どうやって活用したら良いのだろうかと悩む土地があります。
その代表選手が狭い土地、いわゆる狭小地です。
狭小地は、立地が良くても活用できない場合が少なくありません。
狭いと言う理由で価値をかなり落としています。
こんな悩みをスッキリ解消!
- この狭い土地、どうやって活用したら良いのだろうか?
- 何にも活用できず、固定資産税がかかるばかりで困っている
- 親から譲りうけた土地だが、活用のしようがなくて困っている
そこで今回の記事では「狭小の土地の活用」にフォーカスしてお伝えいたします。
この記事を読むことで、あなたは共用地の活用方法についてヒントを得ることができるようになります。
狭小地でも収益を生む可能性あり
土地は広いほど用途の多様性があり、希少性も高いです。
狭い土地は、その真逆にあるため、用途も限られ、使い道がないという特徴を持ちます。
狭小地といっても特段、定義があるわけではありません。
30坪程度の敷地であれば、戸建住宅用地としても十分に活用できます。
恐らく、狭すぎて悩む土地というのは、10~20坪程度の土地が、皆が思うところの狭小地だと思われます。
狭いというのは、活用が難しいところではありますが、見方を変えれば、「狭いがゆえに単価が高い」という考えもできます。
単価とは賃料単価や価格単価のこと
例えば、ファミリータイプの賃貸マンションよりも、ワンルームマンションの方が賃料単価は高いです。
さらにワンルームマンションよりもシェアハウスの方が賃料単価は高くなります。
このように、不動産は小割に分割していくことで、単価を上げることができるという性質を持っています。
単価が高いというのは、つまり効率が良いと言うこと。
狭小地でも、きちんと貸すことができれば、むしろ効率性の高い収益事業をすることが可能になります。
効率性が高いと言うことは、無駄がないということでもあります。
小さい土地だからこそ、きちんと貸すことを考えれば、無駄のない効率的な土地活用ができるのです。
以上、ここまで狭小地の収益を生む可能性について見てきました。
では、具体的に狭小地はどのような活用方法があるのでしょうか?
狭小地にオススメの4つの土地活用
効率が高い収益事業を作ることが可能というお話をしました。
ただし、どの土地活用方法でもOKかというと全然そんなことはありません。
筆者が狭小地でオススメする4つの土地活用は下記です。
- 狭小住宅
- 駐車場
- 看板置場
- 自販機置場
それぞれ具体的に見ていきましょう。
狭小住宅
狭小住宅を貸すならシェアハウスがオススメです。
狭い土地でも建物を建築することは可能です。
敷地面積がおよそ15坪以下の土地に建てる住宅は狭小住宅と言われ、住宅の一つのジャンルとして確立されています。
最近は、デザイン性の高い狭小住宅も登場してきており、住むのも快適です。もちろん、貸すこともできます。
ただし、狭小住宅は各戸にバスやトイレを設ける余裕がないため、賃貸に供するとしたらシェアハウス的な貸し方が向いています。
バスやトイレは共同で、個々の部屋を貸すというスタイルにすれば、賃貸面積や入居者も多く確保できます。
シェアハウスも東京23区内であれば、根強い人気があるため、狭小住宅によるシェアハウスの活用は十分になります。
オーバーハング設計も検討する
狭小住宅を検討する際は、木造だけでなく、重量鉄骨などの他の構造による建築ならどのような建物が建築できるのか、可能性を探ることが重要です。
下図に建物を横から見た形状を示します。
左が通常の建物で、右がオーバーハングした建物。
オーバーハングとは元々「突き出た岩壁」という意味ですが、2階以上の床が突き出た形状の建物設計になります。
狭小地では、このオーバーハング建築がとても威力を発揮。
オーバーハングさせることで、駐車場が確保出来たり、2階以上の床面積を広く使えたり等のメリットが生じます。
建物は、基本、柱と梁で構築されます。
梁とは柱と柱の間に横たわり、床や屋根を支える材料のこと
このオーバーハングは、梁で床荷重を維持させるため、木造や軽量鉄骨では難しい構造です。
重量鉄骨以上の建物であれば、梁を太くすることができるため、オーバーハングが可能になります。
重量鉄骨は木造よりも建築費が高いですが、狭小住宅においては、オーバーハングをするかしないかで、建物内に作れる空間が大きく異なります。
そのため、多少高くても十分価値のある建物設計を実現することが可能です。
かなりマニアックな知識ですが、狭小住宅を検討する際は、オーバーハング設計も検討してみてください。
狭小だから諦めていたことも、オーバーハング設計にすることで可能になることもあります。
狭小住宅の活用方法としては、
- 狭小住宅に自分で住むか
- シェアハウスとして貸すか
の2通りが考えられます。
狭い土地は、建物設計の良し悪しでかなり価値が変わります。
オーバーハングなどの多様な設計ができる構造も含めて、設計には十分時間をかけることをオススメします。
駐車場
エリアによっては収益性の高い駐車場が可能です。
狭い土地でもできる事業としては、駐車場があります。
時間貸し駐車場であっても、1台から貸すことは可能です。
郊外で駅前の狭い土地などは、時間貸し駐車場が一番収益性は高いという事例もあります。
首都圏においても、東京駅から半径40km以上離れてしまうと、駅前の土地活用は非常に難しくなるのが実態です。
このような場所では、駅前の土地は、店舗需要は低いですが、駐車場需要は高いというような土地がゴロゴロ存在します。
東京駅から40km以上離れると、固定資産税もかなり安くなるため、時間貸し駐車場でも固定資産税の3~4倍は稼ぐこともできます。
都心部では赤字になる場合もあるので注意
一方で、都内では固定資産税が高く、時間貸し駐車場では固定資産税を賄いきれないような土地も存在します。
そのような場所であれば、狭小住宅のような建物投資を行って、シェアハウスのような賃貸事業を検討するのが良いと思われます。
郊外の狭小地は、シェアハウスのような賃貸事業はリスクが高いです。
時間貸し駐車場で固定資産税が賄えるようであれば、時間貸し駐車場を検討するのが良いでしょう。
尚、数台の駐車場であれば、時間貸し駐車場業者に貸し出すのではなく、自分で駐車場経営をするのもオススメです。
自分で駐車場経営をする方法については、下記にも記載していますので、ぜひご参照ください。
看板置場
狭小の土地の活用方法としては、野立看板用地としての利用があります。
野立看板とは、「店舗まであと200m」のような店舗への誘導や案内をする看板
周辺に大型ショッピングセンターや葬儀場、病院、コンビニ、ファーストフード等があり、道路からの視認性が良い場所であれば、一定の需要があります。
ただし、看板設置料としては、月5,000円~10,000円程度のため、それほど多くの収入は期待できません。
駐車場とのセットがオススメ
時間貸し駐車場と併用して出来れば、時間貸し駐車場の収入アップにもつながるため理想的。
野立看板用地は、車からの視認性が第一であるため、どこでもできる訳ではありません。
立地が良くて、前面道路にきちんと街路樹が整備されているような道路だと、車からの視認性が悪くなり、野立看板を出してくれません。
看板用地は、どの敷地でもできるという訳ではなく、かなり立地が厳選されます。
もし看板を出したいという話があれば、それはとてもラッキーなことです。
看板用地としてのオファーがある場合は、前向きに検討しましょう。
自販機置場
狭い土地の利用方法としては、自動販売機設置スペースがあります。
自動販売機は設置すると、設置料をもらうことが可能。
自動販売機の売上は、メーカーによってかなりブレがあります。
やはり一番良く売れるのは、コカ・コーラの自動販売機です。
コカ・コーラでは、お茶に「綾鷹」、コーヒーに「ジョージア」、スポーツドリンクに「アクエリアス」があるなど、自動販売機の中に占めるヒット商品の割合が圧倒的に多いです。
コーラ自体は、不健康な感じでイメージが悪いのですが、他のラインナップを見ると、良く売れるという納得感があります。
伊藤園やキリン、サントリーにも個別のヒット商品はありますが、自動販売機としてズラズラと商品が並んだときの魅力は、コカ・コーラがNo.1です。
そのため、自動販売機の設置を検討するのであれば、コカ・コーラを中心に考えるのが無難です。
最近は厳しい自動販売機事情
ただし、最近の傾向としては、コカ・コーラを始めとするボトラー各社が、自動販売機の設置の消極的になり始めています。
自動販売機は、飲料の入替に人件費がかかるため、かなりの売上を上げないと、採算性が低いのが実情。
そのため、ボトラー各社は、最近では自動販売機の設置どころか、徐々に撤退する方向に動いています。
例えば、周辺に同じボトラーの自動販売機が既に設置されている場合などは、なかなか新規の設置はしてくれません。
特にトップブランドのコカ・コーラは設置要件が厳しいです。
もしコカ・コーラに打診して設置が認めてもらえるようであれば、かなりラッキーと言えます。
喫煙所がある土地なら相性が良い
自動販売機の設置場所として有力な土地は、周辺に喫煙所があるような土地です。
都内などは、喫煙所があると、「何か事件でもあったのか?」と思うくらい多くの人が集まります。
人が集まる喫煙所の近くにある自動販売機は、かなりの売上を上げることが可能です。
狭小地活用のアイデアとしては、無料の喫煙所を開き、自動販売機を置くという方法も考えられます。
喫煙所だけでは、稼げないのですが、そこに相性の良い自動販売機も設置することで、自動販売機設置料で稼ぐというような方法もあります。
路上喫煙禁止条例のある市区町村において、周辺にサラリーマンが多いエリアであれば、可能性はあります。
ただ、喫煙所は吸い殻の管理や近隣に迷惑がかかるなど、管理の難易度が非常に高いという点が注意点になります。
その他、暫定的な狭小地の利用方法としては、「移動式販売スペース」、「屋根付バイク置場」、「オープンカフェ」等があります。
これらも駐車場や看板置場、自動販売機設置等とミックスして検討してみるのも良いでしょう。
活用の難しい狭小の土地こそプロの豊富な意見を
ここまで、自動販売機の設置や看板置き場といった狭小の土地ならではの土地活用を紹介しました。
アパート経営や駐車場、商業テナント、老人ホームなど用途や土地に応じて最適解が変わる土地活用ですが、それぞれ対応できる会社は異なります。
下記の表は土地活用の種類に応じた相談先をまとめたものです。
土地の活用方法 | 相談先 | |||
---|---|---|---|---|
ハウスメーカー | 工務店 | ゼネコン | 各種専門業者 | |
マンション経営 | △ | △ | 〇 | |
アパート経営 | 〇 | 〇 | ||
賃貸併用住宅 | 〇 | 〇 | ||
駐車場経営 | 〇 | |||
大規模施設(高齢者施設・保育所など) | △ | 〇 |
上記の表にある通り、土地活用の種類は多種多様です。
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売却(隣地売却)も土地の有効活用のひとつ
狭小地の活用としては、隣地売却も一つの手段です。
狭小地そのものは狭いため価値は低いのですが、隣地所有者にとってみると、敷地が広くなり価値のある土地になるような場合があります。
例えば下図のような狭小地の場合です。
隣地はL字型の土地ですが、狭小地を購入することで、前面道路に間口を広く面することができ、とても価値が上がります。
そのため、この狭小地は第三者に売却するよりも、隣地の人に売却した方が価値は高くなります。
このように、隣地所有者との間という限定的な市場で決まる価格を「限定価格」と言います。
限定価格には、他に借地権者が底地(借地権が設定されている土地のこと)を買い取る場合などがあります。
隣地に売ることで狭小地でも高く売却できます。
売却したお金で、もっと広い土地に買換えを行えば、狭小地で悩むこともありません。
隣地売却で活用しやすい広い土地に買換えるというの、立派な土地活用の一つになります。
自分で売却する際の注意点
また、抵当権のついていない土地であれば、不動産会社へ依頼せずに、自分でも売却することは可能です。
隣地所有者と会話ができる関係であれば、不動産会社なしで売買にチャレンジしても良いかもしれません。
ただし、自ら「買ってくれませんか?」と隣地に打診する場合、事前に適正価格を知っておくことが重要です。
不動産会社に査定を依頼すると、第三者に売却した場合の値段が出てきます。
隣地売却であれば、その金額に2~3割は上乗せして売却したいところです。
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まとめ
悩ましい狭小の土地でも収益を生むための様々な活用方法についてご紹介について見てきました。
狭小の土地活用では、オーバーハングの設計や隣地売却など、他の土地活用にはない工夫が必要になります。
プロの意見も取り入れながら、ベストな活用方法を見つけましょう。