土地活用で知っておきたい定期借地・普通借地の基礎知識を徹底解説

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1992年に定期借地が制定されて以降、土地活用の中にも借地事業の選択が重要な位置づけを占めるようになってきました。

いざ借地事業を検討しようとすると、基礎知識がなくよく分からないという方も多いと思います。

土地活用を検討しようとしている人の中には、

  • 借地の基本的なことを知りたい
  • 定期借地と普通借地の違いを知りたい
  • 事業用定期借地がなぜ人気なのかを知りたい

等々のことを思っている方も多いのではないのでしょうか。

そこで今回の記事では「定期借地と普通借地」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは定期借地と普通借地の違いを理解できるようになります。

ぜひ最後までご覧ください。

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1.定期借地にも3つある

1-1.3つの定期借地権

定期借地権とは、借地期間の終了時に確定的に借地関係が終了し、更新がない借地の契約になります。

借地期間の終了時点で、土地が確実に地主の元に戻ってくるという特徴があります。

定期借地には「一般定期借地権」と「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」の3種類があります。

それぞれの特徴を下表にまとめます。

借地の種類存続期間利用目的契約書式借地関係の終了
一般定期借地権50年以上限定なし公正証書等の書面により契約期間満了により終了
建物譲渡特約付借地権30年以上限定なし書面化は不要建物譲渡の時点で終了
事業用定期借地権10年以上30年未満事業用建物 (居住用は不可)必ず公正証書で契約する期間満了により終了
30年以上50年未満

契約更新、終了時の建物とその利用関係等については以下の通りです。  

借地の種類存続期間契約更新、終了時の建物とその利用関係等
一般定期借地権50年以上以下の特約が可能
①更新しない
②建物再築に伴う相続期間の延長をしない
③建物買取請求権を行使しない
建物譲渡特約付借地権30年以上①建物所有権は、譲渡により土地所有者に移転
②借地権者が使用していれば借家関係に移行
事業用定期借地権10年以上30年未満①更新不可
②建物再築に伴う存続期間の延長不可
③建物買取請求は不可
30年以上50年未満以下の特約が可能
①更新しない
②建物再築に伴う相続期間の延長をしない
③建物買取請求権を行使しない

1-2.借地ごとの用途

上表の特徴を踏まえ、各定期借地権では以下のような利用用途があります。

借地の種類利用用途
一般定期借地権マンション
建物譲渡特約付借地権倉庫・工場
事業用定期借地権コンビニ、スーパー、家電量販店、ホームセンター、ドラッグストア、ロードサイド型飲食店舗

尚、建物譲渡特約付借地権は、借地期間終了後、古い建物を地主が買い取るということから、地主にとってメリットがなく、あまり活用されていません。

地主にとって土地活用は、利用用途が広く、かつ、期間も比較的短い事業用定期借地権が人気があります。

1-3.地代相場

定期借地の地代は、「相当地代」と呼ばれる地代が一般的です。

相当地代とは、地代の定価みたいなものです。

相当地代とは、年額で更地価格の6%が基準となります。

ここで更地価格とは何かという問題がありますが、実務的には相続税路線価に基づいた価格を用いることが多いです。

一応、国税庁のスタンスとしては、更地価格を時価としていますが、時価をわざわざ求めるのは面倒であることに加え、路線価の価格は時価の80%と安く、借手にとっても受け入れやすいことから、「更地価格イコール路線価評価額」とすることが多いです。

路線価の評価額が、60千円/㎡、土地の面積が5,000㎡の場合、更地価格は60千円/㎡×5,000㎡=300,000千円となります。

年間地代は30,000千円×6%=18,000千円という計算になります。

費用は土地の固定資産税及び都市計画税しか発生しません。

何も投資をせず、かつ、修繕費も発生しない、借入金の返済もないことを考慮すると、土地活用として良い選択肢と言えます。

事業用定期借地権の提案があると、受け入れる地主はとても多いです。

1-4.一時金

定期借地では、設定時に保証金・敷金を借主から受領するケースが多いです。

保証金や敷金は、契約終了時に借主へ返還する預り金的性格を有する一時金です。

保証金や敷金の性質としては、アパートの賃貸借と基本的には同じです。地代の不払いがあれば敷金から充当されます。

ところが、定期借地権の場合、預り金については注意点があります。

定期借地事業は、事業期間が30年等に及ぶため借地期間中に相続が発生する可能性があります。

すると、親は借手から敷金を預かっていたとしても、子供が敷金を預かっておらず、子供に敷金を返還できるほどの資金がないという可能性が生じます。

近年は、事業用定期借地事業が一巡してきていることから、借地の終了時点でこのようなトラブルが散見されています。

親が預り敷金を多くもらい過ぎた状態で亡くなり、子供にお金がなく敷金を返せないというトラブルです。

そのため、個人が定期借地事業を行う場合、将来、誰が敷金を返すのかということを念頭に置いて敷金を預かる必要があります。

事業用定期借地の場合、基本的にほとんどリスクはありませんが、唯一考えられるのが、借地権者の「夜逃げ」です。

夜逃げされてしまい、地主が借地人の建物を自腹で取壊しをしなければならないことが想定されます。

そこで、過去の事例として、敷金に取壊し相当額を要求する地主がいましたが、これが高過ぎる預り敷金の原因となっていました。

取壊し相当額を預かってしまうと、高額過ぎて子供は返還できません。

夜逃げというレアケースをリスクとして高額の敷金を預かり、後々トラブルになるのであれば、敷金はぐっと下げて預かった方が良いでしょう。

以上、ここまで定期借地権について見てきました。定期借地権以外の借地権を普通借地と言います。

次に普通借地について見ていきます。

2.普通借地とは「契約期間満了時」で更新する

2-1.特徴

普通借地権は、契約期間満了時で更新があります。

更新拒絶には、地主側に正当事由(その土地をどうしても必要とする強い理由)が必要となりますが、基本的には更新拒絶は難しいのが実態です。

普通借地では、借地借家法で借りる側の権利が強く守られており、地主がかなり劣弱な立場にあります。

普通借地で一度土地を貸してしまうと、二度と返ってこないと言っても過言ではありません。

普通借地は、あまりにも地主の立場が弱いため、これから行う土地活用の選択肢としては「あり得ない」と理解しておいて問題ないでしょう。

2-2.地代相場

普通借地の地代は非常に低廉です。

一般的に、普通借地の地代は土地の固定資産税額の3倍程度です。

土地の固定資産税が、年間30万円の場合、90万円程度が地代になります。

郊外の土地では固定資産税が非常に安いため、定期借地権の相当地代とは地代収入に大きな開きが生じてしまいます。

普通借地は、地代が低いため、仮に売却しても価格が非常に安くなってしまうという特徴があります。

ところが、普通借地が設定されている土地(底地)は、相続税評価上、機械的に高く評価されてしまうため、相続時点で実際の価値よりも高い価格で評価され、課税されてしまいます。

普通借地の底地は相続前に売却して現金に換えた方が、相続対策になるというイレギュラーな資産です。

底地を保有しているようであれば、早めに売却するようにしてください。

底地の売却については下記に詳しく記載しています。ぜひご参照ください。

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2-3.一時金

普通借地は地代があまりにも低いことから、通常時に収益性がほとんどありません。

そのため、普通借地では土地に対して何かの変化があった場合、地主が様々な一時金を借主へ要求するという商習慣が存在しています。

まず、普通借地は設定するときに権利金を支払います。

普通借地は貸すと言っても、ほぼ売却することと同じであるため、借地権相当額を権利金として支払います。

権利金はアパート等でいう礼金に相当し、返還する必要のない一時金です。

借地権価格(権利金)は、国税庁の相続税路線価で定められている借地権割合を用いることが多いです。

例えば借地権割合が60%と定められているような土地であれば、「土地価格×60%」が借地権価格、つまり権利金相当額になります。

また、借地では借地権付き建物を譲渡するときに「譲渡承諾料」が発生します。

借地上の建物を建替えや増改築をするときは、「建替え承諾料」もしくは「増改築承諾料」が発生します。

また借地上の建物を木造(非堅固建物)から鉄筋コンクリート造(堅固建物)へ変えるような場合、「借地権条件変更承諾料」が発生します。

更新時には「更新料」が発生します。

普通借地の一時金の相場は以下の通りです。

承諾料等相場備考
権利金借地権価格更地価格×借地権割合
譲渡承諾料借地権価格の10%レンジは8~14%程度
建替えもしくは増改築承諾料更地価格の3%レンジは1~8%程度
借地条件変更承諾料更地価格の10%レンジは7~15%程度
更新料年間地代の10倍レンジは5~20倍程度

尚、これらの一時金は定期借地権には存在しません。

定期借地権では権利金もないケースが多いです。

逆に、普通借地では保証金・敷金がないケースが多いです。

3.まとめ

以上、土地活用で知っておきたい定期借地・普通借地の基礎知識を徹底解説してきました。

借地の中でも事業用定期借地は特に有効な土地活用方法の一つです。

土地活用の選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。

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