アパートや1棟マンションのサブリースとは?相場や賃料減額リスク・回避方法を解説

サブリースとは何か?相場や賃料減額リスク・回避方法についても解説

アパートや一棟マンションのオーナーなら、サブリースという言葉を一度は聞いたことがあると思います。

サブリースは、法律関係を十分に理解しないと思わぬ落とし穴にハマることがあります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • アパート営業の人に勧められたけど、サブリースってそもそも何なの?
  • サブリース契約すれば、賃料が保障されるから安心じゃないの?
  • サブリースでも賃下げ要求があるって本当?

そこでこの記事では、「サブリース」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは、サブリースの相場やリスク、その回避方法について知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.サブリースとは

サブリースとは、一言で言うと「転貸」のこと

サブリースはアパートや1棟マンションで利用されます。

アパートも1棟マンションも基本的には同じですので、ここではアパートを例に解説します。

管理会社がアパートを第三者に転貸することを目的として、建物所有者からアパート全体を一括で借り上げる長期の賃貸借契約のことをいいます。

サブリースは、アパートや一棟マンションにおける1つの管理形態ですが、いわゆる管理料を支払って、管理を依頼する管理委託とは法律的に全く異なります。

サブリースと管理委託

管理委託では、アパートオーナーと管理会社が管理委託契約を締結します。

また各入居者とも賃貸借契約を締結します。

一方で、サブリースでは、アパートオーナーとサブリース会社が賃貸借契約を締結します。

各入居者とは、サブリース会社が転貸借契約を締結します。

管理委託では、管理会社は「委託先」ということになります。

管理会社がオーナーから仕事を任されているという関係です。

それに対し、サブリースはサブリース会社が「借主」という立場になります。

オーナーから仕事を任されているというよりは、借りてあげている借主様という関係です。

サブリースの本質を理解するには、サブリース会社が借主様であるという理解が欠かせません。

まずは、サブリースとは転貸であり、サブリース会社は法律的には借主であるということを理解しておきましょう。

以上、ここまでサブリースとは何かについて見てきました。

では、サブリースにはどのような種類があるのでしょうか。

2.サブリースの種類

サブリースには、パススルー型と家賃保証型の2種類があります。

パススルー型サブリースとは、賃料保証のない転貸借形式のことです。

各戸の空室が発生するたびに、その分、サブリース会社から支払われる賃料も連動して下がります。

空室をそのままスルーしてパスするため、パススルー型と呼ばれます。

それに対して、家賃保証型サブリースとは、賃料保証のある転貸借形式のことです。

家賃は一定額の固定であり、空室が変動しても毎月、連動して賃料が変わることはありません。

家賃保証型サブリースは、別名、「家賃保証」または「空室保証」などと呼ばれることもあり、一般的にサブリースと言えば家賃保証型サブリースを指すことが多いです。

家賃保証型のサブリースは、アパートを新築する場合、ハウスメーカーからセットで提案されることが多いです。

たいていは、ハウスメーカーの子会社がサブリース会社として指定されます。

ハウスメーカーの子会社がサブリース会社となると、空室保証だけでなく、修繕などもセットで面倒をみてくれるため、オーナーは何もしなくてもアパート経営が可能になります。

オーナーとしては、新築当初はパススルー型サブリースを選択して、築古となったら家賃保証型サブリースを選択したいところですが、そのような契約を認めてくれるハウスメーカーはほとんどありません。

パススルー型か家賃保証型かを選択するのは、新築時の1回しかチャンスがありません。

そのため、いずれを選択するにしろ、両者のサブリースの性質を十分に考慮した上で決定する必要があります。

以上、ここまでサブリースの種類について見てきました。

では、サブリース契約によってどのくらいの賃料が入るのでしょうか。

3.サブリースの相場

サブリースでは、賃料から一定料率を差し引いた金額が賃料として入金されます。

サブリース会社が差し引く料率の相場は以下の通りです。

  1.  パススルー型サブリース:入居中の賃料の3~5%程度
  2.  家賃保証型サブリース:満室想定賃料の83~87%程度

管理委託形式も、管理委託料が入居中の賃料の3~5%程度が相場のため、管理委託とパススルー型サブリースでは、収益性は同じです。

しかもパススルー型サブリースは、入居者といちいち賃貸借契約を締結する必要がなく、手間も省かれます。

管理委託とパススルー型サブリースでは、収益性が同じで管理の手間の楽なことから、比較的、パススルー型サブリースを選択する人が多いです。

以上、ここまでサブリースの相場について見てきました。

サブリースの中でトラブルが多いのは家賃保証型サブリースになります。

家賃保証型サブリースでは、賃料減額のことが良く問題となります。

4.サブリースでも賃料減額がある

家賃保証型サブリース契約では、「賃料減額」があり得ます。

「家賃保証」や「空室保証」というネーミングを言っておきながら、結局は家賃も空室も保証されないという点がポイントです。

冒頭に説明しましたが、サブリース契約では、サブリース会社は法律的に借主という立場になります。

借主と貸主という関係になると、その権利義務は借地借家法によって従うことになります。

借地借家法では、借主には賃料減額請求、貸主には賃料増額請求が認められています。

家賃が高過ぎれば借主からいつでも賃料減額を申し出ることができますし、家賃が低すぎれば貸主からいつでも賃料増額を申し出ることができます。

賃料減額も賃料増額も、双方に認められた正当な権利です。

参考までに借地借家法に定められている借賃増減請求権を以下に示します。

(借賃増減請求権)

第32条 建物の借賃が,土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により,土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により,又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,当事者は,将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし,一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には,その定めに従う。

少し長い条文ですが、要は、借主も貸主も周辺の家賃と異なる場合には、双方から増減の請求ができますということが定められています。

よく賃料の増減請求は更新のときしかできないと思っている人も多いですが、法律ではそのようなことは定められていません。

法律では、更新のタイミングには限っておらず、増減請求はいつでもできるという内容になっていることがポイントです。

場合によっては、毎年のようにサブリース会社から減額請求を受けることがあります。

毎年、減額請求を受けたとしても、法律的には違法ではありません。

しかも、借地借家法第32条は、強行法規とされています。

強行法規とは、当事者の意思に左右されずに強制的に適用される規定のことを指します。

例えば、オーナーとサブリース会社との間で、「賃料の減額はできないものとする」という特約を定めたとします。

「賃料の減額はできないものとする」というのは、当事者の意思ですが、その当事者の意思に左右されず、強制的に32条の条文が適用されるが強行法規ということです。

そのため、サブリース契約書の中に「賃料の減額はできないものとする」と特約を定めたとしても、それは無効になります。

特約を定めても賃料減額を要求されても仕方がないということになります。

仮に「約束が違う」ということで、裁判で争ったとしても、オーナーには勝ち目がありません。

つまり、サブリース契約をする以上、家賃減額は防ぎようがないという点がポイントになります。

尚、借地借家法第32条では、最後の「但し書き」で強烈な条文が記載されています。

借地借家法第32条但し書き

ただし,一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には,その定めに従う。

これは、「オーナーからの増額請求はできない」と定めたら、それは有効ですということを言っています。

強行法規ですので、「オーナーからの増額請求はできない」という点に関しては、認められることになります。

つまり、借地借家法では、「借主からは賃料減額できない」という特約は認めないにもかかわらず、「オーナーからの賃料増額はできない」という特約は認めると言っています。

少し不合理な気がしますが、これは、借地借家法の立法趣旨が、借主を保護していることによります。

借地借家法では、借主は守られるべき存在であり、つまり、法律的な力関係は借主であるサブリース会社の方が上になっているという点がポイントです。

以上、ここまでサブリースでの賃料減額について見てきました。

では、賃料減額要求を回避する方法はあるのでしょうか。

5.賃下げ要求の回避方法

賃下げ要求の回避方法は、とにかく賃下げ要求には応じないという1点に尽きます。

賃料については、オーナーからは上げる要求、借主からは下げる要求が双方に認められています。

しかしながら、要求があったとしてもそれに従う義務はありません。

通常であれば、借主が家賃を高過ぎて支払えないとなれば、「それなら出ていってください」という流れになります。

サブリース会社からの賃下げ要求も全く同じです。

「嫌なら出ていけ」という毅然とした態度で臨むのが、一番重要です。

もし、本当にサブリース会社が退去しても、心配することはありません。

サブリース会社が退去したら、「賃貸経営 HOME4U」を使って新しい管理会社を見つけることをオススメします。

「賃貸経営 HOME4U」はNTTデータグループが運営する一括無料相談サービスです。

全国70社以上の賃貸仲介に強い企業が登録されており、その中から新たなサブリース会社を見つけることができます。

もっと良いサブリース会社が見つかる後ろ盾があれば、交渉に弱腰になることはありません。

サブリース会社から賃料減額要求が来た段階で、まずは「賃貸経営 HOME4U」を使って無料相談してみましょう。

良い管理会社が見つかれば、今度は強気に退去交渉を行って、サブリース会社を切り替えることをオススメします。

サブリークのリスクについては下記記事で詳しく解説しています。

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6.投資用不動産の買い替えを検討中なら「まずは査定依頼から」

投資用不動産の買い替えを検討している方は、まず最初に所有している物件を不動産会社に査定してもらうところからスタートします。

マンションやアパート等の投資用不動産の主な買主は投資家です。投資家は、通常、収益物件をメインで扱うような投資物件に強い不動産会社で物件を探しています。

逆に言うと、売却の際も、そのような多くの投資家を抱えている不動産会社に頼むのが効率的です。

不動産会社には、物件の種別やエリアによって得意・不得意がある

投資用不動産の売却に強い不動産会社に頼むことが重要なポイント

気をつけなければいけないのは、査定額はあくまで、不動産会社がいくらで売れそうなのかを判断した価格です。

不動産会社ごとに、実績や算出方法が異なるので、不動産会社によって査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

投資物件に関しては、賃料収入など収益性も加味しながら査定をするため、なおさら不動産会社の力量で査定額にバラつきが出てきます。

なので、査定は複数の不動産会社に依頼して、比較検討することがとても大切です。

しかし、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのはとても大変です。

そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。

不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと

売却することは決まっておらず、現在の市場価格を確認してみたいという方でも活用出来るので、定期的にチェックしてみるのも良いでしょう。

便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。

多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。

実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。

都市部での売却なら

超大手の不動産会社6社に唯一依頼が一括査定サイト「 すまいValue

東京・神奈川・千葉・埼玉・名古屋・大阪・兵庫・福岡といった都市部での売却なら活用マストです!

都市部以外での売却なら

NTTグループで安心、一括査定サイトのなかで最も歴史があり、実績も抜群の「 HOME4U

すまいValue 」で対象外のエリア(都市部以外)での売却なら活用マストです!

上記サイトとセットで活用

投資物件の売却に特化した不動産一括査定サイト「 RE-Guide

上記2サイトと合わせて活用すると効果的です!

上記オススメサイトの査定依頼フォームでは、「物件の状態」と「賃料」を問う項目があるので、人に貸している投資用物件の場合は「賃貸中」にチェックの上、現在の賃料を入力しておきましょう。

投資用物件の査定は賃料が大きく関わってきますので、入力しておいた方が正確な査定結果を得ることができます。

まとめ

サブリースの相場やリスクや回避方法について見てきました。

サブリースは家賃や空室を完全に保証するものではありません。

サブリースのリスクも十分に考慮した上で契約するようにしましょう。

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