投資用マンション売却時の修繕費用の目安と高く売るタイミングを解説

投資用マンション売却の修繕について

これから投資用マンションを売却しようとしている人の中には、修繕してから売却すべきか迷っている方もいらっしゃると思います。

修繕をせず、明らかに寿命を超えているような設備は目立つマンションは評価が低くなってしまいますので、しっかりとポイントを抑えておきましょう。

ただし、修繕しなくても高く売るコツはありますので、そのコツを知った上で修繕の判断をしても遅くはありません。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 室内設備の寿命と交換費用の目安を知りたい
  • 修繕とマンションが高く売却できるタイミングを知りたい
  • 修繕せずに高く売却するコツを知りたい

そこで今回の記事では「投資用マンション売却の修繕」について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター・中小企業診断士

室内設備の寿命と交換費用の目安

最初に室内設備の寿命と交換費用の目安について解説します。

設備寿命交換費用
給湯器10年~12年10万円~15万円
エアコン10年~15年3万円~6万円程度
温水洗浄便座7年~10年2万円~4万円程度
キッチン10年~15年50万円~150万円
バス20年程度100万円~150万円
洗面化粧台20年~25年程度10万円~50万円
トイレ30年程度10万円~50万円

投資マンションが区分所有の場合、所有者が自由に修繕できる箇所は専有部のみになります。

尚、専有部分においては、原状回復の修繕費用の負担者は以下のようになります。

負担者原因
借主・借主の故意・過失
・借主の善管注意義務違反
・借主のその他通常の使用を超えるような使用
貸主・経年劣化
・自然損耗

設備の寿命については、「経年劣化」または「自然損耗」に該当するため、所有者(貸主)が負担します。

それに対して、借主が故意・過失で壊した場合には、借主自身で修繕することになります。

屋根や外壁、雨樋、ベランダ、階段、廊下、エレベーターといった共用部分については、マンションの管理組合が大規模修繕によって計画的に修繕を行うことになります。

室内設備の寿命と交換費用の目安について見てきましたが、次に投資用マンションの価格の決まり方についてお伝えします。

投資用マンションの価格の決まり方

この章では投資用マンションの価格の決まり方について解説します。

投資用マンションの価格は、収益還元法と呼ばれる手法によって価格(収益価格)が決まります。

収益還元法とは、純収益を利回りで割って価格を求める方法のこと

収益価格 = 純収益(NOI) ÷ 利回り(NOI利回り)

純収益はNOI(Net Operating Income:エヌオーアイと呼ばれる)を用います。

分母の利回りは、NOIの価格に対する利回りですので、NOI利回りと呼ばれます。

NOIは、年間賃料収入から年間費用を引いて求めたものとなります。

NOI = 年間賃料収入 - 年間費用

年間賃料収入から控除する年間費用の項目は、以下のようなものが対象です。

NOIの費用項目

  • 土地の固定資産税および都市計画税
  • 建物の固定資産税および都市計画税
  • 建物の損害保険料
  • 管理委託料
  • 入居者募集費用(仲介手数料や広告費のこと)
  • 修繕費

NOIの費用項目の中には、「借入金の元本返済額」や「減価償却費」を含まないことがポイントです。

イメージとしては、自己資金100%で投資をした場合の「手残り」がNOIということになります。

ここで、NOIの費用項目の中で注目したいのが「入居者募集費用」と「修繕費」になります。

「入居者募集費用」と「修繕費」以外の費用は変動しない固定費になります。

それに対して「入居者募集費用」と「修繕費」ついては、発生する場合と発生しない場合があり、変動費となります。

例えば、年中空室が生じるような物件だと、仲介手数料や広告費といった入居者募集費用が高くなればNOIが小さくなるため、結果的に収益価格が低くなります。

修繕費についても同様で、修繕費が頻発するような物件はNOIが小さくなるため、収益価格が低くなります。

「入居者募集費用」や「修繕費」に関しては築年数が古い物件ほど多くなり、よって、築年数の古い物件はNOIが小さくなるため、収益価格も低くなるのです。

ただし、築年数の古い物件であっても、しっかりと売却前に修繕をしておけば、しばらくの間は修繕費の発生を抑えることができます。

また、修繕がしっかりと行われているような物件であれば、入居者も募集しやすく、退去も少なくなるため、入居者募集費用も自然と削減されていきます。

そのため、売主側でしっかりと修繕している物件は、投資家にNOIを高く見積もってもらうことができるため、売却価格も高くなるのです。

これまで投資用マンションの価格の決まり方について見てきましたが、次に修繕において投資用マンションが高く売却できるタイミングについてお伝えします。

修繕において投資用マンションが高く売却できるタイミング

修繕において投資用マンションが高く売却できるタイミングは以下の通りです。

修繕において投資用マンションが高く売却できるタイミング

設備交換後

投資用マンションを高く売却するのであれば、エアコンや給湯等の設備交換後です。

もし、空室状態で売却を検討中なら、古くなった設備の交換を検討してみても良いでしょう。

直近にしっかりと設備が交換されている物件であれば、買主も購入後に修繕費の発生を心配する必要がなく、NOIを高く見積もることができるため、売却価格も高くなります。

また、投資家は修繕履歴を気にしますので、定期的な修繕が行われている物件は投資家に人気があり、購入したがる人が増え、買主間で競合が生じることから、希望価格で早く売却できるようにもなります。

修繕履歴はA4の1枚程度の簡単な資料で構わないので、「いつ、どのような修繕を行ったか」をまとめておくことがポイントです。

修繕履歴は査定時に見せると大きなアピール材料となることから、修繕を行っている方は査定前に修繕履歴を作ってくことをオススメします。

バリューアップ工事後

単純な設備交換だけでなく、バリューアップ工事後も高く売れるタイミングとなります。

バリューアップ工事とは、日本語では「価値向上」を意味し、マンションの資産価値の向上を図り、賃貸物件なら収益性を高めるために行われる工事のこと

区分マンションの場合、オーナーは専有部のみしか修繕ができませんので、バリューアップ工事は専有部でできる内容に限られています。

専有部でできる主なバリューアップ工事を示すと以下のとおりです。

専有部でできるバリューアップ工事

  • バリアフリー化
  • 和室を洋室に変更
  • デザイン性の高いキッチンの導入
  • 自然素材を使ったフローリングへの変更

バリューアップ工事は必ずしも直近の工事だけが価格にプラスに反映されるわけではありません。

過去5年くらいのうちに行っているものであれば十分にアピール材料となりますので、査定時にしっかりと不動産会社に伝えるようにしましょう。

もし、空室状態で売却を検討中なら、販売戦略に合わせてバリューアップ工事を検討してみても良いでしょう。

大規模修繕実施後

投資用マンション売却のタイミングとしては、大規模修繕実施後も高く売れます。

区分マンションの場合、共用部の修繕は管理組合が行いますが、一棟マンションやアパートの場合には所有者が自ら行うことが必要です。

たまにインターネット上の記事や口コミ等で「大規模修繕前に売った方が良い」という情報を見かけることがありますが、売るなら大規模修繕実施「後」の方が良いです。

大規模修繕はマンションの共用部のリフォームのようなものに該当します。

専有部はリフォームしたら高く売れるのに、共用部をリフォームすると安くなるということはありません。

共用部であっても大規模修繕が行われたら価値が上がりますので、高く売るなら大規模修繕実施後に売るべきです。

マンションでは、セキュリティーに関連するバリューアップは大規模修繕によって行われます。

例えば、「集合玄関と連動したカラーモニター付きインターホンの設置」や「玄関扉のディンプルキー化」等のセキュリティー強化は大規模修繕で行われます。

「カラーモニター付きインターホン」の設置のような大規模修繕は当然に専有部の価値を上げますし、不動産会社や買主に対しても十分なアピール材料となります。

また、外壁塗装もマンションの印象をかなり良くしますので、外壁塗装後も売却しやすくなるタイミングです。

マンション内で大規模修繕が行われる予定があれば、大規模修繕を待ってから売却するのも選択の一つになります。

修繕積立金増額前

修繕積立金が増額されるようであれば、修繕積立金増額前に売ることがオススメです。

保有後のランニングコストが高くなってしまえば、マンションの価値が落ちてしまいます。

修繕積立金は必ずしも増額されるものではありませんが、マンションによっては5年に1度くらいのペースで増額されることがあります。

大規模修繕も5年に1度くらいのペースで行われることが多いので、確かに大規模修繕と修繕積立金の増額はタイミングが一致してしまうこともあります。

そのため、ちょうど大規模修繕と修繕積立金の増額が重なるようであれば、増額前に売却してしまうのも一つの判断です。

修繕積立金に関しては、いきなり増額されるものではありません。

管理組合で意思決定されていきますので、理事会等の議事録を見ておくと増額の額や大規模修繕の内容を事前に把握することができます。

売却のタイミングは、管理組合の議事録等も参考にしながら決めるのが良いでしょう。

次に投資用マンションを高く売却するための不動産会社の探し方について見ていきましょう。

修繕については自分で判断せずにプロに相談を

これまでに説明してきましたが、築15年以内の比較的新しい物件は一旦、修繕は考えなくて問題ありません。

しかし、古い投資用マンションだった場合、対応の有無は素人では迷ってしまいます。

投資などの収益物件の売却は、不動産会社に査定してもらうところからスタートします。

収益物件の主な買主は投資家です。投資家は、通常、収益物件をメインで扱うよう不動産会社で物件を探しています。

逆に言うと、売却の際も、そのような多くの投資家を抱えている不動産会社に頼むのが効率的です。

不動産仲介会社によって得意不得意がある

気をつけなければいけないのは、査定額はあくまで、不動産会社がいくらで売れそうなのかを判断した価格です。

不動産会社ごとに、実績や算出方法が異なるので、不動産会社によって査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

収益物件は、賃料収入など収益性も加味しながら査定をするため、なおさら不動産会社の力量で査定額にバラつきが出てきます。

なので、査定は複数の不動産会社に依頼して、比較検討することがとても大切です。

査定額を比較するのが大切

しかし、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのはとても大変です。

そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。

不動産一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

不動産一括査定の仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

不動産一括査定の流れ

売却することは決まっておらず、現在の市場価格を確認してみたいという方でも活用出来るので、定期的にチェックしてみるのも良いでしょう。

便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。

多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。

実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つを組み合わせて利用することをオススメします。

収益物件に強いに強い不動産会社の探し方

上記オススメサイトの査定依頼フォームでは、「物件の状態」と「賃料」を問う項目があります。(※下記、すまいValueのフォーム画面)

「すまいvalue」入力画面

人に貸している収益物件の場合は「賃貸中」にチェックの上、現在の賃料を入力しておきましょう。

収益物件の査定は賃料が大きく関わってきますので、入力しておいた方が正確な査定結果を得ることができます。

不動産一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

参考【2023年最新】不動産一括査定サイトの人気おすすめランキング!16サイトを徹底比較

まずはどこか1社の査定依頼でOKという方は、「三井のリハウス」がオススメです。

三井のリハウスは仲介取扱件数 第1位であり、多くの買主情報を持っており、投資家もたくさん抱えています。

評判がいい不動産仲介会社のおすすめランキングについては下記記事をご確認ください。

参考【2023年決定版】不動産仲介ランキングTOP36!評判のいいオススメ会社は大手なの?

まとめ

投資用マンション売却の修繕について解説してきました。

区分マンションオーナーが修繕できる範囲は専有部内になり、室内設備に関しては、10年~15年程度で交換するものが多いです。

投資用マンションは、修繕費の支出が抑えられるような物件は価格が上がり、売却検討しているなら「設備交換後」「バリューアップ工事後」「大規模修繕実施後」は高く売却できるタイミングです。

必ずしも修繕しなければ高く売れないわけではないので、まずは不動産一括査定サイトを使って投資用マンション売却に強い不動産会社に相談することをオススメします。

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この記事を書いた人

石川 貴裕

不動産鑑定士監修

名古屋のIT企業に従事しながら、親族の不動産仲介会社にて不動産売買の実務を経験。マンションを3棟、太陽光発電を1基所有。新築の戸建て(マイホーム)も2回経験していることから、失敗しない家づくりもサポートしています。

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