため、債権者が複数いても債務の合計額以上で売却できる人というのは、ほとんど存在しないと考えらえます。

以上、ここまでハンコ代が発生する人としない人について見てきました。

ここで債権者が複数いる人は、注意が必要です。

それは裏ハンコ代です。そこで次に裏ハンコ代について見ていきます。

裏ハンコ代の存在

任意売却は後順位抵当権者がやる気になる

個人の方が複数の債権者からお金を借りている場合、一番抵当権者は銀行、二番抵当権者以降は消費者金融等となっているケースが多いです。

一番抵当権者は紳士的でも、二番抵当権者以降は怖い人たちも多く、あらゆる手段を講じて債権回収を図ろうとします。

競売は配分のルール等、全てのルールが厳格に決まっています。

競売で後順位の債権者に配当が回ってこない場合、後順位抵当権者はそれに従わざるを得ません。

複数の債権者がいる場合、競売になってしまうと後順位の抵当権者の回収は絶望的になります。

ところが、任意売却になれば、後順位抵当権者も債権が回収できるチャンスが出てきます。

後順位抵当権者は、任意売却になるとがぜんやる気を出してくるのです。

1番抵当権者を困らせる裏ハンコ代

後順位抵当権者にとってみると、邪魔者は一番抵当権者です。

一番抵当権者は競売になっても債権回収ができる立場です。

むしろ任意売却になると後順位抵当権者にハンコ代が回り、回収が低くなるケースもあります。

そこで後順位抵当権者は1番抵当権者を困らせる作戦を考えます。

任意売却には、債権者の全員の合意が必要です。

後順位抵当権者は、1番抵当権者が任意売却に合意することをじっと待っています。

1番抵当権者が、任意売却に合意したあと、後順位の抵当権者は法外なハンコ代を1番抵当権者に吹っ掛けて、「このハンコ代を払えないのなら任意売却に合意しない」と困らせます。

これがいわゆる「裏ハンコ代」と言われるもの。

後順位抵当権者は、任意売却にすぐにでも賛成しそうなところですが、ここであえて捨て身の戦いを挑んできます。

1番抵当権者が任意売却に決めた時点で、1番抵当権者をハンコ代で困らせることで、その後の配分交渉を優位に進めることを狙ってきます。

これでもし交渉が決裂すれば、競売になる可能性もあります。

後順位抵当権者にとっては、まさに捨て身の作戦です。

競売になることもある

このタイミングで1番抵当権者が任意売却にこだわれば、後順位抵当権者に配慮する形で任意売却が進みます。

後順位抵当権者としては、交渉勝ちです。

一方で、裏ハンコ代でもめてしまえば、1番抵当権者がへそを曲げて競売の申し出をする可能性があります。

実は、債務者の知らないところで債権者同士の裏ハンコ代の攻防があり、任意売却ができないということがあるのです。

複数債権者がいる人は、任意売却を簡単にはできない可能性があるので、注意をしておきましょう。

まとめ

任意売却のハンコ代について解説してきました。

ハンコ代は複数の債権者がいる人が出くわす特殊な問題。

複数債権者のいる人は、配分について十分に債権者と話し合いましょう。

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