法人が不動産売却をするときに気にすべき建物価格と消費税

投稿日:2017年6月4日 更新日:

この記事は法人で不動産の売却を担当している人向けに書いた記事となります。

個人は不動産の売却額に対して消費税は発生しませんのでご安心ください。

消費税は不動産の世界においては、とても分かりにくい税制になっています。

普段はあまり意識しない消費税ですが、法人が不動産を売却する際は、この歪んだ税制に頭を悩ます方が多いです。

法人で不動産売却を担当する人の中には、

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
不動産売却と消費税の基本的な関係が知りたい
ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
築古の不動産を売却したが消費税を納め過ぎているような気がする
ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
税込み金額で売却したため、消費税がいくらなのか分からなくて困っている

等々の悩みを抱えている人も多いと思います。

結論からすると、築年数が古い土地建物を売却した場合、土地建物価格の割付方次第では損をしている可能性があります。

対策としては適切な土地と建物の価格を算出する必要があります。

そこで今回の記事では、法人の不動産売却について、特に「消費税」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読めば、不動産売却と消費税について理解し、適切な税金を納めることができますので、ぜひ最後までご覧ください。

HOME4U

>NTTグループが運営!利用者数500万人、2001年から運営で安心の実績!<

1.不動産売却における「消費税」は法人特有の悩み

1-1.消費税は事業者の問題

最初に不動産と消費税の基礎知識について解説します。

消費税の納税義務者は事業者となるため、課税事業者である法人または個人事業主は不動産を売却すると、買主から預り消費税を受け取ることになります。

個人(個人事業主を除く)は事業者ではないため、不動産売却における消費税は発生しません。

1-2.消費税は土地は非課税

ここで、不動産においては、消費税はとても悩ましい問題があります。

消費税は、土地については非課税ですが、建物については課税されるからです。

そのため土地建物総額が5,000万円の物件の消費税は単純に400万円とはなりません。

総額5,000万円のうち、土地価格が3,000万円、建物価格が2,000万円だとしたら、当該物件の消費税は160万円(=2,000万円×8%)となるのです。

不動産と消費税の関係については、下記に詳しく記載していますのでご参照ください。

414view
不動産を売却した時に消費税は何がかかるのか徹底解説

不動産の世界は消費税がかかるものと、かからないものがあり複雑です。不動産の場合、一律に全て8%がかかるとは限りません。 ...

続きを見る

以上、ここまで消費税は法人特有の悩みについて見てきました。

それでは次に建物と土地の基本的な割付方法について見ていきましょう。

2.建物と土地の基本的な割付方法

2-1.後から割り付ける土地建物価格

不動産の売買では、価格交渉も多いため、最終的に売却価格は「総額でいくら」という感じで決まることが多いです。

特に収益物件の取引の場合は、収益を利回りで割って求めた収益価格で取引されることが多いことから、土地建物価格の内訳が分からないことがほとんどです。

逆に言えば、不動産は、土地がいくら、建物がいくらという形で積み上げて取引されるケースの方が稀です。

そのため、土地建物の内訳価格は総額を後から振り分けるということが多いです。

土地建物価格に分ける理由は、もちろん消費税額を計算するためです。

2-2.固定資産税評価額を使う方法

総額を土地建物価格に振り分ける最もオーソドックスな方法としては、土地と建物の固定資産税評価額の割合で割り付けるという方法があります。

例えば、売却した不動産の土地と建物の固定資産税評価額か以下のような価格だったとします。

不動産 固定資産税評価額 割合
土地 3,000万円 60%
建物 2,000万円 40%
土地建物合計 5,000万円 100%

ここで、今回売却した不動産の土地建物総額が8,000万円だったとします。

そうすると、建物価格は上表の建物価格割合を用いて以下のように計算されます。

建物価格 = 実際の売買価格 × 固定資産税の建物評価額割合 = 8,000万円 × 40% = 3,200万円

 

よって、土地建物総額が8,000万円の物件の消費税は以下のようになります。

消費税 = 建物価格 × 消費税率 = 3,200万円 × 8% = 256万円

2-3.認められた一つの方法に過ぎない

ただし、固定資産税評価額を利用して建物価格を求める方法は、「こうしなければならない」という方法ではありません。

あくまでも建物価格を求める一つの方法として認められているに過ぎません。

別の方法で土地建物の時価が把握できるのであれば、その方法を用いても構わないのです。

固定資産税評価額は、どの不動産にも評価額がついていますので、土地建物価格の割付に利用するのが便利というだけです。

この方法だけが正しいわけではありません。

ここまで建物と土地の基本的な割付方法について見てきました。

それでは次に固定資産税評価額についてもう少し深掘していきましょう。

3.固定資産税評価額の特徴

固定資産税評価額は、基本的には固定資産税を徴収するための評価額です。

その他に、不動産取得税や登録免許税を計算するための根拠となる評価額でもあります。

つまり時価ではなく、国が税金を徴収するために設けた税金計算用の価格です。

固定資産税評価額は、土地と建物で以下のような特徴を有します。

3-1.土地評価額の特徴

土地については、おおむね地価公示価格の70%が土地の固定資産税評価額となります。

地価公示価格は、一応、時価相当価格という位置づけですので、土地の固定資産税評価額は時価の70%ということになります。

価格の種類 時価に対する割合
地価公示価格 100%
相続税路線価評価額 80%
固定資産税評価額 70%

つまり、固定資産税評価額が700万円の土地があったとすると、その土地の時価は1,000万円ということになります。

ただし、これはあくまでも建前上の話で合って、1,000万円がピッタリこの土地の時価というわけではありません。

3-2.建物評価額の特徴

一方で、建物の固定資産税評価額は以下のような性質を持ちます。

この関係は主に新築当初の建物評価額に当てはまります。

価格の種類 新築工事に対する割合
建物固定資産税評価額 50~60%

数年前までは新築当初の建物固定資産税評価額は、新築工事代金の約50%程度でしたが、近年評価額が上がってきたため、新築工事費の約55%程度が建物固定資産税評価額に近い水準になってきました。

以上、ここまで固定資産税評価額の特徴について見てきました。

それでは次に固定資産税評価額で割り付けた場合の問題点について見ていきます。

4.固定資産税評価額で割り付けた場合の問題点

4-1.安定税収のためにほとんど変化しない評価額

繰り返しますが、固定資産税評価額は国が税金を徴収するために設けた税金計算用の価格です。

固定資産税は市区町村税ですが、市区町村にとっては大切な税収です。

仮に、もし固定資産税評価額が毎年のように変化してしまうと、税収がとても不安定になってしまいます。

そのため固定資産税評価額は、3年に1度しか評価替えが行われず、しかもほとんど変化することはありません。

4-2.築年数が古いと問題が顕在化する

特に建物については、新築時は請負代金の半額程度になるのですが、その後、築年数が経過してもそこからなかなか下落しないというのが特徴です。

例えば、築25年以上の木造住宅を売買すると、建物価格はゼロとして、土地価格だけで売買されるようなことが良くあります。

この場合、建物の市場価格はゼロになっています。

ところが築25年以上の木造であっても、固定資産税評価額が何百万円か残っていることがほとんどです。

そのため、このような築古の木造住宅を、固定資産税表額を使って土地建物価格に分けると、本来市場価格がゼロである建物に、建物価格が発生してしまいます。

仮に、法人がこのような築25年以上の戸建住宅を売却した場合、固定資産税評価額で土地建物価格の割付を行うと、実態は建物価格がゼロであるにも関わらず、消費税が発生してしまうことになります。

このような現象は、鉄筋コンクリート造や鉄筋造等、構造を問わずして築年数の古い建物に全て発生します。

固定資産税評価額で土地建物価格を割り付ける方法を取ってしまうと、築年数が古い建物の場合は、建物価格が実際の市場価格よりも大きくなってしまうという問題が発生します。

建物価格が大きいと、預り消費税が増えるため、納税する消費税が無駄に増えることになります。

築古物件を売却した場合には、消費税を納め過ぎているということになりかねません。

築古物件で適切な税金を納めるためには、土地建物価格の時価を把握する必要があるのです。

ただし、築浅物件を売却する場合は、建物価格割合が実態よりも小さい確率が高いため、固定資産税評価額で割り付けた方が有利に働く可能性はあります。

このような場合は、堂々と固定資産税評価額を使って土地建物の内訳価格を決めましょう。

以上、ここまで固定資産税評価額で割り付けた場合の問題点について見てきました。

それでは次に適正な建物価格とする対処方法について見ていきます。

5.適正な建物価格とする対処方法

適切な消費税額を納めるためには、売却した不動産の土地建物価格を評価する必要があります。

そのためには、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書や不動産調査書(以下、「鑑定評価書等」という)が必要になります。

鑑定評価書等を取得し、土地建物価格の時価を求め、顧問税理士に鑑定評価書等を出して消費税を計算してもらう必要があります。

査定については、税務署に対策としての資料となるため、これは無料の不動産一括査定サイトの査定では代用できません。

鑑定評価書等は有料となってしまいますが、物件価格が大きければ、節税効果も大きく、鑑定評価を依頼してもペイできます。

93view
不動産鑑定士による有料査定/不動産鑑定や不動産査定書の相場を徹底解説

この記事を読む方は、仕方なく不動産鑑定士による不動産査定を取らなければならない人だと思われます。 そもそも不動産鑑定士と ...

続きを見る

最後に避けるべき税込み価格売却について見ていきます。

6.避けるべき税込み価格売却

法人が不動産を売却する場合は、税込み価格での売却は避けましょう。

税込み価格で売却してしまうと、総額の中に

  1. 土地価格
  2. 建物価格
  3. 建物価格

に対する消費税の3つの変数が含まれてしまいます。

これらの3つの要素を後から割り付けるのは至難の業です。

ただし、残念ながら実際は税込み総額で売却してしまうことは良くあります。

理想としては、売買代金が決まった時点で、至急、鑑定評価書等を取得し、土地と建物の内訳価格を出すことをオススメします。

後から建物価格の割付に困らないためにも、特に築年数の古い不動産を売却した場合には、早めの対応を取るようにしましょう。

8view
法人でもオススメできる!不動産売却の一括査定サイト比較ランキング

「利益は出ているのに経営が苦しい」、「入ってきたお金がすぐに出て行ってしまう」等、毎月の資金繰りに苦労している経営者の方 ...

続きを見る

7.まとめ

以上、法人が不動産売却をするときに気にすべき建物価格と消費税について見てきました。

築古の不動産売却の場合は、土地建物価格を実態に合わせることが、節税に繋がります。

これで損しない!不動産を売るなら不動産一括査定

不動産を高く売るなら「不動産一括査定サービス」をがおすすめ。

不動産一括査定サービスとは?

インターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入力すると、その情報を元に査定先、売却先の不動産会社が自動的に抽出されて、複数の不動産会社に一度に査定依頼が行えるサービスです。
不動産一括査定のイメージ図

不動産一括査定のイメージ図

不動産一括査定サービスと一言でいっても、たくさん存在します。(筆者が知っているだけでも数十のサービスが存在する。)

筆者としては、その中でも複数の不動産会社をきちんと比較できるサービスに厳選。

中でも信頼できる不動産会社」に依頼が行えるオススメサイトを紹介します。

  • HOME4U:運営している会社がNTTグループで不動産会社を厳しくチェック、一括査定で一番の歴史、実績を誇る
  • すまいValue:他の一括査定では依頼できない超大手の不動産会社に査定依頼ができる
  • ソニー不動産:売り手専門のエージェント制を採用している ※ただし、1都3県限定です。

安心のNTTグループ運営、実績・歴史No.1「HOME4U」

HOME4U
  • 安心のNTTグループ運営、個人情報をしっかり管理
  • 2001年から運営と一括査定でNo.1の老舗
  • 累計利用者数:500万人以上で一括査定No.1
  • 入力3分のカンタン一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
  • 提携不動産会社数:約900社

最大手6社の査定相談だから安心「すまいValue」

すまいValue
  • 超大手不動産会社6社のみだから安心!
    ※国内で不動産売買の取引No.1の「三井不動産リアリティネットワーク」No.2の「住友不動産」に唯一依頼ができる一括査定です。
  • 入力3分のカンタン一括査定※筆者実測値
  • 無料、全国対応
    ※人口が少ない都市は未対応
  • 年間の成約件数:10万件の実績

※一部の地方では対応していない可能性があります。その場合は「HOME4U」をオススメします。

【1都3県限定】国内で唯一のエージェント制導入で売り手に特化「ソニー不動産」

ソニー不動産
  • 国内で唯一のエージェント制導入!売り手のみをサポート
    ※ソニー不動産は「両手仲介」といって、買主、売主の双方からお金をもらうことをしていません。
  • 今なら不動産売却の秘訣DVDが無料でもらえる
  • 不動産一括査定ではなく、ソニー不動産1社のみに売却相談

おすすめ記事一覧

1,628view

一生涯でマンションを売却する機会は、ほとんどありません。 おそらくあなたも今回がはじめてのマンション売却ではないでしょう ...

1,012view

マンションや一戸建て、土地などの「不動産を売りたい」と考え始めたとき、多くの人がインターネットで調べます。 そして、いろ ...

607view

不動産売却の準備段階において、売値の目安を決めるため不動産査定を行います。 初めて不動産を売却する人の中には 不動産査定 ...

1,228view

突然ですが、あなたは不動産買取の仕組みをしっかりと理解しているでしょうか。 仕組みといわれると難しい感じがしますが、不動 ...

-不動産売却

Copyright© 不動産売却の教科書 , 2017 All Rights Reserved.