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不動産投資ローンと住宅ローンはこんなに違う!知っておくべき不動産ローンの知識

不動産投資ローンと住宅ローンはこんなに違う!知っておくべき不動産ローンの知識

不動産投資を行う際、気になるのがローンです。

銀行がどの程度、融資してくれるのかどうかが気になります。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 銀行からはいくらくらい借りることができるのだろうか
  • 住宅ローンを借りていても不動産投資をすることができるのだろうか
  • 金利はどの程度なのだろうか?

そこで今回の記事では不動産投資ローンにおける「銀行」の考え方にフォーカスして、解説いたします。

この記事を読むことで、あなたは銀行の考え方を理解し、不動産投資ローンとはどのようなものであるかを理解することができます。

目次

不動産投資ローンとは?住宅ローンとの違いは?

不動産投資を行う場合、銀行から借りるローンのことを不動産投資ローンと言います。

個人の方は、ローンと言えば住宅ローンが最も馴染みのあるローンです。

不動産投資ローンと住宅ローンの6つの違い

そのため、不動産投資ローンについて、住宅ローンと比較しながらその特徴を確認していくのが理解が早いです。

先に結論を言うと下記6つの違いがあります。

住宅ローンとの違いは6つ

  • 違い1.前提条件の違い
  • 違い2.前提条件の違い
  • 違い3.融資可能額の違い
  • 違い4.融資期間の違い
  • 違い5.審査項目の違い
  • 違い6.適正な借入額の違い

それぞれ見ていきましょう。

違い1.前提条件の違い

住宅ローンですが、住宅ローンは国が国民に住宅を取得しやすくするための施策の上に成り立っているローンです。

そのため、住宅ローンは借りる人にとても優しく、最も借りやすいローンという位置づけになります。

住宅ローンは金利がとても安く、また長期に借りることも可能で、審査要件も比較的緩いというのが特徴。

また住宅ローン控除などの税制特例もあり、住宅ローンを借りることで恩恵を受けられる仕組みも整っています。

住宅は人々の生活の基盤であり、国としても住宅金融支援機構などの組織を使って、多くの人に住宅ローンを借りやすくできるような状況にしています。

住宅ローンは国策的な要素が強いローンです。

そのため住宅ローンは銀行によって多少の金利差はあるものの、基本的な審査項目や融資条件はどの銀行もほぼ同じです。

一方で、不動産投資ローンは、国の後ろ盾はありません。

不動産投資は、基本手金は「金持ちの道楽」という位置づけであるため、「借りたい人が勝手に借りればいい」という世界です。

銀行にとっては、不動産投資ローンは完全にビジネスです。

不動産投資ローンは、それぞれの銀行の独自の商品設計を行っており、各行によって金利や融資条件、審査項目等はさまざまです。

違い2.金利の違い

金利に関しては、不動産投資ローンは住宅ローンよりも高いです。

国の後押しがない分、銀行も相応のリスクを取ることになるため、金利を高く設定せざるを得ません。

2024年11月現在では、住宅ローンの35年固定金利は最頻金利が1.1%です。

一方で、不動産投資ローンは2.5~4.5%程度となっています。

不動産投資ローンは住宅ローンの金利よりもプラス1~3%程度高いというイメージです。

住宅ローンの場合、金利は銀行が同じであれば、誰が借りても金利は同じです。

それに対して、不動産投資ローンの場合、金利は、同じ銀行でも借りる人によって異なる場合もあります。

例えば資産家の人であれば金利は低いです。

違い3.融資可能額の違い

融資可能な対象についても、建物投資額にしか融資しない銀行や、土地と建物の価格の70%までしか融資しない銀行など、さまざまです。

当然のように土地建物の全額の融資を受けられる住宅ローンとは異なります。

融資可能額については、銀行によって融資可能枠が異なります。

限度額は概ね1億円~3億円と設定しているところが多いです。

住宅ローンの場合、融資可能額が年収の8倍までとしている銀行が多いです。

不動産投資ローンでは、年収倍率という概念はあまり存在しませんが、仮に年収が1,000万円だとしたら、1億円~3億円を借りる場合、年収倍率は10~30倍となります。

また、既に住宅ローンを借りている人は、住宅ローン残債が借入可能額から控除されます。

例えば不動産投資ローンを1億円借りられる銀行で、住宅ローン残債が3,000万円残っている人であれば、7,000万円しか借りることができないのが通常です。

違い4.融資期間の違い

融資期間についても住宅ローンと不動産投資ローンでは異なります。

住宅ローンの場合、重要となるのが本人の年齢です。

住宅ローンへ返済最終年齢を80歳としていることが多いため、45歳の人までであれば35年のローンを組むことは可能です。

一方で、不動産投資ローンでは重視されるのは建物の残存耐用年数です。

耐用年数は、木造なら22年、鉄骨造なら34年、鉄筋コンクリート造なら47年と決まっています。

融資期間はあくまでも銀行によって異なりますが、建物の残存耐用年数を超えた融資期間は設定しないとする銀行も多いです。

例えば、築20年の鉄筋コンクリート造のマンションの購入を検討するとします。

鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年であるため、残耐用年数は27年となります。

この場合、融資期間は27年までとする銀行が多いです。

不動産投資ローンでは住宅ローンのような長期固定ローンを簡単に組めない場合もあるということを知っておく必要があります。

違い5.審査項目の違い

住宅ローンは、返済原資が本人の給与であるため、審査の対象は原則、債務者本人のことを審査します。

本人の勤務先や職種、年齢、健康状態、勤続年数等が審査項目です。

住宅ローンでは、勤務先が大企業や役所等で、給与が安定してしっかりともらえそうな人であれば審査に通りやすいです。

それに対してフリーターやパート社員など、給与が不安定になり得る職種の人は審査に通りにくくなります。

一方で、不動産投資ローンでは、返済原資が投資する物件の収益になります。

そのため、審査の対象は物件のことが中心となりますが、それに加えて本人の資産状況等も審査の対象となります。

物件の審査項目としては、立地や築年数、利回り、賃料、価格、用途等です。

また本人の審査項目としては、年収や勤務先に加え、他に持っている資産の状況や不動産投資の経験の有無等も審査対象になることがあります。

不動産投資ローンの本人審査は、勤務先等ではなく、他にどれくらい資産を持っているか、または投資経験などが重視されます。

不動産投資ローンの本人審査は、住宅ローンの本人審査とは少し、趣が違います。

違い6.適正な借入額の違い

住宅ローンの場合、適正な借入額は、本人の年収が基準となって決まります。

適正な借入額としては、年収の5倍とするのが一般的です。

また返済比率に関しては、年収の20%以内です。

一方で、不動産投資ローンの場合、適正な借入額というよりは、適正な自己資金に重きを置きます。

不動産投資の場合、一般的には自己資金は物件価格の3割程度用意します。

そのため、適正な借入額は物件価格の7割ということになります。

しかしながら、投資経験が浅い場合は自己資金5割を目指して用意することをオススメします。

リーマンショック後に一時、銀行の間で不動産融資が冷え切った時期がありました。

そのような時代でも銀行は物件価格の5割までは融資していました。

逆に言えば、最悪の状況になっても借入が5割くらいであれば、色々なリスクは回避できる水準とも捉えることができます。

安心して不動産投資をするのであれば、自己資金を5割は用意し、残り5割を借りるようにしましょう。

不動産投資ローンの年収基準

銀行は、不動産投資ローンに対して、一定の融資枠を設けています。

その融資枠は1~3億円です。

年収に換算すると、10倍から30倍といったところになります。

年収としては、1,000万円を超えるような人であれば、不動産投資に手を出せる可能性が出てきます。

ただし、年収1,000万円の人でも、不動産投資までできる余力のある人は少ないのが現実です。

あまり無理をせず、余力が生まれてから不動産投資を行うのが賢明です。

以上、ここまで不動産投資ローンについて見てきました。

不動産投資ローンでは本人の資産状況を加味するとお伝えしました。

では、本人に住宅ローンのようなマイナスの資産がある場合はどうなるのでしょうか。

そこで次に住宅ローンがある場合について見ていきます。

住宅ローンを借りている場合は不利

融資額の減額

本人に住宅ローンがあっても、不動産投資ローンを借りることが可能です。

ただし、融資される額が、住宅ローンが無い人よりも不利になります。

不動産投資ローンは融資枠が年収の10倍から30倍と述べました。

例えば、年収1,000万円のAさんが年収の30倍の3億円借りることができたとします。

ところが、Aさんには住宅ローンが4,000万円残っています。

その場合、Aさんの借りられる不動産投資ローンは、3億円から4,000万円を控除した2.6億円になるというのが銀行の考え方です。

住宅ローンが残っている場合は、融資可能額が、住宅ローンの残債分だけ下がるということに注意が必要です。

二重ローンのリスク

住宅ローンの残債があると、融資額が減りますが、借りる本人としても住宅ローンと不動産投資ローンを二重で抱えることについて、十分にリスクを認識する必要があります。

不動産投資ローンでは、仮に大きな空室が発生してしまうと、毎月の返済を自力でしなければならないことになります。

物件の有み出す収益で返済できなくなると、本人の給与や貯金の中から不動産投資ローンを返していくほかありません。

ここで住宅ローンを抱えていると、給与の中から住宅ローンと不動産投資ローンをダブルで返済することになります。

このような状況になると、一気に持ちこたえられなくなり、あっという間に2つのローンを滞納することになります。

ローンの滞納が3ヶ月以上続くと、信用機関の事故情報リストに名前が掲載されてしまいます。

いわゆるブラックリストです。

ブラックリストに名前が載ってしまうと、名前が載っている間はクレジットカードが使えません。

また新規のローンも組むことができなくなります。

ブラックリストに載る期間は5~10年程度です。

この間、非常に不自由な生活を強いられますので、二重ローンは注意が必要です。

このような事態を避けるため、不動産投資ローンの返済が厳しくなったら、投資物件を真っ先に売却するという決断が必要になります。

そのため、投資物件を購入する際は、売却しやすい物件を購入するというのが適切です。

高利回り物件を求めて、郊外の築古アパートのような物件を購入してしまうと、売却で行き詰り、あっという間に住宅ローンまで被害が及びます。

住宅ローンを抱えながら不動産投資を行う場合は、流動性の高い優良物件に投資をするようにしましょう。

投資用マンションを売却する場合については、下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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以上、ここまで住宅ローンを借りている場合は不利について見てきました。

不動産投資における利益とキャッシュフローの考え方

利益の考え方

不動産投資は、別の言い方をすると不動産賃貸業になります。

個人が不動産賃貸業を行うと、不動産所得が発生します。

不動産所得とは、賃料から経費を差し引いた利益のことを指します。

不動産所得は、他の給与所得等と合算され、最終的には所得税が課されることになります。

不動産所得つまり利益を式で表すと、以下のようになります。

不動産所得(利益) = 賃料収入 - 費用

費用は、土地建物固定資産税や建物保険料、修繕費、管理委託料、入居者募集費用、建物維持管理費、減価償却費等です。

ここで、重要なポイントとしては、借入金の元本返済は、経費にならないという点です。

借入金の元本返済は、お金は発生しますが費用にはならないため、全く節税効果を生まないということを知っておく必要があります。

お金を借りてもそれは売上にはなりません。

それと同じ考えで、お金を返しても費用にはならないということになります。

一方で、費用の中の減価償却費は実際に支出が発生しない会計上の費用です。

これは費用であるため、節税効果があります。

キャッシュフローの考え方

不動産投資ローンを組んだ場合、キャッシュフローは以下のようになります。

キャッシュフローとは、実際に手元に残るお金です。

キャッシュフロー = 不動産所得 + 減価償却費 - 税金 - 借入金元本返済

借入金元本返済は、税引後の利益に減価償却費を足したものの中から返済することになります。

不動産投資では、以下のような関係になってしまうと、キャッシュフローがマイナスとなってしまうため、要注意です。

キャッシュフローがマイナスとなる場合

(不動産所得 + 減価償却費 - 税金) < 借入金元本返済

ここで、重要なのが減価償却費です。

減価償却費が大きいと、節税効果が高く税金も少なくなります。

そのため、(不動産所得+減価償却費-税金)は大きくなります。

一方で、減価償却費が小さいと、節税効果が低く税金が多くなります。

そのため、(不動産所得+減価償却費-税金)が小さくなります。

この減価償却費は、建物の躯体と設備に分かれて計算されます。

設備に関しては法定耐用年数が短いため、減価償却費は築浅物件では大きいですが、築古物件では小さくなります。

そのため、(不動産所得+減価償却費-税金)の金額は、築年数が古い物件では小さくなります。

築年数が古い物件でもまだ不動投資ローンが残っていると、借入金元本返済よりも(不動産所得+減価償却費-税金)が小さくなり、キャッシュフローがマイナスとなる事態が発生することがあります。

不動産投資では、理屈の上で、築年数が古くなっていくと、返済がきつくなるということが明らか。

築浅のときは返済が楽ですが、築古になると、どんどん返済が厳しくなっていきます。

この点は、給与が上がって返済がだんだん楽になっていく住宅ローンとは大きく異なる点になります。

不動産投資ローンは、後半戦ほど返済が厳しいです。

不動産投資ローンは全額借りるようなことはせず、くれぐれも借り過ぎには十分に注意するようにして下さい。

以上、不動産投資ローンのキャッシュフローの考え方です。

不動産投資ローンのうち、アパートローンに関しては、最近銀行の融資指定に変化が見られます。

そこで次に2016年12月以降の銀行の融資姿勢の傾向をご紹介します。

2016年12月以降の銀行の融資姿勢の傾向

日銀のマイナス金利政策が功を奏し、アパートローンを含む2016年12月まで不動産投資ローンの貸し出しが急増していました。

背景には、2015年1月より相続税法が強化されてことがあります。

相続税法が強化されたため、地主が相続対策でこぞってアパート建築をするようになりました。

統計上も貸家(アパートを含む)の建築着工数はここ数年伸びています。

ところが2015年5月には、「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称、「空家法」)」が制定され、全国の空家が増えている状況が浮き彫りになりました。

空家については、賃貸物件ではない相続空家も含まれますが、それでも地方では人口減少が進んでいるのが明確なため、郊外のアパートは供給過剰であることは明らかです。

賃貸市場のマーケットは縮小しているのにもかかわらず、①相続税法の強化と②日銀のマイナス金利政策によって、アパート建築が増え、銀行の不動産投資ローンの貸出残高が増えてしまったのです。

そのため、このままの状況が続くと、不動産投資ローンの中で、返済ができなくなる不良債権が増えていく可能性があります。

そこで、2016年12月に、日銀がアパートの供給過剰を懸念し、銀行の貸し出すアパートローンの監視を強化することになりました。

日銀は各銀行にとっては、大親分ですので、各銀行は日銀の姿勢に従わざるを得ません。

そのため、2017年に入ってからは、急速にアパートローンの融資姿勢が厳しくなり始めました。

数年前なら余裕で審査が通ったような物件でも、2017年以降は融資が下りにくい状況が続いています。

マイナス金利のため、銀行から融資を受けるのは今が絶好のチャンスではありますが、日銀の監視が強化されたため、融資が難しくなっているというのが現時点における傾向です。

まとめ

銀行から不動産投資ローンを借りる前に知っておきたい基礎知識を解説してきました。

不動産投資では、無理なローンを組むことは避けたいところです。

十分な自己資金を用意して、物件も厳選して投資を行いましょう。

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