絶対知っておきたい!住宅ローンが残っている状態で行う不動産投資の2つのリスク

絶対知っておきたい!住宅ローンが残っている状態で行う不動産投資の2つのリスク

家を保有している人は、ほとんどの方が住宅ローンを抱えています。

家を持っている人、つまり住宅ローンを抱えている人が不動産投資できないのかと言えばそんなことはありません。

住宅ローンが残っている状態でも不動産投資を行うことはできます。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 妻が不動産投資を行うことに猛反発している
  • 住宅ローンを抱えながら不動産投資を行う場合の注意点を知りたい
  • 住宅ローンを抱えて不動産投資を行っても大丈夫かどうか知りたい

そこで今回の記事では、「住宅ローンが残っている状態での不動産投資」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは住宅ローンが残った状態での不動産投資について基本的な知識と注意点を知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。

資格不動産鑑定士・中小企業鑑定士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン資格

1.住宅ローンを借りながらの不動産投資

住宅ローンがあっても不動産投資はできる

国の住宅施策も手伝い、住宅ローンは最も借りやすいローンになっています。

家を持っている人は、ほぼ住宅ローンを利用しています。

では家を持っている人が不動産投資ローンを借りて、不動産投資ができないかと言えば、そんなことはありません。

住宅ローンを持っている人が不動産投資をできないとすると、家を持っている人のほとんどが不動産投資はできなくなります。

実際、そんなことはありません。家を持っている人でも不動産投資を行っている人もたくさんいます。

ただし、確かに借金が増えることは確か。

しかも、あえてしなくても良い余計な借金が増えるため、親族の方が反対するのも当然です。

資産を増やすために投資をしたはずなのに、失敗して負債が増えてしまったということもあり得ます。

借り過ぎれば、住宅ローンと不動産投資ローンの二重ローンに苦しむ可能性は十分にあります。

返済原資はそれぞれ別

不動産投資ローンの場合、通常の二重ローンとは少し趣が異なります。

例えば、良くある二重ローンに「住宅ローン+教育ローン」「住宅ローン+車のローン」等があります。

不思議とこれらの二重ローンは平気で行う人たちがいます。

これらの二重ローンは、返済原資はサラリーマンなら給与だけになります。

実はこれらの二重ローンの方が、返済原資が給与の一本しかないのに二重にローンを借りているため、不動産投資ローンと比較するとリスクは大きいです。

不動産投資ローンの返済原資は収益

一方で不動産投資ローンの場合、返済原資はあくまでも投資した不動産から生み出された収益となります。

サラリーマンが一生懸命働いて給与の中から返済するものではありません。

同じ二重ローンであっても、「住宅ローン+教育ローン」「住宅ローン+車のローン」は、一気に返済の重荷が借りた本人に降りかかります。

ところが「住宅ローン+不動産投資ローン」は、本人が一生懸命返済するのは、住宅ローンのみで良いです。本人の負担は不動産投資をする前と変わりません。

考えようによっては、「住宅ローン+不動産投資ローン」の方が他の二重ローンよりも安全と言えます。

ただし、「金額が大きいこと」「投資にはリスクが伴う」と言ったことから、同じ二重ローンでも「住宅ローン+不動産投資ローン」の方が不安が大きいのは事実でしょう。

以上、住宅ローンを借りながらの不動産投資について見てきました。

それでは次に不動産投資ローンと住宅ローンについてもう少し詳しく見ていきましょう。

2.不動産投資ローンと住宅ローンの特徴

住宅ローンの特徴

不動産投資ローンを住宅ローンと同じノリで借りようとすると痛い目に合います。

住宅ローンは国民に住宅の取得を促すという国策の背景もあり、金利も安く、借入期間も長いといた他のローンに見られない借りやすさがあります。

住宅ローンは年収の8倍まで貸してくれます。また返済負担率が40%程度でも審査に通ります。

さらに完済時期が80歳でも認めてくれるため、45歳からでも35年ローンを組むことができます。

おまけに35年の固定金利で1%を切っています。

実際、年収の8倍かつ40%の返済負担率で借りたら生活は破たんします。

また65歳以上でも住宅ローンが残っていたら、返済は相当きついはず。

しかしながら、そんな無理な状況が分かっているにも関わらず銀行はドンドン貸してくれます。

大手企業や公務員の方であれば、本人たちが「それ以上借りたくない」と思っていても住宅ローンをジャブジャブ貸してくれます。

そのため、このような経験をされた方は、銀行はお金をいくらでも貸してくれるだろうと思いがち。

不動産投資ローンは貸し渋られる

不動産投資ローンは住宅ローンのようなノリでは貸してくれません。

不動産投資ローンは、購入する不動産の収益性に加えて、借りる本人の年収や資産状況も加味して決定。

金利も人によって異なり、しかも住宅ローンよりは必ず高いです。

不動産投資ローンの借入可能額

不動産投資ローンは、だいたい年収の10~30倍の金額を借りることが可能

住宅ローンのような団体信用生命保険への加入も必ずしも必須ではありません。

ただし、住宅ローンが残っている場合、借入可能額は住宅ローン残債分だけ減額されます。

本来であれば、2億円借りられる人でも、4千万円の住宅ローン残債が残っている人は、1.6億円までしか借りることができません。

買入可能額については、住宅ローンが残っていると、その分大きな物件に投資ができないため、若干不利に働きます。

不動産投資ローンの金利

金利については、不動産投資ローンは住宅ローンに比べて一般的に1~2%程度高いです。

住宅ローンの金利はどこの銀行で借りるかで決まりますが、不動産投資ローンの金利は同じ銀行でも誰が借りるかで決まります。

不動産投資ローンの金利は、本人の勤務先よりも資産状況が強く影響して変わります。

資産家で他に土地をたくさん持っている場合など、住宅ローン並の金利で借りることが可能。

勤務先が悪くても、資産を持っている人の方が金利は安くなります。

不動産投資ローンの借入可能期間

借入可能期間は個人で不動産投資を行う場合は35年の固定もあります。

また、ほぼ個人のみなされるようなプライベートカンパニーで不動産投資を行う場合も35年は可能。

ただし、一般事業会社が不動産投資を行う場合は、最長でも20年しか借りることはできません。

住宅ローンはその人の年齢で借入可能期間が決まります。

80歳完済まで借りることができますので、45歳の人なら35年ローンが組めますが、50歳の人なら30年ローンになります。

一方で、不動産投資ローンの借入可能期間は、その不動産の残存耐用年数によって変わります。

築浅物件の方が長く、築古物件の方が短くなる傾向にあります。

また木造に比べたら、鉄筋コンクリート造の方が借入可能期間は長いです。

以上、ここまで不動産投資ローンと住宅ローンについて見てきました。

それでは次に不動産投資ローンの効果について見ていきましょう。

3.不動産投資ローンをする2つの効果

住宅ローンが残っていると、不動産投資ローンとの二重ローンは気持ちが悪い部分。

それでも不動産投資においては、あえて借入を行うことに2つの効果が見込めます。

  1. レバレッジ効果
  2. 相続対策効果

レバレッジ効果

最初にレバレッジ効果について説明します。

レバレッジとは「てこ」という意味

少ない力で大きな物を持ち上げる、あの「てこの原理」の「てこ」を指しています。

具体的にレバレッジ効果を見ていきます。

レバレッジ効果の例

まず、Aさんは自己資金1,000万円を持っていたとします。

Aさんが、NOI利回りが5%の不動産に投資を行いました。

  • NOIとはNet Operating Incomeの略で、賃料収入から固定資産税等の諸経費を差し引いた純収益のこと
  • NOI利回りとはNOIを投資額で割ったもの

この場合、1,000万円の投資で5%のNOI利回りがあるとすると、年間のNOIは1,000万円×5%=50万円になります。

つまり、この物件は年間50万円の収益を生み出すことになります。

一方で、同じNOI利回りが5%で3,000万円の物件があったとします。

Aさんは自己資金1,000万円しか持っていないため、この物件を購入するのに2,000万円の借入を行います。

Aさんは2,000万円を金利1%、35年ローンで借りました。

この条件で借りると、月額返済額は56,457円となり、年間返済額は677,484円になります。

ここで投資額が3,000万円のNOI利回りが5%の物件であれば、年間NOIは150万円となります。

ただし、Aさんは2,000万円の借入を行っているため、150万円から677,484円を控除した822,516円が収益となります。

2つの条件を比べて見ましょう。

借入金なしの場合

  • (収益)1,000万円 利回り5% 年間収益=1,000万円×5%=50万円
  • (支出)0円
  • (最終収益)=50万円-0円=50万円

2,000万円の借入金した場合

  • (収益)3,000万円 利回り5% 年間収益=3,000万円×5%=150万円 
  • (支出)ローン返済:677,484円
  • (最終収益)=150万円-677,484円≒82万円

借入金を使わないときよりも32万円増えています。

このことをレバレッジ効果と言います。

「てこの原理」とは、少ない力で大きな物を持ち上げると説明しました。

このケースでは、1,000万円は、本来50万円という小さな力しかなかったのに、借入金という「てこの原理」を利用することで82万円を稼ぐ大きな力を生み出しました。

つまり、同じ1,000万円でも、借入金を使った方がより大きく稼げることになります。

同じお金でも、使い方次第で生み出すお金の額を変えることができるのが、借入金を使ったレバレッジ効果なのです。

相続対策効果

次に、相続対策の効果について説明します。

2017年1月から相続税の基礎控除額が下がった

2017年1月からの相続税法の改正により、基礎控除額が下がったことから相続税の納税対象となる人たちが増えました。

従来、相続税は全体の4%程度の人しか払わなかったのですが、今後は全国的にも8%程度の人が支払いの対象となってきます。

都内においては12%程度の人が相続税の対象になると言われ、10人に1人以上の人が該当する身近な税金になってきました。

相続税には基礎控除額というものがあります。

2017年の改正以降は、相続税の基礎控除額は以下の計算式で計算されるようになりました。

基礎控除額 = 3,000万円 + 法定相続人の数 × 600万円

例えば、法定相続人が奥さん1人、子供1人の合計2人のケースを考えます。

基礎控除額は以下のようになります。

基礎控除額 = 3,000万円 + 2人 × 600万円 = 4,200万円

この場合、土地や株、現金などの資産を合算して4,200万円以上の資産を有している人は、基礎控除額以上に資産を有しているため、基礎控除で控除しきれず相続税の対象となります。

都内の場合、土地建物を保有していて、退職金がある場合などは、相続税評価額の資産が4,200万円以上となる人は多いです。

住宅ローンは相続対策にならない

住宅ローンを抱えていれば負債であるため、マイナスとなるのではないかと思われる方がいますがそれは違います。

住宅ローンは、借入する際、団体信用生命保険に加入していることが通常です。

団体信用生命保険は、ローン債務者である被相続人が死亡した場合、その死亡保険金によって住宅ローンが完済される保険。

保険金の受取人は住宅ローンを貸した銀行になります。

そのため住宅ローンは負債にはならないとして、相続対象資産からマイナスすることはできません。

住宅ローンは負債であっても、相続対策とはならないのです。

不動産投資ローンは借入が増えれば相続税対策になる

一方で、不動産投資ローンは団体信用生命保険が必須ではないため、借入を行うことで資産を減らし相続税対策になります。

しかも、収益物件には土地と建物に相続税評価額を下げる評価減があります。

現金の相続税評価額は、そのまま100%が評価額となります。

基礎控除額以上に資産を有していると、現金がモロに相続税課税資産として加算。

現金を収益物件とすると、土地については貸家建付地評価減、建物については借家権割合による評価減が発生します。

さらに、負債の借入金は現金扱いなので100%の額をプラスの資産から減額してくれます。

現金が不動産に変わっただけでも相続税評価が下がり効果はあります。

さらに借入金が資産を圧縮してくれるため相続税対策にもなるのです。

収益物件による相続対策効果は下記記事に詳しく記載しています。

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このように、不動産投資ではローンを組むことで

  1. レバレッジ効果
  2. 相続対策効果

があるため、借りることに積極的な意味合いがあります。

住宅ローンとの二重ローンで不必要な借入に感じますが、それでも借りることは無意味ではありません。

以上、ここまで不動産投資ローンの効果について見てきました。

それでは次に住宅ローンを併用している場合のリスクについて見ていきましょう。

4.住宅ローンを併用している場合のリスク

NOIは縮小していく

不動産投資ローンはメリットがあるからバンバン借りるべきかと言えば、そんなことはありません。

やはり借入は慎重に行うべきです。

不動産投資の弱い部分は、建物の築年数が古くなると、空室も多くなり総収入も下がること。

同時に築年数が古くなると、修繕費も増え総費用も多くなります。

つまり総収入から総費用を控除したNOIは、新築時が一番大きく、その後縮小していく傾向にあります。

一方で、借入金は元利均等償還で返済していれば一定額であるため、返済額は変わりません。

元利均等償還とは元金と利息を合わせた返済額を一定額とした返済方法

住宅ローンの場合、本人の頑張り次第では、出世して給料が上がることが想定されます。

先に行けば行くほど、収入が増え、返済が楽になっていくというのが住宅ローンの返済モデルです。

不動産投資ローンの場合はその逆です。

築年数が経てばたつほどNOIが減少していき、返済が厳しくなっていきます。

売却で返済しきれない場合のリスク

不動産投資ローンの返済が厳しくなると、収益物件を売却することになります。

売却で不動産投資ローンを返済できれば良いですが、不動産投資ローンが返済しきれないと、売却後、住宅ローンと合わせて返済することになります。

物件売却後は、住宅ローンと不動産投資ローンの返済原資が、本人の給与の1本のみになります。このような状態になってしまうと、とても苦しくなります。

住宅ローンの返済もままならなくなり、自己破産にも繋がりかねません。

不動産投資ローンは教育ローンや車のローンと異なり、額が大きいです。

そのためパニックになり冷静さを失い、消費者金融でお金を借りてローンを返済しようとする人も出てきます。

ローンを金利の高い消費者金融のローンで返済しようとするのは、絶対にやってはいけません。

このように苦しい状態になると、多重債務者になる方がいますが、そうなる前に、金融機関や親族に相談することが必要です。

投資用マンションの売却に関しては、下記記事に詳しく解説しています。

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以上、ここまで住宅ローンを併用している場合のリスクについて見てきました。

それでは次に重要なのは借入金割合について見ていきましょう。

5.重要なのは借入金割合

自己資金5:借入金5の割合がベスト

住宅ローンとの二重ローン地獄に陥らないためには、やはり借入金は少なくするというのが鉄則

リーマンショックの後、一時期、銀行が非常に不動産融資に関して厳しい時代がありました。

その時は一流企業が行う優良物件に対する不動産投資にも、投資額の50%までしか融資をしない時期がしばらく続きました。

最悪の事態を想定すれば、自己資金はやはり50%程度あった方が無難です。

一般的に不動産投資においては自己資金を30%程度用意し、70%を借入で賄うのが標準的と言われています。

ただし、この3:7の割合は、あくまでも他にローンを抱えていないという前提があります。

住宅ローンを抱えている場合は、万が一の二重ローンの発生リスクを避けるため、自己資金と借入金の割合を5:5程度にしておくことが望ましいです。

リーマンショック後の銀行の融資姿勢は、過去10年間の間で最も厳しい指標です。

そのようなときでも、銀行は50%程度の貸出であれば回収できると見込んでいたわけです。

つまり銀行側も50%程度の融資であれば、売却時に回収できると踏んでいたことになります。

これは万が一の売却でも不動産投資ローンが完済できる水準が50%程度であると言うことにもなります。

不動産投資は30年近くにわたる息の長い事業であるため、10年程度のスパンでリスクを捉えておくことが重要です。

多額の融資を受けるのは危険

リーマンショック以前は、ここ数年見られるような銀行の融資姿勢が甘い時代が数年間、続いていました。

借入金割合も第二抵当権者も含めると80~90%近く融資するのが当たり前。

このように高い割合で融資を受けた不動産投資は、リーマンショックによって一気にバタバタ破産していったのを覚えています。

特に、今後はオリンピック後急速に景気が落ち込む可能性が懸念されています。

今、多額の借入割合で融資を受けるのはとても危険です。

本当に賢いのは、今は現金を貯めてオリンピック後の物件価格が下がったときに、高利回り物件をかっさらうのがベスト。

リーマンショック後にも、不思議とそのような賢い投資家が登場し、優良物件を次々にかっさらっていきました。

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6.まとめ

住宅ローンが残っている状態で行う不動産投資の注意点について解説してきました。

不動産投資ではローンを組むこと自体に意義がありますが、住宅ローンを抱えている場合は、万が一に備えて借入金割合を抑えておくことが必要です。

長期的な視点に立って、欲張らずに借入金を抑えた形で投資を始めましょう。

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