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机上査定と訪問査定の違いは?メリット・デメリットとオススメ利用シーン

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机上査定と訪問査定の違いは?メリット・デメリットとオススメ利用シーン

インターネット上で不動産査定を申し込もうとすると「机上査定(簡易査定)」「訪問査定」という文字が出てきます。

下記は不動産仲介大手「三井のリハウス」の査定申し込み画面。

三井のリハウスの査定方法

※出典:三井のリハウス「不動産の売却・査定」より

同じく不動産仲介大手「住友不動産販売」の査定申し込み画面。

住友不動産販売の査定方法

※出典:住友不動産販売より

また、近年一般化している不動産一括査定サイトの1つ「HOME4U」。

HOME4U_査定の方法の選択画面

このように今は当たり前のように机上査定と訪問査定が選べるようになっています。

机上査定と訪問査定の違いは下記の通り。

  • 机上査定とは、不動産を見ずに登記簿謄本や地図等の資料だけで行う査定
  • 訪問査定とは、机上査定の資料に加え、実際に物件を見て行う査定

ただし、違いを知っているだけでは意味がありません。

あなたがどちらを利用するべきなのか、具体的な違いや特徴を知る必要があります。

そこで今回の記事では「机上査定」「訪問査定」についての全てをお伝えしていきます。

目次

机上査定のメリット・デメリットと利用シーン

机上査定とは、不動産を見ずに登記簿謄本や地図等の資料だけで行う査定

机上査定の具体的な算出方法

机上査定の具体的な算出方法としては、以下の通りです。

  • 査定依頼を受けた不動産会社が対象となる物件のエリアや築年数、間取りなどの基本的な物件情報を把握
  • 同じエリアに位置する物件の過去の売買価格、取引事例から成約価格を調査
  • 対象対象の物件と比較して査定額を割り出す

机上査定で比較データとなる取引事例は、「レインズ」という不動産会社同士で共有するサイトを用いることが多いです。

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机上査定のメリット

机上査定のメリットは、不動産会社との面談が不要で、ある程度正確な金額を知ることができるという点。

不動産会社の営業時間内に依頼を行うと、数時間後には価格を知ることができます。

わざわざ不動産会社と面談をする必要もなく、手続きの煩わしさもありません。

机上査定のデメリット

机上査定のデメリットは、必ずしも適正な価格を知ることができないという点。

不動産には実際に見ないと分からない価格形成要因もあり、机上査定ではそれらの要因を価格に反映することができません。

あくまでも参考価格に過ぎず、机上査定だけで売り出し価格を決定すると損をすることがあります。

机上査定の利用シーン

机上査定は、売却するかどうかを決断するために利用するのが適切。

例えば、売却額が住宅ローン残債上回るかどうかを確認する場合や共有者と売却に向けた合意を得る場合に参考資料として売却予想価格が必要となるときがあります。

このようなときは、ある程度妥当性のある机上査定の価格が参考資料として適切です。

机上査定の段階であれば、「やっぱり売るのは止めよう」という決断が気軽にできます。

机上査定は、売却しようかどうか迷っており、とりあえず売却価格を知りたい段階で使うのが良いでしょう。

訪問査定のメリット・デメリットと利用シーン

訪問査定とは、机上査定の資料に加え、実際に物件を見て行う査定

訪問査定の調査内容

一例ですが、訪問査定では以下のような調査を行います。※物件により、多少調査する内容は変わります。

【室内】

  • 間取り
  • 室内全体の雰囲気やリフォーム履歴
  • 雨漏り等の履歴や天井のしみ
  • 床下収納や点検口がある場合は床下の状況
  • 傾きや建具の建付等
  • 設備関係(床暖房・エアコン・食洗機・追焚きの有無等)

【外観】

  • 外壁のクラック・基礎のクラック
  • 境界石の有無
  • 車のスペース・駐輪場等のスペース

訪問査定のメリット

訪問査定のメリットは、適正な価格を知ることができるという点。

現地を見ないと分からない価格形成要因を全て査定価格の盛り込むことができるため、一番適正な査定価格になります。

不動産の売却では、売り出し価格が高過ぎるとなかなか売れませんし、低過ぎると損をすることになります。

そのため、売り出し価格は適正な査定価格に基づき決定することがポイントです。

訪問査定による価格は、最も適正な査定価格ですので、売り出し価格の決定に利用できるのが最大のメリットとなります。

訪問査定のデメリット

訪問査定は、売ることが決まっておらず、価格だけ知りたい人には使えないという点。

例えば、購入希望者が不動産を買うために適正な価格かどうかを知りたいといったケースでは使えません。

あくまでも所有者が売却のために使うのが訪問査定になります。

訪問査定の利用シーン

訪問査定の利用シーンは、売却することが決まっている人が売却前に使うのが適切。

売却する前は、適正な売り出し価格を決めるためにも、必ず訪問査定は受けるようにしてください。

訪問査定は必ず無料ですので、受けること自体に損をすることはありません。

訪問査定は、できる限り複数の不動産会社から査定を取得し、査定価格を客観視するのが良い査定方法となります。

訪問査定は不動産会社に実際に物件を見てもらえますので、意見を聞くことができます。

例えば、以下のような点で迷っている場合は、とりあえず訪問査定を受けて、不動産会社の意見を行くことをオススメします。

  • 修繕すべきか迷っている
  • 更地にすべきか迷っている

修繕や取壊しは、不動産会社の意見を聞いてから実施すれば無駄はありません。

例えば、床の傷等を直さなければいけないかどうか迷っているときは、訪問査定の際、疑問を直接聞いて見るのが良いです。

「この程度なら直す必要はありませんよ」と言ってもらえれば直さなくても良いですし、「これは直した方が高く売れます」と言われれば直した方が良くなります。

また、不動産会社によって意見が分かれる場合でも、複数の不動産会社に意見を聞けば多数決で決めることができます。

訪問査定は、単なる査定ではなく、相談にも利用することが可能。

売却の意思が決まった段階で、とりあえず訪問査定を申込、そこから修繕や取壊し等の判断をするのが良いでしょう。

最後に机上査定と訪問査定の特徴、どんな人にオススメか整理して表にしましたので、まとめとして参考にしてください。

査定方法 特徴 こんな人にオススメ
机上査定 ・インターネットを使って気軽に短時間で査定結果を知れる
・物件の情報を入力するだけで査定できる
・自分の物件の価格を気軽に知りたい人
・営業電話などの対応が面倒な人
・立地の関係から気軽に査定依頼がしづらい人
訪問査定 ・正確な査定額が分かる ・不動産を本格的に売ろうとしている人
・正確な査定額を知りたい人

複数社に査定は依頼するべき理由

机上査定にしても訪問査定にしても、査定は必ず複数社に依頼するようにしましょう。

机上査定は、おおよその査定額を把握するのに適していますが、不動産会社によって金額にバラツクことが多いです。

複数の査定額を比較することで、適正な価格が見えてきます。

査定額を比較するのが大切

また、中には仕事が取りたいがために敢えて高めの査定額を出してくる会社もあります。

高めの査定額だからと言って、その査定額で売れるとは限りません。

逆に強い値下げ要求に合い、結果的に安く売却してしまうことも多いです。

複数社に査定額を出してもらうことで、高すぎる査定額を出す会社を見極めることが出来るのです。

査定額が高すぎる不動産会社は危険

また、訪問査定時で修繕や売り方を相談する時でも、複数の不動産会社に相談した方が売り方の幅が広がります。

複数社の査定依頼は一括査定サイトがオススメ

複数社の査定依頼は一括査定サイトがオススメです。

不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

不動産一括査定の仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

不動産一括査定の流れ

不動産一括査定は、机上査定でも訪問査定でも対応しています。

一括査定サイトのオススメは「すまいValue」「SUUMO」「HOME4U」

不動産一括査定サイトは似たようなサイトが多くかなり乱立しています。

その中でも信頼性や実績から下記4つをオススメしています。

  • 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「すまいValue
  • 賃貸サイトで有名で大手から地域密着の不動産会社を探せる「SUUMO
  • NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「HOME4U
  • 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「イエウール

上記を見ると超大手だけに依頼ができる「すまいValue」だけで良いように思えます。

ただし、不動産売却を成功させるなら大手だけではダメ。不動産会社には得意・不得意があるためです。

不動産仲介会社によって得意不得意がある

だから下記のように複数の不動産一括査定サイトを併用して大手・中堅・中小にも依頼できるようにするのが成功の秘訣です。

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額を送付してください」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

メールで査定額を送付してください

どの不動産一括査定が「机上査定」「メール要望」が可能かの早見表は下記の通りです。

不動産一括査定サイト名 机上査定が対応 メール要望
すまいValue
SUUMO
HOME4U
イエウール × ×
SRE不動産(※旧ソニー不動産) ×

不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

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まずはどこか1-2社の査定依頼でOKという方は、下記の大手2社がオススメです。

評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。

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机上査定と訪問査定の価格差はある?

机上査定と訪問査定の価格差はあります。

しかしながら、あまり価格差の出ない不動産があるのも事実です。

この章では、机上査定と訪問査定で価格差が出る理由や差が出にくい不動産と出やすい不動産について解説します。

机上査定と訪問査定で価格差が出る理由

不動産には、実際に見現地を見ないと分からない部分があります。

Googleのストリートビューの登場により、見に行かなくてもかなりの情報量を机上で得ることが可能になりました。

Googleストリートビューで人形町付近を見た時

ただし、それでも現地に行かないと分からないことは多いです。

ストリートビューはタイムラグもありますし、撮影当時は建物があっても、今は建物が取り壊されているといったことも良くあります。

現地に行かないと分からない内容で、価格に影響を与える要因には、例えば以下のようなものがあります。

訪問査定しないと分からないもの

  • 騒音・振動
  • 臭気
  • 高低差・傾斜度
  • 日照・通風・眺望
  • 高圧線の通過
  • 周辺環境
  • 建物の施行の質
  • 損傷の状態
  • 管理の良否
  • 不法占拠者の有無

騒音や振動の影響は、現地を見ないと分かりません。

前面道路にトラック等の大型車両の交通量が多く、騒音や振動が激しい場合は減価要因となります。

臭気についても現地を見ないと確認できない事項。近くに養鶏場や牛舎がある場合等、汚臭が減価要因になります。

高低差や傾斜度も現地での確認が必要です。特に土地が道路より低い場合は、減価要因となります。

日照や通風、眺望も現地の確認事項。マンションはバルコニーが南側でも、下層階だと日照が悪いことがあり、減価要因となります。

高圧線の通過現地を見ないと確認できない事項。戸建ての敷地の上空に高圧線が通過していると、減価要因となります。

周辺環境も現地での確認が必要。最寄駅から物件までに行くのに、薄暗い雰囲気の悪い道を通らなければならない場合、減価要因となります。

その他、建物の施行の質や損傷の状態、管理の良否、不法占拠者の有無等についても現地を見ないと分からない部分であり、状況によっては価格に反映されることになります。

机上査定と訪問査定で価格差が出にくい不動産

不動産の査定では、机上査定と訪問査定との間にほとんど価格差が出ない不動産もあります。

価格差があまり出ない代表的な不動産は、以下の2つです。

  • 築5年以上のマンション
  • 住宅街にある整形な更地

築5年以上のマンション

「築5年以上のマンション」は、基本的に机上査定と訪問査定との価格差があまり出ません。

マンションは築5年以上になると、同じマンション内で売却の取引事例が蓄積されるため、相場が形成されていきます。

不動産会社は机上査定の段階で、同じマンション内の過去の成約事例を確認することができるため、かなり精緻な価格を指すことが可能。

机上査定の段階で、直近の取引事例単価から、対象物件の面積や階数、バルコニーの向き等を勘案し、若干調整して算出しますので、訪問査定と金額が大きく変わることはありません。

マンションの現地を訪れたとき、あまりにも損傷がひどい場合には、価格が落ちることはあります。

また、机上査定の依頼の段階でリフォーム内容が伝えきれていない場合は、訪問査定によって価格が上がることはあります。

いずれにしても、現地の状況を見ないと分からない要因がそれほど多くない場合は、マンションでは机上査定と訪問査定との間にほとんど価格差が出ないです。

住宅街にある整形な更地

「住宅街にある整形な更地」も机上査定と訪問査定との価格差がでない不動産です。

住宅街は、その住宅街ごとに「坪60万円」のように相場が形成されています。

1区画当たりの大きさも、ほぼ類似していますので、総額も似たり寄ったりになることが多いです。

不動産会社は、机上査定の段階で、坪単価の把握ができます。

整形な土地は、訪問査定でも見るべきポイントがほとんど無いため、訪問査定を行っても価格はほとんど変わらないことが多いです。

机上査定と訪問査定で価格差が出やすいのは不動産

一方で、価格差が出やすい不動産も存在します。

価格差が出やすい不動産には、以下のような不動産があります。

  • 築浅のマンション
  • 個性の強い土地
  • 戸建て

築浅のマンション

「築浅のマンション(ほぼ新築のマンション)」は、同じマンション内に過去の取引事例がないことから、査定が難しくなります。

1度住んでしまうと、新築分譲価格からは1~2割程度下がりますが、その下落幅は物件によってマチマチ。

机上査定と訪問査定との間で差が出るだけでなく、複数の不動産会社に査定を依頼すると、会社間で価格に大きく差が開きます。

差が開く理由としては、不動産会社も正直言うと、いくらか分からないから。

事例がほぼないマンションでは、査定に「直感」が必要であり、その感性が価格に差がついてしまう原因となっています。

個性の強い土地

「個性の強い土地」も机上査定と訪問査定との間で価格差が出やすいです。

個性の強い土とは、具体的には

  • 傾斜がある土地
  • 不整形な土地
  • 広いまたは狭い土地

標準的な区画の整形な土地と比べて個性が強いと差が出ます。

傾斜等も、地図では分かりませんし、現地を見たら意外と大した傾斜でないこともあります。

また、道路からひどく下がっている土地も現地を見ないと分かりません。

個性の強さは現地を見てみないと分からない部分があり、机上査定と訪問査定との間で最大で1割程度の価格差が付くこともあります。

戸建て

「戸建て」は全般的に机上査定と訪問査定との間で価格差が付きやすい不動産です。

戸建てに価格差が付きやすい理由としては、戸建ては土地にも建物にも現地を見ないと分からない個性があるから。

特に建物は、施工の質やグレード感、損傷の状態、管理の良否等によって価格差が付きます。

また、築年数の古い建物でも、耐震診断の結果、耐震強度が新耐震基準を満たしているような建物であれば、それほど価格は落ちません。

加えて、戸建ての場合、土地の個性も影響してきます。

傾斜または高低差のある土地は、訪問査定によって価格が下がることがあります。

このように戸建てには建物と土地の個性によるズレが生じることから、机上査定と訪問査定との間に最大で2割程度の価格差が付くこともあります。

戸建ては結構大きな差がついてしまいますので、机上査定はあまりあてにしない方が良いです。

戸建てを売る場合には、早めに訪問査定を受けて適正な価格を知るようにしてください。

まとめ

机上査定と訪問査定」について解説してきました。

  • 机上査定は売却の決断をするために利用することをオススメ
  • 訪問査定は売却の意思が決まった段階で利用するのが適切

物件によっては価格差が大きく生じることがありますので、机上査定を過信し過ぎず、必ず訪問査定を受けるようにしてください。

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