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不動産の売買契約締結後にキャンセルは可能?手続き方法と違約金の相場

記事内に商品プロモーションを含みます。
不動産の売買契約締結後にキャンセルは可能?手続き方法と違約金の相場

最後まで何が起こるか分からない不動産の世界では、「前祝い」は禁物です。 

例えば、売買契約が決まった後、喜んで前祝いをしたところ、引渡しまでの間にキャンセルされてしまうことがあります。

油断しないためにも、前祝いは禁物なのです。 

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 不動産売却のキャンセルってそもそもどうなのか知りたい
  • 売主からキャンセルしたい場合はどうしたら良いのか知りたい
  • 買主からキャンセルを受けた場合はどのようにしたらいいのか知りたい
  • キャンセル料は発生するのか知りたい

そこで今回の記事では家やマンションなどの不動産売却における「キャンセル」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたはマンション売却のおけるキャンセルについて理解できます。

自分がキャンセルしたい場合や、相手からキャンセルを受けた場合等、それぞれ適切な対応を取ることが可能となります。

目次

不動産売却のキャンセル料が「手付金」

不動産の売却は

  1. 売買契約の締結
  2. 物件の引渡し

の2段階で行われます。売買契約から引渡しまでは1ヶ月程度の期間を設けるのが通常です。

この売買契約から引渡しまでの間に、契約をなかったことにしてくれという申出が、「キャンセル」となります。

少し硬い表現をすると、「解除」のことです。

不動産売却は金額も大きく、時間もかかるため、契約の中に売主も買主も双方、キャンセルができる条項を入れてあるのが通常です。 

他のサービスでも、キャンセルする場合はペナルティーとしてキャンセル料が発生することがありますが、不動産の売却では、「手付金」がキャンセル料の役割を担います。

手付金は、何もなければ引渡し時点で売買代金に充当されます。

そのため売買代金の一部と思われがちですが、手付金には解約金・違約金の役割の他、契約の成立を証拠立てる証拠金としての役割等も担っています。

手付金によるキャンセルを手付解除と言います。

そこで次に手付解除について詳しく見ていきます。

手付金の相場は10%~20%

手付金は売買契約締結時、買主から売主へ支払われます。手付金は、通常、売買代金の10~20%程度です。 

通常、買主からキャンセルしたい場合には、手付を放棄することでキャンセルが可能です。

一方で、売主からキャンセルしたい場合は、手付を倍返しすることでキャンセルが可能になります。

売主からのキャンセルが手付の倍返しと聞くと、売主からのキャンセルの方が不利に感じますが、そんなことはありません。 

例えば、マンション価格が1,000万円で手付金が100万円の物件があったとします。

最初に買主が手付金100万円を売主へ支払います。

この段階で買主がキャンセルしたければ100万円を放棄、つまり売主へ支払うことで解除が可能です。

一方で、売主がキャンセルしたければ手付の倍返しなので、200万円を買主に支払うことになります。

しかしながら、この時点では売主は既に100万円を買主から受領していますので、受領した100万円にさらに自腹で100万円を加えれば、200万円となり解除が可能となります。

つまり、買主も売主も、自分の都合でキャンセルをする場合は、自腹で支払うのは同額の100万円ということになります。

そのため売主からのキャンセルである手付倍返しも買主と同じキャンセル料を支払っているということになります。

手付金の相場については下記記事でさらに詳しく説明しています。

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不動産売却の手付金の平均相場はどれぐらい?チェックすべき2つのポイント 不動産の買主が見つかり無事契約。 その後に買主よりキャンセルということは意外に多くあります。 そんな時に登場するのが今回のメインテーマ「手付金」です。 手付金は...

以上、ここまで手付解除について見てきました。

それでは次に気になる手付解除できる期限について見ていきます。

手付解除できる期限と手続き方法

手付による解除は、引渡しの間までにいつまでもできるわけではありません。

手付解除できる期限は「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」に限られます。

売主や買主の一方が、契約の履行に着手していれば、手付解除ができません。

ここで契約の履行とは、例えば以下のようなものが契約の履行に該当します。

当事者 履行の着手に該当するもの
売主 所有権移転登記手続き
分筆登記手続き
買主 中間金の支払
残代金の支払

これらはあくまでも例であり、具体的にどのような行為が履行の着手に該当するかは、個々のケースに応じて判断されます。

手付解除の手続き方法

履行の着手の前であれば、キャンセルは可能となりますが、キャンセルの具体的な手続きは、売主と買主でそれぞれ以下のようになります。

当事者 具体的な手続き
売主 買主に契約解除の意思表示と手付金の倍額を買主宅に持参、
もしくは銀行口座に振り込んで現実に手付の倍額を提供する。
買主 手付放棄による手付解除の意思表示(配達証明付内容証明郵便)を行う。

買主は既に手付金を支払っていますので、意思表示だけで足りますが、売主は意思表示に加えて、現実に手付の倍額を提供しないとキャンセルが成立しない点がポイントとなります。

以上、ここまで手付解除できる期限について見てきました。

それでは次に一般的な手付解除の契約文書をご紹介します。

一般的な手付解除の契約文書

手付解除の条文は以下のようなものが一般的です。

(手付解除)

第○○条 売主は、買主に受領済の手付金の倍額を支払い、また買主は、売主に支払済の手付金を放棄して、それぞれこの契約を解除することができる。

2.前項による解除は、相手方がこの契約の履行に着手したとき、または標記の期日を経過したとき以降は、できないものとする。

1項のポイントは、売主の手付倍返しと買主の手付放棄です。

2項のポイントは、手付解除の期限です。

期限は「契約の履行に着手」だけだと曖昧なため、通常は期日を別途設けキャンセルできる期限を強制的に定めます。

ここでは標記の期日ということで、別途定める形式を取っています。

以上、ここまで手付解除の契約文書について見てきました。

それでは次に手付解除に似たケースとしてローン特約による解除について見ていきます。

ローン特約と手付解除の違い

買主が住宅ローンを組んでマンションを購入する場合には、契約の中に融資利用の特約(ローン条項)を加えることが通常です。

ローン特約は、買主が住宅ローンの審査が通らなかったときに、売買契約がキャンセルとなる特約

ローン特約による解除は、手付金が買主にそのまま返金される点が手付解除と大きく異なる点です。

一般的なローン特約の契約文書

融資利用の特約(ローン特約)の条文は以下のようなものが一般的です。

(融資利用の場合)

第○○条 買主は、この契約締結後すみやかに、融資のために必要な書類を揃え、その申込手続きをしなければならない。

2.標記の融資承認予定日のうち最終の予定日までに、前項の融資の全部または一部について承認を得られないとき、買主は、標記の契約締結解除日まではこの契約を解除することができる。

3.前項によって、この契約が解除された場合、売主は、受領済の金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。

4.本状による解除の場合は、第○○条(手付解除)の規定は適用されないものとする。

以上、ここまでローン特約について見てきました。

最後の気になるキャンセルした場合の仲介手数料の扱いについて触れます。

キャンセルした場合の仲介手数料の扱い

不動産会社への仲介手数料は、通常、契約締結時に50%、引渡し時に50%を支払います。

そのため、契約締結時以降にキャンセルとなると、既に不動産会社へ支払った仲介手数料が取り戻せるかどうかが問題となってきます。

結論からすると、売主や買主の都合でキャンセルとなる

  1. 手付解除と銀行の都合でキャンセルとなる
  2. ローン特約による解除

では対応が異なります。

  • 手付解除:仲介手数料を取り戻せない
  • ローン特約による解除:仲介手数料を取り戻せる

手付解除の場合は、売主や買主のわがままによる解除のため、不動産会社に落ち度はありません。

そのため不動産会社は悪くないため、仲介手数料は取り戻せないということになります。

またローン特約による解除は、売主も買主も不動産会社も悪くないため、元々全て無かったことにします。

そのため仲介手数料も取り戻せますし、手付金もそのまま返還するということになります。

まとめ

不動産売却における売主や買主からのキャンセルの対応を解説してきました。

キャンセルには手付解除とローン特約による解除の2種類があり、それぞれお金の返し方も異なることを知っておきましょう。

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